2019 鈴鹿10時間耐久レース - イベント・レースレポート

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2019年8月26日 更新

鈴鹿10H、盤石のレース運びでNo.25 アウディスポーツ・チームWRTが勝利!

8月25日、三重・鈴鹿サーキットにおいて2019 第48回サマーエンデュランス「鈴鹿10時間耐久レース」の決勝が行われ、午前10時に始まった長い戦いを経て、予選2番手スタートのNo.25 アウディスポーツ・チームWRT/アウディR8 LMS GT3 Evo(K.バン・デル・リンデ/D.ファントール/F.ベルビシュ)が275周を走破し、優勝を果たしている。
 

金曜の練習走行時では雨に翻弄された鈴鹿サーキットだったが、予選、決勝と次第に天候が回復。決戦を前にしたサーキット上空にはすっきりとした青空が広がり、また、吹く風は爽やかで心なしか初秋を思わせるほどだった。一方で、決戦は耐久レースで豊富な経験を誇る”黒船軍団”が、躍進。ドライバーの戦績キャリアによって差が出ないよう、レギュレーションにより各チームのドライバー編成が定められているとはいえ、安定した速さや信頼性のあるクルマを武器に順調に周回を重ねていった。
 

鈴鹿10Hのレギュレーションにより、コース上での走行、つまりスティントは65分、そしてピットでの作業時間は最低83秒に定められている。戦略の幅が極めて狭く、だからこそトラブルフリーの周回が求められる難しい戦いの中、接触によるアクシデントが発生したのは、レース開始から2時間半前だった。27号車のフェラーリが周回遅れの98号車のNSX GT3をパスしようとして接触。バランスを崩した98号車が27号車に追突する形となった。痛手を負った27号車だが、自力でピットに帰還したが、このアクシデントを受け、コースはフルコースイエローとなり、さらにセーフティカーがコースインした。この際、ルーティンのピットインには早いタイミングであったが、上位でポジション争いするグループが続々とピットイン。その中でコースに留まったのがNo.912 アブソリュート・レーシング/ポルシェ911 GT3 R(D.オルセン/M.キャンベル/D.ベルナー)だった。実のところ、チーム的にはピットインのタイミングを逃したのだが、開始から6時間を迎える直前、レース終盤に2度目のFCYとセーフティカーランが導入されたときには、絶妙なタイミングでピットインを敢行。今度はこれが追い風となり、ポジションアップへとつなげた。
 

トップ争いでは、予選ポールポジションのNo.42 BMWチーム・シュニッツァー/BMW M6 GT3(A.ファーフス/N.イェロリー/M.トムチェク)と予選2位の25号車が接戦を見せていたが、1回目のFCYおよびセーフティカーが入る直前、2時間を過ぎる中で行ったルーティンワークの際に42号車がピット作業に時間を要し、25号車の先行を許してしまった。これを機に25号車がトップを奪取、以後、トップをキープする順調な走りを見せた。逆に42号車は開始5時間を前に行ったピット作業で規定の時間にわずか0.4秒足りず、ドライブスルーペナルティが発令されてポジションを下げた。
 

トップの25号車に続いてポジションを上げてきたのが、No.125アウディスポーツ・チーム・アブソリュート・レーシング/アウディR8 LMS GT3 Evo(M.ウィンケルホック/C.ハーゼ/C.ミース)。9時間を過ぎて行った最後のピット作業で予想外の時間を要し、まさかのポジションダウン。給油ミスが原因ということだが、表彰台獲得は手からこぼれ落ちてしまった。結果、代わってNo.999メルセデスAMG・チーム・グループMレーシング/メルセデスAMG(GT3M.エンゲル/R.マルチェッロ/M.バーク)が2番手に浮上。去年の鈴鹿10Hでは、888号車としてメルセデス AMG GT3で参戦したメルセデスAMG・チーム・グループMレーシングは、残り僅かな戦いの中で2位をもぎ取ることとなった。そして3位に続いたのは、912号車。安定したレース運びと戦略を味方にしている。なお、優勝の25号車はトップに君臨後は盤石の走りを維持。10時間後のチェッカーを受けたときには、2位に40秒367という大差をつけての優勝を達成。アウディRSモデルが誕生して25年に当たる節目の年を勝利で飾っている。
 

・鈴鹿10時間耐久レース 決勝結果(総合TOP6)
1.No.25 アウディスポーツ・チームWRT(アウディR8 LMS GT3 Evo)275L 10:01’51.048
2.No.999 メルセデスAMG・チーム・グループMレーシング(メルセデスAMG GT3)+40.367
3.No.912 アブソリュート・レーシング(ポルシェ911 GT3 R)+43.797
4.No.77 メルセデスAMG・チーム・クラフト・バンブー・レーシング(メルセデスAMG GT3)+47.038
5.No.42 BMWチーム・シュニッツァー(BMW M6 GT3)+48.666
6.No.35 KCMG(ニッサンGT-RニスモGT3)+56.921
 

・シルバークラス優勝
No.75 サンエナジー1・レーシング/メルセデスAMG GT3(K.ハブル/N.バスティアン/M.グルニエ)
 

・プロ-アマクラス優勝
No.43 チーム・ストラッカ・レーシング/メルセデスAMG GT3(C.ニールセン/A-H.ダ・シルバ/D.バウマン)

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2019年8月25日 更新

鈴鹿10H、42号車MWチーム・シュニッツァーがポール獲得!

8月24日、三重・鈴鹿サーキットにおいて第48回サマーエンデュランス「鈴鹿10時間耐久レース」の予選が行われた。各ドライバーによる予選タイムアタック後、上位20台によるポールポジション争いのアタックを経て、No.42 BMWチーム・シュニッツァー/BMW M6 GT3(A.ファーフス/N.イェロリー/M.トムチェク)がトップタイムをマーク。今年2度目となる「鈴鹿10H」でBMW勢初のポールポジションを手にすることとなった。
 

昨年、伝統の耐久レース「鈴鹿1000km」から新たに「鈴鹿10H」としてスタートした真夏の一戦。次なる耐久レースのイベントの目玉に用意された鈴鹿サーキットから近郊の商業施設の間での”パレードラン”も無事に実施され、初めて公道をレーシングカーが走ることになった。
 

前日の専有走行やフリープラクティスでは天候が優れず、とくに午後からの走行は時折激しい雨となったことで周回を重ねるクルマも決して多くなかったが、予選日にあたる土曜日は終日快晴に恵まれ、安定したコンディションでの走行が可能となった。
 

朝のフリー走行中は前日の雨の影響でコースのあちこちにウエットパッチが残る状態だったが、時間の経過とともにすっかりドライコンディションに。このまま行けば午後1時から始まる予選では厳しい暑さの中でのアタックになるかと思われたが、意外にも薄曇りの状況となり、想定より気温が下がる中でのアタック合戦が繰り広げられた。
 

鈴鹿10Hの予選では、各チーム3名のドライバーが各々15分間の予選タイムアタックを行う。さらにその3名の合算タイム順に上位20台が「ポールシュートアウト」というアタックに出走可能となる。今年の鈴鹿10Hには、元F1ワールドチャンピオンであるミカ・ハッキネンが、No.11 プラネックス・スマカメ・レーシングからマクラーレン720S GT3を駆って久保田克昭、石浦宏明両選手とともに参戦。シェイクダウンを済ませ、初レースとなる今大会でのポールシュートアウト出場を目指したが、3名の合算タイムは全36台中25番手どまり。惜しくもラストアタックに挑む勇姿は見られなかった。
 

Q1からQ3を通じて計108名のドライバーがアタックし、そのトップタイムをNo.25 アウディスポーツ・チームWRTのケルビン・ファン・デル・リンデ(アウディR8 LMS GT3 Evo)がマークしたが、ポールシュートアウトでトップを奪取したのは、42号車。アタックを担当したファーファスは、過去にSUPER GTで鈴鹿サーキットにスポット参戦した経験を活かし、トップタイムをマーク。チームにポールポジションをもたらした。2番手はQ2とQ3でトップにつけていた25号車となり、3番手にはNo.34 ワーケンホルスト・モータースポーツ/BMW M6 GT3(C.クログネス/N.キャツバーグ/M.ジェンセン)が続いている。
 

なお、今大会にはSUPER GTのGT300クラスに参戦する10チームがエントリー。うち4台がポールシュートアウトに出走し、その中でNo.00 メルセデスAMG・チーム・グッドスマイル/メルセデスAMG GT3(谷口信輝/片岡龍也/小林可夢偉)が最上位となる4番手につけている。
 

・鈴鹿10時間耐久レース 予選結果(総合TOP6)
1.No.42 BMWチーム・シュニッツァー(BMW M6 GT3) 2’00.455
2.No.25 アウディスポーツ・チームWRT(アウディR8 LMS GT3 Evo)2’00.531
3.No.34 ワーケンホルスト・モータースポーツ(BMW M6 GT3)2’00.729
4.No.777 カーガイ・レーシング(フェラーリ488 GT3)2’00.868
5.No.107 ベントレー・チーム・Mスポーツ(ベントレー・コンチネンタルGT3)2’01.002
6.No.00 メルセデスAMG・チーム・グッドスマイル(メルセデスAMG GT3)2’01.024

 
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2019年8月24日 更新

鈴鹿10時間耐久レース プレビュー

2年目の10時間にM・ハッキネンが登場!


 

8月23〜25日、三重・鈴鹿サーキットにおいて2019 第48回サマーエンデュランス「BH オークション SMBC 鈴鹿10時間耐久レース」(以下、10H)が開催される。プロ、アマ両ドライバーがしのぎを削り合う長距離レースは、今年もバラエティ豊かなクルマ、ドライバーが真夏の鈴鹿を疾走しそうだ。
 

■伝統の鈴鹿1000kmから生まれ変わった10H
もともと鈴鹿での伝統ある耐久レース、「鈴鹿1000km」に代わって新たに始まった「鈴鹿10H」。2017年まで46回に渡って開催されてきた伝統の一戦は、鈴鹿における真夏の風物詩でもあった。加えて、近年は2006年から2017年までSUPER GTのシリーズ戦に組み込まれ、シーズンで最長の、またナイトランを含むスペシャルな一戦として 位置づけられてきた。
 

その1000kmから「10H」へと形を変えた2018年。プロレースのシリーズの一戦ではなく、プロ&アマ両ドライバーたちが集結し、ともに戦うグローバルなレースにしようというコンセプトのもと、FIA-GT3(以下、GT3)による10時間レースとして生まれ変わった。結果、インターコンチネンタルGTチャレンジという、世界五大陸に広がるシリーズレースの一戦にも組み込まれたことから、ヨーロッパのメーカー直結のチームやメーカーの育成ドライバーたちが出場。加えて、用いる車両がグローバル化したことで、海外からの遠征組が日本における屈指のサーキットとして知られる鈴鹿を目指し、集結した。また、これを迎え撃つ日本勢は国内GT3勢はもちろんのこと、SUPER GTのGT300クラス、スーパー耐久のST-Xクラスなどがずらり顔を揃えた。GT300クラス車両の参戦は去年も見られたが、今年は、スーパー耐久のスペシャルステージの位置づけされたことから、挑戦するチームも増えている。
 

なお、10H参加にあたってのレギュレーションがあるため、SUPER GTの参戦車両そのままで参加することはできない。例えば、タイヤはピレリのワンメイクとなり、登録ドライバーも3名。ピットストップ回数や作業時間、1回のスティントの規定時間など、細かな10Hのオリジナルレギュレーションが用意され、その中でナンバーワン目指して競い合うことになる。
 

■参戦プロドライバーのぜいたくな顔ぶれに注目!
国内レースで活躍する、またトップドライバーとして名を馳せた国内外選手が多く参戦するのも、今年の10Hの特徴だろう。なんといっても一番の話題は元F1ワールドチャンピオンのミカ・ハッキネン。1998、1999年の2シーズン連続でタイトルホルダーとなったハッキネン。F1から引退後は、2005年から3シーズンにわたってドイツ・ツーリングカー選手権(DTM)に参戦。この参戦を最後にシリーズを通してのレース活動はしていない。今回はPlanex SmaCam Racingから参戦するのだが、チームメイトでありチームオーナーである久保田克昭は現在、全日本F3に参戦中のジェントルマンドライバー。一方で往年のF1マシンやグループCカーを多数所有しつつ、ヒストリックF1レースなどにも出場。そのつながりでハッキネンとも交流があるようだ。もうひとりのチームドライバーに登録されているのは、GT500ドライバーであり、スーパーフォーミュラではチャンピオン経験を持つ石浦宏明。久保田とも旧知の仲であることから、今回のスペシャル・トリオが誕生した。なお、チャンピオン、というキーワードでいうと、GT300、GT500クラスでタイトルを獲得したドライバーも名を連ねている。カテゴリーも参戦車両も異なる10Hで、彼らがどのようなパフォーマンスを披露するか、それを見届けるのも楽しみのひとつではないだろうか。
 

■10Hならではの見どころはまだ他にも!
グローバルにレース活動をする海外チームと国内レースで活躍するチームによる攻防戦は、やはり気になるところ。昨年、初年度の10Hでは表彰台を海外勢が独占。地の利があるはずの日本勢は10時間の長丁場で存分に力を発揮することができなかった。海外勢は毎戦異なる世界中のサーキットで実戦を重ねてきた経験値をもって、鈴鹿でもその実力を遺憾なく発揮したと思われる。それだけに、2年目の今年は、日本勢の躍進に期待が集まる。
 

この他、予選でのタイムアタックのフォーマットも10Hオリジナル。SUPER GTでおなじみのノックアウト予選ではあるものの、その内容は大きく異なる。一人ずつのアタックではなく、Q1では3選手が全員走行、その3選手のベストタイムを合算し、Q2進出を決定する。チームとしての総合力が様々な場面で要求されるだけに、想像しにくい展開もあり、予選、決勝を通じて最後の最後まで先行きの読みづらい戦いになりそうだ。
 

木曜日には鈴鹿市内の公道でパレードが実施され、レーシングカーが一般公道を走行。昨年は台風接近の影響を受け、あえなく断念されたイベントだったが、今年はサーキットとショッピングモールの往復およそ6.6km、一般車の走行を閉鎖してのパレードが実現した。
 

金曜日からはサーキットでのフリー走行が始まり、土曜日の予選を経て、決勝は日曜日の午前10時にスタートを迎える。
 

■主なスケジュール
・8月23日(金)
8:45 〜 9:45 特別スポーツ走行
10:00 〜 12:00 特別スポーツ走行
14:10 〜 16:10 フリー走行1
18:30 〜 20:00 フリー走行2
 

・8月24日(土)
9:15 〜 10:15 フリー走行3
11:40 〜 12:30 ピットウォーク
13:00 〜 13:15 予選1・Driver1 タイムアタック
13:30 〜 13:45 予選2・Driver2 タイムアタック
14:00 〜 14:15 予選3 ・Driver3 タイムアタック
17:30 〜 17:50 予選 (Pole Shootout)
18:40 〜 19:30 パルクフェルメウォーク・ナイトオープンピット
 

・8月25日(日)
6:45 メインゲートオープン
7:15 〜 7:45 ピットウォーク
8:05 〜 8:20 ウォームアップ
9:00 〜 10:00 【10H】スタート進行
10:00 〜 20:00 Suzuka 10 Hours Endurance Race








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