スーパー耐久2023 Round.2 本選 - イベント・レースレポート

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スーパー耐久2023 Round.2

2023年5月28日

スーパー耐久、富士24時間レースを中升ROOKIE AMG GT3が制する!


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5月27、28日、静岡・富士スピードウェイにおいて、ENEOSスーパー耐久シリーズ第2戦「NAPAC富士SUPER TEC 24時間レース」が行なわれた。すっきりと晴れ渡る天候に恵まれたスタートを経て、28日午後3時にチェッカー。国内唯一となる24時間レースを勝利したのは、730周を走破したNo.14 中升ROOKIE AMG GT3だった。
 

・6回目を迎えたS耐富士24時間レース
プライベーターに限らず、年々プロドライバーの参戦も増えているスーパー耐久シリーズ。バラエティ豊かな車種が数多く参戦するだけでなく、次世代車両による参加もあり、なにかと話題が耐えないカテゴリーレースとして注目を集めている。今シーズンは8クラス・52台がグリッドに整列し、27日午後3時にローリングスタートを切った。
 

今シーズンの開幕戦で全車装着していたハンコックタイヤだが、3月に韓国・大田工場が大規模火災に見舞われ、S耐用のタイヤ供給が叶わなくなるという事態が起こった。そこで白羽の矢が立ったのがブリヂストン。2024年からこのカテゴリーのオフィシャルタイヤサプライヤーになることはすでに決まっていたものの、ハンコックの緊急事態を受けて第2戦富士大会からタイヤを供給することになったのだ。すでに4月下旬に行なわれた公式テストから供給が始まり、この大会を迎えることになる。クラスによっては、市販用タイヤを装着することになるが、各チームとも供給されるブリヂストンの”特性”をしっかりと把握して、セットアップすることが求められるはずだ。
 

【ST-X】
FIA-GT3の5台によって競われるこのクラスでは、昨年の24時間レースウィナーであるNo.1 HELM MOTORSPORTS GTR GT3(鳥羽豊/平木湧也/平木玲次/ヤン・マーデンボロー/ショウン・トン)がポールポジションを獲得。2番手には今シーズンから参戦するNo.14 中升ROOKIE AMG GT3(鵜飼龍太/蒲生尚弥/平良響/片岡龍也)、3番手にはNo.31 DENSO LEXUS RC F GT3(永井宏明/小高一斗/嵯峨宏紀/永井秀貴/中山雄一/上村優太)がつけた。
 

スタート直後、14号車が一時リードを奪うも、のち1号車が抜群の安定感でトップを奪還し、順調に周回を重ねた。だが、完全に闇の時間を迎え、日付が変わる直前になってレースは荒れ模様に。1台の車両から火の手が上がり、SCが導入される。これは、コース上に動物が出てきて車両と接触したことが原因と言われており、SCランはこの後30分ほど続いた。SCが解除され、レースがリスタート。その後に車両トラブルが発生した1号車に対し、14号車がトップに返り咲き。2位にはNo.819 DAISHIN MPRacing GT-R GT3(JOE SHINDO/藤波清斗/青木孝行/大八木信行/坂口夏月)が浮上した。
 

開始から12時間を過ぎた頃、ST−4クラスのトップを走行していた86号車が痛恨のクラッシュ。ガードレースに激しく車両をぶつけたことを受け、レースは赤旗中断となり、ガードレール修復作業が行なわれる。そして、およそ1時間後となる午前5時、日の出とともにSC先導による再スタートとなった。
 

残り時間は9時間50分。14号車が総合トップで周回を続けていたが、再スタートに対するペナルティが課せられ、まさかのドライブスルーペナルティに。これを機に819号車がトップを奪取、14号車を周回遅れにし、レースはいよいよ残り3分の1に突入した。優勝争いが激化するなか、819号車がジェントルマンドライバーのスティントになったのに対し、14号車はSUPER GTに参戦するプロドライバーがドライブを担当。これにより、14号車はチェッカーまで残り1時間になる時点で819号車との差を1分ほどまで縮めることに成功した。
 

そして残り23分の時点になると、ついに14号車が819号車を逆転。この勢いのままトップでチェッカーを受けて今シーズン総合初優勝を果たしている。
 

【ST-Z】
10台がエントリーするST-Zは、GT4規格車両が属するクラス。開幕戦でポール・トゥ・フィニッシュを飾っているNo.52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT4(山﨑学/吉田広樹/服部尚貴/川合孝汰/野中誠太)が予選でクラストップに立った。
 

まず、レース前半は52号車がクラストップをキープ。その後も52号車のトップは揺るがず。トラブルがなかったわけではないが、ライバルの存在感を感じさせない強さを見せてクラス優勝を果たしている。
 

【ST-Q】
次世代の自動車、開発車両が対象となるこのクラスには。6台が参戦。今大会がデビューレースとなるNo.32 ORC ROOKIE GR Corolla H2 concept(佐々木雅弘/MORIZO/石浦宏明/小倉康宏/ヤリーマティ・ラトバラ)は、液体水素を使用する注目の1台。2021年のデビュー戦では気体水素を使用していたが、今シーズンはついに液体水素での戦いに挑むことになる。他の車両同様、富士スピードウェイのピットで給油ならぬ、”給水素”による充填を行なうまで”進化”を果たしている。-253度というとてつもなく低温の液体水素を車体に送り込む装置やポンプなどの設備は大掛かりなものだが、他車と並んでピットでの作業を行なう様子は、まさに次世代の自動車レースの在り方を象徴する姿だと言えるだろう。
 

予選では、SUPER GTでコンビを組む平手晃平と佐々木大樹がドライブするNo.230 ニッサンZ・レーシングコンセプト(平手晃平/佐々木大樹/高星明誠/松田次生)がクラストップタイムをマーク。2番手には、開幕戦でクラスポールだったNo.28 ORC ROOKIE GR86 CNF concept(加藤恵三/山下健太/大嶋和也/豊田大輔/関口雄飛/佐々木栄輔)が続き、3番手には今大会にスポット参戦するNo.271 CIVIC TYPE R CNF-R(武藤英紀/伊沢拓也/大津弘樹/小出峻)がつけることとなった。
 

レースはクラストップの230号車がそのままトップをキープして前半を終了。安定感抜群、ほぼノートラブルの走りでレース終盤に突入する。230号車はその後も安定感あるパフォーマンスをキープし、このままチェッカーを受けた。
 

【ST-1】
開幕戦のクラスポールであるNo.2 シンティアム アップル KTM(井田太陽/高橋一穂/加藤寛規/吉本大樹/小林崇志)とクラスウィナーのNo.47 D’station Vantage GT8R(星野辰也/織戸学/浜健二/ジェイク・パーソンズ/近藤翼/キャスパー・スティーブンソン)による一騎打ちとなるST-1クラス。最速合算タイムは2号車がマークしたが、予選後にピットレーン速度違反が発覚。残念ながらグリッド降格のペナルティを受ける結果となった。
 

耐久レースでのキャリアを誇る2号車が速さを武器に順調に周回を重ね、あっという間にクラストップを奪取。その後も安定感ある走りでクラストップをキープ、クラス2番手との差を大きく広げながら盤石の走りで周回を重ねていく。その後も2号車がトップを死守して優勝を果たし、富士24時間クラス3連覇を達成した。
 

【ST-2】
S耐参戦で長いキャリアを誇るNo.6 新菱オートDIXCEL夢住まい館エボ10(冨桝朋広/菊地靖/大橋正澄/後藤比東至/松沢隆弘)がトップタイムをマーク。昨年同様クラスポールからスタートを切った。
 

クラストップで周回を重ねたが、夜間に入って行なったピット作業に時間を要し、No.225 KTMS GR YARIS(一條拳吾/荒川麟/奥住慈英/奥本隼士)が代わってトップに立つ。しかし、終盤になってマシントラブルが発生。ピットでの作業を強いられたため、No.13 ENDLESS GR YARIS(花里祐弥/石坂瑞基/伊東黎明/岡田整)にクラストップが巡り、このままトップチェッカーを受けた。
 

【ST-3】
開幕戦でクラス優勝を果たしたNo.15 岡部自動車フェアレディZ34(甲野将哉/長島正明/富田自然/元嶋成弥/マックス・サロ/中島佑弥)がポールポジションを獲得するも、レースになると15号車は夜間走行中のアクシデントで後退。”シスターカー”である16号車がクラストップで周回を重ねる。一方、No.38 ヒグチロジスティクスサービス RC350 TWS(近藤説秀/石森聖生/鶴賀義幸/尾崎俊介/石塚崇宣)がポジションを挙げて16号車に迫る。そんななか、16号車は残り1時間の時点で修復作業を強いられてしまい、38号車に逆転を許してしまった。結果、38号車がこのままクラス勝利をもぎ取る結果となった。
 

【ST-4】
開幕戦クラスポールのNo.884 シェイドレーシング GR86(影山正彦/国本雄資/山田真之亮/鶴田哲平)が今大会でもトップタイムをマーク。
 

レース前半、クラストップに立ったのが、予選クラス3番手のNo.86 TOM’S SPIRIT GR86(矢吹久/松井孝允/河野駿佑/坪井翔)。しかし、開始から12時間を過ぎた頃、激しいクラッシュを喫し、赤旗中断を招く。結果、No.60 全薬工業 G/MOTION’GR86(塩谷烈州/瀬戸貴巨/山本謙悟/ピストン西沢/窪田俊浩)がクラストップに立ち、その後も安定感ある走りでクラス優勝を果たした。60号車は開幕戦に次ぐ、2連勝を果たしている。
 

【ST-5】
全クラスのなかで最多の12台が参加するこのクラスでトップタイムをマークしたのは、No.50 LOVEDRIVEロードスター(大井貴之/勝木崇文/藤井順子/國沢光宏/染谷太/伊橋勲)。去年の24時間もクラスポールでスタートを切った。
 

だが、レース前半にはNo.17 DIXCELアラゴスタNOPROデミオ(西澤嗣哲/大谷飛雄/小西岬/野上敏彦/山本浩朗/上松淳一)がクラストップに立つと、そのままレース後半に突入。その後もクラストップを譲ることなく優勝。富士24時間2連覇を達成した。
 

予選結果・各クラストップ・A、Bドライバー合算タイム

【ST-X】No.1 HELM MOTORSPORTS GTR GT3 3’20.326
【ST-Z】No.52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT4 3’35.764
【ST-Q】No.230 ニッサンZ・レーシングコンセプト 3’33.655
【ST-1】No.2 シンティアム アップル KTM 3’28.680(※)
【ST-2】No.6 新菱オートDIXCEL夢住まい館エボ10 3’45.166
【ST-3】No.15 岡部自動車フェアレディZ34 3’46.875
【ST-4】No.884 シェイドレーシング GR86 3’56.422
【ST-5】No.50 LOVEDRIVE ロードスター 4’14.674
※ 決勝グリッド降格
 

決勝結果・各クラストップ

【ST-X】No.14 中升ROOKIE AMG GT3 730Lpas
【ST-Z】No.52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT4 685Laps
【ST-Q】No.230 ニッサンZ・レーシングコンセプト 685Laps
【ST-1】No.2 シンティアム アップル KTM 694Laps
【ST-2】No.13 ENDLESS GR YARIS 645Laps
【ST-3】No.38 ヒグチロジスティクスサービス RC350 TWS 651Laps
【ST-4】No.60 全薬工業 G/MOTION’GR86 614Laps
【ST-5】No.17 DIXCELアラゴスタNOPROデミオ 594Laps





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