
SUPER GT 2012
SUPER GT第7戦オートポリス、No.1 S Road REITO MOLA GT-Rが大逆転勝利!
9月最後の週末、大分・オートポリスで開催されたSUPER GT第7戦。台風17号の影響はさほど大きくはなかったが、終始雨模様となり、不安定なコンディションの下でレースが始まった。スタート直後は雨量が少なく、いわゆる「ちょい濡れ」の状況では、アドバン、ダンロップタイヤを装着する車両が力走を。中でもポールポジションからスタートを切ったNo.19 WedsSport ADVAN SC430は序盤、予選2番手スタートのNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rの猛追に苦しみトップを一度は譲ったが、再びトップに返り咲き、レースを牽引した。
中盤に入ると、ダンロップタイヤを装着するNo.32 EPSON HSV-010があっという間にポジションアップ。エンジン置換により後方からの追い上げだったが、路面コンディションを味方につけて表彰台争いに加わった。レースはその後も落ち着きのない環境の中、32号車がトップをキープ。しかし、その一方で、予選10位から厳しいスタートを強いられていたNo.1 S Road REITO MOLA GT-Rも粘りある走りでじりじりとトップ争いまでポジションを上げていた。終盤になると雨量もかなり減り、タイヤマネージメントが戦いの行方を左右することになったが、そこで気を吐いたのが、1号車。足下が厳しくなった32号車に対し、着実なアプローチを見せてファイナルラップで見事逆転! トップで受けたチェッカーフラッグにより、1号車の今シーズンのシリーズタイトルが決定。最終戦を待たずして2年連続のチャンピオンに輝いた。
一方、GT300も激しいポジション争いが勃発。クラストップでスタートを切ったNo.3 S Road NDDP GT-Rは力走を見せていたが、そこに予選2位のNo.66 triple a Vantage GT3が果敢に挑み、トップ争いを展開。だが、終盤になって3号車のリアタイヤが外れるというアクシデントが発生。これで再度66号車がトップに浮上。最後まで勢いが衰えることなくチェッカーを迎え、今シーズン2度目の勝利を果たした。
第7戦オートポリス 決勝結果
・GT500
1.No. 1 S Road REITO MOLA GT-R(柳田真孝/R.クインタレッリ組)65L 2:09’45.269
2.No.32 EPSON HSV-010(道上龍/中山友貴組) +7.581
3.No.19 WedsSport ADVAN SC430(荒聖治/A.クート組)+31.747
4.No.24 D’station ADVAN GT-R(安田裕信/B.ビルドハイム組)+35.489
5.No.39 DENSO KOBELCO SC430(脇阪寿一/石浦宏明組)+1’45.603
6.No.23 MOTUL AUTECH GT-R(本山哲/M.クルム組)+1’47.611
・GT300
1.No.66 triple a Vantage GT3(吉本大樹/星野一樹組)62L 2:11’03.136
2.No.911 エンドレス TAISAN 911(峰尾恭輔/横溝直輝組)+13.550
3.No.33 HANKOOK PORSCHE(影山正美/藤井誠暢組)+39.494
SUPER GT第7戦オートポリス、No.19 WedsSport ADVAN SC430がポールポジションを獲得!
終日雨が降り続けた大分・オートポリス。SUPER GT第7戦は不安定な天候の中で、予選日が執り行われた。
足下が落ち着かない中、予選アタックではコースアウトするクルマが続出。クラッシュ車両が原因の赤旗中断も頻繁に起こり、アタックを担当するドライバーにとっては、集中力を維持させるのが難しいセッションとなった。、
そんな中、GT500では現在ランキングトップのNo.1 S Road REITO MOLA GT-R(柳田真孝/R.クインタレッリ組)がQ2でまさかの敗退。装着していたレインタイヤが路面コンディションに合わず、タイムアップを果たせなかった。一方、チーム初となるポールポジションを獲得したNo.19 WedsSport ADVAN SC430(荒聖治/A.クート組)。難しい路面コンディションを完全に味方につけた結果だったといえる。
一方、GT300はNo.3 S Road NDDP GT-R(関口雄飛/千代勝正組)の関口がQ3で他車を寄せ付けないダントツの走りを披露。自身初となるポールポジション獲得を果たした。なお、3号車は関口が1戦休戦しているためにウェイトが半減できないというハンデを負う中での見事な仕事ぶりだった。
■第7戦オートポリス 予選結果
GT500
1.No.19 WedsSport ADVAN SC430(荒聖治/A.クート組)1’46.534
2.No.23 MOTUL AUTECH GT-R(本山哲/M.クルム組)1’46.535
3.No.24 D’station ADVAN GT-R(安田裕信/B.ビルドハイム組)1’46.971
4.No.38 ZENT CERUMO SC430(立川祐路/平手晃平組)1’47.362
5.No.17 KEIHIN HSV-010(金石年弘/塚越広大組)1’47.911
6.No.18 ウイダー HSV-010(小暮卓史/C.ヴァンダム組)1’48.170
GT300
1.No. 3 S Road NDDP GT-R(関口雄飛/千代勝正組)1’52.702
2.No.66 triple a Vantage GT3(吉本大樹/星野一樹組)1’53.113
3.No.88 マネパ ランボルギーニ GT3(織戸学/青木孝行組)1’53.163
((Photo by カーチャンネル))
レースプレビュー・SUPER GT第7戦オートポリス
いよいよ大詰め、日本列島最南端サーキットで今季の王者の行方が見える!?
9月も下旬に入り、めっきり秋らしい天気が増えてきた。ひと雨ごとに秋が深まるこの季節、今シーズンのSUPER GTもいよいよ大詰めを迎える。この週末、九州・大分にあるオートポリ
スで開催される「SUPER GT IN KYUSHU 300km」は、まさにチャンピオン争いの行方がいっそう見えてくる正念場の戦いになることだろう。意外な結末が待ち受けるのか、それとも定石どおりの戦いとなるのか・・・。熱きバトルがいよいよ幕を開ける。
崖っぷち、それとも盤石!? チームの事情が見え隠れする戦いゆえの激戦に!?
今シーズンのセミファイナル戦に位置づけられる第7戦オートポリス。僅差で競うチャンピオンタイトルを少しでも有利な形にするため、上位争い中のチームは少しでもいい成績を残してレースを終えたいのは当然のこと。となれば、予選で少しでも前のポジションを獲得することから始めなければならない。かつては、ポイント計算の違いから、オートポリスはある意味“消化レース”的位置づけでの一戦だった。だが、今は違う。キチンとポイントを積み重ねて手にできるのが、王者の称号。となれば、決勝で帳尻合わせをすればよいというような甘い考えでは、激しい戦いを制することは不可能だ。
チャンピオン争いをするチームだけに限らず、ハードな戦いをするチームは他にもある。それは今シーズン不本意な結果が続き、成績を残せていないチームだ。少しでもいい形でシーズンを終えるには、残された2戦をいかにベストな状態で戦うか。それがすべてとなる。それぞれ異なるチームの事情ではあるが、欲しい結果はみな同じ。ひとつでも上のポジションでチェッカーを受けること。そのために、どのチームも初日の予選から、いやその前に行われる土曜の朝の公式練習から、決勝レースのチェッカー後を強く意識したスケジュールを組んで戦いに挑むはずだ。