スーパー耐久2023 Round.6
スーパー耐久第6戦 中升ROOKIE AMG GT3が優勝!
10月21、22日、岡山国際サーキットにおいて、ENEOS スーパー耐久シリーズ2023 Supported by BRIDGESTONEの第6戦が開催された。コース距離が短いサーキットの関係で、決勝レースは2グループに分けて実施。各グループ3時間のレースが行なわれ、まず、午前中に開催されたグループ2では、No.55 MAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio conceptが、そして午後からのグループ1の決勝では、No.14 中升 ROOKIE AMG GT3が勝利した。
およそ1ヶ月半のインターバルを経て迎えた第6戦。今大会を含め、早いもので今シーズンも残すところ2戦となる。クラスタイトルの行方も気になる中、2グループとも好バトルに期待がかかった。今大会には、ST-2クラスを除く8クラス48台がエントリーした。
予選
不安定な天候でスタートを切った第6戦。予選を前に急に濃灰の雲が広がり雨が降り始め、すぐに止むという、落ち着かないコンディションになった。結果、青空が上空に広がるも、路面はウエットのまま。不確定要素の多い幕開けとなった。
7台が参戦するST-Xは、ランキングトップのNo.14 中升 ROOKIE AMG GT3がAドライバー予選からトップタイムをマークする。Bドライバー予選でも14号車がトップに立ち、結果としてグループ2のポールシッターとなった。これに続いたのは、開幕戦以来の参戦となるNo.500 5ZIGEN GTR GT3。Bドライバーが好タイムをマークし、フロントロウから3時間レースをスタートする。一方、現在のランキング2位につけるNo.1 HELM MOTORSPORTS GTR GT3は5番手から、決勝での巻き返しを図ることになる。
ST-Zクラスでは、No.26 raffinee 日産メカニックチャレンジZ GT4が参戦を見合わせる中、10台が出走。一方、今大会からシリーズを運営するスーパー耐久機構(S.T.O)が、このクラスに限り、決勝レース中のタイヤ交換を義務づけると発表。戦略含め、レース展開にどういう影響を与えるのか、注目された。なお、予選で気を吐いたのは、No.34 SUN’S TECHNO AudiR8LMS GT4だった。さらに、2台がエントリーするST-TCRでは、第4戦デビューから2連勝中のNo.97 Racer HFDP CIVICがクラストップタイムをマークしている。
今回、参加台数が3台減って4台に留まったST-Qは、グループ1にNo.271 CIVIC TYPE R CNF-Rだけが出走するため、自動的にクラスポールに。また、昨年の岡山戦はクラス開催がなかったST-1クラスでは、2台が出走。No.2 シンティアム アップル KTMがクラス最速タイムをマークしている。そして、ST-3クラスでは、No.25 raffinee 日産メカニックチャレンジZが参戦を見合わせたことで、4台がしのぎを削る。その中でNo.38 ヒグチロジスティクスサービス RC350 TWSがトップタイムをマーク。決勝ではグループ2の先頭でスタートを切ることになった。
8台による参戦となるST-4クラスでは、No.884 シェイドレーシング GR86が僅差でクラスポールを獲得。逆に、クラスランキングトップのNo.60 全薬工業 G/MOTION’GR86は、クラス6位からのスタートになっている。そして、第4戦以来の開催となるST-5クラス。No.88 村上モータースMAZDAロードスターがクラスポールを掴み、ランキングトップのNo.72 OHLINS Roadster NATSがクラス2位から3時間の戦いに臨む。
翌日の決勝は、3時間レースを2グループに分けて開催される。まず午前8時30分からST-3、4、5、そしてST-Qの3台によるグループ2のレースを実施。そして、午後1時30分からは、ST-X、ST-1、ST-ZさらにST-Q1台が出走するグループ1が3時間の決勝レースを繰り広げる。
予選結果・各クラストップ・A、Bドライバー合算タイム
【ST-X】No.14 中升 ROOKIE AMG GT3 3’00.621
【ST-Z】No.34 SUN’S TECHNO AudiR8LMS GT4 3’15.505
【ST-TCR】No.97 Racer HFDP CIVIC 3’17.931
【ST-Q】No.271 CIVIC TYPE R CNF-R 3’32.627(グループ1)
【ST-Q】No.55 MAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio concept 3’31.750(グループ2)
【ST-1】No.2 シンティアム アップル KTM 3’09.302
【ST-3】No.38 ヒグチロジスティクスサービス RC350 TWS 3’31.750
【ST-4】No.884 シェイドレーシング GR86 3’36.203
【ST-5】No.88 村上モータースMAZDAロードスター 3’46.954
決勝
午前8時30分からという朝早いレーススタートになったグループ2。4クラスのST-3、ST-4、ST-5そしてST-Qの3台が参加した。クリーンなレース展開となる中、FCY(フルコースイエロー)が導入されることもあったが、セーフティカーまでには至らなかった。
3台での優勝争いとなったST-Qクラスでは、クラスポールのNo.55 MAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio conceptが先頭をキープ。クラス2位を1周遅れにする躍進を見せた。ST-3クラスは、クラストップでスタートを切ったNo.38 ヒグチロジスティクスサービス RC350 TWSが安定感あるレース運びでトップを死守。さらにレース展開をも味方につけて安泰のトップチェッカーを受けた。レース後半に逆転劇が待ち受けたのは、ST-4クラス。No.884 シェイドレーシング GR86がクラストップからスタートを切って、好ペースでレース運びをしていたが、No.41 エアバスター WINMAX GR86 EXEDYに逆転を許し、最後はクラス3位に甘んじている。41号車は前戦に続き、2連勝を果たした。また、ST-5クラスは、クラスポールのNo.88 村上モータースMAZDAロードスターをNo.110 ACCESS COURAGE VITZが猛追。しかし、終盤になると88号車の安定感が際立ち、そのままトップチェッカーを受けている。
決勝結果・ Gr.1 各クラストップ
【ST-Q】No.55 MAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio concept(寺川和紘/井尻薫/関豊)3:01’18.595 100Laps
【ST-3】No.38 ヒグチロジスティクスサービス RC350 TWS(尾崎俊介/石森聖生/鶴賀義幸/石塚崇宣)3:00’38.202 102Laps
【ST-4】No.41 エアバスター WINMAX GR86 EXEDY(水野大/冨林勇佑/石井宏尚)5:00’54.523 98Laps
【ST-5】No.88 村上モータースMAZDAロードスター(村上博幸/有岡綾平/岡本大地/吉田綜一郎)3:00’45.548 93Laps
午後1時30分からは、ST-X、ST-Z、ST-TCR、ST-Qの1台、そしてST-1による5クラスでグループ1の決勝がスタート。前日と異なり、安定した晴れのコンディションに恵まれたが、スタート直前のフォーメーションラップで1台の車両がコース上でストップ。ピットレーンに押し戻されるというハプニングがあった。その後、無事にスタートが切られると、ST-Xクラスでは、No.14 中升 ROOKIE AMG GT3は自力に勝るパフォーマンスで他車を圧倒。独走態勢で今シーズン3勝目を上げて、チャンピオン争いに王手をかけた。ST-ZクラスはクラストップスタートのNo.34 SUN’S TECHNO AudiR8LMS GT4が安定したレース運びを見せる中、最後列スタートから大きくジャンプアップした車両の猛追を受けたが、その車両のマシントラブルの助けもあって、今季初優勝をポール・トゥ・フィニッシュで飾ることに成功した。一方、2位でチェッカーを受けたNo.52 埼玉トヨペット GB GR Supra GT4が今大会の結果をもって最終戦を前にしてクラスチャンピオンを獲得している。ST-TCRクラスは、デビュー以来強さをキープするNo.97 Racer HFDP CIVICが、今回も快走。負けなし3連勝を達成した。そして、ST-1クラスでは、序盤にクラストップスターとのNo.2 シンティアム アップル KTMが後続車に先行を許すも、残り30分を切って2台が再び接近戦を展開。大終盤での見事な逆転劇を見せ、ポール・トゥ・フィニッシュを果たしている。
決勝結果・Gr.2 各クラストップ
【ST-X】No.14 中升 ROOKIE AMG GT3(鵜飼龍太/蒲生尚弥/平良響/片岡龍也)3:01’16.596 114Laps
【ST-Z】No.34 SUN’S TECHNO AudiR8LMS GT4(加納政樹/大草りき/安田裕信)3:02’28.143 108Laps
【ST-TCR】No.97 Racer HFDP CIVIC(遠藤光博/中野信治)3:02’39.665 105Laps
【ST-Q】No.271 CIVIC TYPE R CNF-R(武藤英紀/伊沢拓也/大津弘樹)3:02’52.827 103Laps
【ST-1】No.2 シンティアム アップル KTM(井田太陽/加藤寛規/高橋一穂/吉本大樹)3:01’58.637 109Laps
ついに、残すは最終決戦のみとなった今シーズンのスーパー耐久。最終戦は11月18、19日に静岡・富士スピードウェイにおいて、4時間レースで開催される。