スーパー耐久 2021 Round.2
リニューアルしたSUGOで、S耐第2戦を開催
4月17、18日、宮城・スポーツランドSUGOにおいて「スーパー耐久シリーズ2021 Powered by Hankook」の第2戦「SUGOスーパー耐久3時間レース」が行われた。開幕戦に続き、予選はあいにくの不安定な天候となり、ウェットコンディションのもと実施されたが、翌日の決勝日はドライコンディションでのレースが実現した。なお、SUGOでは例年どおり、全9クラスを2つのグループに分けて決勝を開催。午前中にグループ2としてST-2、ST-3、ST-4、ST-5の4クラスを、そして午後から残り5クラス(ST-1、ST-X、ST-Z、ST-TCR、ST-Q)をグループ1としてそれぞれ3時間の戦いを繰り広げた。
改修工事が進むSUGOでの一戦
土曜日は日本列島で本格的な雨となったことから、SUGOもウェットコンディションの予選を強いられた。舞台となるSUGOは国内サーキットの中ではコンパクトな施設として知られるが、昨シーズンのオフから本格的な改修工事に着手しており、スーパー耐久第2戦開催を前に、一部工事が終わっている。まず、メインストレートが2mスタンド側へと移され、これに合わせてピットロードを拡張。最終コーナー寄りの西ピット裏の奥にあったメディカルセンターが、1コーナーイン側のパドックへ場所を移して新しい建物が完成した。そしてもともとメディカルセンターのあった場所に増設する形で車検場が新たに建設されている。このほか、細かな部分にも改良が加えられているが、さらに今年11月以降、第2期改良工事を行う予定という。
ウェットコンディションの下、予選を実施
金曜日の練習走行はドライコンディションに恵まれたSUGOだったが、予選日になると天気は一転。開幕戦の決勝でウェットは経験済みだが、改めて午前のフリー走行でSUGOの雨に合わせたセッティングの確認を進めることになった。
その中でトップタイムをマークしたのは、グループ1ではST-XのNo.31 LEXUS RC F GT3。今季初ポールポジションを手にした。また、グループ2としてのポールポジションは、ST-2クラスのNo.32 ORC ROOKIE Racing GR YARISが獲得している。
予選結果・各クラストップ・A、Bドライバー合算タイム
【ST-X】No.31 LEXUS RCF GT3 3’05.777
【ST-Z】No.311 FABULOUS GRMI GR SUPRAGT4 3’18.146
【ST-Q】No.28 ORC ROOKIE Racing GR SUPRA 3’19.354
【ST-TCR】No.75 おとぎの国 CIVIC TCR 3’24.483
【ST-1】No.38 muta Racing GR SUPRA 3’16.064
【ST-2】No.32 ORC ROOKIE Racing GR YARIS 3’22.489
【ST-3】No.62 HELM MOTORSPORTS RC 350 3’22.998
【ST-4】No.310 GRGarage水戸インター GR86 3’27.227
【ST-5】No.72 TiRacing☆NATS☆ロードスター 3’36.858
2組に分けた決勝。まずはグループ2から
決勝は18日に実施され、まず、午前8:45からグループ2(ST-2、ST-3、ST-4、ST-5の4クラス)による3時間レースがスタートを切った。SUGOでは以前もグループを二分しての決勝レースを展開していたが、今シーズンは、ST-2、ST-3、ST-4、ST-5の4クラスでの決戦を初開催。全29台が最初の戦いを繰り広げる。レースは序盤から上位陣による接近戦となり、その中からST-3クラスのNo.52 埼玉トヨペットGBクラウンRSがじわりじわりとポジションを上げ、トップ争いに加わると、ポールからトップをキープしていたNo.62 HELM MOTORSPORTS RC 350に詰め寄る。結果、12周目にトップを奪取し、その勢いで後続との差を広げていった。
激しいポジション争いを見せる中、レース開始から1時間もしないうちに1台の車両がクラッシュ、これを受け、セーフティカー(SC)がコースインする。スーパー耐久ではSC中のピットイン、作業も可能であるため、このタイミングを利用してルーティンのピット作業に取り掛かるチームが多発。トップを快走していた52号車も同様で、リスタート後には次々とコース上でライバルを逆転し、実質トップに躍り出た。その後も勢いの止まらない52号車が底力を見せつけ、2番手以降に大きな差を築き上げ、2回目のルーティン作業を終えてなお盤石のレース運びを披露。このままトップチェッカーを受けて、今シーズン初勝利を手にしている。
グループ2・決勝結果・各クラストップ
【ST-2】No.225 KTMS GR YARIS(野中誠太/平良響/翁長美希)110周
クラスポールのNo.32 ORC ROOKIE Racing GR YARISがしばしクラストップをキープしていたが、前回同様に予選クラス3位からスタートした225号車が粘りの走りで逆転。開幕戦に続き2連勝を達成。
【ST-3】No.52 埼玉トヨペットGBクラウンRS(服部尚貴/吉田広樹/川合幸汰/平沼貴之)111周
予選6位スタート後、レース序盤から猛追でポジションアップを果たす。試合巧者の戦いで今季初優勝。
【ST-4】No.884 林テレンプ SHADERACING 86(国本雄資/石川京侍/清水英志郎)108周
クラスポールのNo.310 GRGarage水戸インター GR86が逃げのレースを展開するも、車両トラブルに見舞われ万事休す。背後から逆転を目指していた884号車が開幕に次いで連覇を果たした。
【ST-5】No.456 odula Star5 Roadster(橋本陸/貫⼾幸星/⼤崎達也1)104周
SCラン明けからクラス同士のバトルとなる中、予選6位スタートの456号車の戦略が結実。終盤も安定したペースでクラストップを死守。今季クラス初優勝を遂げた。
午後の決戦、グループ1はPC Okazaki 911 GT3Rの勝利
グループ1のレースは午後2時前にスタート。スピードある車両25台による3時間レースは時折スプリントレースのような様相を見せ、あちこちで激しいバトルを展開した。トップクラスのST-Xでは各チームの戦略が分かれ、その中からポールポジションスタートのNo.31 LEXUS RCF GT3と予選4番手のNo.9 MP Racing GT-Rが激しく競り合う展開に。レース折返しを前にしても2台のバトルは変わらず。だがその一方で、後続車もトップ2台との差を詰めはじめ、終盤は大混乱の上位争いへと変貌した。
そんな中、チェカーまで残り41分の時点で2台の車両が絡むアクシデントが発生。これを受けてセーフティカーが導入されたが、その後、車両回収のために作業車がコースを横断する必要性があり、赤旗提示となり、レースが中断されてしまった。結果、SC先導によるレース再開となったのは午後4時43分。なんと残り9分ほどで熾烈なトップ争いが行われ、その中で抜群のリスタートを決めた16号車がぐんぐんと後続を引き離すことに成功。今季初のトップチェッカーを受けている。
グループ1・決勝結果・各クラストップ
【ST-X】No.16 PC Okazaki 911 GT3R(永井宏明/上村優太/中山雄一)109周
終盤に強さを見せて、今季初優勝。
【ST-Z】No.23 TKRI 松永建設 AMG GT4(DAISUKE/元嶋佑弥)103周
予選は7番手に甘んじたが、レース序盤からポジションアップを重ねる。クラスポールのNo.311 FABULOUS GRMI GR SUPRAGT4やNo.47 D’station Vantage GT4とのバトルとなるも、着実にポジションを上げてトップチェッカーを受けた。
【ST-Q】No.28 ORC ROOKIE Racing GR SUPRA(蒲生尚弥/豊田大輔/山下健太/小倉康宏)102周 ※ST-Qクラスは賞典外
【ST-TCR】No.75 おとぎの国CIVIC TCR(塚田利郎/蘇武善和/霜野誠友/清瀧雄二)94周
【ST-1】No.38 muta Racing GR SUPRA(堤優威/阪⼝良平/堀⽥誠)103周
参戦3台のうち、2台がトラブルに見舞われる一方、速さを遺憾なく発揮してクラス優勝を果たした38号車は、総合順位でもST-X5台に次ぐ、6位を獲得している。