SUPER FORMURA 2026 Round.4-5
第5戦鈴鹿、福住仁嶺がポール・トゥ・ウイン達成!
5月24日、前日に続き鈴鹿サーキットにおいて全日本スーパーフォーミュラ選手権第5戦の予選、決勝レースが行なわれ、ポールポジションからスタートしたNo.14 福住仁嶺(NTT docomo Business ROOKIE)が大激戦のトップ争いを凌ぎ、チーム移籍後初となる優勝を達成した。
福住がMUGENの7連続PPを阻む会心のアタック
不意打ちのような雨により、落ち着かないレース展開となった前日の第4戦。外的要因に翻弄される形だったが、第5戦は朝から五月晴れの天候となり、雨の心配もなくドライコンディションでの開催となった。
予選
午前10時25分、予選は気温24度、路面温度33度のなかでQ1A組からスタート。他車とは異なるアプローチを見せたNo.64 佐藤 蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)がトップタイムをマーク。これに前日の予選ではコースオフして計測できずに終わっていたNo. 5 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が2番手で続き、復調の兆しを見せた。3番手にはNo.16 野尻智紀(TEAM MUGEN AUTOBACS)が牧野に僅差で迫り、安定感を見せる。また、ルーキーのNo. 28 小林利徠斗(KDDI TGMGP TGR-DC)が4番手通過を果たし、Q2への進出を決めた。
B組にはNo. 1 岩佐歩夢(TEAM MUGEN AUTOBACS)、No. 6 太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、そしてNo.36 坪井 翔(VANTELIN TEAM TOMʼS)と優勝争いの可能性が高いドライバーが”集結”。ツワモノが揃うなか、気を吐いたのが、No.65 イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)。アタックタイムでは岩佐、太田に続く3番手につける。また、前日の予選でしかと速さをアピールできたNo.50 野村勇斗(San-Ei Gen with B-Max)も4番手でQ1通過を果たした。
午前11時からのQ2には計12台が出走。開始とともに8台はコースインする一方、福住、坪井、佐藤、フラガの4台はピット待機を選択。また、コースインした8台のうち、牧野、太田、そして前日の覇者、No.37 サッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TEAM TOMʼS)とNo.38 阪口晴南 (SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)はアウトーインを行なわず、セッション開始後もそのままコースに残り、じっくりとタイヤを温めるアプローチを採った。
一番最後にコースインしたのは坪井。それより2分ほど先にコースへ向かった福住がアタックラップに向かうと、各セクターで最速タイムを刻み始める。セクター1こそ、その後にアタックした佐藤、野尻、牧野が順にタイムを削り取って更新に成功したが、その後のセクタータイムはつねに福住が最速。その流れを味方にチェッカーを受けた福住が1分37秒605のタイムでトップに立った。
続々とチェッカーを受けるなか、福住に迫ったのはフラガ。さらに野村が奮闘して3番手に。しかし、そのあとからチェッカーを受けた岩佐が福住に迫るタイムで2番手に割って入り、3番手にフラガ、そして最終アタックで牧野が4番手で続く。だが、その後、フラガ、野尻、佐藤、そして太田の4選手が走路外走行の対象となりアタックラップが抹消された。
結果、福住が2024年第6戦富士以来となる2年ぶり通算3度目のポールポジション獲得に成功。チーム移籍後、初めてのポールから決勝を迎えることに。2番手には岩佐、3番手に牧野が続き、それぞれが前日の決戦を上回るレースを目指すことになった。
【第5戦鈴鹿 予選トップ3】
1.No.14 福住仁嶺(NTT docomo Business ROOKIE)1’37.605
2.No. 1 岩佐歩夢(TEAM MUGEN AUTOBACS)1’37.765
3.No. 5 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)1’37.914
決勝 トップ3台が手に汗握る大接戦
メインストレートにやや強めの風が吹くなか、気温は25度、路面温度は40度まで上昇。青空が広がり、初夏らしいレース日和の下、決勝を迎えることになった。
今シーズン、初のポールポジションからスタートを切った福住がホールショットを取り、岩佐は僅差で逆転のチャンスを伺うも、ポジションは変わらず。一方、後方では接触事故が発生。メインストレートにパーツが散乱したことを受け、セーフティカーが導入される。4周終了からレースが再開すると、このタイミングで予選9番手からスタートを決めて6番手にアップしていた太田が目前の野村を攻略。一方、3番手を走る牧野はリスタートで加速が鈍る岩佐をパスしてみせた。これにより、逃げる福住を牧野が追い、早速オーバーテイクシステム(OTS)を活用して福住を猛追する形でレースは中盤に向かう。
そんななか、レースは8周に入り、まず現状打破を狙う牧野を筆頭に、フラガら6台がピットイン。これで福住を追うのは岩佐へと変わり、坪井、そして太田がこれに続いたが、坪井はここで前の3台とは違う戦略を敢行する。11周終了でピットへと戻り、6秒の作業でコースに復帰すると、14周目の130Rで牧野を逆転。ピット作業を終えたドライバーのなかでの”裏1位”に立つこととなった。
中盤から折り返しに向かうなかでレースは膠着状態となり、トップ3は各車2秒強の間隔が開く。そこで先に動きを見せたのが岩佐。21周終わりでピットイン。5.4秒という速さでタイヤ交換を済ませてコースへ戻ると、その背後には坪井が。坪井は懸命にプッシュして逆転を狙うが、岩佐がこれを巧みにコントロール。ニュータイヤながら坪井を抑え込み、ポジションを死守して見せる。逆に岩佐に近づきすぎた坪井はその勢いでスプーンカーブで空力が乱れて痛恨のコースアウト。逆転の好機を逃すこととなった。
トップの福住は22周終わりでピットイン。これに太田、フェネストラズが続いてタイヤ交換を行なう。6秒強の作業時間となった岩佐に対し、太田は5.8秒の好タイムでピットを離れると、”裏1位”をゲット。だが、ニュータイヤを装着したばかりの太田は背後から迫る岩佐の逆転を許し、また坪井も、ポジションアップを果たせず戦略としてのアンダーカットを活かすことができなかった。勢いに乗った岩佐はみるみるうちに福住との差を縮め、26周目の130Rで逆転。だが、福住も負けておらず、翌周はOTSを使っての逆襲で再びトップを奪い返した。
そのバトルをうしろから”様子見”していたのは太田。3人のなかでOTSの残量も一番多く、ともすれば”漁夫の利”の可能性もあるなかで優勝を目指しての三つ巴の攻防が展開された。ファイナルラップに向かうなか、各車の間隔はともに0.7秒強。太田はOTSを使って追い上げを見せるが、バトルを続ける前の2台にはあと一歩及ばない。結果、福住が0.240秒差の辛勝でシーズン初優勝。自身としては5年ぶり3勝目を挙げ、トヨタ移籍後となる初の美酒に酔うこととなった。2位岩佐はまたしても今季初優勝のチャンスを逃している。一方、3位太田は予選で苦戦するも、決勝でのジャンプアップによって、シリーズランキングではトップをキープしている。
早くもシーズン前半を終えた今シーズンのスーパーフォーミュラ。次は7月中旬に開催される第6戦富士大会となる。インターバルには公式テストも行なわれる予定となっており、ここで各ドライバー、チームが前半の戦いを振り返り、さらにパワーアップして戦いに臨むことになりそうだ。
【第5戦鈴鹿 決勝トップ3】
1.No.14 福住仁嶺(NTT docomo Business ROOKIE)55’58.741 31周
2.No. 1 岩佐歩夢(TEAM MUGEN AUTOBACS)+0.240
3.No. 6 太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)+0.620
今季初開催の鈴鹿、初日第4戦は波乱の展開をフェネストラズが制す!
5月23日、三重・鈴鹿サーキットにおいて全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦の予選および決勝が行なわれた。午前中の予選はかろうじて雨を免れたものの、午後からの決戦は時折パラパラと雨が降った。しかしながら、完全なウェットコンディションは回避。そのなかでレースは大荒れの展開を迎え、31周の戦いで勝利したのは、予選14位スタートのNo.37 サッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TEAM TOMʼS)だった。
専有走行は完全ドライで実施されるも
開幕大会のもてぎ同様、今回の鈴鹿も予選と決勝を同日に行なう1デーレースを2日間にわたって開催するスタイルとなる。一方、雨のレースとなったもてぎを皮切りに、その後の大分・オートポリスでは悪天候によって決勝がキャンセルされており、今シーズンのスーパーフォーミュラは、今までのところ好天に恵まれていない。
そんななか、大会前日の金曜日には午前と午後、2回の専有走行を実施。開幕大会のもてぎで2連勝を果たしているNo. 6 太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が快走を見せ、午後のセッションで総合トップタイムとなる1分37秒507をマーク。これにわずか約100分3秒差でディフェンディングチャンピオンのNo. 1 岩佐歩夢(TEAM MUGEN AUTOBACS)、さらにトップから約0.1秒差でNo.65 イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)が続く結果となった。
Round.4 予選
明けた土曜日は朝から鉛色の空が一面に広がる。サポートレースの予選中に霧雨が降ってはいたが、幸いにして午前9時30分からの公式予選はドライコンデイションnでの実施が可能となる。
気温20度、路面温度22度と前日の専有走行時の路面コンディションと比べて温度が20度ほど低くなっており、各車はセッションスタートともにピットを離れ、マシンチェックのアウトーインを終えるとすぐさまニュータイヤへと交換、タイヤに熱を入れるべく周回を重ねるアプローチを採った。
Q1・A組では、アタックラップでNo. 5 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がコースオフ。デグナー2つ目でクルマの挙動が乱れ、アタックチャンスを逃すことに。前日からタイムが伸び悩むなか、一発のチャンスにかけたが結実しなかった。また、暫定トップタイムをマークし、最終的に2番手時計となったNo.36 坪井 翔(VANTELIN TEAM TOMʼS)だが、このベストタイムが走路外走行中のものと判定され、タイム抹消扱いに。結果11番手となりQ2進出を逃す波乱となった。その一方で、ルーキーのNo.50 野村勇斗(San-Ei Gen with B-Max)が、坪井の”おこぼれ”をいただくことになり、Q2進出を果たした。結果的に岩佐がトップで通過し、No.14 福住仁嶺(NTT docomo Business ROOKIE)、No.64 佐藤 蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)がトップ3を形成した。
続くQ1・B組には、前日の専有走行でトップタイムを叩き出した太田はじめ、現役SF選手として最多ポールポジションを獲得するNo.16 野尻智紀(TEAM MUGEN AUTOBACS)、また第2戦決勝で2位となったNo.38 阪口晴南 (SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)らが出走。そんななか、専有走行中にデグナーカーブでコースアウトし、車両をクラッシュさせたルーキーのNo.97 ロマン・スタネック(ナビクル Buzz MK RACING)はアウトーインせず、そのままアタックラップへと挑んだ。
太田はライバルより遅くアタックを開始。ひとまず野尻が1分37秒662のタイムでトップに立ったが、続々とクルマがメインストレートを駆け抜けてチェッカーを受けるなか、太田が野尻のタイムを0.195秒上回ってトップに。3番手には阪口が続く結果となった。なお、ルーキーのNo. 28 小林利徠斗(KDDI TGMGP TGR-DC)は、アタックのタイミングがやや遅れ、その直前にチェッカーを受ける形となり事実上アタックは叶わなかった。
ポールポジション獲得を目指し、12台が出走したQ2は午前9時50分にスタート。野尻が各セクターで最速タイムをマークしていたが、その後を追うように走行する岩佐がタイムを確実に削り取っていく。一旦、野尻が1分37秒647のタイムでトップとなるも、間髪おかず岩佐が0.018秒差でトップ奪取をしてみせた。そして、3番手につけたのは野村。終わってみれば自身もオドロキの自己ベストリザルトを手にしている。なお、ホンダエンジンユーザーがトップ3を占めたため、トヨタエンジンユーザーのトップは4番手時計の阪口となった。
一方、しんがりで好タイムを目指していた太田だったが、やや暴れるクルマをコントロールする形となったか、デグナーカーブ2つ目、さらにスプーンで挙動を見出して痛恨の走路外走行扱いに。結果、べストタイムが採用されず。決勝は12位からの追い上げを目指すことになる。
【第4戦鈴鹿 予選トップ3】
1.No. 1 岩佐歩夢(TEAM MUGEN AUTOBACS)1分37秒119
2.No. 16 野尻智紀(TEAM MUGEN AUTOBACS)1分37秒137
3.No.50 野村勇斗(San-Ei Gen with B-Max)1分37秒600
決勝 天気とSCによって波乱の結末に
午後に入り、いっそう冷たく強い風が吹くようになった鈴鹿。サポートレース中にウェット宣言が出されたものの、スーパーフォーミュラのレコノサンスラップ中は天候が安定しており、ドライタイヤでのレースが可能な状態だった。
気温20度、路面温度24度と午前中の予選とほぼ似通ったコンディションの下、31周の戦いが号砲を迎え、ポールポジションスタートの岩佐が難なくスタートを決め、予選2番手の僚友、野尻を従えるような形で周回を重ねていく。一方、自己ベストの予選3番手スタートを切った野村は失速。後続車に飲み込まれる形となり、9番手までポジションを落とした。逆に予選で後方に沈んだ太田、坪井、牧野らは巧妙な走りで周回毎にポジションを上げて入賞を目指すことになった。
タイヤ交換が可能となる8周を迎え、アンダーカットを狙う太田が真っ先にピットへ舞い戻る。この周には7台がピットイン、さらに翌周に5台が続いたが、トップ3の岩佐、野尻、そして阪口はステイアウトを選択。このあたりからポツポツと雨が降り始め、路面状況が不安定になってはいたが、序盤に出遅れた野村が粘り強くポジションを上げる好走を見せ、元の”定位置”となる3番手を取り戻していた。
レース後半に向かうなか、気がかりだった降雨も落ち着いていたが、18周目の130Rでクラッシュが発生。No. 9 野中誠太(KCMG)が激しくクラッシュバリアに突っ込んだことで、レースはセーフティカーが導入される。これを機にタイヤ未交換組のピットが慌ただしくなり、翌19周終わりで続々と各車が帰還を果たす。これを見て俄然ペースアップしたのが、太田。しかし岩佐のチームも手早く作業を終えてコースへと送り出すことに成功、再びトップで1コーナーへの進入をしてみせた。
これで、トップ岩佐の背後に太田が着ける形となり、3番手以降はNo.14 福住仁嶺(NTT docomo Business ROOKIE)、阪口、No.65 イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)、No.19 ザック・オサリバン(TEAM IMPUL)と続き、岩佐と同じタイミングでタイヤ交換を強いられた野尻はオサリバンの背後に甘んじる。
19周からSCランとなると、再び雨が降り始め、ハーフウェットに近い状態となる。21周終了をもってリスタートを迎えたが、その再開を前にトップ2台が激しく牽制。結果的にリスタートで岩佐の加速がにぶり、太田がトップを奪って見せる。だが、その後方ではフラガと野尻がそれぞれ態勢を崩してコースオフするなど大混乱の状態に。これにより再びセーフティカーが導入され、岩佐をはじめとする上位10台が続々とピットに舞い戻り、ウェットタイヤへの交換を行なった。だが、その一方で後方に沈んでいた7台はステイアウトを選択。これにより、再開時のコンディションと装着したタイヤによって明暗が分かれる展開が待ち受けた。
レースは、ステイアウトを選択した車両が上位グループを形成。そのトップに立っていたのが、予選14番手だったフェネストラズ。これにNo. 3 ルーク・ブラウニング(REALIZE KONDO RACING)、No.39 大湯都史樹(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)、No.22 松下信治(DELiGHTWORKS RACING)、さらに坪井ら計7台が先行し、ひと足先にウェットタイヤへ交換していた1台がこれに続き、交換組のトップだった太田は9番手からレース再開を待つ形となる。
そしていよいよセーフティカーのルーフライトが消灯し、残り4周の”ガチバトル”に。クリアにリスタートを決めたフェネストラズに対し、ブラウニングと大湯は苦戦。ここで不安定なコンディションを味方につけた松下が一気に2番手を奪取、その後方では坪井も負けじとポジションアップを決めてみせ、3番手へと浮上した。
こうして試合巧者の3選手がそのままトップ3をキープ。フェネストラズが昨年の第9戦富士での勝利以来となる自身3勝目を挙げ、今シーズンからスーパーフォーミュラに復帰を果たした松下が2位で続き、自身としては2022年第3戦鈴鹿での初優勝以来となる表彰台となった。また、3位の坪井にとっても、待望のシーズン初表彰台獲得という結果を手にした。一方、ポールスタートの岩佐は13位、そして大逆転勝利を狙った太田は7位で戦いを終えている。
明日も23日も、予選と決勝を1デイ形式で実施。天気は回復傾向にあるため、明日こそ完全なドライコンディションでのバトルを期待できそうだ。
【第4戦鈴鹿 決勝トップ3】
1.No.37 サッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TEAM TOMʼS)1:05’12.423 31周
2.No.22 松下信治(DELiGHTWORKS RACING)+0.760
3.No.36 坪井 翔(VANTELIN TEAM TOMʼS)+1.159
SUPER FORMULA 第4&5戦鈴鹿 プレビュー
シーズン2回目の連戦、気になる天候は?
ゴールデンウィーク以降、ぐんぐんと気温が上昇し本州はまだ梅雨入りしていないにも関わらず、気温だけはすでに夏日を通り越してときに真夏日となるほど暑さが先行している。そんななか、週末に三重・鈴鹿サーキットで開催される全日本スーパーフォーミュラ選手権は、どのような天候の下で実施されるのだろう。開幕戦から雨の影響をうけ続ける今シーズンだけに、文字通り、”雲行き”が大いに気になるところだ。
開幕戦から天候不順続きの今シーズン
4月上旬に開幕した今シーズンのスーパーフォーミュラ。今年は鈴鹿ではなく、モビリティリゾートもてぎがその舞台となり、また、1大会で土曜、日曜にそれぞれ予選と決勝を行なうワンデーレースで実施された。
開幕戦は予選こそなんとかドライコンディションで行なうことができたが、決勝はヘビーウェットに。結果、セーフティカースタートが切られ、ほどなくして赤旗中断に。しばらく待機して再スタートを迎えるも、今度はセーフティカー先導による周回を重ねたあとのリスタートで、多重クラッシュが発生。ほぼレースらしい走りができないまま再三セーフティカーの導入で大荒れとなった。翌日の第2戦はドライコンディションでの開催が実現したが、第3戦の舞台である大分・オートポリスではまたしても雨に翻弄されることとなり、決勝スタートは切ったもののレースができるコンディションとは程遠く、キャンセルに終わっている。つまり、過去3戦のうち、2戦は雨絡みでうち1戦は不成立という芳しくない状況なのだ。
そんななかで迎える今大会の鈴鹿も1デイレースを土曜、日曜にそれぞれ実施する1大会2レースでのイベントになるのだが、現時点で天気予報を見る限り、”傘マーク”が出ている時間帯もあるだけにやや気がかりな状態。本格的な雨は回避できそうに思えるが、いずれにせよ”五月晴れ”での開催を期待するにはやや厳しいような気がする。
快走の太田、追う岩佐
開幕大会のもてぎで気を吐いたのは、No. 6 太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。ディフェンディングチャンピオンのNo. 1 岩佐歩夢(TEAM MUGEN AUTOBACS)は、第1戦でポールポジションを手にしたが、決勝は太田に次ぐ2位に甘んじた。一方、太田は予選2位から優勝をもぎ取ると、第2戦ではポール・トゥ・ウインを達成。現時点でランキングトップにつける。決勝が雨でキャンセルされた第3戦APでは岩佐がポールを手にしていたが、第2戦で表彰台を逃しているため、現時点で太田に対して19.5点という大差がついている。昨シーズン、最終大会で大逆転を果たしてタイトルを手にした岩佐ゆえ、まだまだ気にも止めないほどの差なのかもしれない。だが、チャンピオン有力候補である太田は強さと速さに加え、安定感を伴うパフォーマンスを見せており、もっとも手強いライバルであることには違いないだろう。シーズン序盤は、太田と岩佐のふたりがどのような戦いを見せていくのか、ひとつの見どころとなりそうだ。
”ヒューマンモータースポーツ”と言われるスーパーフォーミュラの戦いは、SUPER GTと比べてもかなりシビアだ。それを表すのが、熾烈な予選争いだ。前回、APでのQ2のタイムを例に挙げると、トップ通過を果たした岩佐に続いたチームメイトのNo.16 野尻智紀(TEAM MUGEN AUTOBACS)との差は0.1秒。普段、生活を送るなかで0.1秒という時間を意識することはまずないはずだ。スピード競技の世界では、ときにこの”0.1秒”は大きな差として扱われる。一方、野尻以下のタイムはさらに僅差となる。3番手だったNo.38 阪口晴南 (SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)と野尻とは0.044秒差、そして4番手のNo.37 サッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TEAM TOMʼS)と阪口との差は0.002秒。またフェネストラズ以降に続く各選手も酷似したタイム差で並んでいる。このQ2にはQ1を勝ち抜いた12選手が出走したが、トップ岩佐から12位の選手までが1秒内でタイムを刻む結果となった。まさに紙一重ながら、決勝グリッドではトップか12番手か……それほどシビアな状況下で競うスピード競技がスーパーフォーミュラであり、それが醍醐味のひとつとなっている。それゆえ、今大会も鈴鹿での熱きタイムバトルの行方を見守って欲しい。
富士、APで本来の力を存分に発揮できず、消化不良となっているドライバーも多いはず。チャンピオン経験を持つ野尻やNo.36 坪井 翔(VANTELIN TEAM TOMʼS)もそろそろ真の実力を見せなければ、と意気込んでいることだろう。一方、今シーズンから国内最高峰のシートに座ることになったルーキードライバーもしっかりと自身のパフォーマンスをアピールしたいところ。鈴鹿では、ドライバーそれぞれが自らの目標に向かって力を出し切れるような天候で開催されることを祈るのみだ。
■主なタイムスケジュール
5月22日(金)
10:50 – 11:50 フリー走行1回目
15:40 – 17:05 フリー走行2回目
5月23日(土)
09:15 – 09:25 第1戦 予選Q1・A組
09:30 – 09:40 第1戦 予選Q1・B組
09:50 – 10:00 予選Q2
11:40 – 12:25 ピットウォーク
14:45 - 第4戦 決勝レース 31周/最大75分
5月24日(日)
10:25 – 10:35 第2戦 予選Q1・A組
10:40 – 10:50 第2戦 予選Q1・B組
11:00 – 11:10 予選Q2
11:35 – 12:20 ピットウォーク
14:45 – 第5戦 決勝レース 31周/最大75分