SUPER FORMURA 2021 Round.2 - イベント・レースレポート

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SUPER FORMURA 2021 Round.2

2021年4月25日

スーパーフォーミュラ第2戦鈴鹿、野尻智紀が開幕から2連勝!


4月25日、予選日よりもやや吹く風は冷たく強いものの、青空が広がった鈴鹿サーキットにおいて、全日本スーパーフォーミュラ選手権第2戦の決勝レースが行われた。午後2時30分にスタートした30周の戦いは、序盤にセーフティカーがコースインする落ち着きのない展開となったが、終始果敢なバトルが数多く繰り広げられた。その中で戦いを制したのは、予選2番手スタートのNo.16 野尻智紀(TEAM MUGEN)。冷静かつ強さを活かした走りで開幕戦に続いて連勝を果たしている。
 

今大会は鈴鹿恒例の”2&4”レース。タイトなスケジュールに合わせ、まず午前8時40分という早い時間でのフリー走行を30分間に渡って実施し、決戦に向けてセットアップの仕上げに入った。さらにスタート直前には8分間のウォームアップ走行を実施。徐々に冷たく、また強く吹き始めた風を考慮しつつ、最終調整を行い、午後2時30分からの戦いに向かう。
 

レースはまず、ポールポジションスタートのNo.5 福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING))が難なくスタートを決めてホールショットを奪取。勢いを活かし、2番手の野尻を早速引き離しにかかった。一方、予選3番手のNo.64 大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)は動き出しこそ抜群に良かったものの、直後にエンジン回転が落ちて痛恨のエンジンストール。その場で中団に飲み込まれ、大きくポジショを落とした。逃げるトップ福住は4周目の時点で2位野尻に対し、約2秒のマージンを構築。8周目になるとその差は3秒へと広がり、文句ナシのレース運びを見せていた。
 

ところが9周目のスプーンカーブで突然福住のマシンから白煙が上がり、西コースのバックストレートで右リアタイヤがバースト。そのまま進入した130Rではサスペンションまでダメージが及び、万事休す。完全にスピードを失ったクルマはなんとか自力でピットに戻ったものの、二度とコースに復帰することなく戦いを終える結果になった。このアクシデントにより、期せずしてトップに立った野尻。その後ろにつけるNo.20 平川 亮(carenex TEAM IMPUL)との差はおよそ3秒半と存分なリードを確保する。
 

一方、10周目の時点でルーティンのピットインが可能となったことから、8台の車両が次々ピットに戻り、タイヤ交換を済ませてコースに復帰。その翌周にも3台がピットインを済ませるなど、レースに動きを与えた。そんな中、トップを快走する野尻は13周を終えてピットイン。開幕戦では終盤までタイミングを引き伸ばしたが、今回は2番手を走る平川のチームピットにタイヤが用意された様子を伺い、ピットインを敢行した。だが、ターゲットである平川はそのままステイアウト。翌周の14周目にピットへ戻り、オーバーカットを目論んだ。しかし野尻はオーバーテイクシステムを利用してラップタイムを稼ぐと、ピットからコースへと戻る平川の前で1コーナーへ進入。あまりの勢いに15周目の1コーナーではオーバーランのミスを犯したが、平川の先行は許さなかった。
 

トップ争いの2台を始め、各車が僅差での周回を重ねる中、16周目の130RでNo.18 国本雄資(KCMG)のタイヤが外れ、オーバーラン。クラッシュパッドに激しく突っ込み、クルマが裏返るアクシデントを引き起こした。レースはこれを受けて、セーフティカーがコースイン。この直前には、これまでピットインを引き伸ばしていたトムスの2台_No.37 宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)とNo.36 ジュリアーノ・アレジ(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)が立て続けにピットへと帰還。義務付けられたタイヤ交換を済ませた。クラッシュを喫した国本は無事に自力でクルマから脱出、レースは19周を持ってSCランが終わり、20周目から残り11周のスプリントレースとしてリスタートを切る。
 

各車、手持ちのオーバーテイクシステムを巧みに使い、ライバルとの駆け引きを繰り広げると、あちこちで都度ポジションを巡る激しいバトルが展開される。一方、トップ野尻と2番手平川の差はつねに1.2〜1.8秒と大きくは変わらない。平川自身、すでにもうオーバーテクシステムの残量も少なくなっており、終盤に野尻を追い立てる余力があるとは言い難い状態だった。結果、野尻が手堅くトップをキープしたままチェッカーを受けると開幕戦に続く2連勝を達成。平川はトヨタ勢トップとして2位でフィニッシュ、今季初の表彰台を手にした。3番手に続いたのはNo. 6 笹原右京(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。予選5番手から着実にポジションアップを果たし、手堅くレースをまとめて自身初となるスーパーフォーミュラでの表彰台に上がっている。
 

第2戦はホンダとトヨタが表彰台を分け合う形で終了。続く第3戦は舞台を九州・オートポリスへと移るが、果たして好調の野尻をどのドライバーが止めるのか、あるいは野尻の独走を許すのか。引き続き、過酷な戦いの行方が気になるところだ。
 

第2戦鈴鹿 決勝結果 トップ3

1.No.16 野尻智紀(TEAM MUGEN)58’30.222 30L 56’53.047
2.No.20 平川 亮(carenex TEAM IMPUL)+1.453
3.No. 6 笹原右京(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)+4.187



2021年4月24日

スーパーフォーミュラ第2戦鈴鹿、福住仁嶺が自身初ポール獲得


4月24日、三重・鈴鹿サーキットにおいて全日本スーパーフォーミュラ選手権第2戦の予選が行われ、開幕戦決勝で3位に入ったNo.5 福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING))が自身初となるポールポジションを手にした。
 

ゴールデンウィークを前にした鈴鹿サーキット。コロナ禍の大会は、依然として感染防止拡大に細心の注意を図っての実施となった。一方、薄曇りながら終始安定した天気に恵まれ、サーキットに訪れたファンは、三密を回避しつつ激しいアタック合戦を”静かに”見守った。
 

まず、1時間30分に渡って行われた朝のフリー走行。開幕戦で得たデータ、そして3月に鈴鹿で実施された合同テストのデータを元にしたセッティングを確認するかのように各車周回を重ねていく。今大会に出走したのは全19台。開幕戦は出場しなかったNo.51 松下信治(B-Max Racing Team)がシリーズ復帰を果たした。一方で、WEC(世界耐久シリーズ)開幕戦で日本を離れている小林可夢偉と中嶋一貴に代わり、それぞれNo.7 小高一斗(KCMG)、No.36 ジュリアーノ・アレジ(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)が出場。アレジは自身がフル参戦中のスーパーフォーミュラ・ライツとのダブルヘッダーと多忙を極めたが、初の公式セッションとなるフリー走行では11番手のタイムをマークし、まずますの滑り出しとなった。なお、セッションのトップタイムをマークしたのは福住。終了5分前までルーキーのNo.37 宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)が1分38秒253のタイムでトップだったが、福住はこれを0.138秒上回り、トップを奪取した。3番手にはNo.19 関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)、4番手にはNo.64 大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)が続き、ホンダトヨタの各エンジンが上位を分け合う結果に。開幕戦ではホンダ勢が優位に立っていただけに、今回は午後からの予選に向けてどのような展開を見せるのか、さらに期待が集まった。
 

ノックアウト方式の予選スタートは午後3時10分。今回はオートバイレースとの併催のため、路面コンディションが従来とはやや異なり、その辺の”不確定要素”が予選にどのような影響を与えるのかも気になるところ。事実、開幕戦では予選5番手を手にしたNo.39 阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)がQ1で敗退、またディフェンディングチャンピオンのNo.1 山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)がQ2止まりになるなど、激しい僅差でのアタック合戦となった。
 

そんななか、安定した強さを披露したのが福住。自身が出走したQ1・B組で2番手に0.2秒の差を付けると、続くQ2では前回のポールシッターであるNo.16 野尻智紀(TEAM MUGEN)に対しておよそ0.3秒差をつけトップ通過。さらに最終セッションのQ3では、野尻がライバルとは異なるタイヤ戦略でプレッシャーをかけつつ、暫定トップタイムとなる1分36秒645をマークしたが、この直後に福住が1分36秒449をマーク。およそ0.2秒差のトップタイムを叩き出し、足掛け4年目となるスーパーフォーミュラ参戦で自身初めてのポールポジションを手中に収めることに成功した。
 

予選で2番手野尻に続いたのは、大湯。ポジションこそ違えど、開幕戦決勝でトップ3に入った3人が再び鈴鹿の予選でトップ3を獲得。またしてもホンダエンジンユーザーが独占する結果となっている。4番手にはトヨタエンジンユーザートップとして平川が、さらに5番手には開幕戦の予選で3番手につけたNo.6 笹原右京(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。6番手は宮田が続いた。なお、スポット参戦ながらルーキーのアレジはQ1・A組を2番手で通過すると、続くQ2も5番手と奮闘。見事Q3まで進出を果たし、8番手のグリッドを手に入れ、期待に応える結果を残すこととなった。決勝は開幕戦同様に給油なし、タイヤ交換を義務付けた30周での戦いとなる。
 

第2戦鈴鹿 予選結果 トップ3

1.No.5 福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING))1’36.449
2.No.16 野尻智紀(TEAM MUGEN)1’36.645
3.No.64 大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)1’36.673



2021年4月20日

SUPER FORMULA第2戦鈴鹿 プレビュー


トヨタ勢が気を吐くか!? 第2戦はホンダのホームサーキット、鈴鹿戦!

早くもシーズン2戦目を迎える2021年の全日本スーパーフォーミュラ選手権。静岡・富士スピードウェイでの開幕戦からわずか3週間のインターバルで迎える第2戦は、三重・鈴鹿サーキットがその舞台として用意される。富士の一戦で見えてきた今シーズンの勢力図をもとに、各チーム、ドライバーはいっそう周到な準備をして戦いに挑むこととなる。
 

復帰選手、そして来日が叶わない外国人選手

開幕戦では全11チーム、合計18台が出走したが、今大会には全12チーム、合計19台が戦いに挑むことになる。第2戦からの復帰となるのは、B-Max Racing Team。チームではアメリカ人のイヴ・バルタスの加入をかなり早い段階から発表していたが、残るもう1台についてはアナウンスが遅れていた。だが、この鈴鹿大会からもうひとり日本人ドライバーがフル参戦が決定。シートに収まるのは、松下信治だ。2015年から3シーズンは欧州でステップアップカテゴリーに参戦していたが、2017年をもってGP2のシートを喪失。2018年に帰国し、スーパーフォーミュラに戦いの場を求めて初参戦。フルシーズンを戦ったが、翌年には再び渡欧し、FIA F2に参戦した。だが、2020年、シーズン途中で所属チームが別のドライバーを迎え入れたことにより、またもシートを喪失。コロナ禍で帰国したものの日本でのレース活動は見送っていた。しかし、スーパーフォーミュラでは、来日が難しい外国人ドライバーに代わって第4戦から最終戦まで出場。さらに、SUPER GTでは怪我を負った選手の代役でGT300クラスへの参加が決定、2戦に出走した。その結果、今シーズンはGT500でのフル参戦が実現。しかも古巣のホンダを離れ、日産系チームへの移籍を果たしている。一方、今季における松下のスーパーフォーミュラ参戦においては、紆余曲折があったという噂が絶えない。というのも、B-Max Racing Teamの車両に搭載されるエンジンはホンダ製。今や日産系チームドライバーとなった松下に対し、古巣のホンダがエンジン提供に難色を示したのではないか…という話らしいが、この度無事に第2戦以降のフル参戦が決まったとのこと。今や日本でのレース活動にしっかりと軸足を移した松下の躍進に期待したいところだ。
 

一方、松下のチームメイトになるはずのバルタス、さらにKONDO Racingシーズン2年目となるサッシャ・フェネストラズも現時点で来日が叶っていない。フェネストラズは先日開幕戦が行われたSUPER GTも欠場。在籍するチームの情報によると、現在ドバイで”ステイホーム”中であり、日本への渡航を待ちわびているという。昨シーズン終了後、一旦日本を離れた外国人選手は決して少なくないのだが、フェネストラズはウィンターシーズン中に他のカテゴリーレースに参戦するなど海外での活動も精力的に行っていたこともあり、結果として来日のタイミングで出遅れた形となってしまった。折しも、第2戦開催を前にした20日には、大阪府が国に対し、緊急事態宣言発出の要請を決定。東京都もこれに続くのではないかという見方が強いだけに、入国が叶わない外国人選手のレース参戦の実現は、まだしばらく時間がかかるのではないだろうか。
 

富士ではホンダ勢が躍進。鈴鹿はいかに!?

開幕戦の富士でつねに上位を占めていたのは、ホンダエンジンユーザーたち。ノックアウト予選では、レースでパーフェクトウィンを果たしたNo.16 野尻智紀(TEAM MUGEN)が申し分のない組み立て方でタイムアタックをやってのけた。予選2番手のNo.64 大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)は参戦2年目、そして3番手につけたNo.6 笹原右京(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)は牧野任祐の代役として出走した若きドライバー。トップ3をホンダエンジンユーザーが占め、その勢いと流れは決勝になっても変わることはなかった。覇者の野尻、2位は予選同様に大湯が続き、終盤は野尻を背後から攻め立てるパフォーマンスで観客を沸かせた。3位に続いたNo.5 福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)も予選4番手からポジショアップして表彰台の一角をゲット、安定感あるレース運びを見せている。一方、トヨタエンジンユーザートップは4位チェッカーとなったNo.20 平川 亮(carenex TEAM IMPUL)。予選7位からポジションを上げる意地を見せたが、本来のキレのある速さを引き出せるレース展開には至らなかった。
 

富士、そして今回の鈴鹿に限らず、最近はノックアウト予選での僅差が命取りになることが少なくないため、ライバルとの駆け引きも重要になる。アタックで速さに挑むドライバーだけでなく、ドライバーをバックアップするチームがドライバーとのコミュニケーションをよりスムーズにすることで、予選上位のポジションを手繰り寄せる確率もグンと跳ね上がるかもしれない。
 

サーキットの特性の違いがあるため、前回富士で繰り広げられた高速コースでのバトルとはまたひと味もふた味も異なる醍醐味が期待できる今回の鈴鹿での一戦。試合巧者であるベテランドライバーの活躍、一方で勢いにあふれるフレッシュマンドライバーの躍進…。両者による火花を散らす戦いが、まもなく始まる。
 

主なタイムスケジュール

・4月24日(土)
10:15 – 11:45 フリー走行
15:10 – 公式予選(ノックアウト方式)
15:10 – 15:20 Q1(A組→上位7台がQ2へ)
15:30 – 15:40 Q1(B組→上位7台がQ2へ)
15:50 – 15:57 Q2(A+B上位7台・計14台→ 8台)
16:07 − 16:14 Q3
 

・4月25日(日)
08:40 − 09:10 フリー走行
13:45 – 14:30 スタート進行
14:30 – 決勝(30Laps)





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