ル・マン24時間レース、8号車トヨタがハットトリック達成! 詳細ページ(17194) - イベント・レースレポート

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ル・マン24時間レース、8号車トヨタがハットトリック達成!




心配された雨もなく、無事に24時間の戦いが行われた第88回ル・マン24時間レース。コロナ禍で従来の6月開催から9月へと延期され、さらに無観客での一戦となったが、その中でレース序盤からトップを奪取したTOYOTA GAZOO Racing8号車トヨタTS050がトップの座を守り切り、そのままチェッカーを受けて優勝した。8号車は2018年からの3連覇を達成。ハットトリックが実現している。
 

8号車のドライバーは、S.ブエミ、中嶋一貴に加え、今シーズンからポルシェからLMP1に参戦していたB.ハートレーが新しく加入。予選は3番手に甘んじた上に、スタートから1時間も経たないうちに左リアタイヤがパンクしてイレギュラーピットイン。タイヤ交換を余儀なくされた。だが、トップを走る7号車のマイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ-マリア・ロペス組の7号車との差を最小限に留めて2位の座からしぶとく周回を継続する。
 

一方、ル・マンウィークを迎えてからすごぶる順調だった7号車。新たなレーススケジュールとして導入された”ハイパーポール”でアタックを担当した小林は、自身の持つコースレコード更新を目指して疾走。タイムこそ更新できなかったが、ポールポジションをしっかり手中に収め、次なる目標をレースでの勝利に定め直した。ところが、レースの折返しを過ぎてすぐ、7号車に魔の手が忍び寄る。ターボトラブルが発生し、イレギュラーピットイン。修復作業におよそ30分を要してコース復帰後はクラス4位からの猛追を強いられた。
 

漆黒の闇から夜明けを迎えたル・マン。トップ8号車、さらには追い上げを続ける7号車はともに安定の走りを見せるが8号車のポジションは4番手のまま。2、3位を走るリベリオン・レーシング1、3号車のトラブルフリーの力走に逆転のチャンスはなかなか訪れなかった。だが、そこはル・マン。開始から18時間を過ぎ、2位走行中の1号車がメカニカルトラブルにより緊急ピットインとなり、3号車が2位へ上がり、1号車は3位に後退する。
 

一方、トップ8号車はその後も快走を続け、そのうしろ、リベリオンは1号車が2位へと復帰、3号車が3位となりレースは22時間が経過した。だが、残り1時間強の時点で今度は3号車にトラブルが発生。インディアナポリスでコースアウトを喫し、そのままピットイン。結果として7号車が3番手まで返り咲くことになる。
 

レースは、チェッカーまで残り35分の時点でセーフティカーがコースインするなど、終盤になって落ち着かない展開が続いた。結果、各クラスとも積み重ねてきた各車のマージンが消滅。幸い、トップ8号車は2位1号車との差を5周まで広げていたことから大きな影響はなく、3位まで浮上した7号車も3号車との攻防戦のチャンスを手に入れ、最後には貴重な表彰台の一角をもぎ取るこに繋がった。
 

387周を走破した8号車は3連覇を達成、その中で中嶋一貴は日本人最多勝利の記録をまたひとつ伸ばした。また、満身創痍ながら3位入賞を果たした7号車。トップ8号車からは6周遅れではあったが、2台のトヨタが1、3位で表彰台に上がっている。
 

ラスト20分を切り、トップ争いが激化したのがLMP2クラス。トップのユナイテッド・オートスポーツ22号車はラスト10分の時点で給油のためにスプラッシュのピットインを強いられ、2位JOTA38号車との差は45秒強からわずか6秒の僅差へと縮まった。残り8分にトップの座が入れ替わるか否か…。緊迫の展開の中、なんと今度は38号車がピットイン。22号車同様、こちらもスプラッシュで給油を実施。22号車が辛くも逃げ切っている。
 

今大会でも24時間四六時中激しいポジション争いを続けていたGTEクラス。Pro、Amクラスともにルーティンのピットワークごとに順位を入れ替える展開を繰り広げた。そんな中、Proクラスでは、開始から18時間後、日が昇った頃にクラストップにつけたアストンマーティン・レーシング97号車がそのままトップを死守。それまでトップにつけていたAFコルセ51号車も2番手から逆転を伺ったが、結局最後は1分半以上の差まで広がることとなった。一方、トップ3の座を巡る攻防戦が続いたAmクラス。つねにトップ3に居続けたTFスポーツ90号車がもっとも安定構築。トップチェッカーを受けることになった。
 

3連勝を果たした中嶋一貴。今回の勝利について「運もあった」と言いながらも「トップに立ってからは自分たちもいい仕事仕事ができたし、やった仕事にも満足している。TS050にとって最後のル・マンだったので、有終の美を飾らなければいけなかった」とプレッシャーある中で成し遂げた偉業に対し、静かに喜びを噛み締めていた。
 

ル・マン24時間レース決勝結果(総合トップ3および各クラストップ)

<LMP1>
1.No.8 トヨタTS050ハイブリッド(S.ブエミ/中嶋一貴/B.ハートレー組)387周
2.No.1 レベリオンR13・ギブソン(B.セナ/N.ナト/G.メネゼス組)382周
3.No.7 トヨタTS050ハイブリッド(M.コンウェイ/小林可夢偉/J-M.ロペス)381周
 

<LMP2>
No.22 ユナイテッド・オートスポーツ(P.ハンソン/F.アルバカーキ/P.ディ・レスタ組)370周
 

<LMGTE-Pro>
No.97 アストンマーティン・レーシング(M.マルタン/A.リン/H.ティンクネル組)346周
 

<LMGTE Am>
No.90 TFスポーツ(S.ヨルック/C.イーストウッド/J.アダム組)339周
 

TEXT : Motoko SHIMAMURA
 

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