スーパーフォーミュラ2017 Round.4 - イベント・レースレポート

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スーパーフォーミュラ2017 Round.4

2017年8月21日

ルーキーのP.ガスリーが初勝利


8月19日、ツインリンクもてぎにおいて、全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦の決勝レースが行われ、予選4番手からスタートを切ったNo.15 ピエール・ガスリー(TEAM MUGEN)が2スペックタイヤでの巧みな戦略を味方に勝利。今年ルーキーのガスリーにとっては自身初となるカテゴリー優勝となり、またチームにとってもシーズン初勝利を果たすこととなった。


前日は天候不順により、ノックアウト予選のQ2およびQ3はキャンセル。決勝日の午前、わずか10分のフリー走行を経て、残る予選が実施された、順延されたアタック合戦でトップタイムとなる1分32秒030を叩き出したのは、No. 4 山下健太(KONDO RACING)。最初に32秒台で暫定トップに立ったNo.18 小林可夢偉(KCMG)が2番手で続き、3番手にはNo.40 野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。野尻はQ2でもてぎのコースレコードを更新する1分31秒888をマークしていただけに、悔しい3番手となった。

 

 

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■第4戦もてぎ 予選結果(TOP6)

1.No.  4 山下健太(KONDO RACING) 1’32.030
2.No.18 小林可夢偉(KCMG)1’32.105
3.No.40 野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)1’32.112
4.No.15 ピエール・ガスリー(TEAM MUGEN)1’32.129
5.No.  3 ニック・キャシディ(KONDO RACING)1’32.171
6.No.  7 フェリックス・ローゼンクヴィスト(SUNOCO TEAM LEMANS)1’32.264

 


ノックアウト予選からおよそ4時間後。慌ただしいスケジュールの中、午後2時10分には決勝レースがスタート。通常のミディアムタイヤ、さらに柔らかいソフトタイヤの2スペックを装着することが義務付けられる今大会のカギを握るのは、スタート時の装着タイヤ選択そしてピットインのタイミングと思われた。


トップ3は、パッシングポイントが限られるもてぎのコースレイアウトを踏まえスタート直後からタイヤのポテンシャルを引き出しやすいソフトを選択。だが4〜6位の3台はミディアムを装着。これは、前方車両がソフトで周回を重ねるうち、ペースダウンしたところを好機に逆転しようという考えを重視したものと思われる。かくして各自さまざまな戦略の下、52周にわたるバトルが幕を開け、結果的にも装着タイヤの違いによって、多くのオーバーテイクショーが繰り広げられることになった。



スタートで出遅れたのは、ポールの山下。1コーナー進入までに3台の先行を許し、4位へとドロップ。だが、3コーナーでガスリーを仕留め、3番手に。オープニングラップは小林を先頭に、野尻、山下、そしてガスリー、さらにスタートで出遅れたキャシディに代わり、ローゼンクヴィストが5番手で周回を重ねていった。一方、後方から激しく追い上げを見せる車両が現れる。予選15位に甘んじたNo.10 塚越広大(REAL RACING)は、スタートでエンジンストールを喫し、最後尾までドロップ。だが、もともと15位スタートを逆手に取って2回ピットを行う作戦を立てており、燃料の少ない状態でソフトタイヤ装着しての走行を敢行。ライバルとコンディションが異なるクルマを武器に、この先、多くのパッシングシーンを披露。もともと抜きどころが少ないもてぎでタフなバトルを繰り広げ、その場を大いに盛り上げた。



真っ先にピットインを果たしたのは、山下。9周を終えてピットに戻り、ミディアムタイヤを装着。前を走る野尻のペースが遅く、アンダーカットを決行。その戦略は成功したかに思えたが、その後、野尻に代わって別の刺客に苦戦した。それがミディアムタイヤでスタートを切った後続ドライバーたちだった。レース折り返しを前に、全19台中、すでに14台がピットでのタイヤ交換を終了。それぞれがスタート時とは異なるタイヤを着けて周回していたが、後半にソフトを投入したクルマが猛攻の走りでペースアップし、次々と逆転を果たしていく。結果、予想外のポジションダウンを強いられた。


一方、トップの小林は独走態勢で大きくマージンを作り上げて、33周終わりのピットイン。ところが右リアタイヤ交換に手間取り、30秒という時間をその場で費やしてしまう。結果、安定した攻めの走りに徹していたガスリーが思わぬ形でトップを手にすることになった。その後は、トップのガスリーを追う形となった小林だが、後方からソフトタイヤで攻めてくる猛追をシャットアウト。あと一歩に迫った優勝は逃してしまったが、なんとか踏ん張り2位でチェッカーを受けている。



ルーキーで初勝利を果たしたガスリー。ミディアムタイヤでスタートし、逆転を狙うという強い意思を貫徹させた分、喜びもひとしおの様子だった。2位小林に続いたのは、ローゼンクヴィスト。前回の富士戦2位から連続表彰台を達成している。

 

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■第4戦もてぎ 決勝結果(TOP6)

1.No.15 ピエール・ガスリー(TEAM MUGEN)1:24’26.817  52Laps
2.No.18 小林可夢偉(KCMG)+18.583
3.No.  7 フェリックス・ローゼンクヴィスト(SUNOCO TEAM LEMANS)+19.507
4.No.  2 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)+20.195
5.No.  3 ニック・キャシディ(KONDO RACING)+26.089
6.No.  4 山下健太(KONDO RACING) +39.339



2017年8月20日

スーパーフォーミュラ第4戦もてぎ、雷雨で予選中断、中止に


8月19日、栃木・ツインリンクもてぎにおいて、全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦の予選が行われたが、Q1途中からコンディションが急激に悪化。Q2へのインターバルでその後のセッションがキャンセルされ、決勝日朝に改めて残るQ2、Q3を実施することになった。


前日から曇天が続いていたもてぎ。予選日は午前中からパラパラ雨が降り始め、午前9時40分からのフリー走行を前にウエット宣言が出ていたが、レインタイヤを装着するほどではなく、各車通常のミディアムもしくは、今回投入されるソフトタイヤでコースインする姿が見られた。



セッション折り返しを前にトップタイムをマークしていたのはNo.4 山下健太(KONDO RACING)。1分33秒394のタイムでトップに立ったが、残り20分を前にソフトタイヤを装着したNo.50 小暮卓史(B-Max Racing team)がスクラブに留まらず、そのまま周回を続けて1分32秒598をマークし、トップを奪取。さらに同様の条件で走行したNo. 8 大嶋和也(SUNOCO TEAM LEMANS)もこれに続き、ミディアムタイヤでトップタイムとなった山下が3番手でセッションが終了した。


迎えたノックアウト予選。午後3時のセッション開始前にウエット宣言が出され、合わせて雨がポツリポツリと落ち始めた。ソフトタイヤでコースインした全車両は、雨で濡れた路面で滑る車両を懸命にコントロールしながらアタック。タイムをマークすると、次々とピットに戻りレインタイヤへと交換した。その後、雨脚は強まる一方。これ以上のタイムアップを望むのは困難な状況と判断したチームでは、続くQ2でのアタックに向け、クルマをセットアップ作業に入り、セッション終盤に再びレインタイヤでコースイン。状況の変化に対応できるよう、準備を進めていた。なお、Q1でトップタイムをマークしたのは、No. 3 ニック・キャシディ(KONDO RACING)。これに僚友の山下が続き、3番手はNo.18 小林可夢偉(KCMG)となっている。



Q1終了後、もはやフルウエット状態となったコース上。だが上空はさらに暗くなり、頻繁に雷も鳴り始める始末。結果、Q2開始を前に、視界不良のためセッションのディレイ、さらにはQ2およびQ3のキャンセルがアナウンスされることになった。これにより、翌日決勝日の朝、フリー走行後にQ2およびQ3の実施が決定した。

 

 

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2017年8月15日

SUPER FORMULA第4戦もてぎ プレビュー


2スペックタイヤをどう使う? 混戦必至のもてぎ戦

 

7月上旬の戦いからおよそ1ヶ月半。8月19-20日、栃木・ツインリンクもてぎにおいて全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦が開催される。今シーズン、予選から決勝を通じて僅差の激戦が続くこのカテゴリーレースでは、これまで全3大会4レースを終えて異なるウィナーを生み出している。つまり誰が勝ってもおかしくないほどの緊迫の戦いが展開されているというわけ。ちょうどシーズン折り返しの一戦は、次のステージへと向かうドライバーたちが本領発揮しなければならない戦いでもある。厳しい真夏の暑さが待ち受けるのか、それとも先を読むのが難しい不安定な天候となるのか。その点も含め、予測不能なレースになりそうだ。

 

■今シーズンの折り返し戦
ストップ&ゴーのレイアウトをもつもてぎ。比較的短い距離ながら加減速が多く、またブレーキに対してとてもタフなことで知られ、ドライバーやエンジニアをいつもセットアップで悩ませる難コースだと言われている。オーバーテイクも容易ではなく、多くのドライバーが「予選がすべて」と口にする。今年、これまでの予選を見る限り驚くような僅差でポジション争いをしているスーパーフォーミュラだけに、今回はノックアウト予選がより白熱化する可能性もある。とはいえ、セットアップが要となるコースでもあるため、この作業が外れてしまうと厳しい結果を受け入れなければならないことも事実。「予選は予選、決勝は決勝」という考え方も確かにあるが、ここもてぎにおいては、少なくとも予選が占める重要度は他のサーキットよりもかなり高いと思ったほうがいいだろう。

 

■厳しい暑さが与えるクルマへの影響は?
現時点での週末の天気予報を見る限り、厳しい暑さというよりはどちらかというと曇天模様になりそうなもてぎ周辺。となれば、ブレーキへの厳しさは多少減少するかもしれないが、一方で難しいのはタイヤの使い方ではないだろうか。というのも、昨年同様今年もタイヤの2スペック制が実施されるからだ。初導入の昨年、新たに用意されたソフトスペックのタイヤは、通常のミディアムタイヤとの差がさほどなく、決勝レースを終えたドライバーからは「ソフトタイヤでもミディアム同様、最後までタレずに走れた」とさり気なくシニカルなコメントも飛び出した。だが、今年の2スペックはさらに進化しているという。タイヤを供給するヨコハマタイヤでは、今年の春先から行われているエンジン開発テストでの走行時に新たなソフトタイヤを試着し、データを収集。昨年よりもさらに柔らかい方向に味付けし、もてぎのコースでは1周で0.5〜0.8秒速くなると算段している。

 

ちなみにソフトタイヤを装着すると、レースがどう動くのか。まずグリップレベルの上昇により、ラップタイムが向上。その一方で高いグリップ力を得るかわりにタイヤのライフはミディアムより当然短くなる。つまり、タイヤの”おいしい”部分をいかに上手く使うかどうかが、予選や決勝での戦法に大きな影響を与えることになるというわけだ。タイヤをうまくコントロールするドライバー、そしてタイヤにやさしいクルマ作りが問われるエンジニアは、ともにハイレベルなスキルが要求されるだろう。加えて供給されるミディアムとソフトのタイヤをどのタイミングで投入するかも難しい。現時点で未知数であるタイヤの性能をどうやって探るのか。金曜日に設けられた専有走行での見極めを経て、本格的な戦いが幕を開けそうだ。

 

■20周年を迎えたもてぎでの一戦に華を添えるのは?
ユニークなコースレイアウトをもつもてぎは今年で開業20周年。かつてはインディカーレースを開催したこともある。この記念すべき大会で勝利を狙うのは、やはりホームコースとなるホンダ勢ではないだろうか。残念ながら第3戦終了時点でのウィナーはみなトヨタエンジンユーザーのみ。だが、カテゴリーこそ違えど8月上旬に富士スピードウェイで開催されたSUPER GTではついにホンダNSX-GTがポール・トゥ・ウィンを達成。となれば、スーパーフォーミュラにおいてもその上昇気流にあやかりたいところだ。現時点でホンダ勢のランキングトップである山本尚貴や塚越広大、さらには野尻智紀らはいずれももてぎがホームコースとなるドライバー。シーズン折り返しのもてぎでの躍進を機に、後半戦へ弾みを着けたいところだろう。

 

■主なタイムスケジュール
・8月19日(土)
09:40〜10:40 フリー走行
10:55〜11:40 ピットウォーク
15:00〜   公式予選(ノックアウト方式)
15 : 00〜15 : 20 Q1(19台→14台)
15 : 30〜15 : 37 Q2(14台→ 8台)
15 : 47〜15 : 54 Q3
16:10〜16:35 キッズピットウォーク

・8月20日(日)
09:10〜09:40 フリー走行
11 : 50〜      20周年記念セレモニー
12:15〜13:00 ピットウォーク
14:10〜 決勝(52Laps)





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