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TOYOTA 86 RC(6MT)

199万円の価格設定が魅力的な"クーラーレス廉価モデル"

2012年5月2日更新
TOYOTA 86

メインターゲットはサーキット&競技用途のベース車両 快適装備を潔く省いた超スパルタンモデルだ!

トヨタ86の4グレード中で、もっとも質素でスポーツ指向の強いモデルが「RC」グレードだ。搭載されるエンジンやスペックはトヨタ86全グレード共通であり、豪華版「GT"LIMITED"」グレードと廉価版「RC」グレードを比較すると大きな違いは装備内容になる。「RC」グレードは、現代のクルマとしては付いていて当たり前の"クーラー"をバッサリ省略。安全装備は残しつつ、走りに不要な豪華装備や快適装備を極限まで切り詰めることで唯一の200万円を切る199万円を実現した。


「RC」グレードを象徴するエクステリアは、前後バンパーが無塗装(ウレタン素材の黒色)で納車される。ホイールも16インチの鉄製で、標準タイヤはYOKOHAMA dB E70が装着。トレッドパターンのサイズや形状から推測すると環境性能重視であることは明らかであり、使用用途は"車検用"と考えた方が良さそうだ。インテリアは、オーディオが省略されダッシュボードに大きな穴があいた状態になる。助手席側のインパネも剥がされた状態で納車されるため「メーカーで付け忘れたのでは?」と思ってしまうほどだ。


正直なところ、カタログ写真で見るより現車の質感は格段にチープ。一般的には"競技専用モデル"と認識されており、簡素化されたエアロパーツ、アルミホイール、マフラー、シートなどは「自分好みに仕上げてください!」という、メーカーからのアピールと受け取るべきだろう。しかし、パワーステアリング、パワーウィンドウ、電動ミラー(格納機能はなし)、エアーバック、ABSなどは量産効果を得るため(!?)標準装備される。


平成以降に発売されたFRスポーツカーで、これほど思い切った簡素化がおこなわれた車両は記憶にない。トヨタ86RCの存在は逆に新鮮だ


6MT&クーラー無しがガマンできることがRC購入の判断基準になる!

199万円のバーゲンプライスを実現した「RC」グレードだが、カタログの装備欄に「クーラーのオプション装着不可」の注釈が付け加えられており、純正エアコンを取り付けることができない。トヨタ86の1台で、通勤、ドライブ、そしてサーキットを兼用するのは、日本の気象状況を考慮すると現実的に難しいかもしれない。真夏の35度を超える渋滞路では熱中症に掛かる恐れがあるし、梅雨時はフロントガラスが湿気で曇ってしまうからだ。

オーディオについては、現車を確認したところスピーカー&配線レスの状態。ただし、こちらはGTNETや専門カーショップに作業を依頼すれば後から装着することも可能だ。

運動性能に関わる装備で唯一不満なのがブレーキ。「GTリミテット」グレードのフロントブレーキは、290mmに対して「RC」グレードは270mmと小さい。リヤについても、ローター径こそ同一だが「GTリミテット」グレードはベンチレーテッドタイプを採用するのに対し「RC」グレードは冷却フィンがない通常タイプなので冷却性能が若干劣る。競技ベース車なのだからフロントブレーキだけは、せめて大径サイズを標準装備して欲しかった。

"スポーツ走行専用"と割り切れるなら最高の素材! 出力向上が難しいNAだけにー60kgの軽量化は魅力的だ

トヨタ86の売れ筋モデルである「GT」6MT車と車両価格を比較すると、「RC」グレードは80万円も安い。「GT」グレードを購入する予算があれば、80万円分の予算をカスタマイズにまわせられることを意味する。

仮に、タイヤ&アルミ=20万円、車高調=20万円、エアロ=30万円、バケットシート=10万円と仮定すると総額80万円前後に収まるはず。ドリフトメインなら、エアロに掛けるコストを抑え、浮いた予算で機械式LSDを装着する選択もありだ。そうすれば「GT」グレードのノーマル状態よりも、個性的かつサーキットを速く楽しく走行できるマシンに仕上るだろう。

また「GT」6AT車よりも車体重量が60kg軽量なことも、パワーアップにお金が掛かるNAエンジン搭載車にとってメリットは大きい。ターボエンジンのように吸排気系チューニング程度では大幅パワーアップが見込めないだけに、-60kgの軽量化は最大の武器になるだろう。

多様化を極める時代だからこそ、普段乗り用とスポーツ走行用の2台所有できるなら、思い切ってクーラー装着を諦め、カスタマイズとスポーツ性能に特化する選択もGTNETとしては提案したい。

トヨタ86の気になるPOINT 標準デフでもドリフトできる!?

トヨタ86の全グレードに標準装備される電子デバイスがVSC。一般的には、スピン状態に陥った時にブレーキとエンジン出力をコンピュータで自動制御し、車両安定性を確保する安全装備のひとつと思われがちだ。しかし、トヨタ86の場合、駆動輪の左右の回転差を抑制する疑似LSD機能を搭載。

このLSD機能はすべてのVSCモードで作動するが、ドリフト状態に持ち込むためには、発進&加速時のホイールスピンを防止するTRC機能を停止させる必要がある。「モード5」に設定すると、標準デフでもドリフト走行が可能になるのだ。詳細はインプレッションのページを要チェック!



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