GTNETニュース :SUPER GT、無観客試合の現場で見えたもの

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SUPER GT、無観客試合の現場で見えたもの

コラム

(2020/08/01)

7月19日、待ちに待った2020年のSUPER GTシリーズがようやく開幕した。世界中のプロスポーツが大会の開催延期や中止に追い込まれ、未だに従来通りのスケジュールで実施されているものはなにひとつない。どのスポーツイベントもコロナ禍で”新しい日常”を踏まえた実施に腐心している。SUPER GTの開幕戦も無観客にて実施され、数多くのファンはテレビやネット配信による映像から熱い声援を送ることになった。サーキットに響いたGTマシンの轟音に変わりはなかったが、その様子はこれまで見慣れてきた景色とはまったく異なるものであったことに違いはない。

・規制の中で粛々と
無観客ながら7月中旬に開幕戦を迎える、とアナウンスされたのは6月上旬。この時点で当初予定していた海外戦、そして宮城・スポーツランドSUGOや岡山国際サーキット、大分・オートポリスでの開催を取りやめた。さらに、参戦チームが多く拠点を構える静岡・御殿場市からクルマでの移動が可能となる場所に限定し、富士スピードウェイ、鈴鹿サーキット、ツインリンクもてぎの3ヶ所に限って全8戦を実施することにした。

一方、サーキットに出入りする関係者にも厳しい規制が設けられた。ドライバーを含むチーム関係者はもちろん、イベントを取材するメディアにもそれが適用された。メディアとして現場で取材する人数を限定し、その上限は従来よりも大幅に絞り込まれた。SUPER GTの場合は都度多くの取材陣が現地を訪れるが、開幕戦では70人に絞り込み、許可が下りた対象者には開催の2週間前から検温および体調を報告することを義務付けた。

これまでなら大会中に実施される取材者向けのミーティングは、オンラインで実施する形に変更、可能な限り事前参加が推奨された。加えて取材におけるガイドラインなるものが配布され、取材方法としてまず各チームにコンタクトし、許可を得てから取材を行うなど、実に細かなマニュアルが用意された。

・ピットではマスク姿のスタッフが作業
取材者がマスクやフェイスシールドを身に着けて行動すると同じく、各チームのピットにもマスク姿のドライバーはじめスタッフがいた。ワンデーレースの前日、公式練習が夕方遅くに行われたが、不安定な天気で湿度が高くマスク越しでの仕事はタフだったに違いない。また、普段ならばセッションが終わるとクルマから下りたドライバーがエンジニアやメカニックと顔を突き合わせてコミュニケーションを取るのだが、今回はみなマスク姿。大声を張り上げることもなく、コンタクトを取っていた。また、ドライバーはレース前のミーティングにリモートで参加。とにかく”三密”を避ける対策があらゆる場面で目にすることになった。また、各チーム揃ってピット入りできる人数が16人に制限されていたこともあり、従来なら慌ただしくそしてにぎやかな場所であるはずが、なんとなくもの寂しい感じにも受け取られた。結果、パドックに出入りするのは限定された人数の関係者のみ。もちろん、スポンサー等のゲストもいなければ、ドライバーの横で傘をもって微笑むレースクイーンもいない。彼ら彼女らがくつろぐホスピタリティブースも設置されず、公式テストに似た雰囲気がその場にあった。

もちろん、各チームによるメディア陣の受け容れもガラリと変化した。話を聞くのはシールド越しであったり、正面を避けるだけでなく、十分な距離を取るための”創意工夫”が求められた。対面でなく、同じサーキットに居ながら、電話での取材も決して珍しいことではなかった。通常、予選、決勝後にはメディアに対して記者会見が開かれる。今回も会見こそあったが、普段よりも大きな会場が充てがわれ、入場できる人員もさらに限定。カメラマンの入場は認められなかった。質問の際は、透明のスクリーンのようなもので囲われたボックスの前に立って発言するなど、その様子は見慣れていない分、異様な感じでもあった。

・第2戦は2dayで開催へ
無観客試合がこの先しばらく継続されるSUPER GT。だが、第2戦富士大会は予選を土曜日、決勝を日曜日に行うこれまで同様のスケジュールに戻ることがこのほど発表された。公式練習も土曜日の午前中に実施されることから、各チームは走行データをもとに、午後からの予選、そして翌日の決勝レースへの準備を行うことができる。慌ただしい中で限られた準備を強いられてきたチーム、ドライバーにとっては朗報であろう。

一方で決勝スタートは従来の午後2時ではなく午後1時へと変更される。開幕戦はトヨタが投入したGR Supra勢が圧倒的な速さと強さを遺憾なく発揮し、同じく予選で速さを見せていたホンダのNSX-GT勢の追随を一切許さなかった。NSXは名称こそ昨シーズンまで同じではあるが、エンジンマウントをミッドシップ(MR)からフロント(FR)へと変更し、刷新したニューモデル。デビューウィンをかけて戦った初戦はSupraがトップ5を独占。まさに完勝の一戦だっただけに、第2戦はライバル勢がどのような反撃を見せるのかが見ものになることだろう。

開幕戦のグランドスタンドにはメインスポンサーであるオートバックスのオレンジ色の大旗が静かに揺れていたが、そこにファンの大きな声援はなかった。無観客試合で繰り広げるバトルがドライバーのモチベーションを高めることができるかは未知数だが、レースが開催できることにまず感謝し、無事に戦いを終えられるよう努めることが第一であることも忘れてはならない。

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