スーパー耐久2022 Round.3
スーパー耐久、第3戦はGrid Motorsport AMG GT3が初優勝!
7月9、10日、宮城・スポーツランドSUGOにおいて、スーパー耐久シリーズ第3戦「SUGOスーパー耐久3時間レース」が開催され、No.888 Grid Motorsport AMG GT3(マーティン・ベリー/高木真一/黒澤治樹/山脇大輔)が予選後方グリッドをものともしない強さを披露し、シーズン初優勝を遂げた。
予選・決勝ともグループを二分して実施。グループ1はNo.500 5ZIGEN AMG GT4がポールに
今回の舞台となるスポーツランドSUGOはコース全長が他のサーキットに比べて短く、それでいて参加台数は普段と変わりないことから決勝レースもグループ分けを行い、午前、午後にそれぞれ3時間レースを実施することになる。グループ1に出走するST-X、ST-Z、ST-1、ST-Q(3号車、244号車)の各クラス計20台の予選セッションでは、ST-Qクラスの No.3 ENDLESS AMG GT4がA、Bドライバー合算におけるトップタイムをマークしてポールポジションを獲得したに思われたが、Cドライバー予選中にピット入口のホワイトラインをカットするというまさかのハプニングとなり、予選結果から2グリッド降格のペナルティが課されることになった。結果、5ZIGEN AMG GT4の手にポールポジションが転がり込んだ。
一方、グループ2には、ST-3、ST-4、ST-5の各クラスと、ST-Qの3台(32号車、55号車、61号車)の計29台が出走。A、Bドライバー合算によるトップタイムを奪ったのは、ST-3クラスのNo.311 Team Fukushima Z34となった。
予選結果・各クラストップ・A、Bドライバー合算タイム
【ST-X】No.16 ポルシェセンター岡崎 911 GT3R 3’04.936
【ST-Z】No.500 5ZIGEN AMG GT4 2’59.012
【ST-Q】グループ1:No.3 ENDLESS AMG GT4 2’55.978
【ST-Q】グループ2:No.61 Team SDA Engineering BRZ CNF Concept 3’06.148
【ST-1】No.38 muta Racing GR SUPRA 3’12.461
【ST-3】No.311 Team Fukushima Z34 3’02.307
【ST-4】No.86 TOM’S SPIRIT GR86 3’07.341
【ST-5】No.72 OHLINS Roadster NATS 3’18.529
決勝は各3時間レースを2回実施
予選同様、翌日の決勝も2グループに分けて各3時間レースを実施。前日の予選では不安定な天候で一瞬の雨模様になったが、決勝日は好天に恵まれた。まず、ST-3、ST-4、ST-5の各クラスと、ST-Qの3台(32号車、55号車、61号車)の計29台によるグループ2の決勝が午前8時40分にスタート。序盤からコース上における車両トラブルの影響でセーフティカーがコースインする慌ただしい展開になったが、その後は各クラスにおいて攻防戦を展開した。
グループ2
【ST-3】No.39 エアバスターWINMAX RC350 55ガレージ TWS(冨林勇佑/伊藤鷹志/石井宏尚)108周
中でも最後まで激戦を繰り広げたのがST-3クラス。丁々発止の激走となり、トップ3が優勝目指して激しい鍔迫り合いを見せた。その中から勝利の美酒を味わうことになったのが、39号車。シーズン初めての勝利を飾った。また、2位のNo.311 Team Fukushima Z34とはわずか0.709秒差という薄氷の勝利でもあった。
【ST-4】No.86 TOM’S SPIRIT GR86(河野駿佑/松井孝允/山下健太)106周
トップ3が安定した速さと走りを続ける中、86号車は前回の富士24時間での勝利を弾みに、着実なレース運びを見せてトップチェッカー。シーズン2連勝を果たした。
【ST-5】No.72 OHLINS Roadster NATS(山野哲也/金井亮忠/野島俊哉)101周
ポールスタートの72号車に迫ったのが、65号車odula TONE HERO’Sロードスター。クラストップに浮上した65号車だったが、ドライブスルーペナルティが課せられる結果となり、72号車がトップを奪還。開幕戦に次ぐシーズン2勝目を挙げている。
【ST-Q】グループ2:No.61 Team SDA Engineering BRZ CNF Concept(井口卓人/山内英輝/廣田光一)107周
グループ2に出走したのは、32号車、55号車、61号車の3台。終始快走を見せた61号車は、グループ2での総合上位争いでも躍進を見せていた。結果としてライバル不在のレースでトップチェッカーを受けている。
グループ1
決勝スタートは午後2時。ST-X、ST-Z、ST-1各クラスおよびST-Qの3号車、244号車の2台が出走したグループ1のレースでは、予選で降った雨の影響を受け、ST-X勢がこぞって後方スタートを強いられたが、レース中にしっかりとポジションを上げてレースを盛り立てた。
【ST-X】No.888 Grid Motorsport AMG GT3(マーティン・ベリー/高木真一/黒澤治樹/山脇大輔)120周
その中からじわりじわりとポジションを上げてきたのが、予選12番手スタートのNo.888 Grid Motorsport AMG GT3。巧みな戦略も味方し、終盤にトップ奪取を果たすと攻防戦を巧みに操りながらそのままチェッカーまっしぐら。シーズンそしてチームとしての初勝利を飾っている。一方、開幕戦の覇者、No.81 DAISHIN GT3 GT-R(大八木信行/藤波清斗/青木孝行)は6位でフィニッシュしている。
【ST-Z】No.310 GRGarage水戸インター GR SUPRA GT4(山崎学/坪井翔/野中誠太/細川慎弥)112周
スタート直後から激しいポジション争いを展開。その中でピットインのタイミングを味方にトップを奪うと、そのままクラス首位を死守したのが310号車。シーズン初めてのクラス優勝を達成している。
【ST-1】No.38 muta Racing GR SUPRA(堤優威/中山雄一/松井宏太)114周
スタート直後にはクラストップの座を奪取されたが、ライバル勢はトラブルなどで本領発揮ならず。一方、着実なレース運びを見せていた38号車がクラスポール・トゥ・フィニッシュを果たすこととなった。
【ST-Q】グループ1:No.244 Nissan Z Racing Concept(田中哲也/田中徹/三宅淳詞)110周
グループ1に出走したのは、3号車、244号車の2台。244号車は予選でA、Bドライバーの合算タイム総合トップという速さを見せるも、Cドライバーのミスによりグリッド降格という苦いスタートを強いられた。しかし、徐々にポジションアップを見せる中、車両トラブルが発生。作業に時間を要した。一方、244号車は安定感ある走りを見せ、グループ1でのクラス優勝を飾っている。
およそ2ヶ月のインターバルを経て開催された第3戦SUGO戦。続く第4戦の舞台は九州オートポリス。シーズン折り返し戦に当たる一戦は、7月最終週に実施される。