SUPER GT 2019 Round.7 - イベント・レースレポート

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SUPER GT 2019 Round.7

2019年9月24日

SUPER GT第7戦、レインコンディションを味方にしたCRAFTSPORTS MOTUL GT-Rが初勝利!


9月22日、宮城・スポーツランドSUGOにおいて2019年SUPER GT第7戦の決勝レースが行われ、予選5番手からスタートを切ったNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/フレデリック・マコヴィッキ組)が、不安定な雨のコンディションをしっかりと味方につけ、快走。最終的に後続に20秒近い大差をつけてトップチェッカー。待望のシーズン初勝利を果たしている。
 

大型で強い勢力を持つ17号が日本列島に接近したレースウィーク。その影響を受けて東北地方は不安定な気圧に見舞われ、午後から雨模様になると言われていた。しかしながら、決勝の朝を迎えたSUGO近辺は時折日が差すなど天候が回復したかに思われるほど。だがしかし、午後2時のスタートを前にして雨が降り始め、決戦直前のダミーグリッド上では、どのタイヤを装着すべきか各チームが最後の最後までその判断に悩む姿も見られた。
 

そんな中、レースはセーフティカースタートが決まり、ポールポジションスタートのNo.17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット組)はドライタイヤを選択。逆に2番手以降は硬めのウエットタイヤを装着しており、これが早い段階で明暗を分けることになった。結果的にドライタイヤで周回を重ねることは極めて難しく、17号車は8周終わりで早々にピットイン。ウエットタイヤへ交換し、追い上げを始めた。このタイミングでトップに立ったのは予選2位のNo. 1 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/ジェンソン・バトン組)。背後に迫るNo.37 KeePer TOM’S LC500(平川 亮/ニック・キャシディ組)と緊迫の大接近戦を展開しながらギャップを作り上げていた。だが、2番手の37号車はライバル勢よりもかなり早いタイミングでルーティンのピットインを敢行。ライバル達とタイミングを外すことでラップタイムを稼ごうとした。ウエットタイヤでスタートしたクルマの中には、ルーティンのピットインでタイヤ交換をしなかったところもあったが、最終的な結果から言えば、無交換で最高位に入ったのは37号車の4位だったことを考えると、今回は的確なタイミングでタイヤ交換を行ったほうに分があったようにも思われる。しかしその一方で、タイヤ交換をしたものの一向にタイムアップできず、大きくポジションを落としたクルマも多数見られた。
 

ピット作業でタイヤを交換せずコース復帰した37号車。”時短作戦”が奏功し、着実にポジションアップを果たすと、37号車より9周遅れでピットインした1号車に対し、そのわずか2周後に逆転を果たして事実上のトップを奪取する。あっという間に逃げ切り態勢へと持ち込んだ37号車だったが、その直後、コースアウトした車両救出のため、コースインしたセーフティカーによって、シナリオが崩れてしまう。大量に築いたマージンは水泡に帰すと、その背後からはまたたく間に差を詰めてきたNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rが急接近。54周目の1コーナーであっさりと逆転を許すことになった。その後、立て続けに後続車からの猛追に苦しんだ37号車は、4番手までポジションダウン。ルーティンでタイヤ交換を済ませたライバル達に対し、敢えてタイヤ無交換を選択したことによる結果だった。トップに立った3号車はその後も安定した速さで周回を重ね、2位に大差を着けてチェッカー。今シーズンから新たに3号車のステアリングを握ることになった2選手にとっても待望のシーズン初勝利になった。さらに、日産勢として待望の今シーズン初優勝を達成している。2位に続いたNo.64 Modulo Epson NSX-GT(ナレイン・カーティケヤン/牧野任祐組)は、今季チームベストとなる予選6番手から着実にポジションアップ。雨量と路面コンディションに見合ったタイヤ選択が追い風となり、今季チーム最高位の好成績を獲得した。3位はNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)。予選は惜しくもQ1敗退という苦い結果だっただけに、”試合巧者”の戦いを披露した。
 

GT300クラスも見事な逆転勝利の展開となった。セーフティカーランからのスタートとなった今回、GT300クラスポールのNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組)がドライタイヤを選択、だが降り続く雨に文字通り足元をすくわれ、大きく後退。この他、上位陣でドライタイヤスタートだった車両もポジションを落とすことになった。
 

その中からトップを奪取したのが、予選2位のNo.55 ARTA NSX GT3(高木真一/福住仁嶺組)。その後方では激しいポジション争いを繰り広げていたが、さらに後方にいたNo. 4 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也組)が降り続ける雨をものともせず、激しい追い上げを披露。予選6番手から序盤の時点で2番手までポジションを引き上げた。その後も4号車は懸命にトップ55号車を追ったが、ハイペースで周回する55号車はひとり旅へ。惜しくも4号車は優勝こそ逃したものの、タイトル争いではクラス3番手に浮上。最終戦での逆転に賭けることとなった。3位にはNo.96 K-tunes RC F GT3(新田守男/阪口晴南組)が続き、トップとは大差のチェッカーながら、予選18番手から見事なポジションアップを果たしている。
 

・第7戦スポーツランドSUGO 決勝結果 各クラストップ3
GT500
1.No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/フレデリック・マコヴィッキ組)2:07’41.498 81Laps
2.No.64 Modulo Epson NSX-GT(ナレイン・カーティケヤン/牧野任祐組)+19.873
3.No.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)+26.710
 

GT300
1.No.55 ARTA NSX GT3(高木真一/福住仁嶺組)2:08’11.525 78Laps
2.No. 4 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也組)+15.162
3.No.96 K-tunes RC F GT3(新田守男/阪口晴南組)+56.566
 

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2019年9月23日

SUPER GT第7戦SUGO、No.17 KEIHIN NSX-GT が2戦連続ポール!


いよいよ、今シーズンの戦いも大詰めを迎えたSUPER GT。その第7戦は宮城・スポーツランドSUGOでの一戦となる。予選日を迎えたサーキットは朝から薄曇りの一日となり、気温がさほど上がらないコンディションとなった。その中で、安定した速さを見せたのが、No.17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット組)。前回のオートポリス戦に続き、連続でポールポジションを獲得する躍進を見せている。
 

第6戦開催からわずか2週間。九州から東北へと戦いの舞台を移したSUPER GT。今大会からウェイトハンデも前戦までの半分に軽減され、若干”足かせ”がラクになったチームもあるが、シリーズタイトルを考慮すると着実な戦いをすることが求められる一戦でもある。一方で、ここまで苦戦しつづけてきたチームにとっては優勝を意識した一攫千金の戦いにもなる。それだけに、公式練習から各チームとも午後の予選を強く意識したセットアップなど作業が綿密に行われていたようだ。なお、午前中のセッションでは、気温が16〜20度、路面温度が21〜24度で推移。ドライタイヤを着実に発動させるためのセットアップを追求するチームも多かった。
 

迎えた午後のノックアウト予選。引き続き、薄曇りのコンディションの中、やはり気温、路面温度とも午前と大差なく、タイヤの熱入れに時間を要すると見た各車は。いつも以上に早いタイミングでコースイン、アタックを開始した。Q1こそ、No.36 au TOM’S LC500(中嶋一貴/関口雄飛組)がトップにつけたが、Q2に入ると各車格段にタイムアップ。その中から頭一つ飛び抜けたタイムをマークしたのが、17号車の塚越だった。ひと足先にNo. 1 RAYBRIG NSX-GTの山本が1分10秒151をマーク、レコードタイムの更新を果たしたが、塚越はこれを上回る1分09秒676を叩き出し、トップに君臨。2戦連続でポールシッターの座についた。そして、2番手の1号車に続いたのは、Q1から安定した速さを見せた36号車となっている。
 

決勝日は雨になると言われているだけに、前回のオートポリス戦同様、雨のタイミングやセーフティカーのコースインなど様々な”波乱”が待ち受ける可能性も高い。荒れた展開になるのか、はたまた混戦模様となるのか。いずれにせよ、筋書きのないドラマにはなりそうだ。
 

GT300クラスもまた予選からひと波乱あった。朝のセッションで好調だったのは、No.96 K-tunes RC F GT3(新田守男/阪口晴南組)。しかし、午後の予選Q1でまさかの失速。適切なタイヤ選択ができなかったのか、結果を残せずに終わった。代わって速さを見せたのが、No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組)。GT500同様、こちらもコースレコードを更新し、クラスポールを獲得。アタック担当の山内にとっては、通算3度目のポールポジションとなっている。
 

・第7戦スポーツランドSUGO 予選結果 各クラストップ3
GT500
1.No.17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット組)1’09.676
2.No. 1 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/ジェンソン・バトン組)1’10.151
3.No.36 au TOM’S LC500(中嶋一貴/関口雄飛組)1’10.163
 
GT300
1.No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組)1’16.834
2.No.55 ARTA NSX GT3(高木真一/福住仁嶺組)1’17.189
3.No.25 HOPPY 86 MC(松井孝允/佐藤公哉組)1’17.517
 
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2019年9月19日

SUPER GT第7戦スポーツランドSUGO プレビュー


残り2戦、激戦の舞台は秋深まるみちのく仙台へ!

 

いよいよ今シーズンも残すところ2戦となったSUPER GT。9月は前回のオートポリスからわずか2週間のインターバルで第7戦を迎えることになる。その舞台は、宮城・スポーツランドSUGO。アップダウンに富むコンパクトなコースでは、毎年様々なドラマが繰り広げられる。予測不可能なレースも多く、オートポリス戦に続いて思わぬ展開になるやもしれない。タイトル争いが大詰めを迎える中、SUGOではどのような戦いが待ち受けているのだろうか。
 

■激化するタイトル争い
第4戦タイで勝利を収めたNo.6 WAKO’S 4CR LC500(大嶋和也/山下健太組)。続く第5戦富士でもウェイトハンデをものともしない走りと、ライバルチームにとって不意打ちのようなピットインのタイミングを味方につけ、驚きの連勝を果たした。この展開が今シーズンのチャンピオン争いに大きな変化をもたらしたのは言うまでもない。前回の第6戦オートポリスでは、さすがに厳しい戦いを強いられたのだが、レースそのものが波乱の展開となったことが好機となり、チームは我慢のレースをやり遂げたことで6位入賞を実現。着実にポイントを積み重ね、堂々のランキングトップをキープしている。これに続くのが、No.37 KeePer TOM’S LC500(平川亮/ニック・キャシディ組)。第3戦鈴鹿、第4戦タイと連続2位表彰台に上がり、オートポリスでも3位を獲得。現在、トップの6号車とのポイント差は5点となっている。シーズン中の優勝がまだ一度もないことが不思議なくらい、安定した強さを誇るあたりは、さすがに2017年のディフェンディングチャンピオン。残り2戦での勝負を見据え、タイトル獲得を虎視眈々と狙っている。一方、同3位につけるのは、No.39 DENSO KOBELCO SARD LC500(ヘイキ・コバライネン/中山雄一)。オートポリスで劇的勝利を果たしたことで一気にランキングアップ。コバライネンは2016年のシリーズチャンピオンだけに、SUPER GTにおける”勝ち方”を知っている。それゆえ、チーム一丸のアプローチでタイトル争いに加勢してくるのは明白だ。なお、ランキング4番手につけるNo.38 ZENT CERUMO LC500(立川祐路/石浦宏明組)はトップと26.5点差であるため、さすがにタイトル争いを考えると一筋縄ではいかないだろうが、レースの展開次第でこの先どのような可能性が現れては誰もわからない。それゆえに、今回のSUGO戦は緊迫のレースになりそうな気配が漂う。
 

■LC500台頭の中で
ランキングトップから4番手までを見て気がつくのは、上位すべてレクサスLC500勢であるということ。今シーズンは複数のLC500が表彰台に上がることも珍しくなく、総合力の高さをしっかりとアピールしている。一方、ライバル勢はというと、ランキング5番手につけるのが、No.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)。一発の速さには眼を見張るものの残念ながら勝利には結びついておらず、また今シーズンはレース中のハプニングも多く、”惜しい”戦いに苦しんでいる様子。これはランキング6番手のNo.8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/伊沢拓也組)にも言えること。日産ホンダの両陣営は予選での一発の速さはすでに折り紙付きだが、表彰台の真ん中が遠く、開幕戦で8号車が挙げた1勝に留まっている。残り2戦を迎えた状況でウェイトハンデの見直しが実施され、SUGO戦では獲得ポイントを1kgに換算。これまで搭載してきたウェイトも凡そ半減されるため(※ 燃料流用リストリクターの併用で一部異なる場合あり)、必ずしもオートポリス戦ほど車重に苦戦することはないと思われるが、難コースゆえの戦いになる可能性もある。それだけに、総合力の高さを極めたチームがレースで強さを発揮することになるだろう。
 

■GT300は僅差のランキング争い
前回のオートポリスでピット戦略が奏功し、3位でチェッカーを受けたNo.88 マネパ ランボルギーニ GT3(小暮卓史/元嶋佑弥組)。ランキングトップはNo.55 ARTA NSX GT3(高木真一/福住仁嶺組)で、その差は5点。レースではあと一歩で2位を逃しただけに、もし2位チェッカーを受けていれば、55号車との点差はわずか1点となっていた。それゆえに、ランキング3位以下との点差もわずかなものとなり、激戦になっている。3番手に続くのは、No.96 K-tunes RC F GT3(新田守男/阪口晴南組)。55号車、88号車が今季未勝利の一方、96号車はすでに2勝を挙げる活躍を見せている。ランキング上位2チームが安定感抜群のレース運びを見せるとすれば、96号車はズバリ優勝狙いの戦いを繰り広げているわけだが、果たしてSUGOではどのような展開でレースが推移していくのか、興味が尽きない。さらに、ランキング4番手につけるNo.56 リアライズ 日産自動車大学校 GT-R(平峰一貴/サッシャ・フェネストラズ組)にも注目が集まる。フェネストラズはすでに今シーズンの全日本F3選手権でシリーズチャンピオンを獲得。まさに、”飛ぶ鳥を落とす”勢いのフランス人ドライバーだ。SUPER GTでは着実にポイント加算を続ける中、チームが渇望する”初勝利”目指してSUGOに挑むことだろう。これまでも荒れる展開が多く、”魔物が棲む”と言われるSUGO。今年はどのようなドラマが待ち受けているのだろうか。
 

■主なタイムスケジュール
・9月21日(土)
07:00 – 07:50 オープンピット
09:00 – 10:45 公式練習
09:00 – 10:25 : GT500 & GT300
10:25 – 10:35 : GT300
10:35 – 10:45 : GT500
11:00 – 12:00 ピットウォーク
14:00 – 14:43 ノックアウト予選_Q1
14:00 – 14:10 : GT300_A組
14:18 – 14:28 : GT300_B組
15:33 – 15:43 : GT500
14:53 – 15:23 ノックアウト予選_Q2
14:53 – 15:03 : GT300
15:13 – 15:23 : GT500
16:15 – 17:00 GTキッズウォーク
 

・9月22日(日)
10:35 – 11:00 SUPER GT選手紹介
11:05 – 12:00 ピットウォーク
12:25 – 12:45 ウォームアップ走行
14:00 SUPER GT : 決勝レース(81Laps)
 





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