純正スタイルを次のレベルへ

Rodrez –
 

Nissanブランド人気ナンバーワンの2000 Nissan Skyline R34を所有できるラッキーな人であれば、いろいろな選択肢がある。20年以上の年月が過ぎ、外観からパワーまで無限に近いチューニングパーツが発売されている。さらに、Nissanのモータースポーツ部門NISMOも、自社のドレスアップとエンジンパーツを販売している。そのパーツはOEMレベルの品質をもっており、第三者メーカーが再現できないクォリティーを実現している。
もちろん、高品質な部品にはそれなりの価格がつく。しかし値段だけの価値はある。
 

Planning the Ultimate Skyline Build

Phunnapat Phunsubは、長年R34を所有する夢を持っており、究極のスカイライン作りに予算は関係ないと思っていた。去年の１月に車を購入し、しばらくノーマルのまま楽しんだが、オリジナルコンセプトとデザインから離れ過ぎずに、もう少し特別な仕様を求め始めた。Nissan Omori FactoryのClubman Race Specバージョンを参考にしながら、プロジェクトを始めることにした。
 

タイのバンクルアイにあるスカイラインスペシャリストSky Gallery Garageに車を運び、Clubmanプロジェクトを開始。外観にはフロント周りのコンプリートエアロ、アンダーボディーパーツ、LED テールランプなど含む、NISMOカーボンファイバーパーツが使われた。カスタムルックスを持ちながら、同時にさりげなく、OEMコンセプトに基づいている。GT-Rの力強い肩とリヤクォーターは、一般の目には引っかからないが、詳しい人が見れば一発でわかる。
 

ハードチューンGT-R でよく見るTE37やWork Meisterはどこにも見当たらない。Phunsubはノーマルプラスαのルックスを求め、ホイールはNismo LMGT4、タイヤはグリップ性の高いToyo R888を選んだ。ブレーキは、ここ数年トレンドとしてよく見るR35 Brembo にアップグレードされた。フルレストアプロジェクトで、ノーマルの車高もあれば、低すぎる車も見てきたが、今回のOhlins DFVは丁度良い高さにセットされ、ハイパワー仕様に対応できるようになっている。
 

Increased Power with an OEM+ Style

エアダクト付き、Nismo R-Tuneの超軽量カーボンファイバーボンネットを上げれば、完璧に仕上げられたエンジンルームが姿を現す。ライトチューンでもパフォーマンス性の高いRB26エンジンは、世界的にも有名であり、HKS Step 0 キットを使い、2.8リッターまで排気量を上げ、カスタムクランクシャフト、ロッド、ピストンでGT III-RS タービンを回している。強化バルブトレイン、R35インジェクターとLink G4+ ECU で容量アップされたエンジンは、余裕のある528hp と トルク576 lbs.-ftを発生している。カーボンファイバーインテークは、HKS GT-Rエンブレム付き、リンクルフィニッシュ加工バルブ・タイミングカバーと繋がり、アフターとOEMの雰囲気をうまく調和している。見た目のバランスも良く、Nissan Omori Factory の RBエンジンパッケージに良く似ている。
 

オリジナル内装は特に問題なかったが、Phunsubは新品同様のキャビンが欲しかったため、全てのパネルは2001ブラックバージョンにアップグレードされた。タイのチューニングカーは、追加メーターを数多く使うケースが多いが、このインテリアはドライバー中心に、NismoコンビネーションメーターとPlex ミクロディスプレイで対応している。メータークラスターとPlexメーターの画面シールもまだ剥がされておらず、内装の新しさを物語っている。
 

タイで作成されたこのClubman Spec Race R34は高い完成度で仕上げられ、様々な部分で細かい拘りが見える。コスト以上に、オリジナルNismoパーツに拘り、このようなR34 Skyline GT-Rはタイで一台しかないとPhunsubは確信している。温度管理されたガレージに保管されていると思われがちだが、それは大間違い。オーナーは普段からバンコクの道をよく走り、ようやく完成した究極のドリームカーを楽しんでいる。
 

Tuning Menu

オーナー:Phunnapat Phunsub
出身地:Bangkok, Thailand
Instagram: @GTR_34NK
 

記事提供元：SUPER STREET ONLINE