SUPER FORMURA 2026 Round.8
SCランの展開を味方に、福住仁嶺が今季2勝目を挙げる!
8月9日、宮城・スポーツランドSUGOにおいて開催された全日本スーパーフォーミュラ選手権第8戦の決勝レース。曇天模様のなか、降雨が心配されたがなんと持ち堪え、51周の戦いを繰り広げた。折り返し直後、立て続けにトラブルに見舞われた車両回収のためにセーフティカーが導入されたが、これを味方にしたNo.14 福住仁嶺(NTT docomo Business ROOKIE)が予選7番手から鮮やかな逆転優勝を果たすことになった。
台風15号が日本列島に向けて東から西に進んでおり、その影響を受けてか、決戦を控えるSUGOの上空は鉛色の雲が広がり、いつ泣き出すのか不安な天候に見舞われた。スタート進行の時点で気温28度、路面温度41度のコンディションだったが、決勝が近づくにつれ、さらに下降した。
午後2時20分、フォーメーションラップがスタート。やや蹴り出しが弱かったポールポジションのNo.16 野尻智紀(TEAM MUGEN AUTOBACS)に対し、予選3番手のNo.65 イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)が絶妙なタイミングで飛び出し、1コーナーのアウト側から逆転を狙った。だが、勢い余ってオーバーラン。なんとか自身のグリッド3番手を死守し、オープニングラップを終える。トップ野尻、2番手のNo. 6 太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、これにフラガ、No. 5 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、No.36 坪井 翔(VANTELIN TEAM TOMʼS)と予選ポジションどおりで続いたが、予選6番手と自身自己ベストからスタートを切ったNo. 28 小林利徠斗(KDDI TGMGP TGR-DC)は福住に先行され、7番手となり、さらに2周目の1コーナーでNo. 1 岩佐歩夢(TEAM MUGEN AUTOBACS)にもポジションを譲ることになる。
序盤にトップを奪取したい太田は、オーバーテイクシステム(OTS)を使い、野尻に迫る。だが、その状況を把握した野尻も同じタイミングでOTSを使用。太田に攻略のチャンスを与えない。2台は1秒前後という僅差で周回を重ねたが、逆にフラガはしばし様子見を決め込み、OTSも使わずトップ2台から1秒強の差で追随する。
レースはトップ野尻が13周目へと突入。ピット作業が可能となるこのタイミングで、後方の4台がコースイン。ピットインのラインが交錯するシーンもあり、のちにNo.39 大湯都史樹(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)に対しては、アンセーフリリースのタイムペナルティが科されることになる。さらに翌14周目にも4台がピットへ。その中にはさらにポジションアップを狙う牧野の姿もあった。
このあと、トップ争いのなかから先に動いたのは、太田。19周終わりでピットへ。すると、この動きを見て、野尻も翌20周にぴっとへと帰還。なんとか太田を押さえる形でコース復帰を果たした。一方、ピット前にタイヤを準備していたフラガだが、ハイペースでの周回を続けており、これを受けてチームでは作戦を変更。以降、OTSも使わずペースよく周回を重ねることで、タイヤ交換後のトップ争いに備えた。
レースは、折り返し直前の25周終わりで坪井がピットイン。タイヤ交換組のトップを死守する野尻、太田に次いでコース復帰したが、その背後には牧野が迫る。元のポジションを取り戻すべく、牧野はハイポイントコーナーで半ば強引に逆転を決め、坪井を退けることに成功した。そんななか、コース上では急にエンジンがふけなくなったNo.38 阪口晴南 (SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)がスロー走行。さらにNo.97 ロマン・スタネック(ナビクル Buzz MK RACING)にもトラブルが発生。2台はそれぞれ異なる場所のエスケープゾーンにクルマを止めることとなり、これを受けてSCがコースインした。
27周目にSCランとなるなか、この直前にフラガがルーティンのピットインを実施。2台のアクシデントを見てピットに戻り、野尻、太田よりも前の位置でコース復帰を果たしたことで、暫定トップが手に入ったかに思われた。ところが、その翌周、それまでフラガの後方を走っていた福住、岩佐がSCラン中にピットイン。SUPER GTとは異なり、スーパーフォーミュラではピットレーンへの出入りが認められていることを利用し、コース復帰を果たす。
すると、コース上のSCは福住を先頭に周回。岩佐、フラガがトップ3となり、野尻、太田、牧野、坪井が続く形でSCランが続いていく。SCのフラッシュライトが消灯したのは、35周走行時。36周目からレース再開となり、残り15周の戦いが改めて幕を開けた。各車、大きなミスもなくスマートにリスタートを決めると、トップ福住と2番手岩佐の差は0.3秒弱。フラガもまた岩佐を0.2秒差で猛追する。一方、太田は36周目のメインストレート上でようやく野尻を逆転。トップ3を追いかけた。
終盤へと向かうなか、野尻が太田から少しずつ離される形となるが、その太田はトップ3台との差を思うように詰めることができない。そのなかで雨も降り始め、スタンドでも傘を開く姿が見受けられるようになったが、幸いにしてそれ以上崩れることなく緩やかに回復。終盤へと向かうなか、OTSを駆使してトップ2台が攻防を広げる一方、千載一遇のチャンスを狙うフラガがOTSを温存する形で最終盤を迎える。
自己ベストタイムをマークしながら追う岩佐と逃げる福住の差が0.5秒強へ迫り、また3番手フラガも岩佐を0.8秒強で追い立てる。だが、逆転に持ち込むのは難しく、トップ3台は縦一列でファイナルラップへ。すでにOTSを使い切った岩佐に対し、フラガはOTSをフルに使って最後のチャンスにかけたが、それぞれポジションは変わらず。結果、福住が第5戦鈴鹿以来となるシーズン2勝目を達成。これに岩佐が続き、フラガは3位フィニッシュ。SCランを味方に、流れを呼び込み勝利した福住、予選9位から表彰台に立った岩佐は喜びの表情を見せたが、このたびのレースコントロールに納得がいかないフラガは、表彰台でもトロフィーを掲げず、シャンパンファイトにも加わらなかった。
今シーズンのスーパーフォーミュラは、このあと”サマーブレイク”に突入。次戦はおよそ2ヶ月後の10月10、11日に第9、10戦が静岡・富士スピードウェイで開催される。
【第8戦SUGO 決勝トップ3】: 暫定結果による
1.No.14 福住仁嶺(NTT docomo Business ROOKIE)1:05’17.129
2.No. 1 岩佐歩夢(TEAM MUGEN AUTOBACS)+0.505
3.No.65 イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)+0.939
第8戦SUGO、シーズン2度目の予選Q3で野尻智紀が最多ポールを獲得!
8月9日、宮城・スポーツランドSUGOにおいて全日本スーパーフォーミュラ選手権第8戦の公式予選が行なわれた。SUGO戦は今シーズンから復活したQ3を実施する大会となっており、最後のセッションでトップタイムを叩き出したのは、ベテランNo.16 野尻智紀(TEAM MUGEN)。自身が持つポールポジション最多記録を25回へと伸ばす走りを披露した。
7月中旬に行なわれた富士での前大会は、天候不良で中止となった第3戦オートポリスの代替決勝レースを含め、3戦を消化するタフなレースウィークだった。今回は久々の土曜予選、日曜決勝のスタイルで実施され、予選では通常のQ1、Q2に加え、Q3を実施するノックアウト方式となった。
レースウィーク直前にようやく梅雨明けとなった東北地方。午前中はに日差しも出て、気温、路面温度も上昇。野尻はこのフリー走行でもトップタイムをマークし、快調をアピール。これに現在ランキングトップをひた走るNo. 6 太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が2番手、そして前週の富士スピードウェイで開催されたSUPER GT決勝で大クラッシュを喫したNo.65 イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)もその影響を感じさせないような速さを見せて3番手につけた。
ノックアウト予選は午後2時20分にスタート。これに先立ち、上空には雲が立ち込め曇天模様になる。気温、路面温度もこれに合わせて下降し、それぞれ29度と43度というコンディションへと変化。各車タイヤのウォームアップを意識しながら、ピットイン、アタックラップへの出走のタイミングを見計らい、アタックに挑んでいる。
まず、Q1・A組ではNo.1 岩佐歩夢(TEAM MUGEN)やNo. 5 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)らが最速セクタータイムを刻んだが、このセッションでトップタイム1分05秒625をマークしたのは牧野。1週間前のSUPER GTでPRELUDE-GTに初勝利を届けた勢いで、今週末のフォーミュラでも優勝を狙う勢いを見せる。そして2番手でNo.39 大湯都史樹(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)、岩佐が3番手で通過を果たす一方、開幕戦から連続でQ1通過していたNo.64 佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)が、僅か0.037秒差で敗退、辛酸を嘗める結果となる。フリー走行におけるトップ3が一堂に会した同B組。残り時間5分のタイミングでタイヤ交換を済ませてコースインした野尻を先頭に、太田らが続く。太田は各セクターで最速タイムをマーク。No.38 阪口晴南(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)やフラガも一部セクターでトップタイムをマークするが、太田がより安定感ある速さを武器に1分05秒354のタイムでトップ通過。100分の5遅れで野尻、そして野尻から0.1秒遅れで阪口が続いた。
各組上位6台、全12台によるQ2からQ3に進出できるのは上位5台。アウトーインを済ませてしばしピットで待機していた各車は、残り2分を切ってアタックを開始。Q1突破を果たしたNo.50 野村勇斗(San-Ei Gen with B-Max)、さらにNo. 28 小林利徠斗(KDDI TGMGP TGR-DC)のルーキーふたりが好アタックを見せたが、Q3進出は叶わず。それでも終わってみれば、小林は5位と1000分の3秒という僅差の6位と、存在感をアピールしてみせた。
そのQ2でも快速ぶりを発揮したのが、太田。2番手につけたフラガに対して0.202秒の差をつけてみせる。一方、野尻がフラガと0.03秒差で3番手につけるなど、各車僅差でのアタック合戦を披露した。この結果、太田を筆頭に、フラガ、野尻、トヨタエンジンユーザーで唯一となるNo.36 坪井 翔(VANTELIN TEAM TOMʼS)、そして牧野の5人がQ3進出を決め、改めてポールポジションを目指しての戦いに挑むことになった。
午後3時15分、7分間によるQ3が始まる。足元にニュータイヤをつけ、どのタイミングでコースインするのか、そこから駆け引きが始まっており、コース上には緊迫した空気が漂った。ピットでのスタンバイを経て、残り1分強になるとコース上では激しいアタック合戦を展開。このセッションでは太田と野尻が各セクタータイムでの最速タイムを競うようにしてコース上を疾走する。まずひと足先にアタックラップに入った太田が1分04秒896と、Q2で自身がマークしたトップタイムを上回って暫定トップに。しかし、間髪入れず野尻が1分04秒864をマーク。太田と0.032秒差でトップを奪取した。このあと牧野もチェッカーをくぐったが、先の2台を上回ることができず、3番手に。すると、その後にチェッカーを受けたフラガが太田と牧野に割って入る好タイムを刻んだ。
これにより、野尻が前回の富士大会第7戦に続き、シーズン2度目となるポールポジションを獲得。今シーズンから導入された「SUPER POLE QUALIFYING Supported by YOKOHAMA TIRE」をモノにして、賞金100万円を手にした。太田は悔しい2番手となり、フラガ、牧野、坪井というオーダーでQ3を終了している。
明日決勝を迎える第8戦のスタートは午後2時20分。51周の戦いとなる。
【第8戦SUGO 予選トップ3】
1.No.16 野尻智紀(TEAM MUGEN AUTOBACS)1分04秒864
2.No. 6 太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)1分04秒896
3.No.65 イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)1分05秒137
SUPER FORMULA第8戦SUGO プレビュー
みちのく仙台で今シーズン2度目のQ3レースに
今週末、東北・仙台で日本最高峰のフォーミュラレースが行なわれる。全日本スーパーフォーミュラ選手権第8戦は、宮城・スポーツランドSUGOを舞台に、シングルシーターでの攻防戦を繰り広げる。前回の舞台の富士とは、ひと味もふた味も異なるコンディションで、ドライバーたちはどんな戦いを見せてくれるのだろうか。
・ようやく梅雨明けした東北での一戦
7月上旬から順次梅雨明けがアナウンスされた日本列島。そして、ようやく8月4日になって北陸そして、東北南部・北部のにおいて梅雨明けが発表されたようだ。東北地方では、平年より7〜11日遅い梅雨明けになったという。今年は、梅雨期間中の降水量が平年を大きく上回り、大雨となった地域が多かっただけに、今週末の天気の行方が心配だったレースファンも多いのではないだろうか。いずれにせよ、今シーズンのスーパーフォーミュラはすでに気まぐれな天候に影響を受けており、4月下旬の第3戦オートポリス戦は天候不順によって決勝レースが実施できず、前回の富士で代替戦を行なっている。SUGOではすっきりとした夏空の下で、激戦を期待したいものだ。
・今シーズン2度目の予選Q3を実施
年間全12戦で行なわれるスーパーフォーミュラ。今大会で中盤戦の終えることになる。9月は少し遅い”夏休み”となり、10月に富士で2戦、そして11月に鈴鹿で最終イベントの2戦が実施されるため、この終盤戦に向けて、SUGO戦はいい流れを構築して終わりたいと願うドライバーも多いはず。一昨年までは6月中旬の開催だったが、昨年から8月上旬へと”お引越し”。梅雨明け直後のコンディションを想定してクルマの準備を進めるなか、やはりレースのカギを握るのが、予選になるはずだ。
というのも、このSUGOでも今シーズンから復活したQ3を採用しているからだ。シーズン最初にこのフォーマットが導入されたのは、オートポリス。レース・イベントとしては、土曜予選&日曜決勝という極めてスタンダートなものだが、こと予選のスケジュールに関しては、神経戦になりそう。ここで予選Q3のフォーマットをおさらいしよう。
24選手が2組に分かれ、Q1を実施。ここまではいつものQ1と同じだ。だが、Q2に進出できるのは各組上位5台と、いつもより1台少ない。そのQ2を出走した10台から、Q3に進出できるのは上位5台に絞られる。Q2までの予選では、全12台がポールポジションを目指して競うが、Q3の場合は5台だけでアタック合戦を展開。コースインのタイミングからすでに駆け引きが始まるのは言うまでもなく、果たして、誰が最速ドライバーに名乗りを上げるのか、なんとも言えない緊張感が漂うだろう。
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そして、栄えあるQ3トップ、つまりポールポジションを手にしたドライバーには、賞金100万円が横浜ゴムから贈られる。1000分の1を競うことも決して珍しくないアタックは、見応えたっぷりなものになりそうだ。
・合言葉は「Stop 格之進」!?
今回のSUGO戦含め、残り5戦となるスーパーフォーミュラだが、現時点で暫定シリーズトップに立つのは、No. 6 太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。2位のNo. 1 岩佐歩夢(TEAM MUGEN AUTOBACS)が44.5点のため、倍以上の差をつけている。そして岩佐に5.5点差で付けるのがNo.65 イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)だ。富士での代替戦となった第3戦では、オープニングラップからセーフティカーが導入される荒れた展開となり、そのリスタートを味方にしてトップを奪取。予選9番手からの逆転優勝をやってのけた。第6、第7戦は、速さと強さに定評がある太田がそのパフォーマンスを存分に見せつけ、ライバルを蹴散らす圧倒的な強さを見せたが、フラガが見せた試合巧者ぶりは、極めて印象に残るものだった。今回も、どのようなアプローチを見せてくれるのか期待される。しかしながら、先のSUPER GT第4戦富士の決勝では、スタート直後のアクシデントに巻き込まれてクルマが宙を舞う事故に遭遇。大事なく経過観察も過ぎて退院したという報告もなされたが、なにかしら影響が出ないか心配も残る。
一方、同じGT富士戦でシーズン初優勝を果たしたのが牧野任祐だ。フォーミュラでは太田の僚友だが、レース結果では”後輩”太田に先を越されており、厳しい戦いを強いられている。カテゴリーこそ違えど、GTでの勝利を弾みにして息を吹き返すことができるのか。彼自身にとっても”試される”レースウィークになりそうだ。また、トヨタエンジンユーザーのなかでランキングトップに立つのが、No.14 福住仁嶺(NTT docomo Business ROOKIE)。先の富士大会では流れに乗れず苦戦したが、第5戦鈴鹿でのポール・トゥ・ウィンでチームに初優勝をもたらしている。シーズンを通して安定感が増しているだけに、改めて浮上のきっかけを掴む戦いになるやもしれない。そして、忘れてはならないのが、No.36 坪井 翔(VANTELIN TEAM TOMʼS)。SUPER GTでは無双状態だが、今シーズンのスーパーフォーミュラは苦戦が続く。このSUGOでどこまで調整してくるのか。シーズン後半に向けて、いち早く軌道修正したいはずだ。
現時点で週末のSUGOの天候を見る限り、晴れの予報が出ている。また、気温も真夏日になるかどうか。猛暑日、酷暑日といった厳しい暑さではない天候の下、アツい激戦が繰り広げられることだろう。
■主なタイムスケジュール
8月8日(土)
09:00 – 10:20 フリー走行1回目
10:30 – 10:55 組分け走行
12:00 – 12:45 ピットウォーク
14:20 – 14:30 予選Q1・A組
14:35 – 14:45 予選Q1・B組
14:55 – 15:05 予選Q2
15:15 – 15:22 予選Q3
8月9日(日)
09:30 – 10:00 フリー走行2回目
11:50 – 12:50 ピットウォーク
13:25 – 14:20 スタート進行
14:20 – 第8戦 決勝レース 51周/最大75分