これがある意味D1の本当の姿！？

土曜日の第1戦の興奮が冷める間もなく、日曜日にエキシビションマッチが開催された。ここでD1GPは新たな試み「D1 Quick 8×4」というトーナメント形式を導入した。これは、過去のシリーズチャンピオンや優勝経験者、昨年のランキング上位選手に、前日の第1戦の上位選手3名を加えた、計24名による大会形式だ。
昨年のランキング上位16名がAブロック、Bブロックに8名ずつ配分される。残りの8名はCブロックとDブロックに配分される。ただし、Aブロック、Bブロック上位敗退者と敗退者の中の前年度ランキング上位者は敗者復活としてCブロック、Dブロックに進み、ブロック優勝者を決める。

AブロックはRX-8を駆る末永正雄選手、熟成が進むコスワースEJ25エンジン搭載の86を手足のように操る日比野哲也選手が対戦。スピードと角度に勝る日比野選手が優勢かと思われたが、末永選手が後方から軽い接触する程の接近ドリフトを魅せその点を評価されブロック優勝をもぎ取った。
BブロックはS15シルビア・チームオレンジ末永直登選手、180SXの川畑真人選手の対決となりどちらもハイレベルの接戦。1本目、2本目で決着がつかずサドンデス（再戦）でスピードに勝る川畑選手がブロック優勝を飾る。
Cブロックは、Aブロックから敗者復活した川畑選手のチームメイト、佐久間達哉選手と2011D1ストリートリーガル王者からD1GPにステップアップした田中省己選手がS15同士で対決した。ここは経験の差か、2本目に田中選手がミス、佐久間選手がCブロック勝者となった。
最後のDブロックでは土曜日の勝者「帝王」こと、古口美範選手と土曜日ではステアリングトラブルで実力発揮といかなったHKSワークス谷口信輝選手の対決となった。土曜日での勢いで谷口選手を寄せ付けないハイスピードなドリフトで古口選手が勝利！ これでTOP4が決定した。

観客もD1の立派な参加者！

TOP4が決まったが、その組み合わせを決めるのはなんと観客！4台が2台ずつ単走1本を走り観客に判定をしてもらうシステム。観客はD1のオフィシャル・グッズを購入したファンの中から5人抽選で選ばれた。単走の組み合わせは1組目「末永選手 vs 古口選手」2組目「川畑選手 vs 佐久間選手」となった。1組目はアクセル全開で音と迫力で勝った古口選手が勝利。2組目はD1の醍醐味である「煙」を意識した川畑選手が勝利。

これによって「古口選手 vs 佐久間選手」「川畑選手 vs 末永選手」の組み合わせでTOP4トーナメントが行われることになった。

手の内を知っている、全幅の信頼を置けるチームメイトだからこその接近戦！

トーナメント1組目、古口選手 vs 佐久間選手の対決は1本目に佐久間選手のドリフトが戻ってしまい古口選手にアドバンテージが着いた。しかし2本目、古口選手が前方の佐久間選手をプッシングしてスピンさせてしまい敗退、大阪完全勝利とはならなかった。2組目、川畑選手 vs 末永選手の対決では1本目に川畑選手の真骨頂のハイスピードの突っ込みに釣られ末永選手がクラッシュ！しかし、幸運にもマシンダメージは軽微だった。続く2本目は圧倒的優位だった川畑選手がスピン！こういったハプニングはエキシビションならでは。サドンデスに突入し、先程の2本は準備運動と言わんばかりの接近戦の応酬で再々戦でも結果が決まらず。

その場合は、D1独自の計測システム「DOSS」の先行時の得点で勝者を決める。その結果、川畑選手が決勝に進むことになった。

3位決定戦、土曜日の勢いはまだまだ衰えない古口選手とD1最強のロータリー使いとしてのプライドとして負けられない末永選手の対決は1本目に末永選手がスピンをし、古口選手の圧倒的優位かと思われたが、2本目に古口選手がクラッシュ！末永選手の逆転勝利で3位を得た。

決勝、Team TOYO TIRES DRIFT with GP SPORTSの2台 180SX・川畑真人選手とS15シルビア 佐久間達哉選手の対決はチームメイトだからこそ成せる美しくも迫力満点の追走となった。川畑選手が1本目に見事な接近ドリフトを魅せリード、2本目追い上げる立場となった佐久間選手も川畑選手に迫ったが僅かに及ばず。

川畑真人選手のエキシビション初戦の勝者となった。