第8戦富士、No.36 au TOM’S GR Supraが鮮やかな逆転勝利でチャンピオンに! 詳細ページ(18607) - イベント・レースレポート

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第8戦富士、No.36 au TOM’S GR Supraが鮮やかな逆転勝利でチャンピオンに!




11月28日、静岡・富士スピードウェイにおいて2021年SUPER GTシリーズの最終戦が開催され、予選4番手からスタートを切ったNo.36 au TOM’S GR Supra(関口雄飛/坪井 翔組)がレース中盤を前にトップに立つとそのままチェッカー! 今シーズン初優勝を飾るとともに、タイトル争いでもランキング5位から一気にジャンプアップを果たし、関口&坪井選手にとって初となるSUPER GTチャンピオンの栄冠を手にすることとなった。
 

予選日よりも暖かな日差しに恵まれた富士スピードウェイ。午後1時の決戦を前に、気温12度、路面温度23度のコンディションとなったが、各車は寒さを感じる晩秋の天候に気を遣いながらバトルに挑んだ。2周のフォーメーションラップを終えると、まず予選3番手のNo.37 KeePer TOM’S GR Supra(平川 亮/サッシャ・フェネストラズ組)をパス、さらにダンロップコーナー立ち上がりでNo. 1 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組) と並走に持ち込んでそのまま13コーナーへ向かうと、アウト側から逆転。オープニングラップを2位で終えた。一方、3周目にはGT500同士による接触が発生。最終コーナーで追い上げ中のNo.17 Astemo NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット組)がNo.12 カルソニックIMPUL GT-R(平峰一貴/松下信治組)のインに飛び込んだことで2台は接触したが、そのとばっちりを受けたのが、No.19 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋組)が巻き込まれ、後続の車両にもポジション変動の影響が与えられた。
 

その中でもトップ3台_ポールポジションスタートのNo.14 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太組)、36号車、37号車の3台、そしてチャンピオンがかかるNo. 1 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組) はポジションキープで走行していたが、その中でGT300クラスの2台がダンロップコーナーで接触。車両回収が必要となり7周目からセーフティカーが導入されたが、12周終了をもってリスタートとなる。すると、1コーナーへの進入めがけ、36号車は14号車へとアプローチ、イン側に飛び込んで逆転を果たしてトップをもぎ取った。また、これに倣うかのように3番手走行中の37号車がヘアピンで進入で14号車をパス。この時点でトムスによる”ワンツー”体制が出来上がった。逃げる36号車に対し、2番手の37号車は、3番手14号車と”付かず離れず”の状態で周回。一方、4番手走行の1号車はこのオーダーでレースを終えるとタイトル確定というコンディションにつき、敢えてリスクを負わずに走行を続けている様子だった。
 

レースは周回数の3分の1を過ぎ、ルーティン作業のピットインが22周終わりから始まる。上位陣では1号車を筆頭に、タイトル争いで追随するNo. 8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺組)、計4台がピットイン。1号車が31.8秒という鮮やかなピット作業を果たす一方、追う側の8号車は43.3秒と大きくタイムロス。コース復帰を果たすと大きくポジションを落とすこととなり、タイトル獲得の足元が揺らいでしまう。その後、他車も続々とルーティン作業を消化。32周終わりで全車両がドライバー交代を終え、33周から改めて36号車を先頭に激しいポジション争いが始まった。
 

レース3分の2を終えた時点でトップ36号車は2位14号車に対して、およそ2秒7のマージンで周回。一方、3位37号車と4位1号車は12秒以上の差がつき、1号車の背後にはNo.38 ZENT CERUMO GR Supra(立川祐路/石浦宏明組)が迫る。そんな中、メインストレートのデブリ(落下物)回収のため、48周走行時にフルコースイエロー(FCY)が発動されたが程なく解除。改めてレース終盤へと向かうなかで、まさかの展開が訪れる。
 

51周目、1コーナーでクラスチャンピオンをかけて激しくポジション争いを繰り広げていたGT300車両の1台がブレーキングミスでオーバーラン。その勢いであろうことか、1号車に接触してしまう。まさかのハプニングを被った1号車は右フロントを破損。走行継続が難しい状態となり、ピットのクルマを戻してしまった。ガレージの中で慌ただしく修復作業が行われ、のちにコース復帰を果たしたものの、すでに大きく周回遅れとなっており、連覇の可能性がほぼ消滅してしまう。一方、コース上では、ほぼ同じタイミングで37号車が14号車から2番手を奪取。再びトムスがワンツーを構築、この流れのままレースは終盤に向かう。
 

逃げる36号車と追う37号車にはすでに5秒以上の大差がついており、逆転には至らない。一方、ポイント圏外で走行する1号車に対し、ランキング2位の8号車は一時5番手までポジションを上げたが、逆転チャンピオンを実現するには3位以内のチェッカーが条件であり、快走を続けるGR Supraの牙城を崩すのは難しい状態。さらに終盤になって後続車に先行を許すこととなり、流れとしては36号車の大逆転王者の可能性が濃厚となる。結局、36号車がこのまま順調に周回を重ねてトップチェッカー。今シーズンの初勝利を果たすとともに、大逆転でのシリーズチャンピオンとなった。2位には37号車、3位には14号車が続き、GR Supra勢がトップ5を締める形で最終戦を終えている。なお、シリーズランキングは36号車に続き、8号車が2位に。3位1号車は8号車と同ポイントを獲得したが、優勝回数で勝る8号車がランキングで上回ることとなった。
 

GT300クラスは、クラスポールスタートのNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組)がホールショットをキープ。ランキング争いでもトップを走る61号車だったが、予選3番手スタートのNo.60 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT(吉本大樹/河野駿佑組)がじわりじわりと詰め寄り、まず予選2位のNo.52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰組)をパスすると、7周目に起こったアクシデントを受けて導入されたセーフティカーを利用し、トップ61号車の背後から逆転のチャンスを伺いながらテール・トゥ・ノーズの状態へと持ち込んでいく。そして、23周目の1コーナーでインを突いてついに61号車を逆転する。一方、これに先立ち、上位争いをする中からルーティンのピットインを行うチームが出現。アンダーカットを意識した戦略を見せる。その後、トップの2台はまず61号車は27周を終えて、そして暫定トップの60号車はその翌周にピットイン。まだピットインを終えていない車両も多かったが、52号車が事実上のトップとして周回を重ね、これに60号車、65号車、4号車と続いたが、逆に61号車はNo.88 JLOC ランボルギーニ GT3(小暮卓史/元嶋佑弥組)にも先行を許し、6番手までポジションを落としてしまった。
 

するとタイトル争いをするライバルたちが背後から躍進。No.55 ARTA NSX GT3(高木真一/佐藤 蓮組)、さらにNo.56 リアライズ 日産自動車大学校 GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組)と続き、タイトルが絡んだ三つ巴となった。一方、レースはコース上のデブリを取り除くためにFCYが導入され、ほどなく解除されたのだが、GT300クラスが48周目の1コーナーへと向かう中、激しいポジション争いを繰り広げていた61号車と55号車のうち、55号車がレイトブレーキングで勝負に出る。ところがアウト側に膨らみまさかの接触。しかもその相手がGT500でランキングトップの1号車であったことから、コース上に激震が走った。なお、GT300クラスの争いは61号車がそのまま周回を続け、55号車の背後にいた56号車が7番手にポジションを引き上げた。
 

その後、上位グループはポジションを換えることなく周回を重ねていたが、51周目の最終コーナー立ち上がりで、トップの52号車がまさかのスピン。事前に他車と接触し、左リヤタイヤの空気が抜けてしまったことによるものだった。さらにその後3番手に浮上していた88号車も53周目にタイヤトラブルに見舞われポジションダウン。慌ただしく上位陣にアクシデントが続き、60号車が代わってトップに立ち、2位にいち早くピット作業を終えて周回を重ねてきたNo.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟組)が続き、3番手にはNo. 4 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也組)が浮上する。だが、60周目のアドバンコーナーで61号車が4号車を逆転! 表彰台の一角をもぎ取って、翌周にチェッカー!レースは60号車がシーズン2勝目を上げて戦いを終え、65号車が2位で今季初表彰台に立った。また、3位に上がった61号車がシリーズタイトルを獲得した。一方、61号車のシリーズチャンピオンに続き、ランキング2位に入ったのは56号車。そして富士2連勝を果たした60号車が3位へ。第7戦終了時のランキング8位から大きく躍進を遂げることとなった。
 

第8戦富士スピードウェイ 決勝結果 各クラストップ3

GT500
1.No.36 au TOM’S GR Supra(関口雄飛/坪井 翔組)1:48’02.596 66Laps
2.No.37 KeePer TOM’S GR Supra(平川 亮/サッシャ・フェネストラズ組)+4.689
3.No.14 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太組)+7.203
 

GT300
1.No.60 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT(吉本大樹/河野駿佑組)1:48’17.889 61Laps
2.No.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟組)+14.705
3.No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組)+18.585
 
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