スーパー耐久 2021 Round.5
S耐第5戦鈴鹿、好天の下、D’station Vantage GT3が優勝
9月18、19日、三重・鈴鹿サーキットにてスーパー耐久シリーズ2021 Powered by Hankookの第5戦「SUZUKA S耐」が開催された。2年ぶりの鈴鹿開催となった5時間の決勝レース。秋晴れの下で勝利したのは、予選3位からスタートを切ったST-XクラスのNo.777 D’station Vantage GT3(星野敏/藤井誠暢/近藤翼)だった。777号車にとっては、今季2勝目となる。
開催を目前にして、新型コロナウイルス観戦拡大の影響を懸念し、参戦を見合わせたチームもあった第5戦鈴鹿。社会情勢はもちろん、チームの拠点が各地方にあるため、そこから鈴鹿への遠征を鑑みて参戦を見送ったと考えられる。一方、富士24時間レース、第4戦オートポリスと参戦を続けている No.32 ORC ROOKIE Corolla H2 conceptは引き続きエントラントに名を連ね、テレビのニュース番組等でも紹介されていた。
鈴鹿では16日から特別スポーツ走行が行われ、参戦チームが車両を走らせていたが、折しも台風14号の接近が週末のレーススケジュールに影響を与える可能性が高くなり、予選日の18日は午前中のスケジュールがすべてキャンセルされる事態となった。
結果、予選は開催時間だけでなく、出走順も変更が加えられ、まずBドライバーからの予選が行われる。朝を迎えた鈴鹿は雨模様ではあったものの、次第に天候が回復。お昼を迎える頃には空も明るくなり、文字通り”台風一過”の好天に恵まれ、結果的に大きな波乱を招くことはなかった。
ST-Xクラスでトップタイムをマークしたのは、No.290 Floral UEMATSU FG 720S GT3。前大会のオートポリス覇者でもある290号車は、Bドライバーの澤圭太がダントツの速さを披露。ライバルのBドライバーも僅差で澤に迫ったが、A、Bドライバーの合算タイムでグリッドが決定するS耐だけに、グリッド争いは、その後のAドライバーによるタイムアタックに託されることとなった。結果として、Aドライバーで気を吐いたのが290号車の植松。チームにとっては、今シーズン初めてのポールポジション獲得でもあった。2番手は777号車とNo.16 PC Okazaki 911 GT3Rが合算タイムで僅差の戦いを展開。100分の5秒差で、16号車が2番手を手にし、777号車は3番手となった。
<予選結果・各っクラストップ・A、Bドライバー合算タイム>
【ST-X】No.290 Floral UEMATSU FG 720S GT3 4’07.487
【ST-Z】No.311 FABULOUS GRMI GR SUPRAGT4 4’24.928
【ST-Q】No.28 ORC ROOKIE Racing GR SUPRA 4’26.782
【ST-TCR】No.75 おとぎの国 CIVIC TCR 4’32.249
【ST-1】No. 1 シンティアムアップルKTM 4’22.435
【ST-2】No. 6 新菱オート☆NEOGLOBE☆DXL☆EVO10 4’40.275
【ST-3】No.39 エアバスター Winmax RC350 TWS 4’36.602
【ST-4】No.310 GRGarage水戸インター GR86 4’47.618
【ST-5】No.456 odula Star5 Roadster 5’02.821
大激戦の末、予選3位のD’station Vantage GT3が今季2勝目。シーズンチャンピオンに!
予選日に台風が通過し、温帯低気圧の関係で気温が上昇した鈴鹿サーキット。決勝日も夏日の中で5時間の熱戦が繰り広げられ、様々なドラマがクラスごとに見られることとなった。11時30分にスタートが切られた第5戦。予選3番手スタートの777号車が序盤にトップを奪取。ライバルを牽引する形でレースを展開する。しかし、ドライバー交代後は別クラスの車両と接触、ポジションを下げてしまう。しかし、代わってトップに立ったNo.81 DAISHIN GT3 GT-Rも別クラスの車両と接触。クルマにダメージを負い、結果的にリタイヤに終わった。
これで再び777号車がトップを奪還。ライバルの脱落やチーム戦略を味方にトップチェッカーを受けて今季2勝目を挙げた。2位には予選2位だった16号車、3位にはNo.31 LEXUS RCF GT3が続いた。この結果により、777号車は最終戦を待たずして総合チャンピオンを獲得している。また、この他、ST-TCRクラス、ST-1、ST-2、ST-3の各クラスでも今シーズンのチャンピオンが確定した。
<決勝結果・各クラストップ>
【ST-X】No.777 D’station Vantage GT3(星野敏/藤井誠暢/近藤翼)137周
【ST-Z】No.47 D’station Vantage GT4(星野辰也/織戸学/篠原拓朗/浜健二)128周
【ST-Q】No.28 ORC ROOKIE Racing GR SUPRA(蒲生尚弥/豊田大輔/山下健太/小倉康宏)95周 ※ST-Qクラスは賞典外
【ST-TCR】No.97 Racer Honda カーズ桶川CIVIC(遠藤光博/中野信治/小出峻)125周
【ST-1】No.2 シンティアム アップル KTM(飯田太陽/加藤寛規/吉本大樹/⾼橋⼀穂)128周
【ST-2】No.59 DAMD MOTUL ED WRX STI(大澤学/後藤比東至/石坂瑞基)120周
【ST-3】No.39 エアバスター Winmax RC350 TWS(冨林勇佑/大島和也/石井宏尚組) 123周
【ST-4】No.310 GRGarage水戸インター GR86(坪井翔/細川慎弥/堀尾風允組)119周
ST-5】No.66 odula TONE MOTULロードスター(武地孝幸/太田達也/大野尊久/猪股京介組)113周