D1グランプリ 2013 Round.7 - イベント・レースレポート

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D1グランプリ 2013 Round.7

2013年11月14日

2013 D1GP TOKYO DRIFT in ODAIBA


D1GP ODAIBA 単走_099D1GP ODAIBA 追走_024

首都・東京での最終戦はシーズン最難関コースでの限界ギリギリドリフトの応酬!

いよいよ2013年もあと2ヶ月を切り、寒空も厳しくなり始めた11月初旬。東京・お台場ではその寒さを忘れさせるぐらいの熱い戦いが行われた。それが「2013 D1GP TOKYO DRIFT in ODAIBA」だ。駐車場に設置された特設コースレイアウトは所々波うねっておりワンミスが命取りとなる。最終戦を前にシリーズチャンピオンは驚異的な角度、しかしミスないドリフトでシリーズトップを走る川畑真人選手、999馬力というとんでもないビッグパワーRB26を搭載したS15シルビアを巧みにコントロールし、シーズン終盤に勢いづいた末永直登選手が2位、そして昨シーズンよりアメリカの「フォーミュラD」にも出場し、D1参戦の機会が減ったものの出場した大会では確実に高ポイントを持ち帰りシリーズ3位に着けた斎藤大吾選手の3人に絞られた。

しかし、D1GPはこの3人以外も世界屈指のドリフターが多く参戦。シリーズの行方は誰にもわからない。


単走は度肝を抜かれる100点超えから会場が騒然となる大クラッシュまで!

まず最初に行われる単走決勝はD1GPの為に開発された採点システム「D.O.S.S」と審査員の加減点で競われ上位16台が追走トーナメントにコマを進めることができる。ここでシリーズ3位の斎藤大吾選手がまさかの敗退。実は大会前にマシンを火災で失ってしまい、急遽チームのD1SL(ストリートリーガル)マシンでの参戦となってしまった。練習走行でも細かなトラブルが発生し本番1本目は失敗、2本目はミスなく走り終えたもののお台場のコースに慣れないマシンで本来の走りは影を潜めてしまい20番手でチャンピオン争いから去ることとなった。D1一の「お祭り男」、MAX☆織戸こと織戸 学選手はニューエンジンを搭載した86で観客との距離が近いお台場で魅せつけるため勢い良くでコーナーに入っていったが、リアがウォールに接触しその反動でマシンは真っ直ぐコンクリートウォールに衝突してしまった。一時騒然となったが、織戸選手は幸いにも無事だった。しかしマシンは足回りだけではなくフレームにまで大きなダメージを負ってしまい彼の2013年はここで終わってしまった。ここで素晴らしい走りを魅せたのが昨年もここお台場で単走優勝を遂げたS15シルビアを駆る内海彰乃選手。驚異的な進入速度から見事なコントロールで駆け抜け、審査員の加点も入り100.12点という記録を残し、単走2連覇を成し遂げた。2位にはインドネシアから元・斎藤大吾選手のマシンを操り、煙もうもうの派手なドリフトで急成長の注目株 エマニエル・アマンディオ選手が98.52点を記録。3位には2011年D1SLチャンピオン・田中省己(せいみ)選手が久々の予選通過から見事な走りで獲得した。また今回D1GP初出場となったロシア選手権チャンピオン・ジョージ・チフチャンはボディの至る所にGoProを装着したイエローのS15シルビアで10番手、初出場ながら追走トーナメントにコマを進めた。


タイトル争いの末永直登選手、川畑真人選手はどうだろうか?末永直登選手は一本目、2本目ともに安定した、しかし高ポイントの走りで4位を獲得。ところが川畑真人選手はそうはいかなかった。一本目ではコースコンディション、マシンコンディションを見極めながらの若干抑えた走りで11~12番手。2本目で勝負に出ようとしたが、進入で引っかかりバリアに衝突。タイトルに黄色信号が点灯したかと思われたが幸いにもマシンにダメージはなく、14位で追走トーナメントに進出した。

お台場ならではのスペシャルゲストがD1初挑戦!?その走りは…?

D1GP ODAIBA 追走_06 D1GP ODAIBA 追走_05

午後から始まる追走トーナメントを前に、スペシャルゲストによるD1チャレンジが実施された。そのゲストとはbeポンキッキーズの「ガチャピン」と「ムック」。ドリフトに挑戦するのはガチャピンでムックはスタート役を務めた。ガチャピンは今までにモトクロス、ジムカーナなどのモータースポーツにチャレンジしたが、今回が初ドリフト走行となった。本番を前に会場内の大型スクリーンにはHKSワークスドライバーである谷口信輝選手の指導のもとドリフトの基礎からの練習に励む姿が映し出された。「ガチャピンチャレンジ」は単走決勝と同様、D.O.S.Sでの採点で2回走行する。1本目は緊張のあまりスピン。ラストチャンスとなった2本目は若干ふらついていたが見事に成功。点数は92.54点と残念ながら追走トーナメントに進出することは叶わなかった。

これぞ最終戦に相応しい名勝負揃いの追走トーナメント!ベスト16~ベスト8

・Aグループ

いよいよ最終決戦の追走トーナメント、泣いても笑ってもこれで全てが決まる。Aグループは単走優勝の内海彰乃選手はまずベスト16でマークXを駆る高橋邦明選手と対戦。内海選手が単走同様のハイスピードがドリフトで高橋選手を引き離しアドバンテージを獲得、前後入れ替えの2本目はきっちりと高橋選手の背後に張り付いてここでもアドバンテージを獲得し快勝した。ベスト8では川畑選手のチームメイトである佐久間達也選手と対戦、どちらも素晴らしい走りを魅せてくれたが、ここでも内海選手の先行でのハイスピードドリフトが評価されベスト4にコマを進めた。ベスト4対戦相手はランキング2位の末永直登選手。ベスト16ではトーナメント初出場の寺町選手に接触されヒヤリとしたが、ダメージもなく2本目の後追いで追走のやり方の「指導」をしながら勝利。ベスト8ではテクニシャン・今村陽一選手との対戦。1本目スタートの降り始めに今村選手に接触し長い審議となったが、仕切り直しとなった。どちらも事前に申し合わせたかの様なツインドリフトを魅せ、2度のサドンデスまでもつれ込み末永選手が今村選手を撃破。





・Bグループ

Bグループでは外国人2人の活躍が目立った。チェイサーを操るエマニエル・アマンディオ選手はベスト16、2JZ搭載のBMW M3を操る上野高広選手とサドンデスまでもつれ僅差で勝利。Bグループ2組目は86を操る日比野哲也選手とロシアチャンピオン、ジョージ・チフチャン選手のカード。初のD1追走トーナメントにも臆せずに後方から日比野選手の86に食らいつくチフチャン選手のS15。結果、同点で2本目に突入した。チフチャン選手は振り出しのタイミングが遅れたのかアウト側に膨らみリアウイングがバリアと接触しながらドリフトを続けていった。後方から日比野選手も接近していたがこちらも様子がおかしい。86はストレートでの振り出しの際に左リアをコンクリートウォールにヒットさせてしまい足回りを破損してしまいチフチャン選手の勝利が確定した。その為ベスト8ではインドネシアvsロシアという異色の対決となった。自分ともにはるばるロシアからやってきたファンの声援に応えるため1本目の後追いで互角の走りを魅せるチフチャン選手。そして先行となる2本目、力が入りすぎスピン。惜しくもベスト8敗退となってしまった。しかし会場からは多くの拍手、チフチャン選手も手を上げてそれに応えた。ベスト4に進出したアマンディオ選手の対戦相手はチャンピオンに最も近い男、180SXを駆る川畑真人選手だ。川畑選手、ベスト16は田中省己選手といきなりサドンデスでの勝利。ベスト8では”帝王”古口美範(よしのり)選手との対戦、ここではランキングトップの腕を見せつけ圧勝した。




打ち上げ花火!? ベスト4

・内海彰乃選手 vs 末永直登選手

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ベスト4・1組目は単走優勝から勢いに乗る内海選手と負ければタイトルの望みは潰えてしまう末永選手の対戦。1本目、内海選手の先行で今まで通りハイスピードドリフトで後方の末永選手を引き離す。追走を得意とするチーム・オレンジ末永選手は食らいつく事ができず内海選手にアドバンテージを奪われてしまった。後がなくなった末永選手は2本目に思い切った攻めのドリフトでアドバンテージを奪い返そうとしたが、2コーナーでハーフスピンに。立て直そうとし外側に膨らんだところに内海選手のS15と接触。内海選手は末永選手の左リアに乗り上げるような形で宙を舞い右フロントを大きく損傷してしまった。判定で内海選手の勝利となったがチームは急いで修復作業に取り掛かった。この瞬間、川畑真人選手の2013年シリーズチャンピオンが確定した。



・エマニエル・アマンディオ選手 vs 川畑真人選手
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ベスト4・2組目はルーキーとは思えない堂々たる走りを魅せているアマンディオ選手とチャンピオンに優勝の華を添えたい川畑選手の対戦。1本目、アマンディオ選手は臆することなく先行で煙もうもうの派手なドリフトを魅せるが、川畑選手もミスなく1本目を終えた。前後入れ替えての2本目、アマンディオ選手は大柄なチェイサー巧みにコントロールし全くの同点でサドンデスに突入。サドンデス1本目で川畑選手はアマンディオ選手の懐に一気に接近しアドバンテージを得た。2本目、アマンディオ選手も川畑選手のインに差し込むが惜しくも敗退した。

今シーズン初勝利 vs 完全勝利

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予定が大幅に遅れ、決勝はナイトレースとなった。単走優勝と追走優勝で今大会の完全勝利を目指す内海選手と単走・トーナメント両シリーズタイトルを確定しており、最終戦で勝利し完全なるチャンピオンを目指す川畑選手。内海選手のS15は無事決勝までに修復された。内海選手が先行の1本目は川畑選手が間隔を開けすぎて内海選手にアドバンテージ。内海選手の走りは今までと全く変わらずのパフォーマンスを魅せつけていた。内海選手有利のまま前後入れ替えての2本目、内海選手が痛恨のドリフト戻りのミス。ミスは大きな減点となり川畑真人選手が優勝。同時にチームタイトルも獲得した。






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