スーパーGT 2018 Round.5 - イベント・レースレポート

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スーパーGT 2018 Round.5

2018年8月8日

前戦で涙を呑んだNo.36 au TOM’S LC500が勝利を掴む!


決勝日も蒸し暑い天気となった第5戦富士。500マイル、およそ800kmの戦いは午後1時30分に幕を開けた。厳しいコンディションの中でレースは波乱含みの展開を見せたが、着実なレース運びを見せていたNo.36 au TOM’S LC500(中嶋一貴/関口雄飛組)が終盤に入ってからトップに浮上。そのまま177周を走り切り、今シーズン初勝利を果たしている。
  

予選日よりも気温、路面温度ともにじりじりと上昇した決勝日。気温32度、路面温度47度の中でまずポールポールポジションからスタートを切ったNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rが安定したスピードで徐々に後続を引き離すという力走を見せた。一方、予選でタイムアップのチャンスを逃していた3番手スタートのNo.36 au TOM’S LC500。早い時点でのポジションアップを狙い、予選2番手のNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rを捕まえると、トップ23号車にも迫り、23号車がルーティンのピットインを行う隙に暫定トップに立つなど、しかと存在感をアピールした。
  

一方、23号車はトップをキープするも思いの外スピードが伸びず。結果、それに付き合わされていた36号車に代わり、予選5番手から怒涛の追い上げを見せたNo.12 カルソニックIMPUL GT-Rがあっという間に2番手に浮上すると、その勢いをもって23号車を逆転。44周目にはテール・トゥ・ノーズの激しいバトルを繰り広げ、55周目にはしっかりトップの座についた。するとそれを見ていた36号車が応戦。瞬く間に23号車を抜き去ったが、その後はルーティンのピットワークでポジションが慌ただしく入れ替わることもあり、依然として23号車が2番手で周回を重ねることになった。
  

レースは前半を終え、12号車が快調にトップをキープ。すでに2番手の23号車の差は25秒以上開いており安泰の状態だった。逆に23号車は周回を重ねるごとに精彩を欠くことになり、ついには36号車の先行を許すだけでなく、他車との攻防戦にも苦戦してズルズルと後退。2番手36号車の背後には、チームメイトでもあるNo.1 KeePer TOM’S LC500が続いた。
  

このまま終盤を迎え、12号車が待望の勝利に近づくと誰もが思った148周目、その12号車がまさかのスロー走行。インタークーラーのトラブルに見舞われ、レーススピードを失った車両が力なくガレージに戻ってくる。3分もしないうちにコースへの復帰は果たしたものの、失ったものは大きく、優勝はもちろんのこと入賞すら難しいポジションでチェッカーを受けることになるという悲劇を被った。12号車のアクシデントにより、36号車はついにトップを獲得。チェッカーを迎えるまでの間、後方に迫る1号車の存在を気にしつつも最後まで攻めの走りを貫き通し僅差の中でフィニッシュ! 前タイ戦では勝利目前にガス欠で涙を呑んだリベンジを見事に果たす結果となった。2位の1号車に続いたのは、予選14番手からスタートしたNo.17 KEIHIN NSX-GT。エンジンのセンサー故障によって出走を断念した悔しさから躍進の結果を手にしている。
  

一方、GT300クラスはレース早々からトップ争いを展開。予選2番手のNo.55 ARTA BMW M6 GT3が序盤にトップを奪取すると、他車を圧倒する速さであっという間に後続との差を築き上げる。結果、独走体制のトップ55号車に対し、ライバルたちは2番手争いに特化する展開に甘んじてしまうことになったのだが、各車さまざまな戦略で果敢に500マイルに挑んでいく。クラスポールからスタートを切ったNo.25 HOPPY 86 MCは長らく表彰台圏内で周回を続けていたが、レース途中でコースアウト、スピンを喫して挽回を果たせなかった。逆に予選4番手スタートのNo.0 グッドスマイル 初音ミク AMGは攻めの態勢で2位に入り、今季初の表彰台を手に入れている。3位には重いウェイトを踏まえた上で着実なレースで粘りを見せたNo.31 TOYOTA PRIUS apr GTが前戦に続いて表彰台に上がった。なお、優勝の55号車を駆った高木真一は今回の勝利で暮らす最多勝を更新。さらに、コンビを組むS.ウォーキンショーとのコンビで富士スピードウェイで3連勝を達成。SUPER GT記録となる快進撃だった。
  

・第5戦富士 決勝結果 各クラストップ3
GT500
1.No.36 au TOM’S LC500(中嶋一貴/関口雄飛組)4:40’08.601 177L
2.No.1 KeePer TOM’S LC500(平川 亮/ニック・キャシディ組)+1.564
3.No.17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/小暮卓史組)+21.184
  

GT300
1.No.55 ARTA BMW M6 GT3(高木真一/ショーン・ウォーキンショー組)4:41’14.166 164Laps
2.No. 0 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也組)1Lap
3.No.31 TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀/平手晃平組)1Lap
  
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2018年8月6日

SUPER GT第5戦富士、ヘビーウェイトのMOTUL GT-Rがポール獲得!


2018年シーズン折返しを迎えたSUPER GT。その第5戦は今季2度目の戦いを繰り広げることになる静岡・富士スピードウェイが舞台となる。8月4日、長らく続く厳しい暑さの中で行われた予選では、現在暫定ランキング3番手につけ、62kg相当のハンディを負うNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)が驚異の最速ラップをマークし、今季初となるポールポジションを獲得している。
  
前回第4戦がタイでの開催ということもあり、日本国内ではおよそ2ヶ月半ぶりの開催となったSUPER GT。この日、早くもシーズン後半戦に突入したハードな戦いは、クルマ同士に限らず酷暑と言われるほどのタフな天候とも対峙する一日となった。だが、23号車にとっては、すべてがうまく進む一日だったようだ。というのも、23号車はまず朝の公式練習からトップタイムをマーク。さらに午後からのノックアウト予選でも、まずQ1を担当した松田が1分29秒006というトップタイムをマーク。そのステアリングを受け継いだQ2担当のクインタレッリも1分28秒461のタイムを刻み、2番手と僅差ながらそのままトップを守り切るというパーフェクトな予選日を過ごすこととなった。
  
結果、クインタレッリは自身11回目となるポールポジションを獲得。一方、2番手のタイムをマークしたNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/高星明誠組)はシーズン最高位のポジションから決勝を迎えることになった。3番手にはレクサス勢トップとなるNo.36 au TOM’S LC500(中嶋一貴/関口雄飛組)が続く結果となった。
  
一方、GT300クラスはNo.25 HOPPY 86 MC(松井孝允/坪井翔/近藤翼組)が今シーズン初となるポールポジション獲得に成功。アタックを担当した坪井にとっても自身初のポールとなっている。
  

・第5戦富士 予選結果 各クラストップ3
GT500
1.No.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)1’28.461
2.No.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/高星明誠組)1’28.493
3.No.36 au TOM’S LC500(中嶋一貴/関口雄飛組)1’28.749
  
GT300
1.No.25 HOPPY 86 MC(松井孝允/坪井翔/近藤翼組)1’37.312
2.No.55 ARTA BMW M6 GT3(高木真一/ショーン・ウォーキンショー組)1’37.326
3.No.10 GAINER TANAX triple a GT-R(星野一樹/吉田広樹組)1’37.616



2018年8月2日

SUPER GT第5戦富士 プレビュー


真夏の決戦は、初の500マイルレース!
 
連日厳しい暑さに見舞われている日本列島。その一方では豪雨や台風による災害も起っているが、今週末のSUPER GT第5戦富士は炎天下の戦いになりそうだ。富士での戦いは今季2回目。ちょうどシーズン後半戦の幕開けの一戦になる。前回のタイ戦は予選、決勝とも先の読みにくい展開にドラマ性を感じる戦いとなったが、今回の富士も不確定要素の多い、未知の世界が待ち受けているような感じだ。果たして過酷なレースを制するのは、どのチームになるのだろう。  

■初の500マイルレースに
富士でのシーズン2度の戦いはこれまで通り。だが、今回は例年より距離が長くなった。500マイル、およそ800キロ超の戦いが待ち受ける。昨年までは、日本のモータースポーツ界で屈指の伝統レースとして知られる「鈴鹿1000kmレース」がシリーズに組み込まれていたのだが、鈴鹿での1000kmレースは昨年をもって終了。結果、SUPER GTシリーズ戦に新たな最長レースが設けられることになった。それが、この富士500マイルレースなのだ。  

第4戦タイからおよそ1ヶ月ぶりの戦いに名乗りを上げるのは、GT500、GT300の両クラス44台。およそ800キロ、富士スピードウェイを177周する長距離戦のため、第5戦オリジナルのルールを設けている。まず戦うクルマの足元を支えるタイヤ。1台あたりドライタイヤ11セット、ウエットタイヤは13セットを上限とする(ただし、第1戦以降においてその供給先競技参加者のいずれもが優勝できなかったタイヤメーカーは、ドライタイヤの持ち込み本数を1台あたり1セット追加可能)。さらに、第3ドライバー登録の許可。GT500クラスでは現時点で第3ドライバー登録はないようだが、GT300クラスでは、複数のチームが追加登録を行っている。一方、戦略にも影響するものだが、ピットインの義務回数も明らかとなっている。決勝レーススタート後(フォーメーションラップを終了し、走路上のスタートラインを通過した後)、ドライバー交代を伴うピットインは最低4回を義務付けるという。  

このように、通常レースと異なるルール下、厳しい暑さの中での戦いは極めてタフな展開になることは容易に想像できる。だからこそ、戦いの前から存分な準備と柔軟な対応力をもってライバルを威嚇することも求められる。まさにチームとしての総合力が問われるというわけだ。様々なパーツをいかに丁寧に、いかにスピーディに、いかに巧妙に組み立て、完璧なものに仕上げるか。しかもその傍らにはいつもライバルが待ち受けている。まずは自分たちのレーススケジュールをミスなくこなし、その上でバトルに臨む必要があるため、待ったなしの戦略をもって挑む戦いになるのは言うまでもない。  

■GT500は混沌とするタイトル争いに
前回のタイでは、予選でHonda NSX-GT勢が速さをアピールしたにもかかわらず、決勝で実力を発揮したのは、LEXUS LC500勢。表彰台を独占する結果をもたらした。結果、今シーズン、3メーカーすべてが勝利することとなったが、後半戦はその中からどのメーカーが抜きん出てくるのだろうか。開幕戦岡山と第3戦鈴鹿を制したNSX-GTだが、とりわけ昨シーズンは厳しい暑さが先行するシーズン中盤はタイヤのピックアップ等、決勝でペースダウンを余儀なくされることがあっただけに、今回の戦いでのパフォーマンスも気になるところだ。一方、第2戦富士で勝利したNISSAN GT-R勢としては、得意なコースレイアウトをどのように味方につけるのか。GT-R勢としてランキングトップはNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rだが、ランキング3位で厳しいハンディウェイトを積んでいる。となれば、あと一歩で表彰台に届いていないNo.12 カルソニックIMPUL GT-Rか、タイヤに強みを持つNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rあたりにチャンスが巡ってきそうだ。そして、後半戦に向けて反撃を開始しそうなのが、LC500勢。中でも、前回のタイではファイナルラップで勝利が手からこぼれてしまったNo.36 au TOM’S LC500が、そのリベンジを果たすのか注目が集まる。
  

■GT300もランキング争いが白熱
毎戦予測不可能な展開が多いのは、GT300クラスも同じこと。結果、ランキング争いでも獲得ポイントが分散することとなり、抜きん出たチームが存在していない。ということは、今回の富士でしっかりと結果を残すことができれば、シリーズ争いに加われることはもちろん、上位陣の中で好成績を収めることができれば、がぜん有利になるのは間違いない。また、FIA-GT3はもちろん、JAF GT300マザーシャシーの躍進にも期待がかかる。車両同士のBoP(性能調整)が厳しい中、やはり重要になってくるのはチームとしての総合力。コース上のバトルはもちろんだが、水面下で繰り広げられる戦略の行方を見守るのも楽しみのひとつといえるだろう。
  

■主なタイムスケジュール(現地時間)
8月4日(土)
07:00 – 07:45 オープンピット
08:40 – 10:25 公式練習
08:40 – 10:05 : GT500 & GT300
10:05 – 10:15 : GT300
10:15 – 10:25 : GT500
10:35 – 10:50 サーキットサファリ 
12:00 – 12:45 ピットウォーク
14:35 – 15:10 ノックアウト予選_Q1
14:35 – 14:50 : GT300
14:55 – 15:10 : GT500
15:20 – 15:48 ノックアウト予選_Q2
15:20 – 15:30 : GT300
15:38 – 15:48 : GT500
17:20 – 17:45 GTキッズウォーク1
17:50 – 18:15 GTキッズウォーク2

8月5日(日)
10:20 – ピットウォーク
10:45 – 選手紹介
11:55 – ウォームアップ走行、スタート進行
13:30 - 決勝レース(177Laps)





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