GTNETニュース :新燃料「e-fuel」とは?

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新燃料「e-fuel」とは?

コラム

(2020/07/23)

ガソリンエンジンから電気や水素を用いた次世代の自動車が浸透し始める中、ガソリンで動く自動車に用いる新たな燃料が注目されている。それが「e-fuel」だ。その新しい燃料の研究を、トヨタや日産、さらにホンダといった日本の自動車メーカーが本格的に始めることになるという。HVからEVへと変革が進む一方、ガソリン燃料の分野でも、新たな時代の到来が来るのだろうか。

・利用するのは再生可能エネルギー
「e-fuel」イーフューエルとは、二酸化炭素と水素の合成液体燃料のことだが、さらに条件がつく。二酸化炭素は大気中あるいは工場などで排出されたものであり、水素も再生可能エネルギーの余力電力で水から生成されたカーボンフリーのものであることが条件となる。つまり、原則再生可能エネグリーを利用して生成されなければ「e-fuel」とは言えず、二酸化炭素の排出と吸収が同じとなる「カーボンニュートラル(炭素中立という)」が実現する。

「e-fuel」はガソリン燃料に限らず、ディーゼル燃料に混合して使用ができる。このため、通常のエンジンを搭載するガソリン燃料車やハイブリッド車がこの「e-fuel」を用いれば、走行中のクルマから排出される二酸化炭素量を減らすことが可能となるため、「カーボンニュートラル」に近づけることができるというわけだ。

・なぜ、自動車メーカーが研究開発?
確かにもともと自動車にはガソリンという”燃料”が必ず必要ではあったが、各自動車メーカーが率先して天然資源の原油を加熱して搾取するガソリンの開発を担うことはなかった。だが、「e-fuel」となれば話は別のようだ。一体なぜか。

ガソリン車の生産を抑え、ハイブリッドはもとよりEVなどの新世代自動車の導入が世界中で推し進められている一方、自動車メーカーはこれまで生産してきたガソリンエンジン車の生産も継続している。しかし、いわゆる”エコカー”の基準は年々ハードルが上がっており、いっそう厳しい規制に対処した車両を開発する必要がある。だからこそ、これから主軸となる燃料として「e-fuel」の効率的な合成法や使用法などを独自に研究、開発を進め、そのデータをもとに適応性の高い車両開発を進めて行かなければならないのだ。

これまで、カーボンニュートラルを可能にしてきた液体燃料のひとつに「バイオ燃料」というものがある。少なからずとも耳にしたことがあるのではないだろうか。「バイオマス(生物体)」が持つエネルギーを利用したアルコール燃料や合成ガスを指すが、トウモロコシやサトウキビと言った比較的安価な穀物を発酵・濾過してアルコール(エタノール)を作り出し、ガソリンの代替となる「バイオマスアルコール燃料」として用いる。植物原料の燃料になるため、使用しても新たな二酸化炭素を作らないことが”カーボンニュートラル”になるのだが、デメリットとして生成にかかる時間を要することが挙げられる。一方の「e-fuel」は工場内で生成可能。”製造”する時間も短く、大量生産も可能であり、植物のように天候の影響を受けにくい。自動車メーカーは、工業的に”製造”できる点に着目したのだ。

・ガソリン車からハイブリッド、そしてEVへ
ガソリン車からハイブリッド、電気自動車(EV)と時代の流れに沿って変革は着々と進んではいるが、正直なところまだEVの車両価格は高額で、航続距離も決してまだ満足のいく数値を得ることもできていない。今もなお、様々な課題が残っており、ガソリン車からいきなりEVへスイッチしたところで、そのランニングコストも決して”お手軽”とは言えないのが事実だ。

自動車メーカーとしては年々厳しくなる二酸化炭素排出量規制にそったクルマ作りを進めていかなくてはならない一方で、ガソリン車がEVにも負けじと劣らない燃料で走行可能になるのであれば、リリースする車両をバランスよく取り揃えることも夢ではない。「e-fuel」の開発が進み、HVに適応する燃料として使用可能となれば、製造へのハードルが高いEV生産に特化する必要も少なくなるだけに、今後、自動車メーカーでは研究に余念がなくなることだろう。

欧州、とくにドイツの自動車メーカーは実用化に向けていち早く着手しており、実用化や普及拡大が現実のものになれば、エンジンはもちろんトランスミッションなどの主要部品産業の存続が可能となるだけに、メーカーがこの先どのような手を打ってくるか、見守る必要があるだろう。

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