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目の前に配置された大型メーターやダッシュボード中央部に備わる3連メーターは、S30から受け継がれる視認性重視のレイアウトであり"Zらしさ"を踏襲する部分である。
乗車定員は2名。Z31やZ32時代に設定された2by2は未設定になる。全体のイメージは、メーター、スイッチ、エアコン吹きだし口、ドアノブなどの形状が、すべて円形で統一。ダッシュボードや内張類のデザインも丸みを帯びたテイストに仕上げられる。全体的な印象は、競合が予想されるスカイライン・クーペよりも断然スポーティーだ。
品質やクオリティーについても抜かりなく、シート地と統一されたドア内張やスイッチ類のソフト加工など、細部にいたる配慮も十分。原材料価格高騰により簡素化されやすい部分だけに嬉しい配慮だ。
装備については、グレードにより本革&スエード調シートやBOSEサウンドシステムが選択できる。用途が高速ツーリングが主な場合やストリートユース中心のラグジュアリー指向の人には、付加価値の高い必須装備といえそうだ。また、ストイックな走りを極める人は、ベーシックモデルを選び、自分の体型にフィットするバケットシートに交換するのも選択のひとつだ。
もうひとつ注目すべきは、先代Z33に比べ劇的な進化を遂げたミッション性能。7速AT車は、ツインクラッチ式ではないがステアリングに装備されたパドルシフトでF1スタイルの走りを楽しむ事ができる。また、6速MT車には、シフトダウン時のギヤに合わせてエンジン回転数を自動的に調整するシンクロレブ機能を搭載。現時点におけるサーキット走行のポテンシャルは未知数だが、ヒール&トゥに自信がなくても俊敏なシフトダウンが可能になり、今や絶滅の危機に直面する"MT車の魅力"が増幅されそうな予感だ。
ドライバーのカラダを優しく包み込み、コーナリングGによる姿勢の乱れを抑えてくれる純正シート。本革+スエード調のコンビとファクリック仕様の2タイプがある。
ミッションは、パドルシフトによるギヤチェンジが可能な「7速AT」、シンクロレブ機能付き「6速MT」を設定。6速MTのサーキットインプレッションが気になるところだ。