9月10日、大分・オートポリスにおいて全日本スーパーフォーミュラ選手権第5戦の決勝レースが行われ、予選5番手からスタートしたNo.15 ピエール・ガスリー(TEAM MUGEN) が万全のレース運びで逆転を果たし、前大会のもてぎ戦に続いて2連勝を達成した。
専有走行が行われた金曜日から安定した天候に恵まれたオートポリス。決勝日も時折、強い陽射しが照りつけてはいたが、気温が30度を超えることはなく、爽やかな秋晴れのレース日和となった。今回も前戦に続いてソフトタイヤ/ミディアムタイヤの2スペック制タイヤで競う一戦であるため、まず午前中に行われたフリー走行でも、各タイヤの見極めを行うべく、各車精力的に最終調整に勤しむ姿が見られ、タレが激しいソフトタイヤをいかに活用するかがレースのカギを握るものと考えられた。
そして迎えた決勝。今シーズン初のポールポジションを手にしたNo.40 野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)を筆頭に、グリッドでガスリーの前方にいる全4台、そしてその後方5台はみなミディアムタイヤを選択。当初ガスリーもミディアムを装着してダミーグリッドについていたが、ギリギリになってソフトへと交換。スタートはもちろん、レース序盤で前方車両を出し抜く戦略に賭けた。そしてスタートを決めたガスリーはオープニングラップの1コーナーで一気に2番手まで浮上。その勢いのまま周回を重ねた。一方、予選4番手からポジションアップを狙ったNo.36 アンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM’S)。珍しくスタートの加速でミスを発し、後続車両と接触。戦わずしてオートポリスを後にしている。
ガスリーはソフトタイヤで力走、トップをキープする野尻との差を最小限に保ったまま23周を走破し、ピットイン。12.4秒という申し分のないピット作業時間でレースに復帰する。一方、トップの野尻は後半に装着が必要なソフトタイヤに対して不安を覚えていたことから、できる限りミディアムタイヤでの周回にこだわった。結果、54周のレースのうち38周までミディアムタイヤで走り続けてピットイン。だが、給油に時間がかかり、16.1秒を費やしてしまった。さらにコースに復帰すると、目前には他車同士が激しいバトルを展開中。その中で自身のポジション回復を狙ったが、1コーナー進入で前方を走るNo.18 小林可夢偉(KCMG)に追突、フロントノーズを失って痛恨のコースアウト。イレギュラーピットインを強いられ、完全に上位争いから脱落した。
全車がピットインを済ませると、ついにガスリーがトップに浮上。その後は、後続車をうまくコントロールして周回。理想的なレース運びで前大会もてぎ戦に続き、シーズン2勝目を達成。シリーズランキング争いでも2位に浮上する活躍を見せた。なお、そのガスリーの後ろを走っていたのが、No.7 フェリックス・ローゼンクヴィストとNo.8 大嶋和也のSUNOCO TEAM LEMANSのふたり。ローゼンクビストが4周、そして大嶋が6周を終えた時点でピットイン、ミディアムタイヤからソフトタイヤへとスイッチしたため、2ピット戦略を選択したかに思われたが、さにあらず。50周近くを走りきるというライバルを出し抜く戦略を見事に決めて、2台揃っての表彰台獲得を成功させた。
■第5戦オートポリス 決勝結果(TOP6)
1.No.15 ピエール・ガスリー(TEAM MUGEN)1:24’28.619 54Laps
2.No. 7 フェリックス・ローゼンクヴィスト(SUNOCO TEAM LEMANS)+1.558
3.No. 8 大嶋和也(SUNOCO TEAM LEMANS)+7.638
4.No.2 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING) +8.555
5.No. 1 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)+9.009
6.No.37 中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S) +9.457

9月9日、大分・オートポリスにおいて全日本スーパーフォーミュラ選手権第5戦の予選が行われ、Q3でコースレコードを更新するスーパーラップを見せたNo.40 野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がトップタイムをマーク。今シーズン初、自身としては2度目のポールポジションを獲得した。
シーズン終盤戦へと突入したスーパーフォーミュラ。今大会も前回のもてぎ戦に続き、通常のミディアムタイヤに加えソフトタイヤを導入した2スペック制でのレースを実施する。これに先立ち、金曜日の専有走行では、ソフトとミディアム両タイヤでのコンディションを確認するなど、翌日の予選に向けて様々なシミュレーションを行った。
迎えた予選日。眩しい陽射しと澄んだ青空が広がる中でまずフリー走行がスタート。ここでトップタイムをマークしたのはNo.36 アンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM’S) 。これに僚友のNo.37 中嶋一貴、No.40 野尻らが続いた。午後の予選を迎えると、気温、路面温度ともに上昇。2スペックタイヤのうち、Q1ではミディアムタイヤでの装着が義務付けられており、条件下でのアタックが行われた。セッション終盤、ニュータイヤでのアタックが始まる中、1台の車両がコースアウト。これでアタックチャンスを喪失するドライバーもいたが、まずはNo. 1 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)がトップタイムをマークした。続くQ2からはソフト/ミディアムの選択肢がある中、全車がソフトタイヤでQ2、Q3を出走する。Q2でトップに躍り出たのは、可夢偉。これまでのコースレコードを更新する速さを披露した。そしていよいよQ3でのアタックがスタート。1ラップアタックでベストラップを狙うドライバーに対し、Q2トップの可夢偉は計測2周目でのタイムアップを狙ったが、それを野尻、国本が阻止。この3選手はみなコースレコードを改めて更新する躍進ぶりだったが、その中で最速タイムをマークしたのが野尻だった。
タイヤへの攻撃性が高く、タイヤコントロールが難しいとされるオートポリス。明日の決勝はソフト/ミディアムタイヤの投入時期、そしてタイヤのコントロールなど、様々な要素をいかに巧みに操るかがレースの行方を左右するといっても過言ではないだろう。
■第5戦オートポリス 予選結果(TOP6)
1.No.40 野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)1’26.196
2.No. 1 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)1’26.387
3.No.18 小林可夢偉(KCMG)1’26.414
4.No.36 アンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM’S) 1’26.637
5.No.15 ピエール・ガスリー(TEAM MUGEN)1’26.738
6.No.37 中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S) 1’26.810
