スーパーフォーミュラ2017 Round.7 - イベント・レースレポート

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スーパーフォーミュラ2017 Round.7

2017年10月23日

スーパーフォーミュラ最終戦鈴鹿、悪天候の末、石浦宏明が2度目のタイトル獲得!


10月21日、三重・鈴鹿サーキットにおいて全日本スーパーフォーミュラ選手権第7戦が行われた。折からの雨に加え、超大型の台風21号の接近の影響を受け、早朝から悪天となったサーキット。午前中のフリー走行後に行われた午後からの予選も、幾度となく赤旗中断に見舞われ、アタックらしいアタックを見ることができなかった。



今季の最終戦を迎えたスーパーフォーミュラ。F1・アメリカGPへの出走が噂されたNo.15 ピエール・ガスリー(TEAM MUGEN)も逆転チャンピオン獲得を目指して参戦が決まったことから、申し分のないタイトル争いに期待が集まっていた。だが、戦いの舞台となる鈴鹿は前日の専有走行からウエットコンディション。土曜日に入り、さらに雨量が増え、走行そのものが心許ないコンディションとなった。


まず、午前9時10分から始まったフリー走行。4回にわたる赤旗が提示される荒れた展開となり、そのセッションでNo.41 伊沢拓也(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がトップタイムをマーク。これに僚友のNo.40 野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、そしてNo.15 ピエール・ガスリー(TEAM MUGEN)のホンダ勢がトップ3を奪取。このあとに、現時点でランキングトップのNo. 2 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)、チャンピオン争いのチャンスを持つNo.19 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)のトヨタ勢が続いた。



当初、午後からのノックアウト予選は午後1時50分開始を予定していたが、5分遅れの開始が伝えられる。開始3分前を機に、ピットロード出口には続々と車両が行列を作って待機。川があちこちで流れる極めて難しいコンディションの中、コースに向かった各車だが、あまりにもコース上の雨量が多く、走行がままならない。結果、開始から2分が経過した時点で赤旗が提示された。


天候の回復、そしてコンディションの確認を行うためにその後、2度にわたってスタートが延期。結果、午後2時40分に再開を迎える。残り17分12秒でのセッション再スタートとなったが、激しい水しぶきを上げながらコースに向かう中でのアタックはとても困難な状態。各車それぞれ間合いを取りながら、なんとかクリアラップを確保しようと努力する姿が見られた。しかしおよそ3分後には1台の車両が1コーナーに進入で川の水にのってコースアウト。2度目の赤旗となった。その7分後に再開されたセッションでは、ようやくアタックが可能となったが、当然のことながらラップタイムを伸ばすのが難しい。なんとかトップタイムが1分56秒台を刻み始めた頃、3度目の赤旗が提示される。



残り時間が迫る中、午後3時にリスタートしたアタック。残り時間は8分37秒とまだチャンスは残されている。我先とコースに向かう車両の中から、アタックチャンスを掴んだのが石浦。コースイン直後は僚友のNo. 1 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)が前を走っていたが、国本はチャンピオンタイトルのチャンスが残る石浦を先行させ、これを受けて石浦は1分54秒698まで自己ベストタイムを更新。暫定トップを奪った。その後、ペースアップする車両が現れたことで、石浦のポールポジションは潰えたが、そのトップタイムをマークしたのが、ベテランで雨を得意とするNo.36 アンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM’S)だった。これに僚友のNo.37 中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)が続いていたが、野尻が二人の間に割って入る好走を見せた。


そしてチェッカー間際の時点で4度目の赤旗が提示される。この原因を作ったのは、ラストアタックに挑んでいたガルシ−。1コーナーでコースアウトし、万事休す。そしてセッションそのものも残り時間1分17秒ということもあり、このまま再開せずに終了となった。また、その後の天候回復も見込めないと判断した大会主催者により、その後の予選もキャンセルに。その結果、Q1での予選結果は最初の条件とおりレース1のグリッドとして採用され、レース2においては、各ドライバーのセカンドベストタイムの採用が決定。これにより、Q1のポールポジションはロッテラー。Q2はNo.20 ヤン・マーデンボロー(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)のタイムがトップに採用された。なお、マーデンボローにとっては自身初のスーパーフォーミュラにおけるポールポジションとなる。



■第7戦鈴鹿 予選結果(各レースTOP3)
レース1
1.No.36 アンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM’S) 1’54.395
2.No.40 野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)1’54.454
3.No.37 中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)1’54.606

レース2
1.No.20 ヤン・マーデンボロー(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)1’56.961
2.No.40 野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)1’57.144
3.No.41 伊沢拓也(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)1’57.744



なお、レースは翌日の開催を前に、台風21号接近による天候不良を受け、主催者らが協議を実施。結果、翌日はさらに天候が悪化する可能性が高いこと、また観客らの安全を考慮し、中止を決定。午後5時15分に正式発表が行われ、決勝レースを行わずに最終戦を終えることになった。これにより、今シーズンのチャンピオンタイトルは、石浦が獲得することとなり、自身2度目の戴冠を実現している。一方、逆転チャンピオンに賭けたガスリーはランキング2位に留まったが、ルーキー・オブ・ザ・イヤーを手にしている。

 

 

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2017年10月18日

SUPER FORMULA第7戦 SUZUKA プレビュー


2レースを制し、チャンピオンになるのは誰!?

4月に開幕した2017年度の全日本スーパーフォーミュラ選手権も、今週末の鈴鹿戦でついに最後の戦いを迎える。10月21〜22日、秋が深まる三重・鈴鹿サーキットで繰り広げられるバトルは、シリーズチャンピオンの座を巡って激しい戦いになりそうだ。

■ベテランかルーキーか。予選のポジション争いから注目!

「第16回 JAF 鈴鹿グランプリ」としての戦いにもなる最終戦。今大会はこれまで同様2レース制で行われ、まず土曜日にノックアウト予選が行われる。ただ、決勝グリッドの決定方法についてはいつもと異なる。まず、全19台が出走する20分間のQ1結果を日曜日のレース1のスターティンググリッドとして採用。続く7分間のQ2にはQ1の上位14台が進出し、その中から上位8台がQ3への進出が可能となる。そしてQ2と同じく7分間のQ3では、レース2の1位から8位の順位を決定。9位から14位はQ2の結果、そして15位以下はQ1の結果を採用するというのが、2レース制ならではの”ノックアウト”でもある。いつもなら、徐々に尻上がりに調子を合わせていくこともできるタイムアタックだが、レースで確実にポイント計上を目論むドライバーにとって、今回は一瞬たりとも気の抜けないアタック合戦になるのは言うまでもない。

 

そのランキング争いだが、現時点のトップはNo. 2 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)。これを僅か0.5ポイント差でNo.15 ピエール・ガスリー(TEAM MUGEN)が追い、3番手につけるNo. 7 フェリックス・ローゼンクヴィスト(SUNOCO TEAM LEMANS)はトップ石浦から5ポイント差となる。そして4番手にはNo.19 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)が続き、自力でのチャンピオン獲得の可能性を残すのは、この4人となっている。トップ石浦と4番手関口の差は8.5ポイントと大きい。だが、鈴鹿戦は最終戦ならではの”特典”がある。それが、優勝ドライバーに与えられる3ポイントのボーナスポイントだ。ポールポジション獲得による1ポイント加算に加え、仮にポール・トゥ・ウィンを達成した場合、1レースにつき計9ポイントを獲得。さらに2レース共に制することになれば、合計18ポイントが転がり込む。となれば、逆転タイトル獲得も夢ではないのだ。上位4名でチャンピオン経験者は石浦のみ。試合巧者の石浦に対し、2番手のガスリーは今、もっとも勢いに乗るドライバーと言える。ルーキーながら第4、第5戦で連勝し、先の第6戦も2位表彰台に上がっているだけでなく、シーズン途中にはF1グランプリへデビュー。最終戦はF1アメリカGPと日程が重なっていたことから、どちらに参戦するかに注目が集まっていた。先週末になり、チャンピオンタイトルの可能性があるスーパーフォーミュラへの参戦を正式に表明。ガスリー本人としては、是が非でも鈴鹿でタイトルを手にし、それを土産として来シーズンのF1フル参戦を果たしたいところだろう。一方、ローゼンクヴィストは表彰台の真ん中を切望する立場。安定感に長け、策士のような走りができる職人ドライバーは、何よりも予選での上位を狙っている。それだけに予選順位が大きな影響を及ぼす今大会をいかに攻めるのかに注目が集まることだろう。そして、昨年同様、最終戦までチャンピオン争いに残った関口。予選でクルマのセットが決まれば、圧倒的な速さを見せることになる。Q1でトップタイムを出せるか否か。関口にとっては極めて厳しい状況下での挑戦にはなるが、その中でどのような底力を披露するのか、楽しみでもある。

 

■レースフォーマットが異なる2レース

日曜日に2戦のレースが行われる今回、まず午前中に開催されるレース1は、19周のスプリントレース。周回数が少ないため、ピットインの義務はない。つまり、スタートを決めなければ勝負権を失うシンプルなガチンコ勝負であることを意味する。テクニカルコースの鈴鹿にはパッシングポイントもあるが、予選から僅差の戦いを繰り広げる今のスーパーフォーミュラでは、相手のミスを誘いつつ、自身がより完成度の高いレース運びをしなければ逆転のチャンスも少なくなる。緊迫感あふれる攻防戦が期待できそうだ。

レース1後、ピットウォークを挟んで行われるレース2は36周の戦い。ドライコンディションの場合、先頭車両が10周回終了した時点からレース終了後までの間にタイヤ交換(4本すべて)を行わなければならない。コース上の渋滞を避けてピットインし、空いたコース上でタイムアップを図りたいというドライバーの心理を最大限活かすタイミングを見計らうこともチームとして大きな仕事になると思われる。ライバルを欺くような奇襲作戦があるのか否か。このあたりにも注目したい。

 
■主なタイムスケジュール
・10月21日(土)
09:10〜10:10 フリー走行
10 : 10〜10 : 15  スタート練習
10 : 20〜10 : 35  サファリ
12:00〜12:50 ピットウォーク
13:50〜   公式予選(ノックアウト方式)
13 : 50〜14 : 10 Q1(19台→14台)
14 : 20〜14 : 27 Q2(14台→ 8台)
14 : 37〜14 : 44 Q3
16:35〜17:05 キッズピットウォーク

・10月22日(日)
08:45〜09:25 スタート進行
09 : 25〜      決勝・レース1(19Laps)
11:35〜12:25 ピットウォーク
13:40〜14:20 スタート進行
14:20〜 決勝・レース2(36Laps)
以上です





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