スーパーフォーミュラー2018 Round.5 - イベント・レースレポート

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スーパーフォーミュラー2018 Round.5

2018年8月20日

スーパーフォーミュラ第5戦もてぎ、石浦がポール・トゥ・ウィンを達成


8月19日、栃木・ツインリンクもてぎにおいて全日本スーパーフォーミュラ第5戦の決勝レースが行われ、52周の戦いを制したのはポールポジションからスタートを切ったディフェンディングチャンピオンのNo. 1 石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING)。自身通算5勝目を達成している。
 

決勝日を迎えたもてぎ上空は前日と異なり曇天模様。しかし吹く風は依然として爽やかで初秋を思わせる天候の中でセッションが進められた。まず、朝のフリー走行では各車決勝を見据えたロングランを中心に確認作業を実施。2スペックタイヤを精力的に使ってポジションアップを狙う”2ピットストップ戦略”を採るチームもあるのでは、という見立てもあり、どのようなドラマを展開するのか注目が集まった。
 

気温30度、路面温度40度の中、フォーメーションラップを経て52周の戦いがスタート。ポールポジションの石浦が好スタートを切るも、その後方、3番手スタートのNo.6 松下信治(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が、まず3コーナーでオーバーテイクシステムを使って予選2番手の僚友No.5 野尻智紀を抜き去ると、その勢いで5コーナーに向かい、前を行く石浦をも逆転。一気にトップへと躍り出た。松下、石浦、そしてその後方の野尻、さらに予選4番手のNo.64 ナレイン・カーティケヤン(TCS NAKAJIMA RACING)は
皆ソフトタイヤでスタートしていたこともあり、石浦はしばし2番手から様子を伺うかのように走行を重ねていった。すると、トップ2台が抜きん出る形となり、3位以下は次第に差がつまり始め、その後方にいた車両が上位へと浮上する。中でも9番手スタートだったNo.20 平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)。ソフトタイヤの平川はペースが他車よりも速く、また15周終了直前にピットインして再びソフトタイヤを選択したことから、2ピットストップであることが判明する。上位陣では、ミディアムタイヤでスタートしたNo.3 ニック・キャシディ(KONDO RACING)もすでにピットインを済ませていたが、ソフトタイヤでの追い上げの中、ペースの遅い車両につかまり思うようにペースアップを果たせずにいた。
 

トップ争いを繰り広げる2台に動きがあったのは、27周終了直前のとき。まず前を行く松下がピットイン、給油とミディアムタイヤへの交換作業を13.3秒で済ませる。一方、2番手をキープしていた石浦は、前がクリアになると一気にスパート。周回を重ねたソフトタイヤを物ともせずハイペースで見えなくなったトップとの差を懸命に縮めていった。だが、ルーティンのピットインが待たれる中、一瞬ペースがガクンとダウン。これはパドルシフトのトラブルが一因と後に自身が明らかにしたが、そんな中でも巧みにクルマをコントロールし、40周終了直前にピットイン。スムーズに作業を終えてコースに復帰した。
 

石浦はトップを死守したまま、チェッカーを目指したが、その後方に迫ったのが平川だった。石浦を上回るペースで着々と間隔を詰め、逆転のチャンスを伺う。だが、経験豊富な石浦はこの状況をしっかりと掌握。ある程度のマージンがあれば逃げ切れると冷静に判断し、ペースをコントロール。トップでチェッカーを受け、2017年第3戦富士以来となる優勝を果たし、ポール・トゥ・フィニッシュを達成した。この勝利によって、シリーズランキングも3番手へと浮上。一方、ランキングでは3位でチェッカーを受けたキャシディが暫定トップに立つこととなった。
 

■第5戦もてぎ 決勝結果(TOP6)
1.No. 1 石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING)1:24’19.998 52Laps
2.No.20 平川 亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)+2.724
3.No. 3 ニック・キャシディ(KONDO RACING)+26.454
4.No. 6 松下信治(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)+29.575
5.No. 8 大嶋和也(UOMO SUNOCO TEAM LEMANS)+38.818
6.No. 4 山下健太(KONDO RACING)+41.643
 

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2018年8月19日

スーパーフォーミュラ第5戦もてぎ、ポールは石浦宏明


8月18日、栃木・ツインリンクもてぎにおいて全日本スーパーフォーミュラ選手権第5戦が開幕。ここのところ酷暑が続いていたが、もてぎ周辺は前日の金曜日から気温もさほど上昇せず、爽やかな風が吹く、初秋のような過ごしやすい天候になった。そんな中、予選で見事なアタックを披露したのが、ディフェンディングチャンピオンのNo. 1 石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING)。自身通算8度目のポールポジションを手にしている。
 

予選日午前中に実施された1時間のフリー走行。セッションは、開始15分の時点で赤旗中断に見舞われる。そしてその原因を作ったのは、石浦。最終コーナー立ち上がりでクルマがハーフスピン。ハードブレーキングでピットウォールへの衝突は回避したものの、タイヤにはフラットスポットが出来てしまった。約7分ほどでセッションは再開したが、石浦はマシンをピットに戻し、マシン修復に時間を費やした上、コース復帰後は最初に装着していたミディアムタイヤでの周回を断念して代わってソフトタイヤでの走行に切り替えた。なお、フリー走行トップタイムを刻んだのは、No. 5 野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。好調の流れは午後の予選へと引き継がれることになる。
 

ノックアウト予選は午後2時30分にスタート。僅差のアタックが続くスーパーフォーミュラでは珍しく、Q1で2位以下を0.453秒という大差をつけたNo. 6 松下信治(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がトップにつける。だが、Q2でトップを奪ったのは野尻。同じチームの2人が好走する中、最後のQ3で見せたのが石浦だった。アタック終盤、まず野尻が自らが持つもてぎのコースレコードを更新する1分31秒642をマークして暫定トップに立ったが、すかさず石浦もタイムアップを果たし、1分31秒591をマーク。0.051秒という僅かな差でコースレコードをさらに上回ることに成功した。石浦、野尻に続いたのは、Q1でトップタイムをマークした松下だった。
 

比較的安定した穏やかな天候が続くもてぎ。決勝日もほぼ同じような天候で開催される模様。ミディアム、ソフトタイヤの2種類を装着して戦う52周の戦いにどのような影響を及ぼすのだろうか。気になるところだ。
 

■第5戦もてぎ 予選結果(TOP6)
1.No. 1 石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING)1’31.591
2.No. 5 野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)1’31.642
3.No. 6 松下信治(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)1’31.761
4.No.64 ナレイン・カーティケヤン(TCS NAKAJIMA RACING)1’31.789
5.No. 3 ニック・キャシディ(KONDO RACING)1’31.853
6.No. 4 山下健太(KONDO RACING)1’32.142
 
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2018年8月17日

第5戦ツインリンクもてぎ プレビュー


シーズンは後半戦へ。タイトルを巡る争いは?
 
8月18、19日の両日、栃木・ツインリンクもてぎにおいて全日本スーパーフォーミュラ選手権第5戦が開催される。厳しい暑さが続く中で迎える一戦は、シーズン後半戦の初戦にあたる。そろそろタイトル争いも気になるところだが、今シーズンは不安定な天候の影響を受け、コンディションの行方も気になるところ。幸い、台風の影響は直接受けずに済むようだが、レースは真夏の暑さに左右されるのか、それとも逆に肩透かしを食うような気温になるのか…。まさに”神のみぞ知る”中での戦いに注目が集まりそうだ。
 
■2スペックタイヤが活きるサーキット、もてぎ
ツインリンクもてぎといえば、タイヤサプライヤーである横浜ゴムが、ソフトとミディアムの2スペックタイヤを用意して戦った最初の場所である。ストップ&ゴーと言われるレイアウトを持つこのサーキットは、予選順位がすべて、とドライバーに言わしめるほど抜きどころの少ない場所として知られる。前方車両に近づきすぎるとドラッグの影響を受けるため逆転が難しく、また、短いストレートとハードブレーキングを要するコーナーの繰り返しのため、ドライバーにとってはとてもフラストレーションが溜まる場所でもある。そこで導入されたのが、2スペックタイヤによるレースフォーマット。どうかすると予選順位のまま決勝が終わってしまうこともあるようなサーキットでのレース展開に異なるスペックのタイヤを装着することで戦略の幅が広がり、ライバルに先んじることが可能となる…というわけだ。
 
なお、今年は例年と異なり、事前のテストが行われなかったため今シーズンのソフトタイヤでもてぎを走行するのはこのレースウィークが初めてになる。それだけに金曜日の練習走行時からしっかりと走り込みを行い、データとして活用したいところ。ますますチームとしての総合力が問われることになるのではないだろうか。予選での一発を優先するには、もちろんソフトタイヤ装着が必須条件。だが、決勝はそのソフトタイヤでスタートを切らねばならない。もし酷暑が待ち受けるのであれば、そのソフトタイヤをうまくコントロールする力量がドライバーに求められる。さまざま要因が入り交じる展開は、思わぬドラマを生むこともあるだけに、見どころ多い展開になることだろう。
 
■チャンピオン争いはますます混沌としたものに
シーズン後半戦を迎え、やはり気になるのはシリーズ争い。チャンピオンを巡る戦いは前回の富士戦でますます混沌としたものとなった。現時点でランキング暫定トップは、山本尚貴。得意とする鈴鹿の開幕戦に加え、第3戦はSUGOの戦いで自身初勝利を収めた。だが、前回の富士戦では不発に終わり、ポイント計上は1点に留まった。これに対し、勢いをつけてきたのが、ニック・キャシディ。スーパーフォーミュラデビューは昨年。ランキングこそ10位どまりだったが、シーズン中は第6戦SUGOでポールポジションを手にする活躍も見せた。一方、SUPER GTでは昨年シリーズタイトルを獲得しているだけに、その実力たるや相当のものであることは明らかだ。今シーズンはチームエンジニアとのコミュニケーションも格段に向上。第3戦SUGOで2位に入り、今季初表彰台を獲得。この勢いに乗って前回の富士戦ではポール・トゥ・ウィンを達成。速さと強さをしかとアピールしてみせた。結果、山本とのポイント差は僅か1ポイントに。緻密な戦略で結果を出してくる山本に対し、キャシディはどちらかと言うと、まず予選で上位を獲得することを大前提とするタイプ。山本に比べるとやや浮き沈みがあるため、もてぎで波に乗れるかどうか、が大きなカギになりそうだ。
 
トップ争いを見せる二人に続くのは、デイフェンディングチャンピオンの石浦宏明、そして巧みなレース運びが信条の関口雄飛。なお、関口と同ポイントで中嶋一貴もランクインしているが、今大会はWEC、世界耐久選手権とのブッキングで残念ながらスーパーフォーミュラは欠場となるため、チャンピオン争いに加わることは正直難しいと思われる。ランキング3位の石浦は現在13ポイント。トップ山本との差は9ポイントと大きいが、仮にトップのふたりがノーポイントに終わり、石浦が優勝…ということにでもなれば、あっという間に状況は一変する。それは関口にも言えることであり、まだまだ先を読むのは難しいだろう。先述のとおり中嶋に加え、小林可夢偉もWEC参戦につき欠場となる一方、第2〜4戦をFIA F2(GP2)参戦で欠場していた福住仁嶺が4ヶ月ぶりの参戦となる。久々の国内レースでの活躍を見守りたい。
 
■主なタイムスケジュール
・8月18日(土)
09:40〜10:40 フリー走行
10:50〜11:35 ピットウォーク
14:30〜 公式予選(ノックアウト方式)
14:30〜14:50 Q1(19台→14台)
15:00〜15:07 Q2(14台→ 8台)
15:17〜15:24 Q3
17:00〜17:30 キッズピットウォーク
 
・8月19日(日)
10:00〜10:30 フリー走行
10:50〜11:35 ピットウォーク
14:15〜 決勝(52Laps)





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