スーパー耐久2023
レーススケジュール
Round.1:2023/3/18-19 鈴鹿サーキット
Round.2:2023/5/26-28 富士スピードウェイ
Round.3:2023/7/8-9 スポーツランドSUGO
Round.4:2023/7/29-30 オートポリス
Round.5:2023/9/2-3 モビリティーリゾートもてぎ
Round.6:2023/10/21-22 岡山インターナショナルサーキット
Round.7:2023/11/11-12 富士スピードウェイ
すでに開幕戦は終了したが、1991年から市販量産車をベースにした参加型レースとして、今や絶大な人気と参戦熱を誇るのが、このスーパー耐久(以下、S耐)。今年も各大会で最短3時間、長いものは24時間レースで全7大会が開催される。2018年にはしばらく開催されていなかった日本国内サーキットでの24時間レースを実施。近年は初夏のタイミングで開催、場内でさまざまなイベントを行うなど、ちょっとした”お祭り”として定着しつつある。
一方で、参加型レースならではとも言える、新たな技術への挑戦として2021年に始まったのが、カーボンニュートラルに向けた取り組みへの賛同。自動車メーカーがこぞって参戦したことで参加台数が増え、また新聞社やテレビなど、さほどモータースポーツに”ご執心”でないマスメディアの関心をひくことになった。現時点も、水素エンジン、カーボンニュートラル燃料での参加が継続している(ST-Qクラス)。今シーズンは、開幕戦に参戦予定していた液体水素燃料車が欠場したが、今後の参戦に注目が集まる。
参加クラスはこれまで同様の9クラスだが、複数ドライバーによる出場について一部変更が見られる。それがドライバー規則だ。昨シーズンまで3種に区分され、乗車時間制限が設けられていた。しかし、今シーズンからドライバー区分が廃止となり、ST-Qクラスを除く他の8クラスにおいて、ジェントルマンドライバーをAドライバーとして登録することを求めている。昨シーズンまでは、一部のクラスのみジェントルマンドライバーの登録を求めていたが、近年、国内トップカテゴリーに参戦する”現役プロドライバー”の参加もじわりじわりと増えていることを受けて改正されたと考えられる。なお、1車両につきAからDドライバーの最大4選手が登録可能なS耐だが、予選のタイムアタックを担当するのはA、Bドライバーの2選手で、それぞれのベストタイムを合算したものを予選結果として反映している。また、決勝レースにおけるAドライバーのドライ「レース時間が5時間、またはレース距離が700km以上の場合、25%以上」、「レース時間が5時間未満、またはレース距離が700km未満の場合は、60分間以上」と規則書に記載されており、プロドライバーに頼らない、ジェントルマンドライバーによる戦いの時間を明確にして、よりイコールコンディションの戦いをするのが狙いと考えられる。ちなみに、「ジェントルマンドライバー」枠は、満60歳以上のドライバー、もしくは満40歳以上のアマチュアドライバーに限定されるが、これに該当しないドライバーであっても、STO、STELに認められればAドライバーとして登録することは可能。ただし、何らかのハンディキャップが課せられることが条件となる。開幕戦の鈴鹿では、早速その”ハンディキャップ”が適応されることとなり、予選で最初の10分間の出走待機や、決勝中のドライブスルー、あるいは90秒のピットストップなどが適用された。
さまざまな車両を用い、ドライバーはアマチュアから長くレースを戦ってきたプロも出走するレースだけに、多くの条件を設けることでできる限り参加コンディションを統一しようというこのレースならではの”苦労”を見て取ることができる。第2戦には、早くも富士での24時間レースを迎えるS耐。果たして今年は何台の車両が集結するのか。今シーズン、デビューを果たしたニッサンZ GT4のポテンシャルはどうなのか。気になるポイントも盛りだくさんのシーズンになるだろう。