トヨタ86のエンジンは、全グレード「FA20」を搭載する。ボア×ストロークは、万能型の86.0×86.0mmに設計され、総排気量は1,998cc。富士重工の水平対向4気筒DOHCエンジンにトヨタの最新直噴システム「D-4S」を組み合わすことで、自然吸気で最高出力200psを7,000回転、最大トルク20.9kgf・mを6,400~6,600回転で発生する。レブリミットは7,400回転に設定。中速トルク重視のセッティングが施され、7,000回転までスムーズに吹け上がる。
圧縮比は市販車としては高めの12.5に設定され、使用燃料は無鉛プレミアムガソリンを指定する。FA20エンジンに採用されたD-4Sは、1気筒あたり2本のインジェクターを配置し、燃料のシリンダー内への直接噴射と吸気ポートへの噴射を運転状態に応じて個別制御。高出力&大トルクを引き出すとともに環境性能も両立する。
また、ドライバーの気分を盛り上げる演出として、サウンドクリエーターを採用。インテークパイプの吸気脈動を室内に引き込みアクセル操作に連動したサウンドを奏で、スポーティな雰囲気を醸し出す。
マフラーは、メイン素材に耐腐食性に優れるステンレスを用い、メインサイレンサーはトランク下部に横置きに配置。デュアルエキゾーストパイプから排気ガスを放出する。サウンドは、低音成分を多く含んだスバル水平対向らしい音色を奏で、ノーマルマフラーのままでも十分スポーティなテイストを味わうことができる。
「RC」と「GT」グレードを比較した場合、明らかに異なるのがインテリアの質感だ。オートエアコンを標準装備する「GT」に対して「RC」はマニュアルエアコンすら装着できない設定だ。スバルBRZの廉価グレード「RA」は、オプションでマニュアルエアコンが選択できることを考慮すると残念だ。
シート形状は全グレード共通だが、表皮ファブリックの品質で差別化を図る。「RC」「G」は標準ファブリック、「GT」はツートンタイプの上級ファブリック、「GT"LIMITED"」は本革×アルカンターラを採用する。シート形状はスポーツ走行に耐えられるホールド性を確保し、低く設定されたシート高もスポーツカーらしい演出で好印象だ。ステアリング径は、トヨタ市販車最小となる365mm(R35GT-Rは370mm)に設定された。
ステアリング、シフトノブ、サイドブレーキレバーは、「RC」「G」はウレタン製で、「GT」以上は本革巻きを採用。ペダル類も、「RC」「G」は樹脂製で、「GT」以上はスポーツアルミペダルで差別化を図る。
コンビネーションメーターの基本デザインは全グレード共通だが「GT」以上のモデルはタコメーターが白文字盤になり、デシタルスピードメーターとREVインジケーターを装備。メインキーは、「RC」「G」はワイヤレスロック機能付きの通常キーなのに対し、「GT」および「GT"LIMITED"」はスマートエントリーになりエンジン始動はプッシュスタート式になる。
「RC」グレードは、前後バンパーが無塗装状態での納車になり、ホイールも唯一鉄製なので一目瞭然。ヘッドライトもLo/Hi独立式のプロジェクターを採用し、光源もハロゲンになる。「GT」グレード以上は、ヘッドライトがLEDクリアランス付きになり、Lo/Hi共用のディスチャージ式にグレードアップされる。
細かな点では、「GT」グレード以上は、フォグランプ、マフラーカッター、17インチタイヤ&アルミ、フロントブレーキローターの大径化(270mmから290mm)など、装備の充実化が図られる。
■フロントバンパー
RC
GT
■フォグランプ
RC
GT
■エンブレム
RC
GT
■ドアミラー
RC
GT
■リヤバンパー
RC
GT
■ヘッドライト
RC
GT
■タイヤ&ホイール
RC
GT
■フロントサスペンション
RC
GT
■リヤサスペンション
RC
GT
■フロントブレーキ
RC
GT
■リヤブレーキ
RC
GT