スーパーフォーミュラ2019 Round.7 - イベント・レースレポート

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スーパーフォーミュラ2019 Round.7

2019年10月29日

SF第7戦岡山、野尻智紀が今季初勝利! 王座はキャシディの手に!


10月27日、三重・鈴鹿サーキットにおいて全日本スーパーフォーミュラ第7戦の決勝が行われ、予選2位スタートのNo.16 野尻智紀(TEAM MUGEN)が手堅いレース運びを見せて戦いを牽引。ミスのない力強い走りで待望の今季初勝利を手にした。また、シリーズタイトルを巡る戦いは、予選6番手からスタートを切ったNo.37 ニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM’S)が2位でフィニッシュ。参戦3年目でシリーズチャンピオンに輝いた。
 

金曜日は本降りの雨で、思うように練習走行ができなかったスーパーフォーミュラ最終戦。決戦の場所となる鈴鹿サーキットは開幕戦以来の2度目の舞台とあり、マシン開発やタイヤへの理解度が高まる各チーム、ドライバーともシーズンの集大成を見せるべく、予選から熱戦が繰り広げられた。そして迎えた決勝日。朝のフリー走行中はやや薄曇りの天候だったが、次第に日差しが出始め、気温23度、路面温度26度とコンディションか好転することになった。
 

午後2時、43周の戦いがスタート。まずポールのNo.64 アレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING)が好スタートを見せ、これに野尻、さらに予選5位から山本がロケットスタートを決めて3番手へと浮上した。この中でミディアムタイヤを装着していたのは、トップのパロウと山本。一方、野尻はソフトタイヤを選択しており、早めのタイミングでパロウを逆転すべくタイミングを狙うが、そのチャンスが訪れないまま周回を重ねることになった。なお、パロウ、山本とともに王座獲得の可能性を持つキャシディ。ソフトタイヤでスタートし、3周目には3番手の山本を逆転する躍進を見せた。
 

前回の岡山大会に続き、今回の鈴鹿戦もレース中の使用タイヤについて特別規則が適用され、トップが7周を過ぎた時点からピットインしてタイヤ交換を行うことができるため、ポジション争い中の上位3台はステイアウト。7周を終えて真っ先にピットインしたのは、ミディアムタイヤを装着し、4番手にいた山本だった。一方、上位のミディアム装着車にあたるパロウとNo. 5 福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が8周終わりでピットインしたことで、ついに野尻がトップに立ち、キャシディがおよそ3秒の差で野尻に追随する。なお、ミディアムからソフトへと交換し、パロウを追う上位の中では、福住が申し分のない走りとピット作業を決めたことで、チームメイトでもある山本へのアンダーカットに成功。スタート直後の逆転にリベンジを果たした。
 

レースは折り返しを前にして、早くもソフトタイヤのパロウが苦戦。タイムが思うように伸びず、17周目の130Rで福住に逆転を許すと、さらにはあろうことか山本にまで先行されてしまう。これを気に、パロウは次々と後続に追い抜かれ、ポジションダウン。存分なペースを確保できないため、たまらず28周終わりでイレギュラーのピットイン。再度ソフトタイヤに交換し、コースに復帰した。これにより、実質、パロウによる逆転チャンピオンの可能性は消滅。残るはキャシディと山本による一騎打ちとなった。
 

レースは終盤を迎え、野尻が依然としてトップをキープ、あとはどのタイミングでルーテインのピットインを行うかがカギとなる。2番手のキャシディはミディアムでのペースが良く、野尻に対してプレッシャーをかけながらの走行。気になる山本との差はあったが、キャシディの背後に迫ってくるのが山本のチームメイトでもある福住であったことから、この2台が終盤にかけて激しい攻防戦を繰り広げた。これを尻目にトップの野尻は33周終了時にピットイン。ミディアムタイヤで残り10周へと向かっていく。さらに、翌周はキャシディがピットイン。両者共、落ち着いたノーミスのピット作業を済ませてチェッカーを目指した。
 

40周を過ぎ、トップ野尻と2番手キャシディとの差は3秒5弱。3番手福住は2秒前後でキャシディを猛追するも、逆転はならず。一方、5番手の山本も目前のNo.19 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)を追ったが、上位陣に比べあと一歩スピードが足りず、逆転劇に持ち込むには至らなかった。結果、キャシディが2位、山本が5位でチェッカーを受けたことから、最終的に3ポイント差でキャシディが山本を逆転し、2019年シーズンのシリーズチャンピオンに輝いた。シリーズ2位の山本に次いで同3位となったパロウは、19位と残念な結果でレースを終えたが、ルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得している。なお、最終戦で優勝を飾った野尻は、シリーズ2勝目を達成。2014年SUGO戦以来となる5年ぶりの美酒に寄うこととなった。
 

全戦で異なるウィナーを生み出した2019年のスーパーフォーミュラ。レース中の展開、戦略次第で結果が大きく左右する戦いも珍しくなかった。その中で、最後は正攻法によるレースが繰り広げられ、真っ向から勝負に挑んだキャシディがシリーズタイトルを手にしている。
 

■第7戦 鈴鹿サーキット 決勝結果(TOP6)
1.No.16 野尻智紀(TEAM MUGEN)1:14’24.627 43Laps
2.No.37 ニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM’S)+2.532
3.No. 5 福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)+3.883
4.No.19 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)+6.254
5.No. 1 山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)+18.744
6.No.38 石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING)+22.129
 

■2019年 シリーズランキング(TOP6)
1.No.37 ニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM’S)36P
2.No. 1 山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)33P
3.No.64 アレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING)26P
4.No.16 野尻智紀(TEAM MUGEN)24P
5.No. 3 山下健太(KONDO RACING)21P
6.No.18 小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG)19P
 

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2019年10月27日

スーパーフォーミュラ第7戦、A.パロウが今季3度目のポール獲得!


秋晴れの天気となった鈴鹿サーキット。10月26日に開催された全日本スーパーフォーミュラ選手権第7戦の予選は、ルーキードライバーのアレックス・パロウが今シーズン3度目となるポールポジションを獲得。逆転チャンピオンに向けて、幸先の良いスタートを切る結果となった。
 

前日の専有走行では本降りの雨が続き、存分な走行ができなかったため、朝のフリー走行が当初の1時間から1時間20分へと延長。セッション中、赤旗が2度に渡って提示され、中断することもあったが、最終的に各車が決戦に向けての最終調整を進めた。その中で注目が集まったのはやはりタイトル争いでしのぎを削るドライバーたちの動向。このセッションでは、第6戦を終えた時点でランキングトップに立つNo. 1 山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がトップタイムをマーク。ライバルを牽制した。さらにNo.50 ルーカス・アウアー(B-Max Racing team with motopark)、No.16 野尻智紀(TEAM MUGEN)が続き、ホンダ勢が速さをアピールする結果となった。
 

最終戦の鈴鹿も前大会の岡山戦同様、ノックアウト予選Q1において、2組のクラス分けを実施。ランキング順にA、Bに分けられ、各グループに10台が出走し、上位6台ずつがQ2へと駒を進めた。その中で、No.64 アレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING)
は、まずQ1のA組でトップタムをマーク。続くQ2では5番手に留まったが、Q3では計測1周目のアタックに挑んでファステストラップを叩き出し、ポールポジション獲得に成功する。パロウはルーキードライバーながら、全7戦で繰り広げられるシリーズ戦において3度目のポールポジションを手にする活躍となった。
 

一方、ランキング争いでトップの山本はQ3で思うほどタイムを伸ばすことができず、5番手どまり。また、Q3に進出した上位8台のうち、唯一のトヨタエンジンユーザーとなったNo.37 ニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM’S)は6番手ながら、自身としては納得のいく渾身のアタックだったと満足気。ランキング3位のパロウがポールポジションを獲得したとはいえ、チャンピオン争いをする山本とキャシディが両隣でスタートを切ることは、決戦の見どころとして大きなポイントになったには違いない。
 

なお、ポールのパロウに続いたのは、野尻。自身2度目の2番手から優勝を狙う。また、3番手にはアウアーが続き、安定感ある速さを見せる結果となった。
 

■第7戦 鈴鹿サーキット 予選結果(TOP6)
1.No.64 アレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING)1’35.972
2.No.16 野尻智紀(TEAM MUGEN)1’36.084
3.No.50 ルーカス・アウアー(B-Max Racing team with motopark)1’36.236
4.No. 5 福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)1’36.314
5.No. 1 山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)1’36.348
6.No.37 ニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM’S)1’36.496
 

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2019年10月22日

SUPER FORMULA第7戦鈴鹿サーキット プレビュー


僅差のタイトル争い、誰が王者に!?

前回の岡山大会からほぼ1ヶ月。ついに今シーズンの全日本スーパーフォーミュラ選手権が大団円を迎える。4月に開幕してからここまで、すべてのレースで覇者が異なるという前代未聞の展開となっており、結果として混沌とした中でチャンピオン争いを迎える最終戦は、ドライバーの意地と意地とがぶつかり合う、白熱の戦いになること間違いなし。最終戦を制するのは、そして新型シャシーSF19の初代チャンピオンに輝くのは、一体どのドライバーになるのだろうか。
 

■上位5選手がタイトル可能性を持つ
岡山大会では、予選2位スタートのNo. 3 山下健太(KONDO RACING)が念願の自身初優勝を達成。結果、開幕戦からまたしても新たな勝者が誕生することになった。一方、気になるシリーズタイトル争いだが、最終戦を前にチャンピオン獲得の権利を持つドライバーは5名。うち、自力でチャンピオンを獲得できるチャンスがあるのは3名になる。ランキングトップはディフェンディングチャンピオンでもあるNo. 1 山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。29ポイントを保有する。それを1ポイント差で迫るのがNo.37 ニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM’S)。去年もこのふたりによる歯列なチャンピオン争いが展開されたのだが、2シーズン連続でこのふたりがタイトルを巡って火花を散らすことになった。そして3番手につけるのがルーキーのNo.64 アレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING)。山本との差は4ポイントだ。通常、スーパーフォーミュラでは、予選でポールポジションを獲得すると1ポイント、そして優勝すれば10ポイントが獲得できる。さらに、最終戦ならではの特典として、覇者にはボーナスポイントとして3ポイントが与えられる。つまり、鈴鹿で完勝を果たしたドライバーは、14ポイントを手にできることになる。ランキング2、3位から逆転タイトルを奪取するには、シンプルに優勝を目指せばいいだけのこと。たとえトップの山本が背後でチェッカーを受けても問題はないことになる。一方、前回の優勝によって一気にランキング4位へとジャンプアップを果たした山下、さらに5位のNo.18 小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG)は完勝での14ポイント計上はもちろんのこと、自身より上位のドライバーの表彰台獲得を阻止することが条件となる。展開を考えると決して容易なことではないが、タイトル獲得を目指し、各選手はシーズン最後の一戦にふさわしい渾身の力を振り絞ってくることだろう。
 

■予選でのタイムアタックバトルにも注目
テクニカルコースの鈴鹿での戦いは今シーズン2度目。熟成の進むSF19とノックアウト予選Q2、Q3で装着が可能となるソフトタイヤとの好相性を引き出せるかがカギとなるのは言うまでもない。だが、そのツールを最大限利用できるかどうかは、ドライバーの腕次第でもある。一方、ミディアムタイヤでアタックするQ1に関して、最終戦の特別ルールが設けられた。それがSUGO、岡山でも導入されたクラス分けだ。ただ、今回は抽選ではなくランキング順にA組とB組に区分される。クラス分けを行う場合、10分と通常のQ1よりもセッションの時間が短くなるため、ミディアムタイヤをいかにうまくタイヤを温め、クリアラップを確保できるかがカギとなる。前回の岡山では、Q1でまさかの予選落ちをする実力派ドライバーもいたことから、鈴鹿でも思わぬ波乱が見られる可能性があるかもしれない。いずれにせよ、最終戦は決勝だけでなく予選から見逃せないポイントが盛りだくさんということには違いない。
 

決勝は使用タイヤに関しても岡山同様特別規則が導入されている。各チームとドライバーは最善のセッティングを準備するだけでなく、ライバルを出し抜くような戦略によってポジションアップを狙うシーンも見られそうだ。シーズン最後の決戦にふさわしい集大成の戦いに期待したい。
 

■主なタイムスケジュール
・10月26日(土)
09:20 – 10:20 フリー走行
12:25 – 公式予選(ノックアウト方式)
12:25 – 12:35 Q1_A組(10台→6台)
12:45 – 12:55 Q1_B組(10台→6台)
13:05 – 13:12 Q2(12台→8台)
13:22 – 13:29 Q3
13:40 – 14:25 ピットウォーク
17:00 – 17:40 キッズピットウォーク
 

・10月27日(日)
08:10 – 08:45 フリー走行
09:00 – 09:20 ピットウォーク
12:15 – 12:50  ピットウォーク
14:00 – 決勝(43Laps)
決勝終了後 表彰式・シーズンエンドセレモニー





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