スポーツカー専門店
GTNET

GTNET

GTNET English GTNET MENU
コラム(2025/10/28)
このほど、ホンダが新基準原付車両「新スーパーカブ」を発表した。従来の原付き車両とは異なり、今年4月から導入された新基準に沿った車両開発を進め、スタイリッシュな一台としてリリースされた。自動車免許所有者が運転できる”新たな原付き”とは、いったいどういう車両なのか。

・新基準に合わせ、110ccモデルをラインアップ
ホンダが製造する2輪「カブ」。スクーターが台頭するはるか前に誕生した歴史ある小型オートバイだ。誕生したのは1958年と早く、なかでも50ccエンジンを搭載した「スーパーカブ50」は、郵便物や新聞を配達するオートバイとして街中にあふれていたことは記憶に新しいし、今もなお現役として走っている。もちろん、外回りの営業用、または通勤用として利用するユーザーも多く、なんといっても燃費の良さと高い耐久性、信頼性などがカブの人気を下支えしたと言ってもよいだろう。初代モデル誕生から59年後にあたる2017年には、世界生産累計1億台を突破。単一のシリーズ車両として世界初の快挙として知られている”名車”だ。

しかしながら、今年4月に原付免許の新基準が導入されたことを受け、現行車両の生産、販売が不可能に。これは、今年11月から施行される新たな排ガス規制に関係があるのだが、いずれにせよ新たな基準に適応した50cc小型バイクの製造が求められることになった。ただ、総排気量を替えずに新たな排ガス規制をクリアする車両を作るのは至難の業。結果、ホンダに限らずスクーターを製造、販売してきた他社も生産を断念。ホンダとしてもこれまで長らく人気を誇ってきた50ccのスーパーカブの生産終了を決定。昨年12月にファイナルモデルの販売を終えている。

一方、新基準導入にあたり、原付免許証の内容も刷新された。これには二輪業界の強い要望があったとされている。結果、これまで総排気量50cc以下の車両のみ運転できたものが、新基準では「総排気量50cc超125cc以下かつ最高出力4キロワット以下」という内容に改められた。この基準を満たすオートバイであれば、原付き一種免許で運転が可能になったのだ。通常、総排気量50cc超125cc以下という条件だけならば「原付き二種」扱いになるのだが、「最高出力4キロワット以下」という基準内であれば原付き一種で運転が可能。ここに目をつけ、新たな車両開発に着手して生まれたのが新モデル。同社では「スーパーカブ110 Lite」、「スーパーカブ110 プロ Lite」、そして「クロスカブ110 Lite」を発表するに至った。

・新基準に合わせ、”カッコよさ”を追求
このたび発表された新車はいずれも総排気量110cc。同社によると、従来の基準車種と比べても取り回しは変わらないとのこと。だが、110ccエンジンに合わせた最高出力によってよりスムーズな加速が実現しているという。今回お披露目されたスーパーカブ110 Liteは、税込み34万1000円、スーパーカブ110 プロ Liteが同38万5000円、クロスカブ110 Liteは同40万1500円となっており、それなりの価格帯ではあるが、”丈夫で長持ち”のカブゆえに、生活、そして仕事の足としてこの先も活躍するに違いない。

なお、新たな「スーパーカブ」の発売に合わせ、踏み台があるスクータータイプの「Dio」もリリースするとのこと。従来のスクーターをよりカッコよく仕上げた一台であり、これならタウンユースの需要も高まりそうだ。Dioライトは税込み23万9800円となっている。

近年はスクーターに代わり、電動アシスト自転車、電動キックボードなどが台頭しているのも事実。市中に出かける際にはヘルメット着用が必要であり、駐車場の確保も容易ではないなど、さまざなハードルによって原付きが敬遠されていることがわかる。他のライバルメーカーからは、まだホンダのように具体的な製品のリリースも聞こえてはこない。

新たな「カブ」が進む道のりは、これまでとは異なる景色となりそうだが、乗り物好きの食指が動くかどうか、まずは注視したいところだ。

2023年のニュース

2022年のニュース

2021年のニュース

2020年のニュース

2019年のニュース

2018年のニュース

2017年のニュース

2016年のニュース

2015年のニュース

2014年のニュース

2013年のニュース

2012年のニュース

2011年のニュース

2010年のニュース

2009年のニュース

2008年のニュース

年のニュース