カーボンとコーヒー、そしてエアロADRO、南カリフォルニア新本社ローンチの舞台裏 詳細ページ(29233) - イベント・レースレポート

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カーボンとコーヒー、そしてエアロADRO、南カリフォルニア新本社ローンチの舞台裏




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澄みきった土曜の朝だった。早起きと、旨いコーヒー、そして“ちゃんとした”カー・ミートがよく似合う、そんな空気。
 

ADROは南カリフォルニアに新たなアメリカ本社を構え、そのオープニングを記念してBrekkie Car ClubとのCars & Coffeeを開催。静かな工業エリアの一角は、その朝だけいつもとはまるで違う表情を見せていた。時間が進むにつれて、敷地にはクルマと人が自然なテンポで集まり始める。
 

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朝の光は剥き出しのカーボンに反射し、あちこちでコーヒーカップ片手の会話が生まれていく。新たに到着する一台一台が、その瞬間だけはさりげなく注目の的になっていた。
どこか形式張ったローンチイベントでも、いかにもブランド主導の催しでもない。朝の空気は、もっと気軽な集まりとしてゆるやかに流れていた。
 

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会場の中心に置かれていたのは、ADROの最新エアロ開発車両。G80型BMW M3とG87型M2には新作ボディワークが装着されていたが、なかでも印象的だったのは、そのまとまりの良さだ。まるで最初からそうあるべき姿だったかのようで、不自然さがない。
 

BMWが最新世代の“M”モデルをリリースしてから、すでにそれなりの時間が経った。登場当初に話題となったあのグリルも、いまでは最初の衝撃が落ち着き、見え方そのものが変わってきている。賛否を呼ぶデザインではあったが、時間というものは案外、人の感覚を変えてしまう。スタイリング論争をひとまず脇に置いてしまえば、クルマそのものの完成度に異論は出しにくい。
 

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ADROのアプローチは、そのデザイン言語を書き換えるというより、むしろ磨き上げる方向にある。M2、M3、M4向けに用意されたエアロパーツは、付け足しというより進化形に見えるのだ。控えめだが確実に効いていて、気づけば「純正ってもともとどういう顔だったっけ?」と思わされる、そんな完成度がある。
 

フロントグリル自体はあくまでBMWのまま。だが周囲の面構成はよりアグレッシブでありながら、以前ほど人を選ばない印象へと整えられている。控えめなカーボン製フロントスプリッターは、元のフォルムを壊すことなくモータースポーツの空気を添え、サイドスカートも同じ思想で車体を視覚的に低く見せ、スタンス全体を引き締めていた。
 
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しかし、そのBMW勢の少し先に、思わず視線を奪われる一台が置かれていた。
 

ADROの新作ポルシェ911だ。インフィニティウォールを背にしたその姿は、もはやロードカーというよりレーシングカーそのもの。AOX(Aerodynamic Optimization eXperience)プログラムから生まれたアップグレード版エアロパッケージをまとい、この911はADROがモータースポーツ主導の開発へと踏み込んでいることを強く印象づけていた。
 

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大きく張り出したフロントのダイブプレーン、路面すれすれまで落とし込まれたディープスプリッター、そして高くそびえるリアウイング。これは見せるために仕立てられた一台ではない。高域で実際にダウンフォースを生み、攻めた走りに応えるためのクルマだ。その背景には、元ウィリアムズF1のデザイナー、スコット・ビートンの存在がある。
 

その朝に集まった他のクルマたちもまた、ADROを取り巻く広いエンスージアストコミュニティを映し出していた。丁寧にレストアされ、モディファイを受けたアキュラ・インテグラの数々がまず目に入り、その近くにはマクラーレン・セナも並ぶ。あまりに長くセナに見入ってしまい、その横に停まっていたアキュラNSX Type Sを危うく見落としかけたほどだ。
 

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さらに列を進むと、今度は白いBMWのペアが印象に残った。RAYS TE37を履いた、ほぼオリジナル状態のBMW E30 M3。その隣にはF87 M2。並べてみると、E30のコンパクトさには改めて驚かされる。とりわけ現代のクルマと比べると、その小ささは一層際立っていた。
別の場所では、またしても白いクルマたちの並びが目を引いた。キャデラックCT4-Vブラックウイング、ホンダシビック・タイプR、レクサスRC F。さらにフレームの外にはMk8型フォルクスワーゲン・ゴルフRも控えていて、その並びを完成させていた。
 

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その後まもなく、ランボルギーニ・ウラカンSTOが姿を見せる。LAで見慣れているはずの身であっても、やはりこのクルマには足を止められる。GT3譲りのエアロが与える存在感は圧倒的で、特にポルシェ911 GT3 RSの相場が現実離れした水準まで高騰し続けている今、その文脈の中ではSTOの魅力がより強く浮かび上がってくる。
 

しばらくすると、フェラーリ812スーパーファストが2台続けて会場入り。だがその頃には、空腹が撮影欲を上回り始めていた。カメラをしまい、イベント終盤の混雑が始まる前に会場を後にした。
 

これは単なるマーケティング施策ではなかった。ブランドの歴史における大きな節目であり、新たな章の始まりであり、そして“走らせてこそ意味があるクルマ”をあらためて愛でるための時間だった。BMWにポルシェ、そして会場を包んでいたあの空気感。ADROのCars & Coffeeは、こういう朝が今もなお特別であり続ける理由を、改めて思い出させてくれた。
 










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