WEC富士決勝、終盤の大接戦を6号車トヨタが制し、今季初勝利! 詳細ページ(11023) - イベント・レースレポート

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WEC富士決勝、終盤の大接戦を6号車トヨタが制し、今季初勝利!




10月16日、前日に引き続き、爽やかな秋晴れに恵まれた富士スピードウェイ。午前11時に幕を開けた6時間レースは、終盤に入って大接戦の様相を見せ、文字どおり手に汗握る展開を繰り広げ、決勝を見届けた3万3千人近い観客を興奮の渦に巻き込むこんだ。そんな中、頂点に立ったのは、予選4位からスタートを切ったNo.6 トヨタTS050ハイブリッド(ステファン・サラザン/マイク・コンウェイ/小林可夢偉組)。トヨタチームにとって待ちわびた今季初勝利をホームコースで果たすこととなった。

きれいに雪化粧した富士山の姿はなかったものの、4日間、安定した天候に恵まれた今大会。ポールポジションのNo.8 アウディR18のスタートドライバーはジャービス。オープニングラップから攻めの走りで後続との差を引き離しにかかった。2番手にはNo.1 ポルシェ919ハイブリッドのウェバー。そして3番手は6号車トヨタの小林可夢偉がジャンプアップし、ポジションアップを狙う走りを続けた。

レースはまず、序盤の17周目に7号車アウディが緊急ピットイン。ハイブリッドシステムに支障があるとし、長い時間修復作業に入った。その後、コースに復帰するも、その後、再びピットへとクルマを戻し、2時間を超えた時点でレースをリタイヤ。ブノワ・トレルイエやアンドレ・ロッテラーなど、日本のレースファンになじみあるドライバーがドライブするクルマだっただけに、残念な結果となっている。

レースウィークを通して、気温が一番上昇したこともあってか、ルーティンワークでは燃料補給だけでなく、最初からタイヤ交換作業を行なうチームが多く、作業時間を要することから、これに併せてドライバー交代までも行なうケースがほとんど。結果、その作業時間のチームによる所要時間の差によって、少しずつ各車ギャップが生まれることに。そんな中、トップ8号車のアウディはその作業でミス。その次の作業ではノーミスを意識して慎重になったことで、ライバルよりも余計に作業時間がかかってしまった。耐久レースとはいえ、スプリント並の接戦、しかも、ノーミスが大前提という状況において、8号車のタイムロスはいわば致命傷だった。結果、レースを半分消化した時点で、着実、かつ安定した速さを見せていた6号車が、ついに総合トップへと躍り出る。だが、粘る8号車とその後はコース上でのバトルを繰り広げ、抜きつ抜かれつの丁々発止になった上、さらにその真後ろには1号車ポルシェが忍び寄るという三つ巴の状態に。これでトップ争いの3台がおよそ2秒の中にひしめき合う展開となり、勝負の行方が俄然わからなくなってくる。

レースは残り時間2時間を切り、依然として8号車がトップを死守。2番手に6号車がつけ、5回目のピットインを迎えた時点で可夢偉がスティントを担当。一方、8号車はそれよりも早いタイミングからデュバルがステアリングを握り、ダブルスティントを敢行し、さらにプッシュの走りを見せる。実のところ、8号車はライバル達よりも早めのタイミングでピット作業を繰り返していたことで、終盤、ライバルよりも多い燃料補給を行なう必要があった。つまり、ピットでの作業時間がかかることから、なんとしてもタイムを稼ぎたいところ。しかし、猛追する6号車は、可夢偉が2度目のスティントに入った際、タイヤ無交換の策を取った。「タイヤを換えないのであれば、10秒稼ぐことができる」というチームの判断を遂行、チームとして勝つための強行策を選択することとなった。結果、ピット作業時間を短縮したことが奏功することになる。

対抗する8号車アウディは、最後のピット作業でニュータイヤを投入。ステアリングを握ったデュバルがファステストラップを叩き出す渾身の走りを見せ、周回ごとにタイムを着実に削り取っていく。セミファイナルラップを前にして、2台の差は僅か2秒を切り、まさに一触即発のトップ争いを繰り広げることになったが、「ここで勝たないとどこで勝つのかと思っていた」とレース後に振り返った6号車可夢偉が、見事に凌ぎ切って、チェッカー! トヨタ車として、2014年同シリーズ第7戦バーレーン以来となる勝利にチームピットが沸き立った。なお、今シーズンでレースからのリタイヤを表明していたウェバーがラストランを担当した1号車。ニュータイヤ投入で、2位浮上を狙ったが、終盤に空力面でのトラブルを抱えることになり、惜しくも逆転ならず。3位でチェッカーを受けている。

 

決勝結果(トップ6および各クラストップ)


1.No.6 トヨタTS050ハイブリッド(ステファン・サラザン/マイク・コンウェイ/小林可夢偉組)6:00’37.284  244L
2.No.8 アウディR18(ルーカス・ディ・グラッシ/ロイック・デュバル/オリバー・ジャービス組)+1.439
3.No.1 ポルシェ919ハイブリッド(ティモ・ベルンハルト/マーク・ウェバー/ブレンドン・ハータレー組)+17.339
4.No.5 トヨタTS050ハイブリッド(アンソニー・デビッドソン/セバスチャン・ブエミ/中嶋一貴組)+53.779
5.No.2 ポルシェ919ハイブリッド(ロマン・デュマ/ニール・ジャニ/マルク・リーブ組)1Lap
6.No.13 リベリオンR one AER(マテオ・タッシャー/アレキサンドレ・インペラトーリ/ドミニク・クライハマー)


LMP2
1.No.26 オレカ05ニッサン(ルシノフ/ブランディール/スティーブンス組)223L

GTE PRO
1.No.67 フォードGT(アンディ・プリオール/ハリー・ティンクネル組)212L

GTE AM
1.No.98 アストンマーチンV8バンテージ(ポール・ダラ-ラナ/ペドロ・ラミー/マティアス・ラウダ組)208L

 

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