止まぬ雨、霧にも悩まされ、レースは赤旗にて終了 詳細ページ(11858) - イベント・レースレポート

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止まぬ雨、霧にも悩まされ、レースは赤旗にて終了




10月15日、富士スピードウェイにおいてWEC・世界耐久選手権レース第7戦「6HOURS OF FUJI」の決勝レースが午前11時にスタート。だが、終始降り続く雨にセーフティカーランや時には赤旗中断となる荒れた状況となり、実際にはレースらしい展開にならなまま時間が経過。最終的に開始から4時間半が経過した午後3時30分に2度目の赤旗となり、およそ1時間20分に渡って中断した。そんな中、最終的には残り10分で再開とアナウンスされたが、日没を過ぎたサーキットではコンディションの悪化に抗えず。結果、コース上で待機していた車両がセフティカーの先導を受けてコースを周回してレースは終了。先の読めない天候に翻弄される形で富士での戦いは幕を下ろすこととなった。

 

レースウィーク中、雨模様となった富士スピードウェイ。決勝日は早朝から細かな雨が降り続き、気温が上昇するとたちまち霧が立ち込めるという悪循環になる。気温14度、路面温度16度、細かな雨ながらしっかりと降り続く雨の中、午前11時のスタート前に、レースはフォーメーションラップスタートに代わってセーフティカー先導によるスタートが決定。富士スピードウェイに終結した26台の車両は、メインストレートを蛇行しながらタイヤを温め、レーススタートとなる”その時”に備えた。結局、セーフティカーランは4周に渡って行われ、その翌周はコースの一部にスローゾーンが設定される状況となったため、実際のレースモードは6周目からとなった。


雨の中、安定したペースでレースを牽引するのは、ポールポジションスタートの2号車ポルシェ。そこに予選3、4番手の8号車、7号車のトヨタ2台が食い込み、予選2番手の1号車ポルシェは4番手へドロップ。今回、2号車がトヨタの前でゴールすればシリーズチャンピオンが決定するため、トヨタ勢としては是が非でも阻止したい。その思いがまず形となる。一方のポルシェもポジションを落とした1号車が2号車を援護射撃すべく、早くポジションを取り戻したいところ。その後、13コーナーで8号車と1号車が軽く接触。結果、1号車は右フロントのフラップを失うダメージを負ったが、しぶとく走行を続け、22周目には前を行く7号車を果敢に攻め立て、13コーナーからパナソニックコーナーへ。2台はサイド・バイ・サイドの状態で最終コーナーを立ち上がり、メインストレートで先行した1号車に軍配が上がった。だが、それからほどなくして雨脚が強まったことを受け、開始から50分後にセーフティカーがコースイン。ピット作業が可能となった時点で1号車はルーティンのピット作業を実施。タイヤ交換、給油、ドライバー交代のフルサービスに加え、損傷していたフロントカウルも交換した。1号車がコース復帰後、ほどなくして霧がさらにひどくなったことから、12時17分に赤旗が掲示され、セッションが一時中断する。


この時点でトップは2号車。しかし、ライバル達が最初のピットインを32〜33周終了時点で済ませている中、2号車はまだ作業を終えていない状態。結果、レース再開となった12時50分、レース開始から40周終了時点で2号車が最初のルーティンワークを済ませてコースに復帰すると、トップを走る8号車から1ラップダウンになってしまった。その後、雨量が増えたコースでは、トップが56周目を走行中に2度目のセーフティカーランへ。そのタイミングで1号車と7号車がルーティンのピットワークで同時にピットイン。ドライバー交代と給油でコースに復帰したが、7号車は車両のワイパーが動かないトラブルに見舞われたこともあり、ステアリング交換の作業を強いられ、2分12秒と予定以上のタイムロス。順位もトップの座を1号車に譲ってしまった。


レースは開始から3時間を過ぎた79周目、3度目のセーフティカーがコースイン。およそ30分後にはリスタートが切られたが、すぐさまLMP2車両がスピンの末にタイヤバリアに追突。コース上にデブリが散乱。結果、間髪おかず4度目のセーフティカーランを招いてしまった。さらにこのタイミングに合わせて雨脚が強くなり、トップを走る1号車とこれを負う7号車との差がじわりじわりと縮まっていく。結果、リスタートを迎えた14時47分、94周終わりで再開した直後、1号車はTGRコーナーから2コーナーにかけて2台のトヨタから猛追を受け、逆転を許してしまい、トヨタ2台がレースを牽引する形に代わってしまった。


今回、レインタイヤの温まりに手こずったポルシェ勢に対し、トヨタはコンディションを味方につけた走りを完遂。しかし、降り続く雨の中で1号車も負けじと前を走る7号車を猛追。逆転まであと一歩に迫ったが、15時18分にまたも5度目となるセーフティカーが導入され、さらに深くなった霧の影響で2度目となる赤旗中断が15時半に掲示されてしまった。これより前に3度目のルーティンワークを終えていたトップ7号車に対し、2番手につけていた8号車は、変則的なルーティンでピットインのタイミングを先延ばしにずらしていたことから、思わぬ形でトップの座が転がり込むことになった。


なお、2度目の赤旗中断を挟み、再びレースが動き出すまでに要した時間はなんと1時間20分。コース上に待機し続けた車両にドライバーが乗り込み、午後4時50分にリスタートするというアナウンスが出された。だが、実際にはセーフティカー先導によるパレードラップに留まり、レースはこれにて終了。日本で最後となるポルシェとトヨタによるガチバトルは決して存分なものではかったのが惜しまれるが、トヨタは、第2戦スパ・フランコルシャン以来のワン・ツーフィニッシュ、そしてホームサーキットでの2連覇を果たして今シーズン3勝目を達成。富士戦での抜群の勝負強さを証明してみせた。


■WEC第7戦富士・決勝結果(各クラスTOP3)
・LMP1
1.No.8 トヨタTS050ハイブリッド(S.ブエミ/A.デビッドソン/中嶋一貴)113Laps 4:24’50.950
2.No.7 トヨタTS050ハイブリッド(M.コンウェイ/小林可夢偉/J-M.ロペス)+1.498
3.No.1 ポルシェ919ハイブリッド(N.ジャニ/A.ロッテラー/N.タンディ)+2.272

・LMP2
1.No.31 オレカ07・ギブソン(J.キャナル/B.セナ/N.プロスト)110Laps
2.No.36 オレカ07・ギブソン(N.ラピエール/G.メネゼス/A.ネグラオ)+1.389
3.No.38 オレカ07・ギブソン(H-P.タン/O.ジャービス/T.ローレント)+2,170

・LMP-GTEプロ
1.No.51 フェラーリ488GTE(J.カラド/A.P.グイディ)109Laps
2.No.91 ポルシェ911 RSR(R.リエツ/F.マコウィッキ)+0.968
3.No.92 ポルシェ911 RSR(M.クリステンセン/K.エストル)+3.449

・LMP-GTEアマ
1.No.54 フェラーリ488 GTE(T.フロー/F.カステラッチ/M.モリーナ)107Laps
2.No.61 フェラーリ488 GTE(W-S.モク/澤圭太/M.グリフィン)+1.137
3.No.77 ポルシェ911RSR(991)(C.リード/M.カイローリ/M.ディエンスト)+1’31.104

 

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