SUPER GT 2019 Round.8
SUPER GT第8戦ツインリンクもてぎ プレビュー
現行規定車両でのラストレース、気になるチャンピオン争いは?
ついに今シーズン最後の戦いを迎えるSUPER GT。9月中はオートポリス、スポーツランドSUGOと慌ただしいスケジュールだったが、10月はドイツ・ホッケンハイムで開催されたDTM最終戦に3台が”ゲスト参戦”し、11月末に予定されているDTMとの交流戦に向けてアピールしている。一方、最終戦の舞台なる栃木・ツインリンクもてぎは、シリーズチャンピオンを巡る戦いはもちろんのこと、GT500では現行規定車両で行われる最後の一戦にあたることから、有終の美を飾るべく、注目すべき点が盛りだくさんのレースウィークになりそうだ。
■レクサス2台による王座を巡る戦いへ
第7戦を終えた時点でのランキングトップはNo.6 WAKO’S 4CR LC500(大嶋和也/山下健太組)。第4戦タイ、第5戦富士と連覇したことが弾みとなり、一気にチャンピオン争いに加わると、その後も最重量のウェイトハンデにも関わらず、第6戦オートポリス、第7戦SUGOとガマンの走りが結実し、連続6位入賞を達成。さらなるポイント計上に成功している。結果、現時点でのポイントは70点。2番手との差は7点となっている。その2番手になるのが、No.37 KeePer TOM’S LC500(平川亮/ニック・キャシディ組)。6号車同様、これまでノーポイントに終わったのは、開幕戦岡山大会のみ。表彰台も6号車と同じく3回なのだが、第3戦鈴鹿、第4戦タイとも2位フィニッシュとあと一方で勝利に恵まれておらず、その結果が6号車との差になっていると言っても過言ではないだろう。上り調子の6号車に対し、抜群の安定感を強みとする37号車だけに、もてぎではしたたかな戦略をもって挑んでくると考えられる。一方、ランキング3番手につけるのは、No.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)。タイトル争いの3台の中で唯一もGT-Rであり、またミシュランタイヤを装着する一台となる。23号車は、開幕戦、第2戦富士で表彰台に上がるも2位どまり。さらに第5戦富士では3位、と悔し涙の結果に終わっており、チャンピオン経験チームとしては今ひとつパンチが足りないシーズンを過ごしてきている。トップとの差は20.5点と大きく、上位2台を差し置いて逆転チャンピオンを実現させるためには、まずポールポジション獲得と優勝を果たさなければならない。ただし、この2つの重要ミッションをクリアするだけでは夢は叶わない。加えて、6号車がノーポイント、そして37号車が5位以下でレースを終えることが条件となるだけに、タイトル獲得への道のりはかなり険しいものといえるだろう。
■開幕戦以来となるガチバトルに注目
ウェイトハンデを採用し、シリーズを戦うSUPER GT。結果によって搭載されるウェイトハンデにつき、第2戦以降、その影響を少なからず受けてきた車両だが、最終戦のもてぎではようやくその”足かせ”がなくなり、開幕戦と同じくノーウェイトでの走行が可能となる。チャンピオン争いのチームに限らず、これまで思うような結果を残せずに苦戦してきたチームにとっても、絶好のチャンス。そう考えれば、どのチームにとっても勝利する機会が巡ってくるのがこの最終戦のもてぎになるため、いつも以上に激しいバトルを期待しないわけにはいかない。その中でも、開幕戦以来となる優勝を狙っているのがホンダ勢ではないだろうか。惜しくもタイトル争いからは脱落してしまってはいるが、ツインリンクもてぎがホンダのホームサーキットであることは言わずもがなであるし、さらにもうひとつ、別の理由もある。それが、来シーズンに向けた車両変更だ。2020年、SUPER GTではDTMとの統一規格である「クラス1」に準じた新たな車両を投入することが決定している。先日、メディア向けにも各メーカーの新車がお披露目されたのだが、ホンダが新たに投入するNSX-GTは現行のミッドシップからFRへと変更されており、ミッドシップレイアウトの車両は、もてぎ戦で見納めとなるのだ。だからこそ、文字通り”有終の美”を飾るべく、勝負にかけるホンダ勢の奮闘に注目が集まるのではないだろうか。なお、来シーズンに投入される新型GT500車両だが、レースウィーク中に車両展示があるほか、決勝日にはデモランが予定されているのも、楽しみのひとつとなるだろう。
■GT300はARTA NSX GT3が初年度タイトルを目指す
GT300クラスのランキングトップはNo.55 ARTA NSX GT3(高木真一/福住仁嶺組)。車両は今シーズンからNSX GT3が投入され、ドライバーのコンビも高木と福住になっているが、55号車としては昨シーズンの”悪夢”がある。最終戦のもてぎを前に、ランキングトップで戦いに挑んだものの、レースでノーポイントに終わり、ライバルに優勝を奪取されただけでなく、クラスチャンピオンそのものを”献上”するという、苦い一戦に終わった。今シーズンは、2番手との差も昨シーズンよりは大きく、また去年の戦いでイヤというほど味わった屈辱から、もう二度と同じ轍は踏まないと心しているはずだ。自力タイトル獲得には4位以上でレースを終えることが必須条件。優勝こそ、前大会SUGOで今季初勝利だったが、誇るべきはシーズンを通して得られている安定感。これをもって最終戦に挑んでくることだろう。迎え撃つライバル達の中には、55号車よりももてぎを得意とするチームも正直少なくない。まさに、ポテンシャルを最大限に引き出すガチバトルの戦いは、SUPER GTの最終戦にふさわしいダイナミックなものになるはずだ。
なお、もてぎでは決勝レース終了後に「グランドフィナーレ」が行われる。これは、シーズン最後の戦いを終えたばかりの参戦ドライバーが一同に会し、ファンサービスを行うというもの。新チャンピオンに輝いたドライバーたちだけでなく、シーズンを通して激しい戦いに挑み続けた多くのドライバーの勇姿を見届けて欲しい。
■主なタイムスケジュール
・11月2日(土)
07:00 – 07:35 オープンピット
08:50 – 10:35 公式練習
08:50 – 10:15 : GT500 & GT300
10:15 – 10:25 : GT300
10:25 – 10:35 : GT500
10:45 – 11:00 サファリ
11:45 – 12:30 ピットウォーク
14:00 – 14:35 ノックアウト予選_Q1
14:00 – 14:15 : GT300
14:20 – 14:35 : GT500
14:45 – 15:13 ノックアウト予選_Q2
14:45 – 14:55 : GT300
15:03 – 15:13 : GT500
16:20 – 16:50 GTキッズウォーク
・11月3日(日)
09:30 – 10:25 ピットウォーク
10:45 – 11:10 SUPER GT選手紹介
11:10 – 11:25 2020年 GT500マシンデモラン
11:55 – 12:15 ウォームアップ走行
13:30 SUPER GT : 決勝レース(53Laps)
15:55 – 16:40 コースウォーク