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トヨタは、ハイブリッドカーの代名詞プリウスに、シリーズ初となる派生モデル「プリウスα」が登場した。海外においては、2011年1月アメリカで開催されたデトロイトショーではプリウスV(2列シート&5人乗り)、2011年3月スイスのジュネーブモーターショーではプリウス+(3列シート&7人乗り)が公開されており、待望の国内販売になった。そのスタイリングは、ローハイトミニバンを彷彿とするもので、3列シート/7人乗りモデルとバゲッジスペースの拡大を図った2列シート/5人乗りモデルの2タイプを用意する。ボディサイズは、ファミリーユースに求められるニーズを最大公約数的に取り入れることで大型化しているが、プリウスの弱点を完全補強することに成功。パワートレインはプリウスと同じ「THS2」を搭載し、量産型ハイブリッドカーとしては世界初のリチウムイオンバッテリー(3列/7人乗りモデル)を採用。大柄な7人乗りを実現しつつ、10・15モード走行燃費31.0km/Lというプリウスの名に恥じない驚異的な省燃費を実現する。GTNETでは、人気沸騰中のプリウスαを独自に用意し、サーキットインプレッションを中心にレポートする。




プリウスαってどんなクルマ!?
プリウスの爆発的ヒットの秘訣は、先進のハイブリッドシステム搭載による省燃費&優れた環境性能はもちろん「大人5人が快適に移動でき、リヤシートを倒せば沢山の荷物が搭載できる」優れたパッケージングにある。しかし、ワゴンやミニバンユーザーの視点になると「もう少し荷物を載せれたら・・・」とか「短距離だけれど7名乗車したい!」というニーズがあったのも事実・・・。プリウスαは、これら「ファミリーユースを想定したあらゆるニーズ」に完全対応するため、プリウスでは足りない部分を補うために開発された派生モデルだ。ボディサイズは、全長4,615mm×全幅1,775mm×全高1,575mmとプリウスよりも一回り大きい。また、3列シートレイアウトを実現するため、ホイールベースが80mm延長され、車体重量も100~150kg増加した。横から眺めたスタイリングは、ステーションワゴンというよりボリューム感たっぷりのローハイトミニバンルック。フロント&リヤのイメージは、一目でプリウスファミリーとわかるデザインが与えられた。設定グレードは、豪華装備のG系(7人乗り/5人乗り)とスタンダードのS系(5人乗りのみ)を用意。グレードによる外観の違いは少ないが、ツーリングセレクションには走りを意識した17インチタイヤ&ホイールが標準で付く。価格は、廉価モデルのSグレード「Lセレクション」の235万円、から、高級グレードのGグレード「ツーリングセレクション・スカイライトパッケージ」の330.5万円まで。


初代プリウス
NHW10/11(1997年~2003年)
2代目プリウス
車両型式:NHW20 (2003~)
3代目プリウス
車両型式:ZVW30 (2009年~)
●FRONT & REAR


第一印象は、デカイ!。フロントマスクのイメージこそプリウスと共通だけれど、すべての外装パーツはプリウスαのためだけに専用設計されたオリジナルになる。槍型をイメージしたヘッドライトも専用品で、バンパーやボンネットも、中央部のエンブレムが大きく盛り上がる造形に仕上げられ、ダイナミックかつ躍動的なデザインに進化した。ヘッドライトはG系が全車LED、S系はツーリングセレクション以外はハロゲンとなる。Cd値0.29はクラストップレベルだ。
●INTERIOR


インテリアは、ダッシュボードやメータパネルのデザインも含めて、すべてプリウスαのために専用設計された。ダッシュボードは水平基調の左右対称デザインをベースに、プリウスをイメージした楕円ステアリングやセンターメーターを継承しつつ、完全オリシナルデザインを施すことで開放感のある広々とした空間を演出する。中央部のワンダイアルエアコンコントロールは、1つのダイヤルで設定温度、風量、吹き出し口の選択などを瞬時に変更できる優れもの。メーターデザインは、初代プリウスから採用されてきたエネルギーモニターが廃止(ナビ画面で表示可能)され、ハイブリッドインジケーターを中心にエネルギー状態をシンプルかつ直感的に表示する。3種類の走行モード(ECO/PWR/EV)や、エレクトロシフトマチックセレクターなど、プリウスで確立された操作性は踏襲する。座面高はプリウスよりも30mm高く、ミニバンテイストの見下ろす感じに変更された。同時にヘッドルームも高くなっているので、快適なヘッドクリアランスを確保する。
●ENGINE
エンジンは、プリウスと同じTHS2を採用。1.8リットル直列4気筒ガソリンエンジンは、最高出力99ps、モーターの最高出力は82psとなり、システム出力136psを発生する。スペック的に大きな変更は無いが、モーターを水冷化するなど細かな改良が施される。また、シートレイアウトにより、5人乗りは従来のニッケル水素電池、7人乗りは市販車初となるリチウムイオン電池を採用。ミッションはプリウスと同じ遊星ギヤを用いた電気式無段変速機を採用するが、車両重量にともなう加速性能の低下を抑えるためファイナルギヤを全車3.703(プリウスは3.498)にローギヤ化し、プリウス同等の走りを演出する。10・15モード走行燃費は31.0km/L、JC08モード走行燃費は26.2km/L。平成22年度燃費基準+25%をクリアする。プリウスαには、車両接近通報装置が装備され、約25km/hまでのEV走行時に電子音を出し、歩行者に注意を促す安全装備も追加された。
●BAGGAGE SPACE


プリウスα5人乗りモデルの荷室は、大容量533リットルを実現し、プリウスに比べて195リットル分増加した。また、2列目の6:4分割可倒式シートを前に倒せば1,850mmのフラットフロアが出現。長尺の荷物を載せたい場合や沢山の荷物を載せたい時、バン的に使いことも可能だ。プリウスαは緊急用スペアタイヤが廃止され、荷室のフロア下にも収納スペースを確保。パンクした際には付属のパンク修理キットで対応することになる。7人乗りモデルの場合も、3列目の5:5分割可倒式シートを床下に収納すれば5人乗り同等の荷室スペースを確保することができる。
●BATTERY


3列シートの7人乗りと2列シートの5人乗りの違いはバッテリーの搭載位置。5人乗りは、プリウスと同じニッケル水素電池を採用し、ラゲッジスペースのフロア内に内蔵。7人乗りは、運転席脇のセンターコンソール内に内蔵するため小型のリチウムイオン電池を採用。バッテリーの違いによる性能差が気になるところだが、メーカーによると「ハイブリッドシステムや走行性能に差が出ることはない」とのこと。スペック的にも、システム出力や燃費性能に変化は無い。