SUPER GT 2023
レーススケジュール
4月15ー16日 第1戦 岡山
5月3ー4日 第2戦 富士スピードウェイ
6月3ー4日 第3戦 鈴鹿サーキット
8月5ー6日 第4戦 富士スピードウェイ
8月26ー27日 第5戦 鈴鹿サーキット
9月16ー17日 第6戦 スポーツランドSUGO
10月14ー15日 第7戦 オートポリス
11月4ー5日 第8戦 もてぎ
2022年シーズン終了とほぼ時を同じくして始まったのが、今シーズンから導入するカーボンニュートラルフューエル(以下、CNF)のテストだった。SUPER GTでは「SUPER GT Green Project 2030」を掲げ、その骨子のひとつとしてまずはシリーズ全体におけるカーボンニュートラル化の推進を目指している。2030年までに排出する二酸化炭素を半減させるべく、今シーズンからCNFの導入はじめ、持ち込みタイヤセット数の削減、タイヤや部品のロングライフ化に取り組むことを明らかにする中、CNFにおいてはまずGT500クラスへの導入が開幕戦から実現させ、持ち込みタイヤセット数も削減した形で開催する。
テストではCNFならではの問題点を明らかにし、各メーカー開発担当者とチームがタッグを組みながら解決点を探ってきた。SUPER GTで供給されるCNFは、ドイツ生まれのハルターマン・カーレス社製の環境負荷の少ないバイオ燃料だが、今では既存のレース用燃料となんら遜色がない性能を発揮しているという。エンジンサウンドもこれまでと変わりないようだが、一方で気になるのは燃費。これはこの先の実戦データも参考にブラッシュアップしていくことになるだろう。
タイヤの持ち込みセット数が削減される中、ロングライフ化に取り組む必要があるタイヤメーカーにとっては大きな課題を付きつけられた形ではあるが、レースで培ったノウハウが市販タイヤへとフィードバックされるという、モータースポーツ本来の”在り方”が改めてクローズアップされることになる。”技術開発はレースという過酷な現場から”という意義ある取り組みへとつながるのは言うまでもない。なお削減されるのは1セット。レースウィークを前に最大5セット(20本)のドライタイヤがマーキングされる。また、ウエットタイヤは6セットとなる。ドライバー、チームともに用意されたタイヤをいかにうまく、最大限パフォーマンスを引き出す走りとクルマ作りにつなげていくか、こちらもこれまでと違うアプローチが求められるのではないだろうか。
使用タイヤの制限に伴ってタイヤの使い方が問われるわけだが、更に輪をかけて厳しい条件となるのが、レース距離。今シーズンは450kmレースが全8大会中5大会へと増加(昨年は3大会)。レース中は2回の給油義務が伴う長距離レースが一気に増えた。ただ、2回のピット作業を伴うため、1度に搭載する燃料量は少なくなる。つまり、車体重量が軽い状態が長く続くため、走行距離が伸びてもタイヤへの負荷は軽減されことになる。また、スピードアップの可能性も高い。各チームとも過去のデータをもとに、新たな戦略をもって挑む今シーズンになりそうだ。GT500、GT300両クラスが入り乱れてところ狭いとバトルを繰り広げるSUPER GT。息を呑む接近戦によって、大いに盛り上がることだろう。