スーパー耐久2025 Round7
スーパー耐久最終戦、富士には4万人超のファンが詰めかける
11月15、16日に静岡・富士スピードウェイにおいて、ENEOSスーパー耐久シリーズ2025 Empowered by BRIDGESTONE第7戦「S耐FINAL大感謝祭」が行なわれた。急遽、今大会から新設されたST-USAクラスも参戦。盛り上がりを見せ、9クラス57台による戦いが繰り広げられた。その一方、シリーズタイトルをかけて各クラスでの攻防戦もあり、そのなかでレースを総合トップで制したNo.666 seven x seven PORSCHE GT3R(BANKCY/渡会太一/藤波清斗)がシリーズ王者にも就いている。
予選 新設のUSAクラスがスピードを見せる
前戦岡山でチャンピオンを決めているのはST-Z、ST-5F/Rの3クラスのみ。残るクラスはチャンピオンを目指してのシーズン集大成を披露することになる。一方、急きょ新設されて富士戦に挑むことになったのはUSAクラス。2台が参戦したが、うち1台のNo.9 キャラウェイ・コルベットC7 GT3-R(武井真司/笹原右京/阪口晴南)が予選でライバルを上回る速さを見せて、初レースながらポールポジションを手にした。
一方、”常連”のST-XクラスではNo.33 Craft-Bamboo Racing Mercedes-AMG GT3(リー・ジェフリー/太田格之進/トム・カレンダー)がAドライバートップタイムをマークするも、ランオフエリア走行の扱いとなり、ベストタイムは抹消に。結果、9号車がポールポジションから4時間レースのスタートを切ることになった。なお、33号車は総合2番手、ST-Xクラストップとなっている。そのなかでクラスチャンピオン争い中では、666号車が予選4番手につけてひとつリード。これをNo.31 DENSO LEXUS RC F GT3(永井宏明/蒲生尚弥/小林利徠斗/嵯峨宏紀)が7番手、No.23 TKRI松永建設AMG GT3(DAISUKE/片岡龍也/奥本隼士/中山友貴)が8番手から追う形となった。
すでにチャンピオンが決まっているST−Zクラスでは、No.22 EBI GROUP Cayman GT4 RS CS(北園将太/久保凜太郎/平安山良馬/山野直也)が、ST-TCRでは、4戦連続でNo.97 Racer ホンダカーズ桶川 CIVIC(遠藤光博/中野信治/ジャック・ヤング/大宮賢人)がクラストップタイムをマーク。さらに。ST-Qクラスでは、No.271 CIVIC TYPE R HRC Concept(大津弘樹/野村勇斗/辻本始温)、ST-1クラスはNo.2 シンティアム アップル KTM(井田太陽/加藤寛規/高橋一穂/吉本大樹)、ST-2クラスはNo.6 新菱オートDXL☆ネオグローブEVO X(冨桝朋広/菊地靖/大橋正澄/松沢隆弘)が4戦連続で、さらにST-3クラスではNo.38 TRACYSPORTS with DELTA RC350 TWS(今井慎吾/丸山陽平/林智大)、そしてST−4クラスは、ランキングトップのNo.884 シェイドレーシング GR86(影山正彦/清水英志郎/山田真之亮)がそれぞれ各クラスのポールポジションを手にした。
予選結果・各クラストップ・A、Bドライバー合算タイム
【ST-X】No.33 Craft-Bamboo Racing Mercedes-AMG GT3 3’20.327
【ST-Z】No.22 EBI GROUP Cayman GT4 RS CS 3’34.131
【ST-TCR】No.97 Racer ホンダカーズ桶川 CIVIC 3’38.799
【ST-Q】No.271 CIVIC TYPE R HRC Concept 3’29.886
【ST-1】No.2 シンティアム アップル KTM 3’27.420
【ST-2】No.6 新菱オートDXL☆ネオグローブEVO X 3’40.721
【ST-3】No.38 TRACYSPORTS with DELTA RC350 TWS 3’43.772
【ST-4】No.884 シェイドレーシング GR86 3’52.671
【ST-USA】No.9 Callaway Corvette C7 GT3-R 3’20.172
決勝 4時間レースは秋晴れの下で開催
最終戦の4時間レースを前に、日曜日は朝からS耐の”弟分”ともおいえる「S耐チャレンジ決勝」が行なわれた。その後はNASCARのデモンストレーション走行が行なわれ、決勝は午後1時15分に号砲を迎える。
上位陣は予選ポジションのまま順調に周回を重ねるが、その後方では、ST-Xのチャンピオン争い中である23号車が早速ポジションアップ。その勢いに押されるように、33号車もポールポジションスタートの9号車に猛追し、逆転に成功した。だが、その後、1時間もしないうちにマシントラブルが発生。イレギュラーピットインを強いられ戦線離脱となる。その流れが飛び火したか、9号車もその後ガレージイン。予選で躍進した2台が早々に優勝争いから脱落した。
レースはその後、フルコースイエローが導入されるが、このタイミングを味方につけたのが666号車だった。ライバルたちと異なるピットインのタイミングだったことが奏功。レース後半になって総合トップに躍り出る。その後は、2回目のFCY導入明けに、後続車に迫られる展開となったが、ライバルがピット作業でタイムロスをしたことで、トップ666号車と後続車との差が開くことに。最終盤になっても666号車の快走は変わらず、さらにライバルたちに隙を与えないパフォーマンスによって、見事な逆転勝利を達成した。また、この結果により、最終戦を前にして暫定ランキングトップだった23号車を逆転し、クラスチャンピオンをも獲得。今季より参戦した新参チームながら見事な逆転戴冠を果たすこととなった。
ST-Zクラスは前回の岡山でクラスタイトルを手にしていたNo.52 埼玉 GB GR Supra GT4 EVO2(松井宏太/吉田広樹/服部尚貴/野中誠太)が他車のクラッシュを機にクラストップに浮上。だが、後方から猛追するライバルの先行を許す事となり、クラス10位スタートだったNo.34 TECHNO FIRST FUNDINNO R8 LMS GT(藤井優紀/大草りき/安田裕信/加納政樹)が優勝をさらっている。
ST-TCRは予選クラストップスタートの97号車が優勝したものの、4位チェッカーのNo.98 WAIMARAMA Elantra N TCR KIZUNA(千代勝正/リ ジョンウ/桝本隆介)が4位チェッカーながらクラスチャンプを手にした。また、ST-Qクラスでは予選クラス2番手のNo.230 NISSAN Z NISMO Racing Concept(平手晃平/佐々木大樹/三宅淳詞)が、クラストップチェッカーを受けている。そして、ST-1クラスは2号車がジュラスポール・トゥ・ウィンを果たしたものの、クラス2位でチェッカーを受けたNo.47 D’station Porsche 992(星野辰也/浜健二/田中哲也/樺木大河)の手にタイトルが渡った。
ST-2クラスでは、No.743 Honda R&D Challenge FL5(石垣博基/尾藤成/木立純一)がクラス優勝を果たし、予選、決勝ともにクラス5位だったNo.72 OHLINS CIVIC NATS(金井亮忠/山野哲也/野島俊哉)がクラスタイトルをつかんだ。ST-3クラスは予選クラス3番手だったNo.16 岡部自動車フェアレディZ34(田中徹/清水啓伸/小松響)が逆転勝利。クラス2位チェッカーを受けたNo.39 エアバスター WINMAX RC350 TWS(藤田真哉/眞田拓海/伊藤鷹志)が2連覇を達成している。さらに、ST-4クラスでは、No.3 ENDLESS GR86(坂裕之/菅波冬悟/小河諒/島谷篤史)が予選6番手からジャンプアップを果たして勝利する一方、暫定クラスランキングトップのNo.884 シェイドレーシング GR86(影山正彦/清水英志郎/山田真之亮)はレース中、トラブルに見舞われピットインも強いられたが、満身創痍ながらもチェッカーを受けて完走。クラス王者に輝いた。なお、新設のST-USAクラスでは、ポールスタートを切った9号車はトラブルが重なり残念ながら完走できず。もう一台のNo.249 TechSport Racing Mustang Dark Horse R(デビン・アンダーソン/ジュリアーノ・アレジ/中嶋一貴)は、総合39位でチェッカーを受けている。
決勝結果
【ST-X】No.666 seven x seven PORSCHE GT3R 4:00’32.407 135Laps
【ST-Z】No.34 TECHNO FIRST FUNDINNO R8 LMS GT 128L
【ST-TCR】No.97 Racer ホンダカーズ桶川 CIVIC 124L
【ST-Q】No.230 NISSAN Z NISMO Racing Concept 127L
【ST-1】No.2 シンティアム アップル KTM 130L
【ST-2】No.743 Honda R&D Challenge FL5 123L
【ST-3】No.16 岡部自動車フェアレディZ34 122L
【ST-4】No.3 ENDLESS GR86 118L
【ST-USA】No.249 TechSport Racing Mustang Dark Horse R 118L