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CNET 2020 トヨタスープラレビュー




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スープラ。スポーツカーの復活で最近こんなに世を騒がせたのはニューNSX以来だ。Honda/Acuraの名門車と同じく、スープラファンの情熱は熱く、ほとんどの人はプレイステーションでしか乗ったことない。1月デトロイトモーターショーデビュー後のリアクションを見て、ワイルドスピードヒーローに対する想いの強さが伝わってくる。
 

去年MkVスープラのカモフラージュプロトタイプを乗る機会があり、恵まれていた。同時のイベントから発表までかなり時間があったがコメントの勢いは既にすごかった。しかし、みんなに言いたい。その様な炎上はもうやめにし、2020スープラはやっと到着し、素晴らしい車であり、ドイツボディにドイツ製のエンジンが載っていることも気にならない。あなた達も気にする必要はない。
 

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Provenance
まずはこのポイントさらに向き合おう。ハード面からするとトヨタスープラはぼぼBMW Z4だ。同じエンジン、シャーシ、サスペンションなどのパーツをZ4と共有している。さらに、Z4と並んで同じオーストリアマグナシュタイア工場で生産されている。2020スープラには、BMWのパーツが豊富に使われている。従ってDNAは一緒だが、それ以外は全く違う。
 

車の性格は、ハードパーツからはもちろん、チューニングからも生まれるのでドイツのバージョンに比べて個性が出る様にかなり工夫をしている。数年の開発期間に渡りトヨタとBMW は、必要以上のコミュニケーションを取らなかったと言う。開発テストドライバーもまだZ4に乗っていない。
 

ドイツのボディに日本の魂を植え付けることが目的だったが、バックするときにBMW系のシフトノブを握ると信じがたい。シフターの右には特徴的なiDrive系のダイヤルがあり、BMWで最近使われている人工的なエンジンサウンドが室内に聞こえてくる。これを全て見逃すことは難しいと思うが、私を信じてもらいたい。見逃す価値はある。
 
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The foundation
車好きに「スープラ」と言えば自動的に一つのモデルが思い浮かぶ:Mk IVスープラだ。1993から2002まで生産されたが、1998年にアメリカ市場から消え、最高のチューニングカーとしてステータスはさらに上がった。ノーマルでもイタリアンスポーツカーより早く、さらなるパフォーマンスのためにMkIVはチューニングされ、さらに乗りづらくなって行った。
 

その歪んだチューニング観点からスープラを覚えているファンが多いと思うが、MkVスープラはノーマルのバージョンと比較しなければならない。今回はドイツの影響を大きく受けているが、違いよりも似ているところが多い。
 

まずエンジンは、昔と同様3リッターターボ直6。前の車は321HPでニューモデルは335HP。20年のギャップを考えると、さほど大きな違いではないが、トルクは315 lbs ftから365 lbs ftまで大きく向上している。燃費もさらに良くなり、高速では昔の1ガロン22mpgに比べ31mpgまで上がっている。
 
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(燃費のためにスープラを誰も買わないことは知っているが、アメリカ市場を撤退する理由が排ガス規制だったことを考えると、ニューモデルの燃費が上がったということはとてもいい。)
 

見にくいプラスチックや配線の塊だが、よく見るとエンジンはかなりフロントノーズの後ろ側にマウントされている。トヨタは完璧な50:50重量バランスに成功している。エアバッグx8や最新装備を付けてもMkV車重3397lbsはMkIVスープラターボオートマより100lbs軽いからすごい。
 

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タワーバーとサブウーファーがあればリヤシートはいらない?
ニュースープラは、ハンドリング向上のためMkIVより5インチ短く、2インチワイドだ。スープラは見た目よりも小さく、トヨタ86の大きさに近い。このサイズを現実するためにリヤシートが犠牲になった。その代わりに小さな棚とむき出しのタワーバーが付いてくる。
 

365lbs ftのトルクは8速ATミッションを通じてリヤに伝わる。MTミッションがないことは多くのファンから批判されるが、ZF製ミッションは、他の車では見事なパフォーマンスを出しており、この仕様でも高い性能を発揮している。

エレクトロニッククラッチタイプリヤデフがそのパワーをスプリットしている。基準装備のリヤデフは1秒以内にフルオープンからフルロック状態までいける。アダプティブサスペンションと19インチホイール+Michelin Pilot Super Sportタイヤも基準装備である。フロントは9インチでリヤは10インチ。

結果として車は、0-60 mphまで4.1秒で走り、155mphまで勢いよく加速し、リミッターにより制限されてしまう。
 

そう、それで自分の速度がわかった。
 

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On the road
量産用スープラでリミッターを試してみたかったが、試乗会はバージニア州で行われ、スピード違反に関しては特に厳しい。そのため、クルーズコントロールをロードコースで試すことにした。
 

つまらないかもしれないが、大事な機能だ。スープラはスポーツカーだが毎日乗れる車として開発された。実用的でありながら乗り心地も良くないと行けない。バージニア州のワインディングを走ったが期待は裏切られなかった。扁平率の低い19インチタイヤのロードノイズと乗り心地を心配していたが、それ程でもない事に驚いた。
 

シートは柔らかく、ノーマルモードのサスペンションは乗りやすい。マフラーもノーマルセッティングだと静かでトランスミッションもスムーズだ。リラックスできるドライブとは言えないが、アダプティブクルーズコントロールとアクティブレーンキープアシストシステムを付けていればスープラでかなりの距離を文句なしに走れると思う。
 

大量の撮影用の機材と荷物も全てトランクに収まり、感心した。パッキングが苦手でも大事な人と旅行するには最高の車かもしれない。ローンチイベントはスープラのサーキット性能に集中していたのでウェストバージニア州にあるSummit Pointで行われた。
 

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On the track
トヨタは、サミットポイントにある数々のコースからShenendoahを選択し、勇気のある選択肢だったと思う。Shenendoahは非常にテクニカルなコースであり2.2マイルのコースにコーナー22個もある。さらに狭く、路面も悪く、視覚の悪いコーナーも多い。
 

我々が走ったレイアウトでは長いストレート区間が抜けており、パワーが若干足りない、ハンドリング抜群の86では最高だった。しかしスープラの場合、プロトタイプを試乗したJarama の様なもっと広いサーキットの方が良いと思った。広いサーキットの方がスープラも羽を伸ばすことができ、足回りの良さももっとアピール出来たかと感じた。Shenendoahではスープラの重さとロールが目立ち、細かいコーナーでは86より動きが鈍かった。
 

だからと言ってスープラのパフォーマンスが悪かった訳ではない。Pilot Super Sports は路面の悪いアスファルトでも十分グリップを発生しており、どんな状況でも安定していた。スープラはコース上で安定した走りを見せ、ドライバーと車が試されるコースでも信用出来るパートナーだった。

記事提供元:CNET
https://www.cnet.com/roadshow/reviews/2020-toyota-supra-review-first-drive-preview/

 
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LSDもパワーをスムーズに路面まで伝え、ブレーキ時にはアグレッシブな動きを見せ、バックストレートのハードブレーキゾーンでもリヤはタイトなフィーリングを感じさせてくれた。プロトタイプを乗り、ブレーキングが一番心配だったが、サミットポイントのストレートではスープラの13.7インチフロントブレンボと4ピストンキャリパーは十分だった。弊社Steven EwingはEstorilで2019 Z4に乗り、メモを読む限りブレーキフェードを感じたと言っていたので今後ブレーキ類がスープラのアキレス腱になる可能性もある。
 

そして、8速ミッションはどうだっただろう?普通に走ればミッションは正しいギヤを選んでくれる。テレパシー並みに正確な判断を見せるポルシェの最新PDK程ではない。トヨタのシステムは低速の長いコーナーで何回か迷ったが、ほとんどの場合は問題なかった。だが、自分でパドルシフターを使ってシフトをしたらミッションレスポンスは遅かった。パドルシフターの存在はもう忘れることにした。
 

また、無視できなかった事が一つだけあった。それはヘルメットを被ってスープラから乗り降りすることだった。何回もドアフレームにヘルメットをぶつけ、今でも思い出すと頭が痛くなってくる。ロールケージ付きでもスープラより乗り降りが楽な車はたくさんある。何とか乗り込めば室内スーペースは十分あり、2000GTのダブルバブルルーフデザイン以外に実用的だ。背の高い人でもヘルメットを被って運転できるが柔らかい体じゃなければ車から降りられない。
 

トヨタはみんなにスープラのサーキットパフォーマンスを体験してもらいたい。だからスープラを購入した全てのオーナーにNASA (宇宙NASAではなく)の会員メンバーシップと1日サーキット走行日を無料で提供している。是非試してもらいたい!
 
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Look and feel
スープラのデザインが一番主観的なトピックなので最後にした。個人的な意見はこのあと伝えるが、2020スープラは実際見ると写真より全然違う。長いボンネットとシャープなデザインが実際より大きく見せる。実物は小さく、ここで見るより大人しい。画像だけ見て判断する前に、実際見てから決めてもらいたい。
 

私は実際車とかなり時間を過ごしたが、やはり全て好きになれない。全体的な形は気に入っている。スープラはとても機能的なスタンスを持っており、トヨタのデザイナーは必要のないものを全て切り落とした感じが伝わってくる。
 

トヨタはこのプロセスを「ファンクションスカルプティング」と呼んでいる。だからこそデザインに機能性がないのが残念でしょうがない。フロント、リヤバンパー、ドアとフェンダーに偽物のダクトがいっぱいある。FT-1のデザインを現実させるための傷跡だ。本当はレッドが好きなカラーだが、ダクトを隠すためにもっとダークなカラーを選ぶだろう。残念だ。
 

中に乗り込めば気に入らないものは少ないが、BMWとの繋がりがはっきり見えてくる。ドアチャイム、シフターとiDriveノブ。少し違和感を感じる。BMWは、とても良い内装を作るがトヨタという感じではない。ステアリングホイールはBMWより細く、メータークラスターもよりスポーティーだ。シートはコンフォートとサポートをうまくバランスしている。
 

2020スープラのベース価格は$49,990 ($930送料)。それで正式名スープラ3.0が手に入る。その次のグレードがスープラ3.0プレミアム $53,990。ベースモデルシートのアルカンターラを本革に変え、6.4インチから大型8.8インチタッチスクリーンにアップ。そして赤いキャリパーが挟むさらに大きいリヤローターがついてくる。(プレミアム13.6インチvsベースモデルは13.0インチ)
 

最後に限定Launch Editionが$55,250で購入できる。3.0プレミアム装備はもちろん、サイドミラーに赤いキャップがつき、ブラックとホワイトの車には赤い内装がつく。Launch Editionのレッドは3個目のカラーになるが、通常のグレードには色々なカラーが追加される予定だ。
 

全グレードには Supra Safetyシステムがついてくる。アクティブシステムクラッシュ警告、緊急自動ブレーキ、レーンデパーチャーなど含まれる。ドライバーコンビニエンスパッケージにアップグレードするとアダプティブクルーズとフルレーンアシストがついてくる。
 

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Apple Carplayが欲しければプレミアムモデルか 500-watt JBLサウンド+HUDアップグレードインフォテーンメントシステムを選ぶ必要がある。Android Autoは残念ながらまだ導入されていない。トヨタの担当者はCarPlay の月間費用を請求するかどうかコメントしなかったが、やるとしたらBMWから引き継ぐ最悪のサービスであり、なんとかトヨタにこれをやめてもらいたい。
 

これを全て聞いてお金がかかると思ったら間違いではない。しかし、前のモデルよりは全然いい買い物だ。ベースモデルMkIVは1998に$40,000だったが現在の価格では$62,000以上。実際1996年に発売された時は$10,000も高く、$50,000もかかった。今でいうと$80,000もする。
 

今回のスープラは本当に好き嫌いが多い。その理由も分かるが、単にBMWとコラボしたから悪いというのは、大事なことを無視している。BMWとコラボしていなければスープラは存在しなかった。
 

そしてこの車は素晴らしい車だということも無視している。スタイリングは確かにもっとよくできる。シボレーから学び、マイナーチェンジでデザインを変更するかもしれない。そして、時に車はソフトに感じ、洗練されすぎに感じるかもしれないが、スープラは歴史上ストリート用に開発されてきた。今回のモデルもちゃんとそのテーマに基づいているし、前のモデルよりパワー、ステータスと進化を提供してくれている。とにかく買う価値はある。
 

もっとワイルドな車が欲しい人は心配しなくていい。世界中のチューナーは今、手を加えている。そして今回の仕様が成功すれば、今後は工場からもっとスポーティーなバージョンが発売されるだろう。日本と欧州で完売したということだからトヨタもいいスタートを切ったと思う。
 

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