SUPER GT 2026 Round.5
終盤の波乱も問題ナシ。ホンダ勢が表彰台独占! 勝者は#16 ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GT!
8月23日、三重・鈴鹿サーキットにおいてSUPER GT第5戦「SUZUKA GT300km RACE」の決勝レースが行なわれた。レース終盤に発生したアクシデントを受けてセーフティカー(SC)が導入され、最後はSC先導によるチェッカーとなった。そのなかで予選4番手スタートのNo.16 #16 ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GT(野尻智紀/佐藤蓮)がルーティンのピット戦略で勝機をつかみ、タフな戦いを制している。
決勝日を迎えた鈴鹿は、朝から気温が上がり、蒸し暑い一日となった。強い日差しが照りつけるなか、午後1時30分、52周にわたる熱戦が幕を開ける。気温34度、路面温度45度と予選日と似通ったコンディションの下でスタートが切られると、まずポールポジションのNo.17 Astemo HRC PRELUDE-GT(塚越広大/野村勇斗)がホールショットを奪い、これに予選3位のNo. 8 #8 ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GT(太田格之進/大津弘樹)、そして同4位の16号車が続き、GT500車両として唯一ダンロップタイヤを装着する同2位のNo.64 Modulo HRC PRELUDE-GT(大草りき/イゴール・オオムラ・フラガ)が4番手までポジションを落とすことになった。
17号車がクリーンなコース上を逃げる形で先行する一方、後続の8号車は3周目のシケインで16号車の先行を許して3番手に。勢いある16号車がじわじわとトップに迫った。なお、決勝レースを前にエンジン置換を行なったNo.100 STANLEY HRC PRELUDE-GT(山本尚貴/牧野任祐)とNo.37 Deloitte TOM’S GR Supra(笹原右京/ジュリアーノ・アレジ)の2台は、ペナルティストップ5秒を消化するために4〜5周終わりでそれぞれピットイン。後方からの追い上げを目指した。
8周目を過ぎると、コース上には周回遅れとなるGT300クラス車両が先頭を走る17号車の前に現れ、これをチャンスとばかり16号車が確実に差を詰めてくる。だが、17号車はしぶとく粘り、トップを死守。16周目の2コーナーでは、一瞬16号車が先行する形になりかけたが辛くも17号車がこれを阻止した。
攻防戦が続くなか、GT300車両がNIPPOコーナーの外側グラベルでストップ。これでおよそ3分にわたりフルコースイエローが発動される。すると、解除後の18周終わりでトップ17号車と、8号車がピットイン。ルーティンのドライバー交代等を済ませる。これを受け、トップに立った16号車はさらに快走を続け、22周終わりでピットへ滑り込んだ。
コースに戻った16号車に襲いかかったのは、一足先に作業を終えていた17号車。サイド・バイ・サイドからの逆転を果たし、ドライバー交換を終えたなかでのトップ奪還に成功した。しかし、16号車も喰い下がり徐々にギャップを詰めていく。そして迎えた36周目。16号車がシケインで17号車に迫り、そのまま横並びで最終コーナーを立ち上がるとメインストレートで頭ひとつ出て1コーナーへ。しかし、立ち上がりでは17号車が先行する激しい攻防戦を見せた。そして迎えた130Rでは、17号車がGT300車両と交錯寸前となり、行くてを阻まれる。この隙に16号車がついにトップを奪取。この先はラップ毎に後続との差を広げる力走を披露した。
16号車を先頭に、17号車、なんとかポジションキープで奮闘する8号車がトップ3となり、その後方に日産勢トップのNo.23 MOTUL Niterra Z(千代勝正/高星明誠)、さらにトヨタ勢トップのNo.38 KeePer CERUMO GR Supra(大湯都史樹/小林利徠斗)のオーダーで周回するなか、47周目、チェッカーまで残り5周の時点でGT300クラス車両によるクラッシュが130Rで発生する。
単独でのクラッシュだったが、コースアウトによってクルマが回転して大きく損傷、また、スポンジバリアが激しく崩れることに。これを受け、セーフティカー(SC)が導入された。コース上では各車両の隊列を整える作業、そしてバリアの修復作業が進められたが、時間の経過によってレースはSC先導の隊列のまま52周のチェッカーを迎えた。
これにより、16号車が逆転による今シーズン初優勝を達成。野尻にとっては通算11勝目、また佐藤はGT500での初優勝となり、PRELUDE-GTが前回の富士に続き2連勝を果足す結果となった。2位の17号車もシーズン初となる表彰台。3位8号車と合わせ、予選同様にホンダ勢が表彰台を独占する形でタフな戦いを終えている。
GT300クラスでは、予選でチーム初となるクラスポールポジションを掴んだNo.9 PACIFIC ウマ娘 NAC BMW(冨林勇佑/藤原優汰)が安定した速さを武器に、圧巻の走り。終盤に発生したアクシデントでレースはSC先導のままチェッカーを迎えたが、それ以前の時点で後続に15秒ほどの大差をつけるほどの力走で、チーム初の勝利を形にしている。
真夏の鈴鹿戦で初のクラスポールからスタートを切った9号車。その背後には、表彰台の常連ともいえるNo.777 D’station Vantage GT3(藤井誠暢/チャーリー・ファグ)、またシーズン初勝利を目論むNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)が控えており、気の抜けない状況だったが、9号車は快調にクラストップを走行。また、777号車、さらに予選4番手からポジションアップしたNo.60 Syntium LMcorsa LC500 GT(吉本大樹/河野駿佑)による鍔迫り合いも味方になった。
そのなかでいっそうタフな戦いを強いられたのが、61号車。ペースを上げられず、後続のNo.18 UPGARAGE AMG(小林崇志/新原光太郎)の先行を許すなか、14周目には後続車から追突されてスピン。NIPPOコーナーでスタックする。これを受け、レースはFCYの導入となった。ほどなくしてFCYが解除されると、今度はトップ9号車にゆさぶりをかけるためか、2番手の777号車がルーティンのピットインを実施した。また、これに続くかのように後続もドライバー交代のピット作業を始める。
だがトップ9号車は動じず、”我が道”をいく作戦。24周終わりでルーティン作業を済ませ、コースに復帰。先に作業を終えたなかでトップを走っていた60号車に対し、余裕をもってコースインして見せる。一方、前回の富士で勝利した52号車は、ポジションアップを狙い、フロントタイヤ2本のみを交換。結果的に9号車を逆転することは叶わなかったが、60号車よりも前でコース復帰をやってのけた。
終盤になると、9号車は再び15秒ほどの大差をつけて快調に周回を重ねていく。その背後で60号車、そしてポジションを上げてきたNo. 7 CARGUY Ferrari 296 GT3 EVO(ザック・オサリバン/梅垣 清)さらに18号車が激しいポジション争いを展開した。
迎えた終盤。ここでまさかのアクシデントが発生する。7位走行中の52号車がGT500車両に追突され、スピン。タイヤにダメージを受けたため、緊急ピットインを行ない、右リヤタイヤ交換を強いられる。ところが、翌周の130R進入で大きく態勢を乱してスピードに乗ったままコースアウト。スポンジバリアに激しくぶつかり、クルマが回転する形でグラベルベッドに着地するという激しいアクシデントとなり、コース上にセーフティカー(SC)が導入された。また、52号車のアクシデントより前、60号車は2位走行中にタイヤがパンクする不運に見舞われ、ポジションを大きく落としている。
終盤になって荒れた展開になったが、最後はSC先導のままチェッカーが振られ、9号車がうれしい初優勝。チーム、そして冨林、藤原のふたりにとってもSUPER GTでの初勝利を果たしている。2位には7号車が続き、前回から連続の表彰台に。3位は18号車。小林と新原の新コンビで始めて表彰台に上がることとなった。
次回は、仙台・スポーツランドSUGOを舞台にした第6戦が開催される。本格的な秋が訪れるなかでの戦いか、はたまた残暑を感じるなかでのバトルとなるか。いずれにせよ、SUGOならではの厳しい戦いが待ち受けていそうだ。
・第5戦鈴鹿 決勝結果(各クラストップ3)
<GT500>
1.No.16 #16 ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GT(野尻智紀/佐藤蓮)1H47’00.904 52L
2.No.17 Astemo HRC PRELUDE-GT(塚越広大/野村勇斗)+2.220
3.No. 8 #8 ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GT(太田格之進/大津弘樹)+3.500
<GT300>
1.No. 9 PACIFIC ウマ娘 NAC BMW(冨林勇佑/藤原優汰)1H47’16.526 48L
2.No. 7 CARGUY Ferrari 296 GT3 EVO(ザック・オサリバン/梅垣 清)+4.429
3.No.18 UPGARAGE AMG(小林崇志/新原光太郎)+6.621
第5戦鈴鹿、ポールポジションはAstemo HRC PRELUDE-GTの手に!
厳しい残暑が戻ってきた三重・鈴鹿サーキットにおいて、SUPER GT第5戦「SUZUKA GT300km RACE」が8月22日に始まった。朝から30度を超える蒸し暑い一日となったが、そのなかでNo.17 Astemo HRC PRELUDE-GT(塚越広大/野村勇斗)がQ2で躍進し、ポールポジションを掴み取った。
8月上旬に3ヶ月ぶりの公式戦が行なわれたSUPER GT。その後、3週間という短いインターバルで鈴鹿に戦いが戻ってきた。鈴鹿は朝8時の時点で気温が30度を超えており、厳しい暑さのなかでセッションが進むことになった。
まず、午前9時45分にスタートした公式練習は、走行中の車両が立て続けにトラブルに見舞われ、間髪入れずに2度の赤旗中断を強いられた。No.100 STANLEY HRC PRELUDE-GT(山本尚貴/牧野任祐)は冷却水の漏れが原因で、また、No.88 VENTENY Lamborghini GT3(小暮卓史/ダニール・クビアト)はエンジンブローを発し、デグナーカーブ立ち上がりでストップ。特に2度目の赤旗では、多くの車両がコース上のオイルに足元をすくわれてコースアウトを喫するなど、ハプニングが続いた。
コース上のオイル処理に時間を要し、午前10時45分、ようやくセッションが再開。幸いその後はトラブル等なく順調に進み、最後はGT300、GT500両クラスの専有走行が各10分行なわれた。ここでトップタイムをマークしたのは、No.16 #16 ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GT(野尻智紀/佐藤蓮)。ひと足さきにNo.24 リアライズコーポレーション Z(名取鉄平/三宅淳詞)がトップタイムをマークしたが、16号車はこのあとコンマ1秒上回ってトップを奪取。その勢いでもう1周アタックすると、さらにタイムを縮めて1分46秒184をマーク、トップの座を不動のものとした。これに僚友であるNo. 8 #8 ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GT(太田格之進/大津弘樹)が続き、24号車は3番手となった。
午後に入ってなお眩しい日差しが照りつけ、気温もさらに上昇。GT300クラスのQ1を経て、GT500クラスQ1が午後4時過ぎに始まった。気温33度、路面温度43度というコンディションのなか、まずはGT500クラスで唯一ダンロップタイヤを装着するNo.64 Modulo HRC PRELUDE-GT(大草りき/イゴール・オオムラ・フラガ)がトップ通過を果たし、2番手に続いたNo. 12 TRS IMPUL with SDG Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)に対して、約0.5秒という大差をつけた。一方、この時点でランキング暫定トップに立つNo.36 au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太)は、サクセスウェイトが足かせとなり、11番手止まり。Q2進出は果たせなかった。さらに、午前中の練習走行でマシントラブルに見舞われた100号車は、エンジン置換の末に出走を果たしたが、ぶっつけ本番ということもあり、14番手にとどまった。
ポールポジションを決めるQ2には10台が進出。10分のセッション終盤、各車がアタックラップに入るなか、16号車の佐藤が1分45秒389でトップに立つ。しかし、スプーンカーブで痛恨の走路外走行をしており、このタイムは不採用に。翌周さらにアタックに挑んだが、タイムを伸ばせず、最終的に4番手に甘んじた。これに対し、チェッカーが振られるなか、64号車の大草が1分45秒206となおタイムを縮め、トップに立つ。これでポールポジション確定かと思われたが、17号車の野村が1分45秒129のタイムを刻んで、トップを奪取。64号車との差はわずか0.077秒というドラマチックな結末となった。野村にとっては、自身初となるポールポジションであり、またチームとしては2年ぶり、8回目の獲得となっている。また、2位の64号車に続いたのは、前回の第4戦でポールポジションを獲得した8号車。ホンダのホームサーキットである鈴鹿で今シーズンから参戦するPRELUDE-GTがトップ3を独占する形で予選を終えている。
GT300クラスでも、新たなポールポジション獲得が誕生した。公式練習では、No.18 UPGARAGE AMG GT3(小林崇志/新原光太郎)がトップタイムをマーク。これに、前回の富士で勝利したNo.52 Green Brave GR Supra GT(吉田広樹/野中誠太)が重いサクセスウェイトを跳ね除けるような強さで2番手につけ、3番手には富士でポールポジションを手にしたNo.45 PONOS FERRARI 296 EVO(篠原拓朗/川端伸太朗)が続いた。
午後からの予選では、まずQ1でNo.777 D’station Vantage GT3(藤井誠暢/チャーリー・ファグ)がA組の、そしてNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)がB組のトップ通過を果たした。そして、18台によるポールポジション争いとなったQ2では、ライバルに先んじてアタックを開始した61号車の山内が1分56秒981でトップに。まだ他車がアタックを続けているなか、61号車はさらなるタイムアップは難しいと判断し、ピットへと帰還。すると、チェッカー直前の時点でNo. 9 PACIFIC ウマ娘 NAC BMWの冨林勇佑が1分56秒547の好タイムを叩き出し、トップを奪取する。9号車の冨林にとっては、クラス初ポール。また、チームにとってもうれしいポールポジション初獲得となっている。9号車はQ1・B組でも藤原優汰が2番手通過を果たしており、いい流れに乗ってトップに躍り出た形となった。さらにこれを追うように順位を上げたのが、777号車。ファグが9号車に0.004秒差で2位を掴み取っている。これにより、61号車は3番手から決勝を迎えることになった。
・第5戦鈴鹿 予選結果(各クラストップ3)
<GT500>
1.No.17 Astemo HRC PRELUDE-GT(塚越広大/野村勇斗)1’45.129
2.No.64 Modulo HRC PRELUDE-GT(大草りき/イゴール・オオムラ・フラガ)1’45.206
3.No. 8 #8 ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GT(太田格之進/大津弘樹)1’45.504
<GT300>
1.No. 9 PACIFIC ウマ娘 NAC BMW(冨林勇佑/藤原優汰)1’56.547
2.No.777 D’station Vantage GT3(藤井誠暢/チャーリー・ファグ)1’56.551
3.No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)1’56.981
SUPER GT第5戦鈴鹿 プレビュー
3ヶ月の次は3週間! 慌ただしく第5戦鈴鹿大会がやってくる!
お盆休みも終わり、夏休みも終盤を迎えようとしている。そんななか、三重・鈴鹿サーキットで行なわれるのが、SUPER GT第5戦「SUZUKA GT 300km RACE」だ。5月開催の第2戦以降、第3戦セパンが延期扱いになったことで、第4戦富士が8月上旬に行なわれたばかり。長いインターバルをおいて、今度は3週間で新たな戦いが幕を開ける。真夏の暑さを吹き飛ばすような激戦が展開されそうだ。
■チームの”諸事情”を踏まえた戦いに!?
3ヶ月という長いインターバルを経て開催された第4戦富士。ここでは、今シーズンデビューしたPRELUDE-GTが気を吐くことになった。まず、朝の公式練習でNo.17 Astemo HRC PRELUDE-GT(塚越広大/野村勇斗)がトップタイムをマークすると、午後からの予選はQ1でNo.100 STANLEY HRC PRELUDE-GTの山本尚貴がトップ通過をやってのける。そしてポールポジション争いとなるQ2では、HRCとのタッグでクルマ作りを進めているNo. 8 #8 ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GTの太田格之進が躍進。最速タイムをマークし、自身2度目、そしてPRELUDE-GTとして初となるポールポジションを掴み取った。
決勝日は、決戦を前に突然降り出した雨により、セーフティカー(SC)スタートに。だが、SC退去し、レーススタートを迎えたメインストレートで複数車両が関係する接触事故が発生。そのうちの1台、No.64 Modulo HRC PRELUDE-GTが宙を舞う大きなアクシデントとなった。ドライブしていたイゴール・オオムラ・フラガに大きなケガがなかったことは幸いだった。一方、レースはその後のリスタートで予選2番手の100号車が8号車からトップを奪取。以後、秀でた戦略でライバルからの攻撃を封じ込める。最終盤には、8号車が意地を見せて100号車に詰め寄ったが、ここは100号車が見事なマシンコントロールでトップを譲らず。待望のPRELUDE-GT初優勝をやってのけた。
そんななか、開幕戦岡山、そして第2戦富士で連勝し、暫定ランキングトップを快走するNo.36 au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太)が手堅いレース運びを披露した。予選こそQ2進出を逃す11番手に留まったが、決勝ではスバ抜けた燃費走行、最速のピット作業等、36号車の強みを最大限活かした戦いを見せ、終わってみれば4位入賞。またしてもしっかりとポイントを計上し、ライバル達に大きな差を築き上げた。前回の富士から早くも今シーズンから導入されたサクセス給油リストリクターの対象となり、ピットでの給油時間がライバルたちよりも長くかかっていたが、今回の鈴鹿ではさらにリストリクターの調整が1ランク厳しくなる。どれほどピットで費やす時間が長くなるかは未知数だが、そのハンディキャップをどのようにして埋めてくるのか、常勝36号車ならではの戦い方も見どころのひとつになるかもしれない。
前戦で上昇気流に乗ったホンダ陣営だが、そうなると、8号車や100号車以外のクルマがホームコースである鈴鹿で気を吐こうとやる気を見せているのは言わずもがな。なかでも8号車の僚友である16号車を筆頭に、一発の速さは見せているがレースでの強さが欲しい17号車や富士での悔しさを晴らしたい64号車、とそれぞれの想いを胸に、奮闘を狙っていることだろう。
そうなると、日産陣営も富士でのリベンジ戦としてこの鈴鹿をターゲットにしていることだ。というのも、富士でのクラッシュで優勝争いから離脱したのが、No.23 MOTUL Niterra Z(千代勝正/高星明誠)とNo. 12 TRS IMPUL with SDG Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)の2台だったからだ。唯一、ハプニングとは無関係だったNo.24 リアライズコーポレーション Z(名取鉄平/三宅淳詞)だが、こちらは今シーズンから装着するブリヂストンタイヤと想定より低かった路面温度のマッチングに苦戦。ポジションを上げられず、開幕戦から続いていた入賞を逃している。3台ともこの鈴鹿は前回の富士で達成できなかった目標をやり遂げる戦いだけに、是が非でも好結果を残したい。
一方、トヨタ陣営は36号車の活躍ばかりが注目を集めているが、着実にポイントを重ねてタイトル争いに加わっているチームを忘れてはならない。No.14 ENEOS X PRIME GR Supra(福住仁嶺/大嶋和也)は今シーズンからエースドライバーに福住を据え、チーム戦略を味方に完成度の高い戦いを続けている。富士では36号車に先を越され、悔しい思いをしているはず。また、100号車が勝利し、ポイント差でも1点に迫る。それゆえ、この鈴鹿はライバルの動きも意識しつつ、より1点でも多くポイント獲得を目指す戦いをしなければならない。逆に、ウェイトが軽いNo.19 WedsSport BANDOH GR Supra(国本雄資/阪口晴南)は大きなチャンスにしたいところ。現在、GT500クラスで唯一のヨコハマタイヤユーザーだが、来シーズンからワンメイク化が決まっているため、今回は鈴鹿でのラストレースでもある。過去には優勝経験もある場所だけに、ファンの期待も大きいことだろう。
■拮抗するGT300。頭ひとつ抜け出すのは?
圧倒的にバラエティ豊かな戦闘車両で賑わうGT300クラス。車両そのものが持つ特性の違いが、戦うサーキットによって結果にも影響を与えている。バランスの良いレイアウトとして知られる鈴鹿では、フェラーリ勢に注目したい。前回の富士ではNo.45 PONOS FERRARI 296 EVO(篠原拓朗/川端伸太朗)がクラスポールポジションを獲得。また、同じ車種のNo.6 UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI(片山義章/ニクラス・クルッテン)も速さを見せていた。まだサクセスウェイトも軽く、ここ鈴鹿でも上位争いができるはずだ。
とはいえ、GT300クラスは上位15台が入賞の対象となっており、今シーズンはランキング争いもまだ混沌としている。さすがにランキングトップタイの2台_No.52 Green Brave GR Supra GT(吉田広樹/野中誠太)やNo.2 HYPER WATER INGING GR86 GT(堤優威/卜部和久)は80kgウェイトになるため、ガマンのレースになりそう。また、同3、4位の2台_No.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟)とNo.56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/木村偉織)にとっても同様のことがいえそうだ。実力派の2台ゆえ、展開次第でチャンスをものにする可能性も高いが、そのためには運も味方にしなければならないだろう。
そして、ニューエンジン搭載で予選での速さは太鼓判ながら、まだ決勝での結果が出ていないNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)にもがんばってもらいたい。現在、GT300クラスで最多ポールポジション保持者である山内は、鈴鹿と相性も良く、またクルマ自体、昨年は2位チェッカーを受けているだけに、大きなチャンス到来となりそうだ。
昨年の鈴鹿に比べ、今年は決勝スタート時間がおよそ2時間早まり、午後1時30分スタートとなる。当日の天候によっては、気温が上がるなかでの戦いとなり、当然ながら路面温度もかなり上昇する可能性がある。タイヤとのマッチングはじめ、どのチームのどんな戦略が勝利に適するのか、その答え合わせをしっかりと見届けたい。
■主なスケジュール
SUZUKA GT 300km RACE
8月22日(土)
09:45〜10:45 公式練習(GT300+GT500)
10:45〜11:00 FCYテスト
11:00〜11:10 公式練習(GT300専有)
11:10〜11:20 公式練習(GT500専有)
11:45〜12:35 ピットウォーク
15:30〜15:40 公式予選Q1 GT300 A組
15:48〜15:58 公式予選Q1 GT300 B組
16:03〜16:13 公式予選Q1 GT500
16:23〜16:33 公式予選Q2 GT300
16:41〜16:51 公式予選Q2 GT500
17:05〜17:50 キッズウォーク
8月23日(日)
10:45〜11:35 ピットウォーク
11:40〜 ドライバーズアピアランス
12:00〜12:20 ウォームアップ
12:20〜13:30 スタート進行
13:30〜 決勝 52周