SUPER FORMURA 2021 Round.3 - イベント・レースレポート

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SUPER FORMURA 2021 Round.3

2021年5月16日

悪天候のスーパーフォーミュラ第3戦オートポリス、優勝はジュリアーノ・アレジ!


5月16日、大分・オートポリスで決勝日を迎えた全日本スーパーフォーミュラ第3戦。前日同様の雨と霧、それ以上に終始吹き付ける強風に翻弄された決戦は、序盤からセーフティカーがコースインする荒れた展開で幕を開けた。加えて天候悪化から赤旗中断となったが、その後天候回復が見込めないとし、レース再開は叶わず。結果、ポールポジションからスタートを切ったNo.36 ジュリアーノ・アレジ(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)がわずか参戦2戦目にして初優勝を達成している。
 

決勝日は前日からの雨に加え、台風を思わせるような強風が吹き付けたオートポリス。天候悪化によりサポートレーのスタートが延期、あるいは開催がキャンセルされるなど、大幅な変更を強いられる中、スーパーフォーミュラでは朝のフリー走行がキャンセルされ、代わってスタート前、午後1時30分から20分間のウォームアップ走行を設けることになった。だが、その後も刻一刻と天候が慌ただしく変化、30分遅れとなる午後2時からウォームアップ走行がようやく始まったが、霧が深まり、時に強い突風も見られた。その中で、各車が決勝を控えてセッティングの最終確認を行っていたが、徐々にペースを上げて行く中で1台の車両がコースアウト。自力でピットに戻れなかったために赤旗中止となり、このまま走行セッションも終了する。
 

いよいよ午後2時55分、フォーメーションラップがスタート。当然ウェット宣言は出ていたが、レースはセーフティカー先導によるスタートではなく、いつものスタンディングスタートで幕を開けた。自身スーパーフォーミュラで初めてのポールポジションスタートとなったNo.36 ジュリアーノ・アレジ(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)。プレッシャーを感じさせない滑り出しでホールショットをキープ。逆に2番手のチームメイト、No.37 宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)はホイルスピンで加速が鈍り、1コーナーではオーバーラン。オープニングラップでは8番手までポジションを落とした。一方、上位グループはその1コーナーで接触を含む大混乱。予選5位のNo.38 坪井 翔(P.MU/CERUMO・INGING)と予選6位のNo.20 平川 亮(carenex TEAM IMPUL)が接触し、これを回避しようとした後続車が行く場を失って走行ラインを乱してしまう。ここで思わぬポジションの乱高下が生まれ、アレジに予選4位のNo.19 関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)が続き、予選13番手だったNo.51 松下信治(B-MAX RACING TEAM)、11番手のNo.15 大津弘樹(Red Bull MUGEN Team Goh)がこれに続くことになった。その一方で、1コーナーのアクシデントで3台が停止したままとなっており、これを受けてレースはセーフティカーがコースイン。4周終了時点でリスタートを迎えたが、その直前にスピードアップしはじめていた2番手の関口がアレジに接近したファイナルコーナースタンドの進入で痛恨のコースアウト。後続の4台に先行を許すというミスを犯した。
 

荒れた天候の中、コース上ではオーバーテイクシステムを使っての攻防戦を展開。中でも前日の予選で中盤以降のポジションに甘えていたランキングトップのNo.16 野尻智紀(TEAM MUGEN)がじりじりとポジションアップを果たしていた。そんな中、11周を迎えると雨が一段と強まり、これを受けてセーフティカーが再び導入され、先導される形で13周目に入ったが、午後3時29分、赤旗が提示されてセッションは中断。この時点で走行を続けていた車両がコース上で一列にクルマを止めることになった。その10分後には停止中のクルマに対し、タイヤ交換やタイヤの内圧調整等、メカニックによる作業が認められ、各チームが作業に入る。その中で午後4時20分にセーフティカー先導による再スタートの実施が宣言されたのだが、再び天候が悪化。再びスタートディレイとなってしまった。だが、その後も突風や濃霧が続き、安全を確保することが難しい状況だと判断した審議委員会により、午後4時30分にはこの赤旗をもってレース終了が決定する。そしてレギュレーションに則り、赤旗提示2周前の11周終了時点のリザルトがレース結果として採用されている。
 

初優勝となったアレジについで、2位でチェッカーを受けたのは松下。だが、レース後にスタート手順違反のペナルティが課され、レース結果に対して5秒加算の扱いとなり3位へ。代わって阪口が今季初表彰台の2位を手にしている。今回も上位10台に入賞ポイントが与えられたが、規定周回数の75%未満だったことから、それぞれハーフポイントが与えられることとなった。
 

第3戦オートポリス 決勝結果 トップ3

1.No.36 ジュリアーノ・アレジ(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)まだまだまだ
2.No.51 松下信治(B-MAX RACING TEAM)+2.755
3.No.39 阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)+7.521



2021年5月15日

スーパーフォーミュラ第3戦オートポリス、代役参戦のアレジがポールを獲得


5月15日、大分・オートポリスにおいて全日本スーパーフォーミュラ選手権第3戦の予選が行われた。折しも、当日には大分や熊本を含む九州北部の梅雨入り宣言が出され、朝から雨模様となったサーキットでは、天候不良を鑑みて従来のノックアウト方式から計時方式での予選へと変更された。その中で、今大会を欠場した中嶋一貴に代わり出場するNo.36 ジュリアーノ・アレジ(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)がポールポジションを獲得、勢いを見せた。
 

新型コロナウイルスの変異株拡大によって緊急事態宣言の発令対象区域が拡大される中で迎えた第3戦。有観客での開催は三密を回避しての開催に変わりはない。一方で予選日は時折強い風が吹く荒れた天候でのセッション実施となった。まず午前9時30分、1時間30分に渡る公式練習がスタート。この時点で雨は小康状態だったが、コース上では車両がスピンして停止するなど足元がおぼつかない状態となり、開始10分後には早速赤旗中断となった。この後、開始30分を前にNo.64 大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)が最終的にセッショントップとなる1分37秒589のタイムをマークしたが、この先は雨脚が強まり、各車ベストタイムを更新する機会を失うことになる。状況の悪化により出走を見送る車両が増えたが、中にはウェットタイヤの皮むきを行うためにアウト─インを繰り返す車両も。いずれにせよ、午後からの予選は従来のノックアウト方式に代わり、40分の計時方式でのアタック合戦になることから、各車その準備に勤しんだようだ。
 

午後に入っても雨は断続的に降り続け、その量も大幅に増えていく。また、予選時刻もサポートレースのスケジュール遅れの影響を受け、当初の予定から45分遅れの午後3時35分にスタート。依然として最終コーナーはじめ、場所によっては霧が立ち込める状況ではあるが、待ちわびた各車が続々コースへと向かった。だが、アウトラップを終えて計測に入ったばかりのNo.14 大嶋和也(NTT Communications ROOKIE)が左100Rでコースアウト、クラッシュパッドに車両をヒットさせて停止する。これでセッションは赤旗が提示され、15分後に再開。一方、セッションが停止している間に雨も上がり、天候が回復し始める。限りあるチャンスの中、計測に入ると次々ベストタイムをマークする車両が出始め、さらなるタイムアップが期待された。だが、アタック中のNo. 4 中山雄一(KONDO RACING)が複合コーナーでコースアウト。縁石に乗った車両がスピンし、コース上に停止したことで2度目の赤旗中断を迎えた。
 

仕切り直しは午後4時9分。霧もなく雨も上がり、さらに回復傾向にある中、残り時間は27分ほど。慌ただしく各車アタックラップに入るとNo.37 宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)が1分38秒337のトップタイムをマーク。続いて朝のフリー走行でトップにつけた大湯が2番手へ浮上する。だがその矢先、3度目の赤旗によってセッションが中断。今度はNo. 5 福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がコースアウト、スポンジバリアに衝突してしまった。残った16台によるセッション再開は午後4時26分。今度は逆に天候が悪化し、再び雨が落ち始める。我先にとコースへ向かうと、No.39 阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)が果敢なアタックで2番手タイムをマーク。さらにアタック中のアレジが1分38秒252という驚きのタイムを叩き出し、自己ベストタイムを大幅に縮める走りを見せてトップを奪取した。これに続けとばかり、大湯もセクタータイムで全体ベストを刻んでいたが、100R進入で足元をすくわれて痛恨のスピン。コースアウトを喫した大湯は自力でピットへと帰還できたが、バリア修復が必要なために4度目の赤旗が提示された。
 

赤旗中断から9分が過ぎ、15台によるアタックが再開。このセッションでもっともコンディションが悪化する中、車両確認を兼ねてコースへと向かうドライバーも少なくなかったが、コース上にはあちこちで川ができてアタックできる状況とは言い難い。このまま静かに時間が経過することとなり、長く荒れた予選アタックが終了。ポールポジションを手にしたアレジは、わずか2戦目しかも代役参戦という立場ながら自身がフル参戦するスーパーフォーミュラ・ライツとのダブルヘッダーをものともしない躍進を見せた。また、2位宮田、3位阪口といずれも若手ドライバーがトップ3を独占する結果になった。
 

予選で大きな影響を及ぼした雨は、決勝日も”居座る”模様。果たしてスケジュールどおりに決戦を迎えることができるのか、そしてポールスタートのアレジはどのような戦いを見せるのか。話題は尽きない。
 

第3戦オートポリす 予選結果 トップ3

1.No.36 ジュリアーノ・アレジ(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)1’38.252
2.No.37 宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)1’38.337
3.No.39 阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)1’38.511



2021年5月14日

SUPER FORMULA第3戦オートポリス プレビュー


好調の野尻&ホンダの勢いを止めるのは誰!? テクニカルコースの一戦に注目!

 

緊急事態宣言が4都府県から6都府県に拡大、加えて蔓延防止等等重点措置も8道県に拡大。新型コロナウイルス感染拡大の勢いが止まらない中、全日本スーパーフォーミュラ選手権はシーズン3戦目を迎えることになる。舞台は九州・阿蘇に近いオートポリス。山間のテクニカルコースでは、どのような戦いが繰り広げられるのか。これまでの2戦を踏まえ、各チーム、ドライバーがどんな戦略で挑むのか期待が集まる。
 

レギュラードライバーの欠場続く

4月5日に開幕戦の決戦を終えてからまだ1ヶ月半というインターバルで迎える第3戦オートポリス。新緑が深まる中、天気に恵まれれば絶好のレース日和での一戦になることは間違いないだろう。一方で、仮に天候に優れず雨模様となれば、このサーキットでの戦いは結構難しいものに豹変する。なにせ海抜の高い場所にあり、コンディションによっては霧に悩まされることにもなりかねない。本格的な梅雨入りまでまだ時間はあるものの、できれば安定したドライコンディションでの一戦を望みたいものだ。
 

一方、参戦ドライバーのラインナップは依然として”不安定”が続く。5月上旬、ベルギーのスパ・フランコルシャンが舞台となった世界耐久選手権開幕戦(WEC)に参戦したNo.36 中嶋一貴(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)、No. 7 小林可夢偉(KCMG)、さらにはNo.12 タチアナ・カルデロン(ThreeBond DragoCORSE)の3選手は、帰国後の自主隔離期間の対象となり出場を見送り、代役として36号車はジュリアーノ・アレジ、7号車は小高一斗、さらに12号車は塚越広大がステアリングを握ることとなった。代役参戦組の中では、前回の鈴鹿戦で初レースとは思えない果敢な攻めの走りを見せ、レギュラードライバーと丁々発止のバトルを披露したアレジの活躍が気になるところ。来日浅いながらも、鈴鹿はテストを含め自身には馴染みあるコースだった。レギュラードライバーとしてフル参戦するスーパーフォーミュラ・ライツとのダブルヘッダーで体力の消耗が気になるところではあったが、決勝ではミスのない走りに徹し、緩急をついた攻めと集中力の高さを見せるなど、そのパフォーマンスはさすが、と周囲を唸らした。鈴鹿で披露した実力が今回のオートポリスでどこまで通用するのか、その点が見どころになるのではないだろうか。一方、今シーズン、初参戦となる塚越。彼自身はゴールデンウィーク中に開催されたSUPER GT第2戦でシーズン初勝利を飾り、勢いに乗っている。クルマもタイヤも昨シーズンの参戦で得たノウハウがあり、”臨むところ”と意気込んでいることだろう。そんな中、うれしいニュースがひとつ。昨シーズン最終戦から病気療養を続けていたNo. 6 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がついに復帰を果たす。自身も待ちわびたフォーミュラでの初戦を迎えることになり、全19選手による一戦を繰り広げることになる。
 

勢いあるホンダ勢、オートポリスでも!?

富士、鈴鹿と好調さをしっかりとアピールしたのは、No.16 野尻智紀(TEAM MUGEN)。たとえ予選でポールポジションを獲得できずとも、レースを組み立て、強さと速さを存分に披露する__そんな戦いを続けているのが印象的だ。野尻自身、もともと速さをアピールできるドライバーではあったが、決勝での強さにおいてライバルと競り負けているところがあった。自身がその”ウィークポイント”をしかと受け止め、自分に足りないものがなにかを追求し、今や強くなる術を身につけたともいえる。それくらい、現在の野尻は速くて強いドライバーのひとりになったことは間違いない。
 

第2戦鈴鹿では、若手ドライバーに先を越されたものの、決勝ではしっかりと自分のレース運びを見せつけてライバルに先行。開幕戦に続いて勝利を手にした。昨年、オートポリス戦は第4戦ながら秋深まる中での一戦だったが、このときも予選最速タイムをマークして決勝ではポール・トゥ・ウィンを達成した。今、乗りに乗る野尻が、相性の良いオートポリスで第3戦を迎えるとなれば、その勢いは止まることがない。であれば、その勢いに待ったをかけるのがどのドライバーになるのか、とても気になるところだ。
 

速さ、という勢いをクローズアップすれば、やはりNo. 5 福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)の名前を真っ先に上げることとなるだろう。第2戦鈴鹿で自身初のポールポジションを獲得。決勝でも頭ひとつ抜き出た速さを見せていたが、その最中にタイヤバーストというまさかのトラブルに見舞われ、万事休すとなったが、今回はその悔しさをぶつける戦いにもなる。この他、好調が目立つホンダエンジンユーザーとしては、No.64 大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)に要マークだ。一方、ディフェンディングチャンピオンのNo. 1 山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)は、決勝での粘り強さで結果を出してはいるものの、本来の速さが予選で見せられていない。今大会でどこまで巻き返してくるのかがチェックポイントとなる。
 

そして、トヨタエンジンユーザーもそろそろ黙ってはいないはずだ。速さの面ではどうしてもホンダ勢が目立ってしまうが、躍進あるレース展開を見せているドライバーが多く、中でもNo.38 坪井 翔(P.MU/CERUMO・INGING)やNo.37 宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)が表彰台を狙う走りを見せるのではないだろうか。さらには、ベテランの試合巧者であるNo.20 平川 亮(carenex TEAM IMPUL)の存在も気になるところ。第2戦鈴鹿で今季初表彰台に上がり、現時点でランキング2位と手堅い走りを見せており、中盤戦にかけて猛追を見せてきそうだ。この他、序盤戦で波に乗れなかったドライバーたちも隙きあらば、と浮上のチャンスを虎視眈々と狙っている。オートポリスでは、野尻の独走を阻止するレース展開に期待したい。
 

主なタイムスケジュール

・5月15日(土)
09:30 – 11:00 フリー走行
14:50 – 公式予選(ノックアウト方式)
14:50 – 15:00 Q1(A組→上位7台がQ2へ)
15:10 – 15:20 Q1(B組→上位7台がQ2へ)
15:30 – 15:37 Q2(A+B上位7台・計14台→ 8台)
15:47 − 15:54 Q3
 

・5月16日(日)
10:20 − 10:50 フリー走行
13:30 – 14:15 スタート進行
14:15 – 決勝(42Laps)





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