GTNETニュース :世界耐久選手権、来シーズンは大変革の年に!?

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世界耐久選手権、来シーズンは大変革の年に!?

コラム

(2017/09/04)

今シーズンをもってWEC、世界耐久選手権から徹底することを明らかにしたポルシェ。その意向を汲む形で、このほどWECでは来シーズンに向けて新たなカレンダーを発表した。これによると、全9戦あったシリーズ戦を見直し、およそ1年半かけて全8戦を開催。2018年の4月に開幕戦を迎える戦いは、翌年2019年6月のル・マン24時間レースを最終戦に据えるとしている。ウィンターシーズンを含むイベントへと大きく舵を切るWECの狙いはどこにあるのか?

・ポルシェ撤退による影響
今年6月にフランスで行われた伝統の耐久レース、ル・マン24時間レースで辛勝ながら3連覇を達成したポルシェ。それからおよそ2ヶ月後、ル・マンを含む世界耐久選手権への参戦を今シーズンをもって終了することをアナウンスした。昨年のアウディに続き、2大ワークスが立て続けにトップカテゴリーから姿を消し、結果的に同じ土俵で戦ってきたトヨタだけが取り残される形となった。これを機に、トヨタも同カテゴリーから撤退か!? という憶測が飛び交う中、レースを主催するFIA国際自動車連盟とACOフランス西部自動車クラブが新たなる方向性をアナウンスした。

これによると、これまでプロローグという名のオフシーズンテストを経て、イギリスでシーズンの開幕となっていたが、第1戦を5月のスパ戦にし、第2戦でル・マン24時間を開催する。その後、およそ4ヶ月という長いインターバルを挟んで10月中旬に日本・富士スピードウェイでの6時間に。さらに上海戦と続くが、この4戦をもって年内のイベントはこれにて一旦小休止となる。年が変わり、2月からは毎月シリーズ戦を実施するが、現時点で2月の開催場所は未定。だが、その翌月はアメリカでの12時間レースが控えるため、場合によっては同じ北米大陸で現在も開催しているメキシコあたりが候補に上がるのではないかと推測される。シリーズはそこから再び欧州へと戻り、4月にスパ、そして6月に恒例のル・マン24時間が行われ、この大会をもって長いシーズンが完了するというプランになっている。


・主催者は「未来への移行の年」をアピール
このスケジュール変更にあたり、FIAとACOがリリースした共同声明によると、「今から5年前にWECが創立された時、耐久レースの中心であるルマン24時間レースを最終レースとする時期をずらせたカレンダーについて考慮されたことがあったが、現在までそれは可能ではなかった」とした上で、「これから先は、2018-2019シーズン、2019-2020シーズンと続いていく」としている。なお、シリーズに組み込まれたセブリング12時間は、北米での伝統的な耐久レース「IMSAウェザーテック・スポーツカーチャンピオンシップ」の一戦でもあるが、このたびの編成によって、サーキットでは土曜日にこれまでのIMSA 12時間レースを実施、その翌日の日曜日にWECとしての12時間レースを行うとしている。

大きく移行を図る背景にあるのは、やはりポルシェによるシリーズ撤退が絡んでいるといっても過言ではない。結果として、FIAそしてACOは「将来のための刺激的なビジョンを開発する機会が提供された」と受け止め、「プロトタイプとLM-GTE車両の緊迫した戦いを継続させるだけでなく、コンペティターに対して将来のための実行かつ持続が可能なビジネスモデルを提供する」方向性を見出すことになり、ひいては「カテゴリーとして変革のステップを加速させることになった」としている。


・注目のLMP1はハイブリッド搭載を問わないクラスに
暫定カレンダーを発表した一方、LMP1のレギュレーション変更は急務。おおよその変更点が一部明らかになったが、今後詳細の調整が必要になるとしている。これによると、これまでP1クラスはハイブリッド搭載/非搭載でクラス分けしていたが、今後はひとつのクラスになる。非搭載クラスが、搭載クラスと同等のレベルに整えなければならないが、これによりP1クラスの参入を促すのが狙いと思われる。また、搭載エンジンの種類を問わず、同じ性能を持つよう施策を用いるとしている。また、経費を押さえるために変更されたレギュレーション下で2シーズンを戦うとしている。

結果、今年のル・マンでアナウンスされていた2020年に向けたLMP1クラス規約は、変更を強いられることになる。これまで最先端の技術投入を歓迎し、ワークスチームの存在意義を明確にしていたが、そのワークスチームが次々と撤退した以上、天井高の技術投資からは一旦距離を置き、再びリーズナブルな予算での参戦可能なレースとして見直しを図ろうとしているのだ。これにより、メーカーではなく、いわゆる”レース屋”が再びトップクラスで日の目を見ることになる日も遠くなくなった。

原点回帰と言い切るにはまだ気が早いのだろうが、今年のル・マンでは、最先端のテクノロジーによってレースを制することの難しさがクローズアップされ、その一方で、LMP2、そしてGTEクラスで繰り広げられた強烈なバトルによって耐久レースの真髄が改めて注目されたのは記憶に新しい。来シーズンから歩もうとするWECの在り方が、しばし忘れていた”あるべき姿”によって次なるステージへと道を切り開いていけるのか否か。今後の行方が気になるところだ。



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