SUPER FORMULA 2024 Round.1 - イベント・レースレポート

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SUPER FORMULA 2024 Round.1

2024年3月10日

スーパーフォーミュラ、第1戦を制したのは野尻智紀!


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3月10日、三重・鈴鹿サーキットにおいて、2024年全日本スーパーフォーミュラ選手権の決勝レースが行なわれ、予選3番手スタートのNo.16 野尻智紀(TEAM MUGEN)がオープニングラップでトップを奪取、その流れをキープして初戦を制した。
 

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前日に続き、寒さが先行する天気になった鈴鹿。併催レースでの赤旗中断の影響を受け、予定より20分遅れのスタートを迎える。ポールポジションのNo.38 阪口晴南(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)は難なくスタートを切ったが、隣の予選2位No. 6 太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が失速。代わって予選3位のNo.16 野尻智紀(TEAM MUGEN)が抜群の蹴り出しで1コーナーをトップで駆け抜けた。
 

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後方では、2台のクルマが接触。これを受けセーフティカーがコースイン、5周目終了のタイミングでようやく再開を迎える。7番手にポジションを落としていた太田は、チームメイトのNo. 5 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)を猛プッシュ。ともにオーバーテイクシステム(OTS)を巧みに使い、激しい攻防戦を展開する中で、太田が先行し、改めてポジションアップを目指した。
 

10周目を終えてピットインが可能となると、4台が続いてピットへ。予選5位スタートのNo.64 山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING)は、この戦略を味方にポジションアップを果たしていく。一方、トップの野尻は13周終わりにピットイン。スムーズに作業を終えてコースに復帰を果たす。また、オープニングラップで2番手にポジションを上げていた佐藤は、15周終わりでピットへ。だが、コースに戻ると、先にピット作業を終えていたNo. 3 山下健太(KONDO RACING)や山本らの先行を許し、ポジションを落としてしまった。
 

野尻が”裏のトップ”として快調に周回を重ねる中、26周を終えて全車で最後にピットインを終えたのがルーキーのNo.15 岩佐歩夢(TEAM MUGEN)。これで晴れて野尻がトップに立ち、2位山下に対して4秒という差を広げて勝利への道を突き進んでいく。逆に山下は、その背後に迫る山本にじわじわと差を削られており、厳しい状況。とはいえ、山本も背後にポジションを挽回する走りを見せていた太田からの激しいプッシュを気にしながらの走行に。手持ちのOTSも限られた状態となり、結局3台はそれぞれのポジションキープに尽力する形となり、逆転のチャンスには恵まれず。そのままの順位でチェッカーを受けた。
 

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ひとり旅で勝利した野尻は通算12回目の優勝を果たし、現役選手トップの優勝回数となり、表彰台でも満面の笑みを見せた。そして、2位の山下は、昨年第2戦富士大会以来となるトップ3入り。また、昨シーズンのSUPER GTで大怪我を負い、レース休場を強いられた山本も、復帰第一戦で表彰台を獲得。実力派らしい戦いぶりを披露したといえる。
 

なお、注目のルーキー、No.19 テオ・プルシェール(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)はレース序盤にオーバーラン。フロントウィング交換を強いられ、ポジションダウンというほろ苦い日本でのレースデビューに終わっている。また、”高校生女性ドライバー”のNo.53 Juju(TGM Grand Prix)も、タフなコンディションの中、見事完走。今後に向けて期待の持てる走りを見せたといえる。
 

冬の寒さが残る中で開幕した2024年シーズン。第2戦は5月18、19日、舞台を九州・オートポリスに移して開催される。
 

1.No.16 野尻智紀(TEAM MUGEN)31周 57’14.911
2.No. 3 山下健太(KONDO RACING)+1.855
3.No.64 山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING)+3.091
 

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2024年3月9日

24シーズン開幕! スーパーフォーミュラ第1戦のポールは阪口晴南!


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3月9日、三重・鈴鹿サーキットにおいて、2024年の全日本スーパーフォーミュラ選手権が開幕。冷たく強い風が吹き付ける不安定なコンディションの中で予選が行なわれることとなり、No.38 阪口晴南(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)がシーズン初、そして自身初となるポールポジションを獲得している。
 

鈴鹿でのF1日本GPが4月開催になったことを受け、スーパーフォーミュラの開幕戦が3月開催になったのは、2007年富士以来(このときは4月1日に決勝開催)。鈴鹿での開幕戦は5年ぶりだが、3月開催となると、2004年まで遡る。金曜日の搬入日こそ日中は日差しもあって10度を超える好天気だったが、予選を迎えた土曜日は、厳しい冷え込みに見舞われ、日中も強く冷たい風が吹き続いた。
 

朝のフリー走行は路面温度も低く、タイヤを温めるのに厳しいコンディション。強風の影響でコースが埃っぽいこともあったせいか、アクセルワークに苦戦し、スピンアウトするクルマも見られた。90分のセッションでトップタイムをマークしたのは、2022年の王者であるNo.16 野尻智紀(TEAM MUGEN)。ホンダエンジンユーザーがトップ3を占め、トヨタ勢のトップは4番手のNo. 3 山下健太(KONDO RACING)となった。
 

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午後に入るとさらに風が強まり、サポートレースのフォーミュラリージョナルジャパンの予選で赤旗が頻発したり、併催の2輪JSB1000の予選がキャンセルされるなど荒れ模様だったが、スーパーフォーミュラの予選は、オンタイムでスタート。気温8度、路面温度18度という厳しいコンディションではあったが、幸いにしてQ1からQ2を通じて赤旗でセッションがストップすることはなかった。
 

Q1・A組には全21台中11台が出走。昨年の最終戦で自身初優勝を果たしたNo. 6 太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がトップタイムをマーク。これに昨年終盤、SUPER GTの決勝レースで大怪我を負ってからの復帰戦となるNo.64 山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING)が続き、注目のルーキーNo.15 岩佐歩夢(TEAM MUGEN)が3番手に。一方、昨年のFIA-F2王者というタイトルを引っ提げて日本でのレースに初挑戦するNo.19 テオ・プルシェール(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)やチーム移籍で心機一転のNo.39 大湯都史樹(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)はQ2に駒を進めることができなかった。
 

Q1・B組は午前トップの野尻を筆頭に、オフシーズンのテストで好調さをアピールしていたNo. 5 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、今年からチームのエースナンバーをつけるNo.38 阪口晴南 (VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)がトップ3に。なお、注目のNo.53 Juju(TGM Grand Prix)は、野尻から約5秒遅れの最下位となり、厳しい船出となった。
 

迎えたQ2には12台が出走。10分間でいかにタイヤパフォーマンスを引き出すか、セッション開始とともにコースに向かう選手、逆にピットでしばし待機して周回を重ねてそのままアタックに向かう選手と、それぞれアプローチが異なったが、Q1の勢いままにまず、太田が最速タイムとなる1分35秒880をマーク。自身も手応えを感じていたというが、これを0.091秒という僅差で阪口が1分35秒789をマーク。自身初となるスーパーフォーミュラでのポールポジションを手にした。
 

2位太田に続いたのは、野尻。コースに向かうタイミングが良くなかった、と予選を振り返ったが、初戦の決勝に向けて若手、中堅、ベテランのトップ3選手が、どのような駆け引きを披露するのか、決勝に向けて期待が高まる。
 

決勝は、3月10日、午前2時25分に号砲。31周での戦いを迎える。
 

第1戦鈴鹿サーキット・予選結果 トップ3

1.No.38 阪口晴南 (VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)1’35.789
2.No. 6 太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)1’35.880
3.No.16 野尻智紀(TEAM MUGEN)1’35.926
 

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2024年3月7日

SUPER FORMULA第1戦鈴鹿 プレビュー


今シーズンは鈴鹿から戦いがスタート!

 

昨年、11月にシーズンを終えた戦いが帰ってくる__今週末、三重・鈴鹿サーキットにおいて、ついに2024年シーズン開幕を迎える。これまで、4月開催だったこのイベントだが、今シーズンは、長らく秋開催だったF1日本GPが4月に鈴鹿で開催されることもあり、3月、しかも初旬での開催となる。冬の間、今か今かとレース開催を待ちわびていたファンにとっては、”前倒し”感もあって、喜ばしい限り。ステップアップを果たした新たなドライバーの参戦も含め、今シーズンもさまざまなドラマを見せてくれそうな気配だ。
 

例年より1ヶ月弱早い開幕戦に

開幕戦を前にした先月2月21、22日。初日は本降りとなる雨の中、鈴鹿では公式テストが行なわれた。シーズンインすると、1度しか公式テストが実施されないため、直近の実走は貴重な時間。あいにくの雨模様とはいえ、ウエットタイヤを装着してのテストと考えれば、これもまたとないチャンス。エンジニアやドライバーは、少しでもデータを収集すべく、精力的にテストに勤しんだ。
 

降り続く雨で、ドライコンディションを想定した内容のテストが存分にできなかったことも事実だが、今週末の鈴鹿は春が近づくなかでのレース開催となり、現時点で天候が崩れる心配もなさそう。若干手探り感は否めないが、ここはチームとしてのデータを活用しつつ、レースウィーク中にクルマをしっかりと合わせ込む方向で戦いに臨むのではないだろうか。
 

21名がしのぎを削ることに

さて、今シーズンは12チーム、21選手でしのぎを削ることになるスーパーフォーミュラ。開幕ギリギリまで20名の選手のみアナウンスされていたが、最後の最後になって残る1選手、松下信治のエントリーが確定した。そして、その顔ぶれが昨シーズンとは大きく変わっているのも、今シーズンの特徴と言えるだろう。これまで”固定”ドライバーによる戦いが続いていただけに、ニューカマー参戦によって、さまざまな効果があらわれるかもしれない。
 

昨シーズンのチャンピオン、宮田莉朋が渡欧してWECやGP2への参戦。またWECと”二足のわらじ”を履いていた平川亮も完全に海外へと活躍の場を移したことで、どのドライバーがどのチームへ加入するのか、もっぱらストーブリーグの話題だったが、宮田に変わってTOM’Sへの移籍を決めたのが、坪井翔。SUPER GTでは一足早く同チームに加入しており、今シーズンは両カテゴリーで同じチームからの参戦が叶う。つねにチームとコミュニケーションを取れる環境が整うことは、彼にとって大きなアドバンテージとなることだろう。一方、平川が所属していたTEAM IMPULは、ドライバーラインナップを刷新。GP2チャンピオンのフランチドライバー、テオ・プルシェールと国本雄資がチーム入りを果たした。若手ルーキーのプルシェールはF1にも近いドライバーとして注目を集める一方、国本は2016年のチャンピオン。互いに刺激を与え合うことになりそうだ。
 

そして、開幕を前にすでに大きな話題を集めているのがJuju(ジュジュ)こと野田樹潤。4月から日本大学で”キャンパスライフ”を送る大学生であり、若干18歳の日本人女性ドライバーは、史上最年少でのスーパーフォーミュラ参戦にどう挑むのか。まだ試行錯誤が続く厳しい道のりには違いないが、成長ぶりに期待がかかる。さらに、昨年までFIA-F2に挑戦していた岩佐歩夢が”鳴り物入り”で国内トップフォーミュラに挑戦。欧州で磨いた腕を披露する絶好のシーズンとなりそうだ。これに対し、国内からのステップアップドライバーは木村偉織。昨シーズン参戦していたスーパーフォーミュラ・ライツでは、最後の最後までもつれたチャンピオン争いを制した実力派だけに、粘りある戦いを見せてくれることだろう。この他、”復活組”の三宅淳詞や、チーム移籍を果たした福住仁嶺、大湯都史樹らの奮闘にも注目してほしい。
 

開幕戦を制し、波に乗るのはどのドライバー?

レースフォーマットに関しては、昨シーズンが踏襲される。とはいえ、昨シーズンはQ1からQ2への進出がかなりシビアな状況となっており、先日の公式テストでドライコンディションでの走り込みが少なかったことを考えると、まずは、土曜日朝のフリー走行がキモになる。1時間30分の時間を活用して、午後からの予選に向けてクルマを仕上げなければならない。質の高い準備をすることで、ライバルを出し抜きたいところだ。どうアプローチし、予選を組み立てるか。エンジニアとドライバーによる”知恵の絞り合い”も含め、好結果を残せるかどうか。まさにチーム総力戦の開幕戦になりそうだ。
 

本格的な春の訪れにはまだ少し遠い中で迎える鈴鹿の一戦は、今シーズンを象徴するような戦いになるのか。楽しみでならない。
 

主なタイムスケジュール

3月9日(土)
10:05 – 11:35 フリー走行1回目
11:55 – 12:40 ピットウォーク
15:05 – 15:15 予選Q1・A組
15:20 – 15:30 予選Q1・B組
15:40 – 15:57 予選Q2
 
3月10日(日)
09:10 - 09:40 フリー走行2回目
14:25 – 決勝レース 31周/最大75分





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