SUPER GT 2026 Round.2 - イベント・レースレポート

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SUPER GT 2026 Round.2

2026年5月5日

王者、No.36 au TOM’S GR Supraが盤石のレースで2連勝


5月4日、静岡・富士スピードウェイで開催されたSUPER GT第2戦「FUJI GT 3HOURS RACE GW SPECIAL」の決勝。緩やかに気温が下がる天候のなか、3時間の長い戦いを制したのは緻密な戦略と持ち前の速さを味方につけたNo.36 au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太)。開幕戦の岡山に続き、シーズン2連勝を果たしている。
 

予選日の夜遅くから、サーキット周辺の地域では雨が降り始めた。明け方にかけて雨量、風速が激しくなり、早朝は公共交通機関で通行止め等の影響を及ぼした。しかしながら早々に雨は止み、午前中のサポートレースからドライコンディションでの走行が可能となる。
 

レース前のピットウォークを迎えると、依然として風は強いものの、上空から時折眩しい日差しも照りつけるなど、レース観戦日和に好転した。なお、大型連休中の開催とあり、予選、決勝日を通じてサーキットには昨年を上回る8万3600人ものファンが来場している。
 

午後2時、気温24度、路面温度43度と、前日の予選時よりも高い数字を刻むコンディションのなか、3時間にわたるレースが幕を開けた。今シーズン初ポールポジションからのスタートとなったNo.14 ENEOS X PRIME GR Supra(福住仁嶺/大嶋和也)は、2番手の36号車との差を瞬く間につけてハイペースで周回。一方、36号車は序盤のペースアップが叶わず、3番手を走るNo.23 MOTUL Niterra Z(千代勝正/高星明誠)を牽制するような形をとった。一方、後方では僅差のバトルを展開。なかでも予選4番手のNo.38 KeePer CERUMO GR Supra(大湯都史樹/小林利徠斗)が奮闘し、23号車を抜いて36号車に迫る。だが、レース開始から30分強が過ぎ、その38号車にドライブスルーペナルティが提示される。これは、バトルのなか23号車に最終コーナーで接触し、スピンさせたことによるもの。結果、イレギュラーのピットインを強いられ、ライバルに遅れを取ることになった。
 

予選日より気温、路面温度が上昇した影響か、レース開始1時間を前にルーティンのピットインを行なうチームが出始める。早めにピットに戻ったチームはタイヤ交換と給油のみを行ない、ドライバーはダブルスティントを行なう戦略で、レース中盤に向かう。一方、トップをキープする14号車はちょうど1時間を過ぎた40周終わりでピットへ。すると背後の36号車もこれに続き、また3番手を守っていた23号車もピットへ。いずれのチームもタイヤ交換、給油、ドライバー交代のフルサービスを無難に済ませ、レース中盤に向かった。
 

もっとも遅くピット作業を行なったのが、No.100 STANLEY HRC PRELUDE-GT(山本尚貴/牧野任祐)とNo.19 WedsSport BANDOH GR Supra(国本雄資/阪口晴南)。45周終わりで全車が1回目のピット作業を終えると、再び14号車が名実ともにトップに立つ。また、その直後にNo.37 Deloitte TOM’S GR Supra(笹原右京/ジュリアーノ・アレジ)がスピードを失いピットロード入口を前に緊急ストップ、これを受けてFCYが導入されたが、GT500クラスのポジション争いに大きな影響は見られなかった。
 

レース開始から1時間30分、折り返しの時点でトップ14号車と2番手36号車との差は10秒5。36号車もまた3番手23号車に13秒近く差をつけており、それぞれが独走態勢に。しかし、ラップタイムを比較すると36号車のほうが明らかに速く、じわじわとその差を詰めていく。
 

そして、レース終盤に向けて先に仕掛けたのは、36号車。開始2時間を迎える直前、76周終わりでピットに向かうと、タイヤ交換と給油のみ行ない、37秒の作業時間でピットを離れた。また、それまでステアリングを握っていた坪井がそのままダブルスティントを敢行する。14号車はその2周あとにピットへ。タイヤ、給油に加え、ドライバー交代を行なったことで、39.8秒を要した。コースに復帰すると、その背後には36号車が迫る。温まっていないニュータイヤでは太刀打ちできず、14号車はコカ・コーラコーナーで36号車の先行を許してしまった。
 

見事アンダーカットを完遂させた36号車の勢いは、その後留まるところを知らず。レース序盤に14号車がしてみせたように、後続を引き離しにかかり、盤石のレース運びを披露。最終盤には14号車に対して10秒超の大差を築き、3時間超、115周を走破してトップチェッカーを受け、開幕戦からの2連勝を果たしている。2位14号車に続いたのは、23号車。終盤には後方から猛追を見せたNo.39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ)に追い立てられたが、見事にシャットアウト。GR Supra勢による表彰台独占を阻止してみせた。一方、新車PRELUDE-GTを投入するホンダ勢ではNo.16 #16 ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GT(野尻智紀/佐藤蓮)が最上位の5位で戦いを終えている。
 

GT300クラスでは、ポールポジションスタートのNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)が快走を見せる。今シーズンからニューエンジンを搭載し、その躍進にファンの注目が集まると、序盤から力走を見せた。だが、予選2番手のNo.31 apr LC500h GT(小高一斗/小山美姫/チャーリー・ブルツ)もペース良く周回。粘り強く背後からプレッシャーをかけ、喰らいつく。そんななか、レース開始から40分を過ぎた頃、61号車のタイヤにトラブルが発生。ウォームアップ走行でも同じようなトラブルが発生していたが、左フロントタイヤがスローパンクチャーとなり、一気にペースダウン。クルマを労りなんとかピットへと戻ってタイヤ交換を行なうと同時に、ルーティンのピット作業も済ませてコースへと復帰。しかし、トップの座は31号車のもとに。
 

一方、その31号車を背後から追い詰めたのがNo.56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/木村偉織)。ペース良く周回して31号車に迫るなか、31号車はルーティン作業のためにピットへと舵を切ったため、直接のバトルはお預けに。その後は56号車を先頭に、No.52 Green Brave GR Supra GT(吉田広樹/野中誠太)、No.666 seven x seven PORSCHE GT3R EVO(スヴェン・ミューラー/藤波清斗)がこれに続いた。
 

レースは、午後3時21分、GT500車両のトップが48周を走行中にFCYが導入され、これに伴いピットレーンがクローズされる。すると、この時点でクラストップを走行していた52号車は予定していたピットインのタイミングを逸してしまう。だが、燃料が持たず、結局ペナルティを承知の上でピットインを選択した。結果、FCY中のピットインを行なったことによるペナルティとして、のちに60秒のペナルティストップを課された。
 

折り返しを過ぎても56号車は安定したペースでクラストップを走行。これに31号車、666号車が続く。なお、666号車はレース序盤に他車との接触で10秒のタイムペナルティが課されているため、その後方の車両に3番手になる可能性が出てくる。そんななか、レース開始から2時間を前に31号車がピットインを実施。逆にトップを走る56号車は大きくタイミングを遅らせ、78周終わりでピットに滑り込むと、フルサービスのピット作業を行なった。
 

チェッカーまで残り30分を迎え、56号車は2位に対して8秒ほどの差をキープ。2番手には666号車が浮上していたが、3番手を走るNo.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟/黒澤治樹)は666号車との差を縮め、事実上の2番手に。これに31号車が続き、そのままチェッカー。56号車は3年ぶりの勝利に喜び、65号車はシーズン初の表彰台を獲得。そして、31号車は2戦連続で3位表彰台を手にする結果となった。
 

SUPER GTでは、昨今の中東情勢の問題を受けて第3戦マレーシア大会が延期されたため、次戦は第4戦富士が戦いの舞台となる。3時間から300kmへとレースフォーマットが変わるなか、シーズン初の夏の一戦はどのような展開を見せるのか、楽しみだ。
 

第2戦富士:決勝結果(各クラストップ3)

GT500
1.No.36 au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太)3:00’31.710 115Laps
2.No.14 ENEOS X PRIME GR Supra(福住仁嶺/大嶋和也)+8.786
3.No.23 MOTUL Niterra Z(千代勝正/高星明誠)+41.398
 

GT300
1.No.56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/木村偉織)3:02’07.657 107Laps
2.No.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟/黒澤治樹)106Laps
3.No.31 apr LC500h GT(小高一斗/小山美姫/チャーリー・ブルツ)106Laps



2026年4月27日

SUPER GT第2戦富士 プレビュー


序盤のヤマ場、富士は3時間レースの戦い
 

ゴールデンウィーク恒例のGTレースが5月3、4日に静岡・富士スピードウェイで開催される。SUPER GT第2戦「FUJI GT 3 Hours RACE GW SPECIAL」は、今シーズン最初の3時間による長い戦いだ。ドライバーの乗車時間、ピット作業も”やや多め”の戦いとなり、いつも以上にレースが”動く”可能性も高い。国内屈指の最速ストレートを爆走するGTカーの競演の行方を見守ってほしい。
 

■打倒36号車を巡る争いは?

開幕戦の岡山は安定した天候に恵まれるなか、ディフェンディングチャンピオンのNo.36 au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太)、ルーキーの踏ん張りがポールポジション獲得に繋がったNo.38 KeePer CERUMO GR Supra(大湯都史樹/小林利徠斗)はじめ、今シーズンからニューマシンを投入したホンダ勢や、解禁された空力のアップデートで巻き返しを図るニッサン勢が、それぞれの持ち前を活かした戦いを披露した。そのなかで巧みなレース戦略で勝利したのが36号車。坪井、山下両コンビによる連覇更新を目指し、幸先良いスタートを切った。またその一方で、レース内容としては、”打倒36号車”を目指すライバルたちの、今後の逆襲に期待ができる展開でもあった。
 

ただ、36号車の総合力としての高さはやはりライバルを圧倒するものだった。岡山で上位入賞を果たした各車は早速富士でサクセスウェイトを積載するが、今回のレースは3時間。距離にすると500kmを超えるかと思わえる。つまり、予選順位を決める一発の速さよりアベレージが高い速さに重きを置くため、岡山より展開を読むことが難しくなりそうだ。とはいえ、SUPER GTで問われる、ドライバーの技量、それを支えるチームの仕事ぶりなど、いわゆる総合力がモノをいうだけに、ミスなく”賢い”戦いを完遂することが好結果への最速ルートになるだろう。
 

富士がホームコースとなるトヨタ勢は、開幕戦からその速さと強さをしかと実証してみせた。今回もその流れは変わることがないだろう。そして、それを迎え撃つホンダ、ニッサン両陣営はこの富士にどう挑むのか。プレリュードGT初戦の岡山において、トップの結果を残したのはNo.16 #16 ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GT(野尻智紀/佐藤蓮)。新コンビによる初レースであり、予選はホンダ勢2番手の6位、決勝も6位だった。数字としての結果には決して満足はしていないだろうが、今シーズンから本格的にホンダ全陣営をバックアップするHRCスタッフが手にした岡山でのデータをフィードバックし、セットアップに活用してくるはず。ましてや3時間という長い戦いのため、トラブルなしに安定感ある走りを見せることで上位フィニッシュも難くないだろう。また、チーム力としては2シーズン連続でホンダ勢トップの成績を残しているNo.100 STANLEY HRC PRELUDE-GT(山本尚貴/牧野任祐)の存在も侮れない。開幕の岡山では戦略が機能せず悔しい結果に終わったが、実力ある山本と牧野のコンビが見せるパフォーマンスからも目が離せない。
 

一方、今シーズンは陣営としての参戦が4台から1台減って3台となったニッサン。だが、今シーズンはこの3台がみな同じブリヂストンタイヤを装着することになり、データ共有もしやすくなった。このなかでNo.23 MOTUL Niterra Z(千代勝正/高星明誠)は過去にも富士で表彰台の結果を残しており、なにかと相性が良い。昨シーズンいっぱいで現役を勇退した松田次生監督の采配により、さらに上を目指してくるのではないだろうか。
 

ところで、今シーズンから使用エンジンについてのレギュレーションが変更されており、年間をとおして搭載できるのはたった1基に。依然として先行きが読めない中東情勢の影響を踏まえ、第3戦セパンが延期(シーズン中の開催はなく、代替レースも実施しない)され、全8戦から1戦へって7戦となったため、1レースにおける負荷はやや軽減されたが、とはいえ、1シーズンを1基で戦い抜くための知恵と工夫は必至。まさにチーム挙げての頭脳戦で挑まなければならないのが、今シーズンのキーポイントにもなっている。ゆえに、今回初戦となる300kmレースも、エンジンにやさしい走りをもってライバルを制する戦いをすることが至上命令になるだろう。
 

■ピット戦略はじめ、それぞれの”強み”を活かす戦いに!?

岡山では、No.777 D’station Vantage GT3(藤井誠暢/チャーリー・ファグ)が申し分のないレースを披露。言ってみれば下馬評どおりの強さを発揮した、ということになるが、それでも当の本人たちはSUPER GTに復帰した2年前から岡山でのレースは良い思い出がなかった。というのも、十分に結果を狙えるなか、トラブルに見舞われたり追突されたり、と優勝とは無縁だっただけに、開幕戦完勝は大きな喜びとなったはず。ただ、ライバルたちとしては、これで勢いをつけた777号車をどう攻略するかが問題になってしまった。
 

777号車の対抗馬として名が上がっているのはどこか。過去の富士戦から予想すると、同じFAI GT3車両としてフェラーリ勢が一目置かれそうだ。加えて、岡山で猛追を見せて観客を沸かせたNo.88 VENTENY Lamborghini GT3(小暮卓史/ダニール・クビアト+第3ドライバー坂口夏月)の活躍にも期待。元F1ドライバーのクビアトは、SUPER GT初シーズンながらキレの良い走りを岡山で見せ、その適応性の高さをアピールしてみせただけに、ベテラン小暮らと結束して上位を狙ってくることだろう。
 

一方、ニューエンジン投入したNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)の活躍に注目するファンも多い。3時間というタフな戦いをしっかりと戦い抜くことで結果に繋げたい。メーカーが参戦するGT500とは異なり、さまざまな車種が競うGT300クラスはそのクルマの特性を活かしたピット戦略も魅力のひとつ。今回は2度のピット作業を伴うため、タイヤの使い方にも注目してほしい。4輪すべてを交換するのか、交換本数を限定するのか……さまざまなアプローチでポジションアップを図り、チェッカーを受けるころには、まさかの!? というような展開が見られるかもしれない。いずれにせよ、筋書きのないドラマの行方を大いに楽しんでほしい。
 

■主なスケジュール

FUJI GT 3 Hours RACE GW SPECIAL
 

5月3日(日)
10:30〜11:30 公式練習(GT300+GT500)
11:30〜11:45 FCYテスト
11:45〜11:55 公式練習(GT300専有)
11:55〜12:05 公式練習(GT500専有)
12:15〜12:45 サーキットサファリ
13:00〜13:50 ピットウォーク
14:20〜14:30 公式予選Q1 GT300 A組
14:38〜14:48 公式予選Q1 GT300 B組
14:53〜15:03 公式予選Q1 GT500
15:13〜15:23 公式予選Q2 GT300
15:31〜15:41 公式予選Q2 GT500
16:00〜16:50 キッズウォーク
 

5月4日(月・祝)
10:20〜11:15 ピットウォーク
12:00〜 ドライバーズアピアランス
12:30〜12:50 ウォームアップ
12:50〜14:00 スタート進行
14:00〜 決勝 3時間レース(約118周)





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