
第4戦 SUPER TEC 富士スーパー7時間レース in 富士スピードウェイ 決勝

シーズン最長の7時間レースで絶対的な速さをアピール!
第3戦もてぎからまだ1ヶ月経たない中、シリーズ第4戦が静岡・富士スピードウェイで開催された。今大会はシリーズ戦最長の7時間レースであり、さらに真夏の一戦ということもあって、とてもタフな戦いになることは容易に予測される。だが、前回のもてぎ5時間レースで3位表彰台を獲得したNo.81 GTNET ADVAN NISSAN GT-Rは、富士の一戦での勝利を目標に戦いへと挑むことにした。
- 8月11日:決勝日 / 好バトルを見せて戦いを盛り上げるも、終盤にまさかのハプニングが…
- 前日より増して暑さを感じることとなった富士スピードウェイ。強い日差しに気温もぐんぐんと上昇、午前11時の決勝スタートを前に気温は31度、路面温度においては51度まで上昇する厳しさとなった。
その中でポールポジションからスタートを切ったNo.81 GTNET ADVAN NISSAN GT-R。まずは青木がステアリングを握り、レース序盤をリードする。途中ファステストラップを刻みながら、20周を前に、2位のNo.24 GT-Rとの差を5秒以上とした青木だったが、レース開始から40分程すると、1台の車両が最終コーナー立ち上がりで停止。これを回収するためにセーフティカーが導入されることになった。チームではこれを機に、ルーティンワークを決断。青木をピットに呼び戻し、作業を完遂。そのまま青木をコースへと送り出した。同じGT3クラスでピットインしたのが81号車だけに留まったことから順位こそ後退したが、レース開始から1時間半を過ぎた頃からライバル勢がルーティンのピットインを開始。81号車は50周目を終えて再びトップに返り咲いた。
チームは69周終了で2度目のピットインを実施。青木に変わり、星野がコースへと向う。すると、目の前に立ちはだかったのが1号車のメルセデスSLS。瞬く間に1号車との差を縮め、88周目の1コーナーで逆転に成功。2位へと浮上する。さらには、トップを走っていた28号車のメルセデスSLSが単独でスピンを喫し、大きくタイムロス。このあとルーテインのピットインを行ったこともあり、81号車は午後2時、レース開始から3時間余り、95周を終え改めてトップの座についた。
その後、首位のままレース折り返しを迎えたNo.81 GTNET ADVAN NISSAN GT-R。それからほどなくしてルーティンのピットインを迎え、星野から尾本へとスイッチ。だがポツポツと雨が落ちはじめた。折しもライバルの1号車はプラチナドライバーがドライブ中。不安定な路面状況をも味方につけ、81号車はリードを奪われる。一方、一旦は小康状態になったかに思われた雨だが、さにあらず。その後、風を伴って次第に強くなり、また遠方の山間では落雷も見られるなど本格的なレインコンディションへと変貌。このタイミングでドライバー交代のためにピットインした1号車は一過性の通り雨と読んで再びスリックタイヤを装着したが、それから数周後にピットに戻った81号車はレインタイヤを選択。再びドライブすることになった青木がコースへと戻ると、その目前には1号車の姿が! スリックタイヤでコースに出たものの、雨をコントロールできなかった1号車はレインタイヤに交換するためにイレギュラーピットインを強いられていたのだ。
逆転のチャンスが巡ってきたNo.81 GTNET ADVAN NISSAN GT-R。冷静な走りで着実にその差を詰めていき、171周目の1コーナーでついに1号車をパス。雨もほとんど止み、あとはどこまで逃げ切れるのか、緊迫の戦いが続いていった。レースは5時間半を過ぎ、路面からは水しぶきもほとんど上がらなくなっている。2番手の1号車も依然として青木に喰らいつき、その差は1秒を切っている状態。ともにガマンくらべの走りを続けていたが、ひと足先にレインタイヤを装着していた81号車にとっては不利な状況であることには違いない。さらにレース終了まで1時間15分となったところで、1号車が最後のピットイン。好転したコンディションに合わせ、スリックタイヤを装着して追い上げを再開した。
No.81 GTNET ADVAN NISSAN GT-Rもライバルの動きに合わせて応戦したいところだったが、引き続き青木がグリップレベルの落ちたレインタイヤで周回を重ねている。ラップタイムも1号車に比べると2-3秒の遅れを取ってしまうのだが、依然走行を続けるには理由があった。チームでは最後のスティントで星野を投入する戦略を立てており、それまでの間、青木が81号車をコントロールしなければならなかったのだ。
結果、No.81 GTNET ADVAN NISSAN GT-Rは残り1時間を切った時点でようやくピットイン。この間、1号車にトップを譲ることになったが、スリックタイヤを装着し、コースへと飛び出した星野は1分以上あった1号車との差を見る見るうちに縮める激走を披露。このタイミングにしてファステストラップを幾度となく塗り替えるという、すごみあるパフォーマンスを見せて観客を沸かすことになった。逃げる1号車、追う81号車。7時間の長いレースは、最終盤で一番の盛り上がりを見せる形となり、チームは近づくトップ奪還を待ちわびた。ところが、220周目、チェッカーまでわずか5分となった頃、星野がドライブするGT-Rの後方から白煙が上がりはじめる。なんとドライブシャフトのトラブルが発生し、スローダウンを強いられることに。なんとかチェッカードフラッグを受けようと、星野は巧みに手負いのクルマをコントロール。3位へとポジションを下げてはしまったが、無事にフィニッシュラインを通過、タフなバトルを戦い抜くことになった。
連続表彰台を果たしたNo.81 GTNET ADVAN NISSAN GT-R。次回、岡山国際サーキットでの一戦では定評ある速さそして強さを表彰台の真ん中で証明したいと、あらためて次なるステージに挑む。
- 日付: 2013年8月11日 富士スピードウェイ(静岡県駿東郡)