SUPER GT 2012 Round.5 - イイベント・レースレポート | スポーツカーの中古車販売、買取情報サイト

スポーツカー専門 GTNET

SUPER GT 2012

2012年8月20日(月)

SUPER GT第5戦鈴鹿1000km、荒れたレースをNo.1 MOLA GT-Rが制する

8月19日、厳しい暑さが続く中、三重・鈴鹿サーキットにおいて、SUPER GT
第5戦「第41回インターナショナルPokka1000km」が行われ、2度にわたるセーフティカー導入の末、ポールポジションスタートのNo.1 S Road REITO MOLA GT-R(柳田真孝/R.クインタレッリ組)が勝利。荒れた展開の中でもブレない戦闘力を発揮した。

前日夜半から下り坂となり、しばし激しい雷雨に見舞われた鈴鹿界隈。朝8時からのフリー走行は、レインタイヤを装着するウェットコンディションでスタートが切られた。各チームは、路面が乾き始めるとスリックタイヤへとスイッチして走行。わずか30分ながら、セット変更を強いられるなど、慌ただしいセッションとなった。

幸い、午後12時30分からのレースは終始ドライコンディション。強い日差しに照らされて、1000km、173周先のチェッカーを目指すことになった。今回、ポールポジションからスタートを切った1号車GT-Rは、すぐさまスピードを武器に後続との差をぐんぐんと広げていく。盤石の態勢で周回を重ねるかと思われた1号車。しかしGT300との接触を気に緊急ピットイン、トップを明け渡してしまった。だが、レースは2時間を過ぎてセーフティカーが入るアクシデントが発生。これを味方に付けたのが1号車。レースが再開すると、トップを奪還し、再び2位を引き離した。

後半に入り、暑さを始めとする過酷な環境下に、レースアクシデントも続出。コースアウトや接触に留まらず、突然のタイヤバーストなど危険な状態も多く、まさにサバイバルレースへと変貌していった。それでもなお、力強くレースを牽引したのが1号車。最後のスティントを担当したクインタレッリ選手は、終盤になってファステストラップを連発する快走ぶり。他を寄せ付けぬ底地からを見せつけ、待望の今シーズン初優勝を果たすことになった。

トップチェッカーを受けた1号車は、ランキングでも2位へと浮上。それまで上位にいたライバルたちがリタイヤや僅かなポイント加算に留まる中、大きく飛躍した。

一方のGT300。こちらは、予選後の再車検で車両規定違反によるタイム抹消という悔しい思いをしたNo.66 triple a Vantage GT2(吉本大樹/星野一樹/吉田広樹組)が、とんでもない速さで完勝を果たした。

タイム抹消で最後尾スタートに甘んじた66号車。決勝はスタート直後から怒濤の走りを見せつける。周回のたびにポジションアップ。あっという間にクラス上位へと浮上し、有り余る力を存分に見せつけた。終盤には、なんとGT300車両全車をラップダウンするという快挙ぶり!前日の悔しさを結果で晴らすという、見事なリベンジぶりだった。



■第5戦鈴鹿1000km 決勝結果
・GT500
1.No. 1 S Road REITO MOLA GT-R(柳田真孝/R.クインタレッリ組)5:59’01.662 173Laps
2.No.35 KeePer Kraft SC430(国本雄資/A.カルダレッリ組)+15.076
3.No.24 D’station ADVAN GT-R(安田裕信/B.ビルドハイム組)+16.583
4.No.12 カルソニックIMPUL GT-R(松田次生/J-P.デ・オリベイラ組)+17.206
5.No.23 MOTUL AUTECH GT-R(本山哲/M.クルム組)+30.543
6.No.19 WedsSport ADVAN SC430(荒聖治/A.クート組)+31.549

・GT300
1.No.66 triple a Vantage GT2(吉本大樹/星野一樹組)5:59’30.406 160Laps
2.No.3 S Road NDDP GT-R(関口雄飛/千代勝正組)+53.633
3.No.88 マネパ ランボルギーニ GT3(織戸学/青木孝行組)+1Lap

今シーズンのオートポリス、予選方式が変更へ!

SUPER GTでは現在2種類の予選方式を採用し、都度レースイベントに合わせて方式を決めてきた。今回のオートポリスではノックアウト方式の予選が採用されているが、去年まではスーパーラップ方式で行われていた。つまりイレギュラーな予選方式で実施されることになったのだ。

阿蘇の山間にある中高速サーキット、オートポリス。国内サーキットの中ではテクニカルコースとして知られている。イメージ的にはヨーロッパのサーキットと似ていると言われ、ここのサーキットを好むドライバーも少なくない。そこでノックアウト方式の予選が採用されるとなれば、大いに盛り上がることだろう。一方、シーズンオフの間にサーキットの路面が改修され、タイヤへの入力が去年とは異なっている。すでにタイヤメーカーの合同テストが行われ、各チームとも新しいフィーリングを確認済みではあるが、秋が深まるレースウィーク中でのコンディションは初めてのこと。予選アタックに向けてのセッティングで、的確な判断を下すことが好タイムへとつながるのは言うまでもない。ドライバーの頑張りだけでなく、チーム一丸となっての総力戦が土曜日から始まっている。

上位争いはウェイトハンデから開放

さらに特筆すべきは、ウェイトハンデの軽減だ。決勝レースで好成績を収めた車輌に対し、次戦でハンディキャップとなるウェイトを搭載するのが、SUPER GTならではのルール。勝利によって課せられる名誉
なウェイトではあるが、時にはクルマ本来のポテンシャルをスポイルしかねない。だが、今回のオートポリスでは、その足かせが軽減される。

残り2戦は、現時点の獲得ポイントと同等のウェイトとなり、前回第6戦と比較すると半減されることになるのだ。例えば、GT500のポイントランキング暫定トップであるNo.1 S Road REITO MOLA GT-R(柳田真孝/ロニー
・クインタレッリ組)の場合、第6戦終了時で58ポイントを獲得しているため、搭載されるウェイトは58kgとなる。第6戦では第5戦までに獲得したポイントが43ポイントであったため、ウェイトハンデは86kg(43kgx2)だったが、今回は28kgも軽くなる。もちろん、同じようにライバル達もウェイトが軽くなり、互いの差も少なくなる。つまり、よりスピードあるクルマでいっそう激化する戦いになるというわけだ。

GT500では夏以降強い戦いを続けている1号車がオートポリスでも安定した速さを見せる確立が高そう。一方で、ここ数戦は自分たちのレースができていなかった、と悔しがるNo.38 ZENT CERUMO SC430(立川祐路/平手晃
平組)も、そろそろ本領発揮となりそうだ。さらには1号車と同じミシュランタイヤを装着するNo.39 DENSO KOBELCO SC430(脇阪寿一/石浦宏明組)にも注目したい。上り調子なが
ら、2戦連続で上位入賞を逃しているだけに、このオートポリスでリベンジを狙っている。いずれにせよ、どのチームも優勝を強く意識した走りを見せること、必至だ。

GT300はさらに僅差!

FIA GT車輌が幅を効かているイメージが強い今シーズン。ただ、その都度勝者が異なり、戦いを重ねていくと、上位に顔を揃えるチームも少しずつ変化を見せている。その中で今シーズン唯一の2勝目をあげたのが、No.33 HANKOOK PORSCHE

(影山正美/藤井誠暢組)。ベテラン影山の強さと藤井の安定した走りのコンビネーションが光り、盤石のレースを見せている。一方で、浮き沈みは大きいものの、ダントツの速さを見せるなど、何かと話題豊富なのが、No.66 triple a
vantage GT3(吉本大樹/星野一樹組)。さらには、ここ数戦、安定した強さを見せるようになったNo.3 S Road NDDP GT-R(関口雄飛/千代勝正組)にも注目だ。

ポイントを比較すると、トップ33号車は60点。2位は3号車(関口は第6戦を欠場したため、2位は千代のみ)の48点。3位以下は47点、46点が全部で4台と激戦模様。1点の差をめぐる戦いゆえ、結果次第で大きくポジションが入れ替わってしまう。何がおこるかわからないという点では、GT500以上に波乱を含む展開が期待できるかもしれない。

楽しいイベントも目白押し

オートポリスといえば、ご存知、B級グルメのブース。九州で指折りの店舗が軒を連ねる隠れた見どころともいえる。海の幸、山も幸をふんだんに取り入れたグルメをお手軽に楽しむ絶好の機会をご堪能あれ!

なお、当日のスケジュールは以下のとおり。

・9月29日(土)
07:35 ? 08:25 オープンピット
09:00 ? 11:00 公式練習
09:00 ? 11:00 : GT500 & GT300
10:40 ? 10:50 : GT300
10:50 ? 11:00 : GT500
12:15 ? 13:00 ピットウォーク
14:00 ? 15:35 ノックアウト予選
<Q1>
14:00 ? 14:15 : GT300
14:15 ? 14:30 : GT500
<Q2>
14:40 ? 14:50 : GT300
14:50 ? 15:00 : GT500
<Q3>
15:10 ? 15:20 : GT300
15:25 ? 15:35 : GT500
17:05 ? 17:45 キッズウォーク

・9月30日(日)

09:20 ? 09:50 フリー走行
10:00 ? 10:20 サーキットサファリ
11:50 ? 12:35 ピットウォーク
14:00 ? 16:00 決勝


(Photo by カーチャンネル)




2012年8月19日(日)

伝統の鈴鹿1000km、No.1 MOLA GT-Rがポールポジション獲得!

8月18日、三重・鈴鹿サーキットにおいて、SUPER GT第5戦「第41回インターナショナルポッカ1000km」の予選が行われ、ディフェンディングチャンピオンのNo.1 S Road REITO MOLA GT-R(柳田真孝/R.クインタレッリ組)がポールポジションを獲得した。
薄曇りながら、気温、路面温度ともに真夏のサーキットで迎えた予選。まずは午前中に公式練習が2時間にわたって行われ、そのセッションで各チームとも入念なセットアップに取り組むこととなった。

午後の予選はノックアウト方式を採用。Q1、Q2、Q3と進むにつれ、徐々に出走台数が絞り込まれていくもの。レギュレーションの関係で、Q2のセッションで中古タイヤを装着するチームが多く、そこで思うようなアタックコンディションに恵まれず、タイムアップを伸ばすチームも少なくなかった。
そんな中、順調にタイムを伸ばしていたのが、ディフェンディングチャンピオンの1号車。強い日差しが照りつける中、安定した速さを見せてQ2、Q3とトップタイムを死守。待望の今シーズン初となるポールポジション獲得に成功した。

一方、GT300では朝の公式練習から速さを披露していたNo.66 triple a Vantage GT2(吉本大樹/星野一樹組)が予選でも力走。Q3でアタッカーを務めた星野がコースレコードを更新する快走を見せ、トップに浮上した。ところが、予選終了後の再車検で車両違反が判明。燃料タンクの容量の違いを指摘され、タイムを抹消されてしまった。これによってポールポジションの座は、No.16 MUGEN CR-Z GT(武藤英紀/中嶋大祐組)の手に。16号車は参戦わずか2戦目の、さらにハイブリッド初となるポール獲得を果たすこととなった。

明日の決勝は午後12時30分にスタートが切られ、173周・1000kmの戦いを繰り広げることになる。



■SUPER GT第5戦 予選結果
・GT500
1.No.1 S Road REITO MOLA GT-R(柳田真孝/R.クインタレッリ組) 1’51.554
2.No.39 DENSO KOBELCO SC430(脇阪寿一/石浦宏明組)1’51.875
3,No.6 ENEOS SUSTINA SC430(伊藤大輔/大嶋和也組) 1’51.951
4,No.23 MOTUL AUTECH GT-R(本山哲/M.クルム組) 1’51.975
5,No.12 カルソニックIMPUL GT-R(松田次生/J-P.デ・オリベイラ組) 1’52.337
6.No.17 KEIHIN HSV-010(金石年弘/塚越広大組)1’52.381



・GT300
1.No.16 MUGEN CR-Z GT(武藤英紀/中嶋大祐組)2’02.130
2.No.3 S Road NDDP GT-R(関口雄飛/千代勝正組)2’02.885
3.No.0 GSR 初音ミク BMW(谷口信輝/片岡龍也組)2’02.987


(Photo by カーチャンネル)

  • 土曜日のピットウォークの様子

    土曜日のピットウォークの様子

  • GT300クラスポールポジションをゲットした#16 MUGEN CR-Z GT

    GT300クラスポールポジションをゲットした#16 MUGEN CR-Z GT

  • GT500クラスのポールポジションは、#1 S Road REITO MOLA GT-R

    GT500クラスのポールポジションは、#1 S Road REITO MOLA GT-R

  • 晴天の中、予選が行われた。

    晴天の中、予選が行われた。




2012年8月17日(金)

レースプレビュー・SUPER GT第5戦鈴鹿

UPER GT最長の1000kmレース、4年ぶりの復活へ!
早いもので夏休みも大詰め。厳しい暑さが続くが、今週末はその暑さに負けないほどの“ホットな”戦いが三重・鈴鹿サーキットで繰り広げられる。8月18-19日に開催されるSUPER GT第5戦「International Pokka 1000km」は、伝統の一戦として知られるだけでなく、いつも思わぬドラマが待ち受けるレースでもある。後半戦の幕開けは、果たしてどのような戦いが繰り広げられるのだろうか?

今年の鈴鹿は、4年ぶりの1000kmレース

鈴鹿で開催される真夏の一戦として知られる「鈴鹿1000km」。なんと、今年で41回目の開催を迎えるという伝統の一戦でもあるのだが、実のところ近年は1000kmの長距離を確保できずにいた。さまざまな社会情勢の影響を受けていたためだ。2009年、アメリカから始まったリーマンショックを発端に、昨年の東日本大震災まで距離を700kmや500kmへと短縮。近年のマシンポテンシャルの向上とも相まって、通常のスプリントレースとさほど変わらぬ戦いを見せていた。しかし、今年は4年ぶりに1000kmレースが復活。もちろん、SUPER GTシリーズ戦での最長レースとなる。
ひと言で1000kmと聞いても、ピンとこない人も多いだろう。SUPER GTでは通常1レース250kmで開催することが多いことから、その約4倍のレースと考えればいいわけだが、1イベントで4レース分を戦うと思えば、どれほど過酷なレースになるか想像もつくのではないだろうか。
さらに、過酷な夏の暑さがドライバーの体力、集中力を奪っていくことも考えられる。このため、鈴鹿戦では第3ドライバーの登録も容認されており、主にルーキーがS-GTデビューのチャンスを掴むことが多い。一昨年はGTデビューのルーキーがポールポジションを獲得するというサプライズもあったが、果たして今年はキラ星のような活躍のチャンスがルーキーに訪れるのだろうか。

シリーズチャンピオンを意識したレースに

長丁場の戦いとはいえ、実力伯仲だけにレースは激戦必至。さらにシリーズ争いを考えると、この一戦は「絶対に」落としたくない、つまり上位フィニッシュがどのチームにとっても目標となる。厳しい条件下を戦う様子は、観客にとって迫力たっぷり、GTレースならではの醍醐味を存分に味わういいチャンスだが、戦う側はいつも以上にハードになる。ということで、レース結果にはボーナスポイントが与えられる。当然ながら後半戦に突入したシリーズ争いを考慮すれば、少しでもたくさんのポイントを獲得したい。とりわけ今シーズン、未勝利の実力チームなどはノドから手が出るほど欲しいのが、優勝ということになる。結果、火花が飛び散る激戦になることは避けられない。
その優勝争いだが、まずはGT-Rの初優勝に期待するファンも多いのではないだろうか。開幕から2戦連続でLEXUS SC430勢が勝利。第3戦セパンではホンダHSV-010 GTが完勝。そして、第4戦SUGOでは、再びSC430が優勝を果たしている。と書くと、GT-Rの存在が見えてこないが、さにあらず。確かに、優勝こそ果たしてはいないが、前回のSUGOでは不運とも言える同士打ちで戦線を離脱しただけで、その速さは直前の公式テストでも実証済み。搭載ウェイトではライバルより軽いため、この鈴鹿でのチャンスはライバルたちよりも多い。ここで大きく飛躍するのか、期待がかかる。
中でも、去年のディフェンディングチャンピオンのNo.1 S Road REITO MOLA GT-R(柳田真孝/ロニー・クインタレッリ組)は去年も夏の3連戦でグンと勢いづき、チャンピオンロードを突破した経緯がある。今年は前回のSUGOでようやく表彰台に上がった1号車。もはや狙うは優勝のみ、の強い思いで戦いへと挑むことだろう。決勝での距離が長いだけに、予選順位そのものが戦いに反映されることは少ないと思われるが、予選でのタイムアタックにも注目してほしい。

GT300も混戦必至!?

先日の公式テストは鈴鹿ではなく、静岡・富士スピードウェイにて実施された。GT300ではこのテストで好走を見せたNo.16 MUGEN CR-Z GT(武藤英紀/中嶋大祐組)の躍進に着目したい。今シーズンからレース参戦が始まったハイブリッド車としては、No.31 apr HASEPRO PRIUS GT(新田守男/嵯峨宏紀組)が先輩格だが、この31号車もレースごとに実力をつけてきており、まさに実績に基づいた力強いレース展開を披露している。前回のSUGOがデビューレースだった16号車は長距離レースならではの信頼性にやや不安要素は残るものの、テストでの安定感を尊重し、真夏の過酷な戦いをどう生き抜くのかが楽しみだ。
一方、昨年の常勝チームNo.0 GSR 初音ミクBMW(谷口信輝/片岡龍也組)だが、今年はなかなか思うような結果が残せず、苦戦中。しかし、燃費の良さ、巧みな戦略などを駆使し、試合巧者としての結果を残すことを目論む。それは、多くのFIA GT車両においても同様のことが言えるはず。富士のテストでは、No.911 エンドレスTAISAN 911(峰尾恭輔/横溝直輝組)が驚異的な速さを見せたというだけに、GT500に負けじと劣らず、GT300でも激戦が繰り広げられることだろう。

伝統の1000kmレースは、お祭りモード満載!

これまでの1000kmは、ナイトランを含むものだった。レース終盤になるとクルマがライトオンされ、薄暮から完全に日が落ちると、まぶしいヘッドライト、そして高温に達したブレーキロータがオレンジ色の明かりを放つ幻想的なシーンを見ることができた。しかし、残念ながら今年はスタート時間が繰り上がり、12時30分に号砲を迎える。ナイトランの予定はないが、もうひとつの伝統は今回も実施される。それが大輪の花火だ。臨場感たっぷりのお祭りモードを体感することができる。
さまざまなドラマが待ち受ける鈴鹿1000km。スケジュールは以下のとおりだ。






スポーツカーの中古車情報ならGTNET