GTNETニュース :円高ショック!? 自動車メーカー6社が減収に

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円高ショック!? 自動車メーカー6社が減収に

コラム

(2017/05/18)

海外旅行ともなると出発前に一喜一憂するのが為替レート。お土産はもちろん、気になるブランド品をターゲットにしているツーリストなら、ちょっとした話のタネにもなるだろう。だが、それが会社の収益ともなれば、話はそう単純なことではない。このほど2017年3月期決算が出揃った自動車メーカーは、円高が影響し、売上高減収となった。

・前年より1ドルあたり12円円高が影響
今月12日に出揃った自動車大手7社の2017年3月期決算(2016年4月1日から17年3月31日)。前年比では7社のうち、6社が円高で売上を減らす結果となった。7社とは、売上高の高い順にトヨタ、ホンダ、日産、スバル、マツダ、スズキ、三菱自動車を指すが、この中で売上高が増加したのはスバルのみ。一方で、スバルは純損益で同比35.3%の大幅減を記録。そのスバルに加え、トヨタ、マツダも減益。三菱は燃費不正問題が決算期に含まれており、大幅な赤字を計上している。

今回の結果の背景にあるのは、ズバリ円高。前年は、いわゆる「アベノミクス」による円安が追い風となり、その恩恵を受けた形で利益を計上することができた。だが、為替の変動として、前年より1ドルあたりおよそ12円前後の円高になったことが大きく響いた。トヨタを例に挙げると、売上高が前年比2.8%減の27兆5971億円。営業利益は30.1%減の1兆9943億円、純損益で見ると同比20.8%となる1兆8311億円だった。その結果が5年ぶりとなる減収減益。これは、東日本大震災の影響を受けた2012年3月期以来のことだ。これに対し、同社の販売台数に目をやると、同比1.6%増となる1025万台を記録。2年ぶりの更新となる過去最高販売数にあたるが、ここでネックとなったのが為替レートだった。同社の場合、対米ドルで1円円高になれば、営業利益が400億円減になると言われている。それが今期は12円円高なのだから、たとえ台数が増加しても円ベースでの計上は減少となるだけになんとも頭の痛い話と言えるだろう。

一方で明るいニュースもある。確かに円高傾向によって輸出採算は悪化を辿っているが、海外における日本車需要は安定しており、むしろ堅調傾向にある。ちなみに、17年3月期の輸出台数(乗用車のみ)は7社合計で前年比3.4%増となる413万台を記録。これは6年ぶりの高水準に該当する。事実、三菱を除く6社において世界販売台数は過去最高となった。


・好景気のアメリカ、日本車の売上に影響は?
各社は、来期(18年3月期)においても円相場は依然として円高方向にあると読み、レートは現時点で1ドルあたり105~110円で想定している。スバル、マツダ、スズキの3社は来期予想として純損益が改善すると予想を立てたが、残る4社は引き続き来期もマイナス影響が出るという見通しを示した。ちなみにトヨタが発表した業績予想では、1ドル105円想定の下、販売台数は前年とほぼ同水準を計画してはいるが、売上高として前年比0.4%減、営業利益を同比19.8%減、純損益においては同比18.1%減になると見込んでいる。

予想とはいえ、2年連続の減益になるだろうと発表したトヨタの場合、現在販売されている車両のうち、およそ8割が海外で販売されており、そのうちおよそ3割がアメリカに該当する。アメリカでの販売台数は、地元メーカーのGM(ゼネラル・モーターズ)、フォード・モーターに次いで3番手のシェアを誇る。また、アメリカで販売される車両のうち、およそ4分の1が日本からの輸出車でもある。このまま円高が継続されれば、計上利益へのマイナス影響も続くと考えられるが、さらに“アメリカで売れるクルマ”という点において別の向かい風も吹いている。

続く原油安を味方に、もともとアメリカで根強い人気を誇る大型SUVやピックアップトラックの購買熱が再燃。“エコ”に強いトヨタにとっては、大きなライバルが再び目の前に立ちはだかったようなものだ。さらには今年新たに就任したトランプ大統領による発言力が与える影響も少なくないだろう。経費削減を考え、メキシコなどの国外で工場設立を予定していたアメリカ企業を叱責し、声高に「アメリカ・ファースト」を唱えて雇用拡大に圧力をかけている大統領だけに、アメリカで工場を構えるトヨタへ要求するハードルが高いのも当然のことだ。

これまで優れた技術力をもとに、高い信頼性を誇る乗用車を生み出してきた日本の自動車メーカー。この先、エコカーはもとより加熱する自動運転技術の開発競争、さらにはもともとは門外漢だったIT企業やベンチャー企業といった異業種の新参メーカーによる車両開発、販売競争にも目配りする必要が出てきた。「ナンバーワン」ではなく、「オンリーワン」としての強みをどのような形で構築していくのか、次世代の自動車産業における成長のカギを握ることになるだろう。



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