SUPER GT 2019 Round.8 - イベント・レースレポート

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SUPER GT 2019 Round.8

2019年11月4日

SUPER GT第8戦もてぎ、No.37 KeePer TOM’S LC500が勝利するも、王座はNo. 6 WAKO’S 4CR LC500に!


11月3日、栃木・ツインリンクもてぎにおいて2019年SUPER GT最終戦の決勝レースが53周にわたって行われ、予選4番手スタートのNo.37 KeePer TOM’S LC500(平川 亮/ニック・キャシディ組)が上位陣を跳ね除け、今季待望の初優勝を飾った。その一方で、レースを2位で終えたNo. 6 WAKO’S 4CR LC500(大嶋和也/山下健太組)がシーズン2勝を挙げたアドバンテージを活かし、シリーズタイトルを獲得している。
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11月最初の週末、連休の中で行われたSUPET GTの最終戦は連日小春日和の快晴に恵まれ、サーキットには2日間で訪れた5万6千人の観客が足を運んだ。シリーズタイトルを巡り、僅差での争いとなった今シーズン。その決戦の幕開けは、まずポールポジションのNo.36 au TOM’S LC500(中嶋一貴/関口雄飛組)がスタートから快調にレースをリード。1秒強のマージンを築き、周回を重ねる。一方、優勝がタイトル獲得の条件でもある37号車は、予選4番手からクリアスタートを決めると早速に前方車両をパス。5周目には2番手までポジションを上げた。同じチームでもある36号車との差を瞬く間に詰めた37号車のキャシディ。先行する36号車の一貴がGT300クラスの周回遅れに行く手を阻まれる隙に逆転を狙ったが、厳しい攻防戦を避けて19周終わりにルーティンのピットインを敢行する。やや早めのタイミングかに思われたが、これを見てライバルチームも追随。この周に他3台、翌周にはトップ36号車もピットインしたことで、インラップ、ピット作業、アウトラップという各時間の合算により、コースに復帰した各車のマージンに変化が生まれた。
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ひと足先にピットインを済ませた37号車の平川は、コースに復帰したばかりの36号車の関口に急接近。関口はときに挙動を乱しつつもなんとか平川の攻撃を封じ込める。だが、平川の勢いに変わりはなく、ついに32周目の3コーナーで逆転を果たした。2台のトップ争いはこれで終わったが、それを直後で見ていたのが6号車の山下。ラインを変えながら前の関口を揺さぶり、ついに38周目の90度コーナーから併走する形となった2台、最終コーナーで接触。コーナーを曲がりきれずにそのままダートに飛び出した。ただ、両者とも勢いを保ったままホームストレートを通過。この時点で山下、関口の順に入れ替わった。
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トップの37号車は”我道を行く”レースペースでトップをキープ。2位に浮上した6号車は接触により、クルマにバイブレーションが出ていたが、3番手の36号車を押さえるには問題なく、そのまま周回を重ねていく。一方、36号車は最後まで6号車に追随し続けたが、再逆転までには至らず。3位でフィニッシュした。37号車にとっては2位に12秒強もの大差をつけてチェッカーを受ける完勝となり、待望の今シーズン初優勝を飾る形でレースを終えた。だが、シーズン中の合計獲得ポイントにより、2位チェッカーの6号車に2点及ばず。2017年のシリーズチャンピオンは、昨シーズン、そして今シーズンと連続でランキング2位という辛酸を嘗める形で戦いを終えている。一方、シリーズタイトルを獲得した2位チェッカーの6号車。大嶋、山下両選手揃って初めてのGT500クラスチャンピオンを手にすることとなったが、チームとして2002年以来、17年ぶり2回目の栄冠となった。なお、チームタイトルは、優勝した37号車が2017年以来となる2回目のタイトルを手にした。
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GT300クラスは、シリーズ争いでトップに立つNo.55 ARTA NSX GT3(高木真一/福住仁嶺組)が2位に14.5点差を持って決戦に挑んだ。5位スタートの55号車はベテラン高木がスタートを担当。序盤から攻防戦を繰り広げるも、着実に周回を重ねると折り返し時点で3番手まで浮上した。
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だが、ルーティンのピットワークでタイヤ無交換を敢行したNo.65 LEON PYRAMID AMG(黒澤治樹/蒲生尚弥組)がじわりじわりとポジションアップ。策が講じて予選3番手からトップに躍り出ると、そのまま後続との差を開いていく。結果、15秒以上の差をつける独壇場。ところが、ファイナルラップの最終コーナーを立ち上がった65号車が突然失速。力なくメインストレートを走っている脇を、2番手につけていたNo.11 GAINER TANAX GT-R(平中克幸/安田裕信組)が駆け抜け、大逆転! というドラマチックな終宴を迎えた。65号車はかろうじて2位でチェッカー。3位には、No.96 K-tunes RC F GT3(新田守男/阪口晴南組)。予選でまさかの17番手に甘んじた96号車だが、猛追撃を見せ表彰台の一角を手にしている。55号車は手堅く4位でチェッカー。結果、全8戦においてすべて入賞を果たし、GT300クラスのシリーズチャンピオンを手にすることとなった。ルーキーの福住にとっては自身初タイトルだが、ベテラン高木にとっては2度目のタイトル獲得。また、チームにとっても高木同様2002年以来となる2度目の王座獲得となった。
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・第8戦ツインリンクもてぎ 決勝結果 各クラストップ3
GT500
1.No.37 KeePer TOM’S LC500(平川 亮/ニック・キャシディ組)1:31’25.868 53Laps
2.No. 6 WAKO’S 4CR LC500(大嶋和也/山下健太組)+12.169
3.No.36 au TOM’S LC500(中嶋一貴/関口雄飛組)+14.871
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GT300
1.No.11 GAINER TANAX GT-R(平中克幸/安田裕信組)1:32’19.435 49Laps
2.No.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟組)+4.677
3.No.96 K-tunes RC F GT3(新田守男/阪口晴南組)+13.484
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2019年シリーズランキング 各クラストップ3
GT500
1.No. 6 WAKO’S 4CR LC500(大嶋和也/山下健太組)85Pt
2.No.37 KeePer TOM’S LC500(平川 亮/ニック・キャシディ組)83Pt
3.No.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)52.5Pt
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GT300
1.No.55 ARTA NSX GT3(高木真一/福住仁嶺組)69.5Pt
2.No.96 K-tunes RC F GT3(新田守男/阪口晴南組)58Pt
3.No.11 GAINER TANAX GT-R(平中克幸/安田裕信組)48Pt
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2019年11月4日

SUPER GT第8戦もてぎ、No.36 au TOM’S LC500が今季2度目のポール獲得!


ついに、今シーズン最後の戦いを迎えたSUPER GT。決戦の舞台は栃木・ツインリンクもてぎ。11月2日、最終戦の予選日は朝から快晴の天気に恵まれ、また日中は気温も高く小春日和の一日となった。その中で、見事なアタックラップを見せたのは、No.36 au TOM’S LC500(中嶋一貴/関口雄飛組)。第3戦鈴鹿に次いで今季2度目のトップタイムをマーク、ポールポジションを手にしている。
 

最終戦を前に、タイトル争いの可能性を持つチームは3台。その中で、まずランキング3位につけるNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)が朝の公式練習で最速タイムをマーク。23号車は予選でポールポジション獲得がチャンピオン獲得への必至条件。それだけに気迫あるパフォーマンスでライバルを早速牽制した。一方、ランキング2位のNo.37 KeePer TOM’S LC500(平川 亮/ニック・キャシディ組)、さらにランキングトップのNo. 6 WAKO’S 4CR LC500(大嶋和也/山下健太組)が23号車に続くタイムをマーク。決戦に向けて、まず全車が一歩の譲らない”ガチ勝負”であることを印象づけた。
 

迎えたノックアウト予選。午前中のセッションから気温、路面温度ともに5度近く上昇。気温19度、路面温度25度とこの季節としては日差しに恵まれた暖かなコンディションでのセッションとなる。タイトル争いの3台は難なくQ1を突破。今回もやはり23号車の松田次生がトップタイムを叩き出し、Q2への足がかりを作った。2番手には37号車の平川。一方、6号車は7番手とQ1突破上位8台の中で薄氷を踏む思いながらQ2へと駒を進めた。
 

ポールポジション獲得に最もプレッシャーのかかった23号車。アタッカーのクインタレッリが1コーナーの進入でタイムロス。これでタイムを伸ばせず3番手に。一方、6号車の山下も万全のアタックではなかったというタイムで2番手に。さらに37号車のキャシディは、自身のアタックは完璧だったというがクルマのセットには合っていなかったと、これまた4番手止まりに。結果、これら3台を上回るタイムを叩き出したNo.36 au TOM’S LC500の関口がポールポジションを獲得。シーズン2度目のポールからのレース展開がチームメイトである37号車の”援護射撃”となるか、決勝の見どころが増長する形となった。

GT300クラスの予選もGT500同様、タイトル争いのクルマに明暗が生まれた。トップにつけるNo.55 ARTA NSX GT3(高木真一/福住仁嶺組)は予選5番手につけ、まずまずの結果を手にしたが、14.5ポイントと決して小さくない点数差で2番手につけていたNo.96 K-tunes RC F GT3(新田守男/阪口晴南組)が、Q1で失速。決勝は17位からの追い上げを強いられることに。また3番手につけるNo. 4 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也組)も7番手と微妙なポジションに甘んじている。そんな中、クラスポールを手にしたのがNo.720 McLaren 720S(荒 聖治/アレックス・パロウ組)。勢いある若手ドライバーの代表格、パロウが渾身の走りで自身初となるGT300クラスポールポジションを獲得し、初優勝に向けて最高のスタートを切ることになった。
 

予選終了後、GT500クラスのディフェンディングチャンピオンであるNo. 1 RAYBRIG NSX-GTのジェンソン・バトンがメディア向けに記者会見を行い、今大会を持ってSUPER GTの参戦を終えるとアナウンス。自身の新たな挑戦を受け入れてくれたSUPER GT関係者とファンに感謝の言葉を述べている。
 

・第8戦ツインリンクもてぎ 予選結果 各クラストップ3
GT500
1.No.36 au TOM’S LC500(中嶋一貴/関口雄飛組)1’35.964
2.No. 6 WAKO’S 4CR LC500(大嶋和也/山下健太組)1’35.999
3.No.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)1’36.128
 

GT300
1.No.720 McLaren 720S(荒 聖治/アレックス・パロウ組)1’45.907
2.No.56 リアライズ 日産自動車大学校 GT-R(平峰一貴/サッシャ・フェネストラズ組)1’46.033
3.No.65 LEON PYRAMID AMG(黒澤治樹/蒲生尚弥組)1’46.036
 
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2019年10月28日

SUPER GT第8戦ツインリンクもてぎ プレビュー


現行規定車両でのラストレース、気になるチャンピオン争いは?
 

ついに今シーズン最後の戦いを迎えるSUPER GT。9月中はオートポリス、スポーツランドSUGOと慌ただしいスケジュールだったが、10月はドイツ・ホッケンハイムで開催されたDTM最終戦に3台が”ゲスト参戦”し、11月末に予定されているDTMとの交流戦に向けてアピールしている。一方、最終戦の舞台なる栃木・ツインリンクもてぎは、シリーズチャンピオンを巡る戦いはもちろんのこと、GT500では現行規定車両で行われる最後の一戦にあたることから、有終の美を飾るべく、注目すべき点が盛りだくさんのレースウィークになりそうだ。
 

レクサス2台による王座を巡る戦いへ
第7戦を終えた時点でのランキングトップはNo.6 WAKO’S 4CR LC500(大嶋和也/山下健太組)。第4戦タイ、第5戦富士と連覇したことが弾みとなり、一気にチャンピオン争いに加わると、その後も最重量のウェイトハンデにも関わらず、第6戦オートポリス、第7戦SUGOとガマンの走りが結実し、連続6位入賞を達成。さらなるポイント計上に成功している。結果、現時点でのポイントは70点。2番手との差は7点となっている。その2番手になるのが、No.37 KeePer TOM’S LC500(平川亮/ニック・キャシディ組)。6号車同様、これまでノーポイントに終わったのは、開幕戦岡山大会のみ。表彰台も6号車と同じく3回なのだが、第3戦鈴鹿、第4戦タイとも2位フィニッシュとあと一方で勝利に恵まれておらず、その結果が6号車との差になっていると言っても過言ではないだろう。上り調子の6号車に対し、抜群の安定感を強みとする37号車だけに、もてぎではしたたかな戦略をもって挑んでくると考えられる。一方、ランキング3番手につけるのは、No.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)。タイトル争いの3台の中で唯一もGT-Rであり、またミシュランタイヤを装着する一台となる。23号車は、開幕戦、第2戦富士で表彰台に上がるも2位どまり。さらに第5戦富士では3位、と悔し涙の結果に終わっており、チャンピオン経験チームとしては今ひとつパンチが足りないシーズンを過ごしてきている。トップとの差は20.5点と大きく、上位2台を差し置いて逆転チャンピオンを実現させるためには、まずポールポジション獲得と優勝を果たさなければならない。ただし、この2つの重要ミッションをクリアするだけでは夢は叶わない。加えて、6号車がノーポイント、そして37号車が5位以下でレースを終えることが条件となるだけに、タイトル獲得への道のりはかなり険しいものといえるだろう。
 

■開幕戦以来となるガチバトルに注目
ウェイトハンデを採用し、シリーズを戦うSUPER GT。結果によって搭載されるウェイトハンデにつき、第2戦以降、その影響を少なからず受けてきた車両だが、最終戦のもてぎではようやくその”足かせ”がなくなり、開幕戦と同じくノーウェイトでの走行が可能となる。チャンピオン争いのチームに限らず、これまで思うような結果を残せずに苦戦してきたチームにとっても、絶好のチャンス。そう考えれば、どのチームにとっても勝利する機会が巡ってくるのがこの最終戦のもてぎになるため、いつも以上に激しいバトルを期待しないわけにはいかない。その中でも、開幕戦以来となる優勝を狙っているのがホンダ勢ではないだろうか。惜しくもタイトル争いからは脱落してしまってはいるが、ツインリンクもてぎがホンダのホームサーキットであることは言わずもがなであるし、さらにもうひとつ、別の理由もある。それが、来シーズンに向けた車両変更だ。2020年、SUPER GTではDTMとの統一規格である「クラス1」に準じた新たな車両を投入することが決定している。先日、メディア向けにも各メーカーの新車がお披露目されたのだが、ホンダが新たに投入するNSX-GTは現行のミッドシップからFRへと変更されており、ミッドシップレイアウトの車両は、もてぎ戦で見納めとなるのだ。だからこそ、文字通り”有終の美”を飾るべく、勝負にかけるホンダ勢の奮闘に注目が集まるのではないだろうか。なお、来シーズンに投入される新型GT500車両だが、レースウィーク中に車両展示があるほか、決勝日にはデモランが予定されているのも、楽しみのひとつとなるだろう。
 

■GT300はARTA NSX GT3が初年度タイトルを目指す
GT300クラスのランキングトップはNo.55 ARTA NSX GT3(高木真一/福住仁嶺組)。車両は今シーズンからNSX GT3が投入され、ドライバーのコンビも高木と福住になっているが、55号車としては昨シーズンの”悪夢”がある。最終戦のもてぎを前に、ランキングトップで戦いに挑んだものの、レースでノーポイントに終わり、ライバルに優勝を奪取されただけでなく、クラスチャンピオンそのものを”献上”するという、苦い一戦に終わった。今シーズンは、2番手との差も昨シーズンよりは大きく、また去年の戦いでイヤというほど味わった屈辱から、もう二度と同じ轍は踏まないと心しているはずだ。自力タイトル獲得には4位以上でレースを終えることが必須条件。優勝こそ、前大会SUGOで今季初勝利だったが、誇るべきはシーズンを通して得られている安定感。これをもって最終戦に挑んでくることだろう。迎え撃つライバル達の中には、55号車よりももてぎを得意とするチームも正直少なくない。まさに、ポテンシャルを最大限に引き出すガチバトルの戦いは、SUPER GTの最終戦にふさわしいダイナミックなものになるはずだ。
 

なお、もてぎでは決勝レース終了後に「グランドフィナーレ」が行われる。これは、シーズン最後の戦いを終えたばかりの参戦ドライバーが一同に会し、ファンサービスを行うというもの。新チャンピオンに輝いたドライバーたちだけでなく、シーズンを通して激しい戦いに挑み続けた多くのドライバーの勇姿を見届けて欲しい。
 


■主なタイムスケジュール

・11月2日(土)
07:00 – 07:35 オープンピット
08:50 – 10:35 公式練習
08:50 – 10:15 : GT500 & GT300
10:15 – 10:25 : GT300
10:25 – 10:35 : GT500
10:45 – 11:00 サファリ
11:45 – 12:30 ピットウォーク
14:00 – 14:35 ノックアウト予選_Q1
14:00 – 14:15 : GT300
14:20 – 14:35 : GT500
14:45 – 15:13 ノックアウト予選_Q2
14:45 – 14:55 : GT300
15:03 – 15:13 : GT500
16:20 – 16:50 GTキッズウォーク
 

・11月3日(日)
09:30 – 10:25 ピットウォーク
10:45 – 11:10 SUPER GT選手紹介
11:10 – 11:25 2020年 GT500マシンデモラン
11:55 – 12:15 ウォームアップ走行
13:30 SUPER GT : 決勝レース(53Laps)
15:55 – 16:40 コースウォーク





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