スーパー耐久2024 Round.2 本選 - イベント・レースレポート

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スーパー耐久2024 Round.2

2024年5月26日

スーパー耐久・富士24時間レース、中升ROOKIE AMG GT3が連覇達成!


5月25、26日に静岡・富士スピードウェイにおいて開催されたENEOS スーパー耐久シリーズ2024 Empowered by BRIDGESTONE第2戦「NAPAC 富士SUPER TEC 24時間レース」。薄曇りの中、土曜日の午後3時にスタートした戦いは、夜になって雨模様に。タフなナイトセッションを強いられた。そのなかでも強さ、速さ、安定感を見せつけたのが、ディフェンディングチャンピオンのNo.1 中升ROOKIE AMG GT3。2位に1周の差をつけて長い戦いを終えている。
 

・シリーズ2戦目にして、早くもハイライトの一戦!
開幕戦から1ヶ月余り。早くもシリーズ戦のハイライトとなる24時間レースが幕を開けた。2018年から始まったこの24時間レースも7回目を迎え、年を重ねるごとに参戦台数はもちろんのこと、”話題豊富”な車両が顔を揃えるようになり、熱戦を繰り広げている。本家、フランスの伝統の一戦”ル・マン24時間レース”を前に、日本の富士で展開するイベントには耐久レースを心底楽しもうという熱心なファンが詰めかけ、思い思いのスタイルで観戦する形ができつつある。レースウィークには、3日間でのべ5万4700人もの観客が来場。これは、昨年比16.4%増に該当する。
 

一方、参加側はどうか。プライベーターが主軸であるスーパー耐久だが、近年はプロドライバーの参戦も多く、各クラスでガチバトルを繰り広げている。とはいえ、”S耐”ならではのレギュレーションに則りながらの接近戦であり、そこは各チームが創意工夫をこらした作戦を組み立てて対応している。
 

さて、今年の24時間レースだがST-Xクラスを筆頭に全8クラス、合計59台が出走。昨年よりも7台増に。参戦する布陣だが、各クラスそれぞれに見どころがたくさんある。SUPER GTやスーパーフォーミュラでトップクラスの戦いに挑んでいるドライバーの参戦はもちろんのこと、なつかしのドライバーが名を連ねるクラスもあるが、事前に話題を集めたのが、マッチこと近藤真彦の参戦ではないだろうか。KONDO RACINGのチームオーナーとして、SUPER GTおよびスーパーフォーミュラに参戦中であり、またスーパーフォーミュラではJRP(日本レースプロモーション)の会長も務める。日本のモータースポーツの活性化のために、ひと肌、いや”ふた肌”脱いでこの24時間レースに参戦することとなった。正式なレースでステアリングを握るのは、16年ぶり。2008年に北海道の旧・十勝インターナショナルスピードウェイで開催された24時間レースに参戦して以来だ。しかも、ドライブするのは、馴染ある日産車ではなくトヨタ車! 今シーズン初登場となるNo.32 ORC ROOKIE GR Corolla H2 conceptをドライブする。この車両はSTOが認めた開発車両が参加できるST-Qクラスに属する水素エンジン搭載車。これを、モリゾウ選手ことトヨタ自動車会長の豊田章男氏らとともにドライブする。自身初の水素エンジン搭載車をどうドライブするかにも注目が集まるが、昨年、トヨタの中嶋一貴が、星野一樹に誘われてニッサン車をこの富士24時間でドライブしたことも記憶に新しく、こういった斬新な”コラボ”もこのレースならではのお楽しみといってもいいだろう。
 

【ST-X】
FIA-GT3車両で競うクラスには、5台が参戦。シリーズのディフェンディングチャンピオンであるNo.1 中升ROOKIE AMG GT3は開幕戦を制し、勢いに乗ってこの大会に臨んだ。
 

クラス総合の栄えあるポールポジションを手にしたのは、No.33 Craft-Bamboo Racing Mercedes-AMG GT3。なんと今大会をもって初参戦ながら最速タイムをマークし、最高の形で”S耐デビュー”を果たしたことになる。しかしながら、戦いの火蓋が切られると、早々にNo.81 DAISHIN GT-R GT3が総合トップを奪取。富士24時間を制した経験を持つチームが安定感あるレース運びを見せた。午後6時半過ぎにはナイトセッションへと突入。夜には雄大な花火が上がり、レースをいっそう盛り上げる。
 

しかし、FCY解除のタイミングを味方にした1号車やNo.31 DENSO LEXUS RC F GT3が先行。レース3分の1を終了した時点では、1号車が総合トップで周回を重ね、これにNo.23 TKRI松永建設AMG GT3、さらには81号車が続いた。
 

日付変更線が近づくなか、優れない天候がついに崩れてパラパラと雨模様に。クラスによっては、早くもウエットタイヤを装着することとなり、いよいよウエットコンディションでの走行に。こうなると、トラブルはもちろんアクシデントもコース上で発生。FCY導入を経て、解除後には各車の足元がウエットタイヤに変えて周回を重ねていった。
 

レース3分の2となる16時間後には、トップ1号車と81号車の攻防戦が激しくなったが、81号車は不運にもマシントラブルに見舞われ修復に時間を要してしまう。これで1号車と23号車が入れ替わるようにトップ争いを展開することになった。幸い、雨は夜明けに合わせるような形で霧雨状態となり、日が昇るころには再びドライコンディションへ回復。各車はふたたびスリックタイヤでのレースを再開させる。
 

チェッカーまで3時間を切るなか、トップ1号車に対し、2番手につける23号車は1分38秒弱の差で懸命の追い上げ。だが、盤石の態勢で周回を重ねる1号車の牙城を崩すことは難しく、結局このままチェッカー。終わってみれば、1号車が1周の差をつけての富士24時間連覇を達成することとなった。
 

【ST-Z】
ST-ZではGT4車両がカテゴライズされ、12台が参戦。昨シーズンまでSUPER GTに参戦していた立川祐路が引退後、初のレース参戦に挑んでいる。自身はかつてスーパー耐久にも参戦した経験を持つが、S耐での24時間レースは初となる。
 

クラスポールのNo.26 raffinee日産メカニックチャレンジZ NISMO GT4がトップをキープ、レース4分の1、6時間あたりまで順調に周回を続けていたが、駆動系のトラブルが発生。8時間経過後には、No.22 EBI GROUP Cayman GT4 RS CSがクラストップに立った。
 

その後、ウエットコンディションでの戦いを経て、残り8時間の時点でクラストップを走るのは、No.19 BRP★FUNDINNO PORSCHE 718 GT4 RS。さらにNo.885 シェイドレーシング GR SUPRA GT4 EVOが追随。その後、19号車をパスした885号車は残り3時間を切った時点で2番手を走るNo.52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT4に対して、1周の差をつける快走。最後までこの流れは変わらず、クラストップチェカーを受けた。
 

【ST-Q】
開幕戦から2台増えて合計8台がエントリーしたST-Qクラス。昨年は日産車をドライブして話題を集めた中嶋一貴がGR team SPIRITから参戦する。一方、開発車両がレースという”走る実験場”を疾走するクラスだけに、この富士24時間のみ出走する車両も。No.230 Nissan Z NISMO Racing Conceptもその1台だ。
 

話題の1台、No.32 ORC ROOKIE GR Corolla H2 conceptは、最初のピットインでMORIZOから近藤真彦へと交代。豪華な顔ぶれにたくさんの注目が集まるなか、その後、最終コーナーで一時停車するというヒヤリとするシーンも見られた。一方、序盤からクラスをリードするのはNo.230 Nissan Z Racing Concept。抜群の安定感を見せ、8時間、そしてウエットコンディションもかいくぐり、残り8時間になった時点でもクラストップをキープ。しかも、ST-Zのトップとはわずか1周差という好走を見せた。ところが、ルールで定められているドライバーの連続運転時間を4分20秒超過するというまさかの事態が発生。結果、ペナルティストップ40秒が課され、クラストップを返上するという悔しい展開に見舞われた。代わってトップに立ったのは、No.92 GR Supra Racing Concept。ドライバーのひとり、中嶋一貴は日本国内での24時間レースでも勝利の美酒に酔うこととなった。
 

【ST-1】
参戦車両が少なく寂しいのが、このクラス。今シーズンはNo.2 シンティアム アップル KTMだけがエントリーする。しかし、ポテンシャルは高く、結果によっては総合トップの争いにも食い込む可能性が高い。
 

孤独な戦いを続けるなか、マシントラブルが発生。本格的な修復が必要のようで、ガレージでの作業に多く時間を要することとなった。上位争いから完全に出遅れた形となってしまったが、その後も根気よく周回を重ね、総合50位ながら完走を果たしている。
 

【ST-2】
ホンダシビックタイプRの参戦によって賑いを見せるのが、ST-2。今大会には合計8台がエントリーした。まずはNo.6 新菱オートDXL夢住まい館EVO10がクラストップで周回。その後はマシントラブルが発生するライバルを尻目に、レース開始8時間後には、No.13 ENDLESS GRヤリスがクラストップで周回を続けた。
 

その後も流れは変わらず、残り8時間となっても、13号車がクラストップを守り、2位につけるNo.743 Honda R&D Challengeに対して2周差をつけた。終盤になっても13号車の快走は変わらず。一方、2番手には、743号車に代わって6号車が浮上。しかし、差を縮めるまでには至らず。結果、13号車は2位に7周の大差をつけてクラス優勝を達成することとなった。
 

【ST-3】
開幕戦に引き続き、この大会にも合計4台が出走。No.15 岡部自動車Z34がクラストップで安定したレース運びを見せ、レース3分の1を終了した時点でも依然としてクラストップをキープ。これに、No.39 エアバスター WINMAX RC350 TWSが続く形となった。
 

クラストップを巡る攻防戦が見られるなか、残り8時間の時点では39号車がリード。序盤トップだった15号車は3周遅れで2番手につけて終盤に向かう。残り3時間の時点でクラストップ2台のポジションは変わらないものの差は6周まで開き、最終的には29号車が7周差で勝利している。
 

【ST-4】
合計7台が参戦するST-4クラスでは、No.884 シェイドレーシング GR86がクラストップを牽引。しかし、残り8時間の時点でクラストップを走るのは、No.3 ENDLESS SPORTS。884号車はこれに2周遅れでで猛追を続けた。だが、残り3時間を切るまでに3号車が後退し、再び884号車がトップに返り咲き。これをNo.41 エアバスターWINMAX GR86 EXEDYがクラスポールの意地を見せて追い上げを続ける。だが、この時点で4周の差が開いており、チェッカーまで変わらず。このまま884号車が勝利し、ST-Zクラスとダブル優勝を成し遂げた。
 

【ST-5】
全クラスで最多の14台がエントリーするST-5クラス。ST-Xとの車速の差が大きくタフな戦いになるのは言うまでもないが、その中で序盤はNo.76 PROGRESS 高砂ロードスターがリードするも、開始8時間後には、No.88 村上モータースMAZDAロードスターがクラストップに立った。
 

しかし、残り8時間の時点では、No.17 DXLアラゴスタNOPRO☆MAZDA2がクラストップに君臨。2番手No.65 OVER DRIVEに1周の差をつけていた。チェッカーまで3時間の時点で、トップ17号車に対して65号車は2周遅れに。だが、大終盤となって、65号車はポールスタートの意地を見せて渾身の追い上げ。しかし、あとわずか及ばず。17号車が逃げ切り、薄氷の勝利をもぎ取った。
 

予選結果・各クラストップ・A、Bドライバー合算タイム

【ST-X】No.33 Craft-Bamboo Racing Mercedes-AMG GT3 3’22.261
【ST-Z】No.26 raffinee日産メカニックチャレンジZ NISMO GT4 3’35.729
【ST-Q】No.230 Nissan Z NISMO Racing Concept 3’33.636
【ST-1】No.2 シンティアム アップル KTM 3’30.925
【ST-2】No.6 新菱オートDXL夢住まい館EVO10 3’44.411
【ST-3】No.15 岡部自動車Z34 3’45.521
【ST-4】No.41 エアバスターWINMAX GR86 EXEDY 3’55.351
【ST-5】No.65 odula TONE 制動屋 ROADSTER 4’08.571
 

決勝結果・各クラストップ

【ST-X】No.1 中升ROOKIE AMG GT3 773L
【ST-Z】No.885 シェイドレーシング GR SUPRA GT4 EVO 726L
【ST-Q】No.92 GR Supra Racing Concept 715L
【ST-1】No.2 シンティアム アップル KTM 460L
【ST-2】No.13 ENDLESS GRヤリス 694L
【ST-3】No.39 エアバスター WINMAX RC350 TWS 698L
【ST-4】No.884 シェイドレーシング GR86 671L
【ST-5】No.17 DXLアラゴスタNOPRO☆MAZDA2 634L





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