Nos, 2JZ, 1100HP: Long Live The King
Chapters
1.Dream. Work. Build.
2.A New Year, A New Supra
3.The Complete Package
CHAPTER 1.Dream. Work. Build.
「偉大なことを達成するのには行動は当たり前。夢を見て、計画するだけではなく、その夢を信じなければならない。」- アノトレフランス
幼い頃の自分に約束した夢はほとんど叶わないということはとても残念な事実だ。優先順位の問題や厳しい現実、集中力の足りなさ、運の悪さかもしれない。どんな大人でも叶わなかった夢はいくつか持っているはず。
我々みたいな車好きはレアで高すぎて買えない車もそのリストに入っているはずだ。さらに、レーサーになる、チューニングショップを開く、Gatebil、 Goodwood Festival of Speed、Le Mansなど有名レースイベントを見に行くこともすべて叶わない夢。
僕の場合、30才なる前にDodge Viper GTS SRIIを買うと決めていた。結局それは実現しなかったけど気にしていない。とりあえずそう自分に言い聞かせているかもしれないが皆も同じだと思う。
どうせ8.0リッターV10を美しいボディーに入れてもたいした車にはならないと思うし…いや、待てよ…
しかし、周りが諦める中、数少ない人は最後まで踏ん張って夢を諦めていない。
ゲームを通じて欲しくなったハイパワースープラの夢は、完成まで10年以上かかり、様々な苦労はあったが、待った甲斐があった。
CHAPTER 2.A New Year, A New Supra
今回の1999スープラをガレージに入れる前、Andrewは既にスープラを3台持っており、全て仕事や投資のために売却してきた。従って最強のスープラを作り上げる経験は豊富であった。
仲間のプレッシャーが良くないケースも多いが、世界最速スカイラインやGT-Rを作っていれば彼たちの影響はいいとも言えるだろう。次のレベルへ車を持っていくには最高の言い訳…いや、インスピレーションだと思う。
ポテンシャルの高い3リッタートヨタ2JZ-GTEから出来るだけの馬力を引き出すことが最優先だった。
「7秒台に入れるのが最終目的だが、心配しなくても週末ビーチへの長旅ドライブができる様にしたかった。」とAndrewは語る。
簡単に言えば最強のストリートカーが欲しかった。
小排気量JDMエンジンから安定したハイパワーを作るのは危険で怖いことだ。しかし今回のプロジェクトは新年会で友人との会話で生まれたものだった。羨ましいばかりだ。
その友人の名前はMotor Sports MechanicalのMick Mansour。オーストラリアハイパワー戦争の中では比較的新人だ。
今まで彼が作ってきたスカイラインやKNG2JZは、Tuners Edge Drag Battle/ GT-R Challengeでとんでもない実績を残してきた。この実績が続けば彼のショップもトップレベルで戦えるという証明となる。
20年前のエンジンは完全にオーバーホールされ、シリンダーブロックはCNCポート加工、容量アップされた。Camtech 272度カムシャフトが組み込まれ、1MMオーバーのバルブも使われた。
JE鍛造ピストンにNitto製鍛造コンロッドを組み合わせ、ACLレースベアリングと強度製の高い純正クランクをペアリング。ECUはオーストラリアチューニングでは当たり前になっているHaltech Elite 2500 ECU を使い、完全制御はもちろん、BoschのDrive-by-wireキットとも連動している。
大きいPrecision Turbo 7685 はHypertuneインレットマニホールドに取り付けられ、2000cc x 12 インジェクターを通じてE85を送り込んでいる。今から1100馬力の2JZを作りたい人たちはここに注目!
しかし、舞い上がるのはまだ早い。Andrewが使っている様なTH400ミッションとStrange9インチリヤデフがないと路面にパワーを伝えられない。そして、さらなるパワーが急に必要になったらNOSもたっぷり用意されている。
スペックとデータは紙ではよく見えるが実戦での実績がすべてだ。 CootamundraのGT-R Challenge/Drag Battleではほとんどの車が限界まで押され、数え切れないスピンも見た。しかし、このスープラは違った。
FINAL CHAPTER: The Complete Package
エンジンとミッションに注がれたこだわりは他のチューニングにも適用された。
ワイドボディーエアロや、派手な外見は検討されなかった。その代わり、さりげない部品をいくつか足した。シンプルなフロントスポイラーとカーボンブレードリヤウィングをロイヤルレッド色のペイントに塗り、JZA80の美しいボディーラインを強調している。外見のさりげないテーマはWeld製ホイール(フロント17×4-インチ 、リヤ 15×10 インチ) にも伝わりタイヤはMickey Thompson をチョイス。
90年台のシャーシにはWeldのクラシック5本スポークデザインはよく似合うと思う。リヤガード下に潜む巨大な275/60 ETストリートラジアルはさり気ないノーマルボディーに対して派手にKNG2JZのポテンシャルを仄めかしている。
高級なアルカンターラーとオーディオはストリートの重要性を表している。ドライバーと助手席のレザーRecaro Pole Positionシートは乗り心地とパフォーマンスの最適なバランスを提供している。リヤシートは取り外されている。
一桁のゼロヨンタイムスリップを追いかけている車では安全が第一だ。内装はおしゃれに仕上げていても、やはり頑丈な6点ロールケージが一番大事だった。
どう思う?最強のスープラに仕上がったと思う?簡単な外観、妥協なしのパフォーマンスと居心地の良いインテリア。そして長旅のドライブも快適。TOM’S Castrol Supra、スモーキー永田のTop Secretスープラ、ハリウッド映画に出ていたかっこ悪いオレンジ色のスープラなど、ノスタルジックで有名なスープラは色々あるけど今回紹介するスープラ以上いい車は存在しないかもしれない。
Long live the King.
Matthew Everingham
記事提供元
http://www.speedhunters.com/2019/07/long-live-king-2jz/