SUPER FORMULA 2024 Round.2
スーパーフォーミュラ第2戦、牧野任祐が悲願の初優勝!
5月19日、大分・オートポリスにおいて開催された全日本スーパーフォーミュラ選手権第2戦は、41周の戦いにおいてスタート直後からトップに立ったNo. 5 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が圧巻のレース展開を披露。独走で悲願の自身初優勝を達成した。
前日から好調だった牧野。しかしながら、予選Q2では、今シーズンデビューしたばかりのNo.15 岩佐歩夢(TEAM MUGEN)に大差をつけられ、悔しい2位に終わった。迎えた決勝日。風は強く、雲ひとつない快晴の好天気に恵まれたコンディションの下で、41周の戦いが幕を開けた。
オールシグナルレッドから牧野が絶妙なスタートを決めてトップを奪うと、これに続いたのは、予選3番手のNo.64 山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING)。逆に岩佐は蹴り出しが悪かったか、3番手にドロップする形でオープニングラップを終了する。理想的なポジションを得た牧野はハイペースで周回を重ねたが、2番手の山本は岩佐との攻防戦となったことでトップ牧野が後続との差をどんどんと広げていった。
ルーティンのピットインが可能となる10周を迎えると、まず最初に山本がピットイン、これに6番手にいたNo. 6 太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、No. 8 福住仁嶺(Kids com Team KCMG)、さらにNo.55 松下信治(TGM Grand Prix)ら計5台がピットイン。以降、1台また1台とルーティンワークを消化した。
次にトップグループで動きを見せたのは、野尻。22周終わりでピットインして順調に作業を済ませたものの、ひと足先にピット作業を終えた後続車のアンダーカットを許してしまい、ポジションを守ることができなかった。そんななか、トップ牧野が24周終わりでピットへ。これに岩佐も続き、2台はピットでの直接対決に臨んだ。が、逆転はなく、このままの順位でコースに復帰。さらに、いち早くコースインした牧野はトップをキープできたが、岩佐の前を山本、太田がすり抜けることとなり、岩佐は事実上4番手でコースに復帰することとなった。
27周目、ペースの良い岩佐は目前の太田を2コーナーから3コーナーにかけて逆転。さらに山本を猛追する。そして迎えた34周目の1コーナーで岩佐は山本をパス。再び2位の座に復帰した。すると、その後ろを走っていたNo.36 坪井 翔(VANTELIN TEAM TOM’S)が続いて山本を攻略。ライバルより早めのピットインでタイヤコンディショに劣る山本だったが、その後も後続からの猛追に遭うなかで最後までポジションキープを果たしている。
逃げる牧野と追う岩佐の差は13秒まで広がり、完全に独走態勢。逆に、岩佐は3番手からハイペースで追い上げる坪井を意識せざるを得ない状況となり、レースはこのまま41周のチェッカーを迎えた。
海外フォーミュラから2019年に日本へ戻り、スーパーフォーミュラにデビューした牧野。その年の開幕戦でいきなりポールポジションを獲得するも、優勝までの道のりは長く、ようやく今回悲願の初優勝を達成。クルマから降りると感情を爆発させ、インタビューでは溢れる感情に涙が止まらなかった。対する岩佐はデビュー後初の2位表彰台となったが、悔しさが滲んでいた。3位の坪井はトヨタエンジンユーザー最高位を獲得する結果となっている。
ドライバーズランキングは、開幕戦を制した野尻と今回のウィナー牧野が23ポイントでともにトップへ。これに3点差で岩佐と山本が続いている。第3戦の戦いは東北地方仙台へと移し、6月22、23日にスポーツランドSUGOにおいて開催される。
第2戦オートポリス・決勝結果 トップ3
1.No. 5 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)41周 1:03’37.202
2.No.15 岩佐歩夢(TEAM MUGEN)+5.565
3.No.36 坪井 翔(VANTELIN TEAM TOM’S)+8.978
SF第2戦AP、岩佐歩夢が初ポールをゲット!
5月18日、大分オートポリスにおいて、全日本スーパーフォーミュラ選手権第2戦が開幕。予選日にあたるこの日、午後からのセッションでNo.15 岩佐歩夢(TEAM MUGEN)がポールポジションを獲得。今シーズンから参戦するルーキーが2戦目で最速タイムを叩き出している。
年に一度、九州地方で開催されるフォーミュラ最高峰のイベント。五月晴れの好天気の下、セッションが進んだ。午前中のフリー走行でトップタイムをマークしたのは、No. 5 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。これに岩佐、No.36 坪井 翔(VANTELIN TEAM TOM’S)がトップ3を形成した。
迎えた午後の予選。まず、Q1・A組に11選手が出走する。10分のセッションでは残り3分を切った段階からアタックが始まると、岩佐が暫定トップに立ったが、その後、No. 6 太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がこれを0.125秒上回るタイムでトップを奪取した。なお、今大会からITOCHU ENEX TEAM IMPULの19号車をドライブすることとなったベン・バーニコートだが、残念ながらQ2進出は果たせなかった。
続くQ1・B組では、まずNo.16 野尻智紀(TEAM MUGEN)が暫定トップタイムをマーク。しかし、好調の牧野がこれを上回り、さらには午前中のフリー走行では後方に沈んでいたNo.38 阪口晴南 (VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)が躍進し、トップと0.004秒差で2番手につけた。
ポールポジションが決定するQ2には、12台が出走。7分間のセッション開始とともに大半のクルマがコースへと向かい、コースを1周。その後、ピットインに戻ってタイヤを交換すると、改めてアタックへと向かった。
チェッカーまで残り1分半を切った時点で、最速セクタータイムを刻んでいたのは、岩佐。しかし、牧野がこれを上回る速さで対抗する。だが、岩佐も負けておらず、ひと足先に1分26秒632というこの日一番の速さを見せてチェッカー。これを追うように次々と他のドライバーもチェッカーを受けたが、誰一人として岩佐のタイムを上回れず。結果、岩佐は後続に0.338秒という大差をつけて、参戦2戦目にしてポールポジションを手にすることとなった。
2番手の牧野に続いたのは、復調の兆しが見えてきたNo.64 山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING)。牧野との差は0.076秒だった。なお、開幕戦で優勝を飾った野尻は5番手に留まる結果となっている。
決勝は、5月19日、午後2時50分に号砲。41周の戦いとなる。
【第2戦オートポリス・予選結果 トップ3】
1.No.15 岩佐歩夢(TEAM MUGEN)1’26.632
2.No. 5 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)1’26.970
3.No.64 山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING)1’27.046
SUPER FORMULA第2戦オートポリス
ベテランvs若手の戦いに!? 勢力図に動きはあるのか?
今シーズン開幕イベントから2ヶ月強のインターバルを挟み、今週末は大分・オートポリスにて全日本スーパーフォーミュラ選手権の第2戦が開催される。3月下旬から4月初旬にかけ、フォーミュラE、フォーミュラ1といった世界選手権が開催されたこともあり、例年のスケジュールとは少し変化が見られるが、参戦ドライバーたちは今か今かと次なる戦いを待ちわびているはずだ。
2ヶ月ぶりの戦いは難コースが舞台
舞台となるオートポリスは、本州を離れ、スーパーフォーミュラが開催される唯一のサーキット。アップダウンに富んだユニークなコースレイアウトを持つだけなく、タイヤへの攻撃性が高い路面を持つ難関としても知られる。コース上の戦いを前に、エンジニアらが頭を悩ませ、的確なセットアップを施してサーキットへと向かうが、天候をはじめとしたレースウィーク中のコンディションをも味方につけ、力強い戦いをしなければならない。状況をいち早く先読みし、先手を打つことが求められる。
開幕戦の予選では、勢いある若手選手が奮闘。しかし、決勝ではハプニングもあって流れが変わり、最終的に表彰台を占めたのはキャリアあるドライバーだった。速さだけでなく、強さやチームとしての総合力を見せつけた形だったといえる。とはいえ、予選での一発のアタックに全力でぶつかってくる伸び盛りのドライバーの走りは特筆すべき”力”がある。とりわけオートポリスはチャレンジングなコースゆえ、思い切った攻めの走りが求められるだけに、彼らの勢いがこのオートポリスで炸裂し、形となれば、予選で上位につけてくる可能性が高い。ただ、先述のように、タイヤへの負荷が大きいコースだけに無駄なアタックは避けなければならない。タイヤの旨味をうまく引き出し、効率良くアタックを行なう器用さが求められるだろう。これまでのレースを振り返っても、場合によって装着するタイヤが前後で異なることもあるだけに、予選から各選手の動きに着目してもらいたい。
なお、開幕戦でTEAM IMPULから参戦したGP2チャンピオンのフランチドライバー、テオ・プルシェールが、アメリカのインディカーシリーズへの参戦を決めたため、その後任としてベン・バーニコート選手が参戦することになった。F1候補生と言われていたプルシェールの走りがみられなくなったのは残念だが、バーニコート選手自身、シーズンオフのテストに来日、ドライブしていた選手だけに、デビュー戦からいきなり実力発揮、というパフォーマンスを見せる可能性も高い。ヨーロッパのコースに似ている、と言われるオートポリスは当然ながら初走行となるが、どこまで合わせ込んでくるか、お手並み拝見、といきたい。
タイトル奪還に燃える実力選手が奮闘? それとも?
コースレイアウトもさほど広くなく、タイヤマネージメントもシビアなオートポリスでのレースは、アクシデントの発生も否めない。見どころも多いが、ドライバーにとってはハプニングも警戒しなければならない戦いとなるはずだ。
難コースを制するには、まず予選で上位グリッドを獲得すること。そして、スタートからポジションキープ、追い上げる場合は序盤からライバルをパスして好位置を確保したい。義務化されているタイヤ交換のピットインのタイミングもライバルドライバーとの駆け引きになるはずだ。チーム総合力の影響も大きいピット作業なども見どころとして目が離せない。ちなみに、オートポリスは国内サーキットで唯一ピット位置が逆のサーキット。普段とは向きが異なるだけに、ピット作業での注意も欠かせない。まさに総合力で臨む一戦となる。
開幕戦の鈴鹿では、ベテランの野尻智紀(TEAM MUGEN)が予選3位から勝利し、幸先の良いスタートを切った。タイトル奪還を目指すには、このオートポリスでの連勝が欠かせない。だが、ここは昨シーズンは体調不良でサーキット入りしてから欠場を決めた場所でもある。つまり、2年ぶりのオートポリス戦だけにどうクルマを操っていくのか。彼の”調整力”が注目されることだろう。また、鈴鹿で久々の2位表彰台で勢いづく山下健太(KONDO RACING)や、怪我から復帰し、その初レースで3位を掴んだ山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING)ら、試合巧者の存在も要注意。ベテランと伸び盛りの若手が見せる激しい戦いを期待したい。
主なタイムスケジュール
5月18日(土)
09:15 – 10:45 フリー走行1回目
12:40 – 13:30 ピットウォーク
14:00 – 14:10 予選Q1・A組
14:15 – 14:25 予選Q1・B組
14:35 – 14:42 予選Q2
5月19日(日)
10:00 - 10:30 フリー走行2回目
11:05 – 11:55 ピットウォーク
13:50 – 14:50 スタート進行
14:50 – 決勝レース 41周/最大75分