SUPER FORMURA 2021 Round.2
SUPER FORMULA第2戦鈴鹿 プレビュー
トヨタ勢が気を吐くか!? 第2戦はホンダのホームサーキット、鈴鹿戦!
早くもシーズン2戦目を迎える2021年の全日本スーパーフォーミュラ選手権。静岡・富士スピードウェイでの開幕戦からわずか3週間のインターバルで迎える第2戦は、三重・鈴鹿サーキットがその舞台として用意される。富士の一戦で見えてきた今シーズンの勢力図をもとに、各チーム、ドライバーはいっそう周到な準備をして戦いに挑むこととなる。
復帰選手、そして来日が叶わない外国人選手
開幕戦では全11チーム、合計18台が出走したが、今大会には全12チーム、合計19台が戦いに挑むことになる。第2戦からの復帰となるのは、B-Max Racing Team。チームではアメリカ人のイヴ・バルタスの加入をかなり早い段階から発表していたが、残るもう1台についてはアナウンスが遅れていた。だが、この鈴鹿大会からもうひとり日本人ドライバーがフル参戦が決定。シートに収まるのは、松下信治だ。2015年から3シーズンは欧州でステップアップカテゴリーに参戦していたが、2017年をもってGP2のシートを喪失。2018年に帰国し、スーパーフォーミュラに戦いの場を求めて初参戦。フルシーズンを戦ったが、翌年には再び渡欧し、FIA F2に参戦した。だが、2020年、シーズン途中で所属チームが別のドライバーを迎え入れたことにより、またもシートを喪失。コロナ禍で帰国したものの日本でのレース活動は見送っていた。しかし、スーパーフォーミュラでは、来日が難しい外国人ドライバーに代わって第4戦から最終戦まで出場。さらに、SUPER GTでは怪我を負った選手の代役でGT300クラスへの参加が決定、2戦に出走した。その結果、今シーズンはGT500でのフル参戦が実現。しかも古巣のホンダを離れ、日産系チームへの移籍を果たしている。一方、今季における松下のスーパーフォーミュラ参戦においては、紆余曲折があったという噂が絶えない。というのも、B-Max Racing Teamの車両に搭載されるエンジンはホンダ製。今や日産系チームドライバーとなった松下に対し、古巣のホンダがエンジン提供に難色を示したのではないか…という話らしいが、この度無事に第2戦以降のフル参戦が決まったとのこと。今や日本でのレース活動にしっかりと軸足を移した松下の躍進に期待したいところだ。
一方、松下のチームメイトになるはずのバルタス、さらにKONDO Racingシーズン2年目となるサッシャ・フェネストラズも現時点で来日が叶っていない。フェネストラズは先日開幕戦が行われたSUPER GTも欠場。在籍するチームの情報によると、現在ドバイで”ステイホーム”中であり、日本への渡航を待ちわびているという。昨シーズン終了後、一旦日本を離れた外国人選手は決して少なくないのだが、フェネストラズはウィンターシーズン中に他のカテゴリーレースに参戦するなど海外での活動も精力的に行っていたこともあり、結果として来日のタイミングで出遅れた形となってしまった。折しも、第2戦開催を前にした20日には、大阪府が国に対し、緊急事態宣言発出の要請を決定。東京都もこれに続くのではないかという見方が強いだけに、入国が叶わない外国人選手のレース参戦の実現は、まだしばらく時間がかかるのではないだろうか。
富士ではホンダ勢が躍進。鈴鹿はいかに!?
開幕戦の富士でつねに上位を占めていたのは、ホンダエンジンユーザーたち。ノックアウト予選では、レースでパーフェクトウィンを果たしたNo.16 野尻智紀(TEAM MUGEN)が申し分のない組み立て方でタイムアタックをやってのけた。予選2番手のNo.64 大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)は参戦2年目、そして3番手につけたNo.6 笹原右京(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)は牧野任祐の代役として出走した若きドライバー。トップ3をホンダエンジンユーザーが占め、その勢いと流れは決勝になっても変わることはなかった。覇者の野尻、2位は予選同様に大湯が続き、終盤は野尻を背後から攻め立てるパフォーマンスで観客を沸かせた。3位に続いたNo.5 福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)も予選4番手からポジショアップして表彰台の一角をゲット、安定感あるレース運びを見せている。一方、トヨタエンジンユーザートップは4位チェッカーとなったNo.20 平川 亮(carenex TEAM IMPUL)。予選7位からポジションを上げる意地を見せたが、本来のキレのある速さを引き出せるレース展開には至らなかった。
富士、そして今回の鈴鹿に限らず、最近はノックアウト予選での僅差が命取りになることが少なくないため、ライバルとの駆け引きも重要になる。アタックで速さに挑むドライバーだけでなく、ドライバーをバックアップするチームがドライバーとのコミュニケーションをよりスムーズにすることで、予選上位のポジションを手繰り寄せる確率もグンと跳ね上がるかもしれない。
サーキットの特性の違いがあるため、前回富士で繰り広げられた高速コースでのバトルとはまたひと味もふた味も異なる醍醐味が期待できる今回の鈴鹿での一戦。試合巧者であるベテランドライバーの活躍、一方で勢いにあふれるフレッシュマンドライバーの躍進…。両者による火花を散らす戦いが、まもなく始まる。
主なタイムスケジュール
・4月24日(土)
10:15 – 11:45 フリー走行
15:10 – 公式予選(ノックアウト方式)
15:10 – 15:20 Q1(A組→上位7台がQ2へ)
15:30 – 15:40 Q1(B組→上位7台がQ2へ)
15:50 – 15:57 Q2(A+B上位7台・計14台→ 8台)
16:07 − 16:14 Q3
・4月25日(日)
08:40 − 09:10 フリー走行
13:45 – 14:30 スタート進行
14:30 – 決勝(30Laps)